7日午後12時30分、東京・中野坂上の新日本プロレス事務所にて会見がおこなわれ、飯伏幸太のDDT、新日本プロレス2団体所属が発表された。会見には飯伏、DDT・高木三四郎社長、新日本・菅林直樹会長が出席。事の経緯は9月頃に菅林直樹会長から高木社長へ飯伏の新日本移籍のオファーがあったが、高木社長が飯伏に確認したところ「DDTに愛着を持っているので、それはできない」と一度は断ったという。しかし菅林会長から「何かしらそういう部分での方法はないか」とDDT、新日本プロレスの2団体所属での契約を提案され、高木社長は「例がない話だし、興味を持った」と了承。飯伏も快諾し2団体所属の合意に至った。
高木社長は「飯伏の可能性を広げる。プロレス界の発展のために業界全体で押し上げていくスターにしなければならない」と合意に至った理由を説明。契約に関してはDDTは3年間の複数年、新日本は1年間の単年契約となる。試合スケジュールに関してはDDTが全戦出場、新日本はビッグマッチを中心とした限定参戦となるとのこと。飯伏の窓口はDDTになる。会見での各自コメントは以下の通り。
高木 飯伏幸太がDDTプロレス、新日本プロレスの業界初2団体所属の選手として活動していくことになりました。まず今年の9月に菅林会長から「飯伏幸太を新日本プロレス所属の選手にさせてもらえないでしょうか」というお話がありました。本人の意思を確認したところ、飯伏は「DDTに愛着を持っているので、それはできません」ということだったので、一旦お断りさせていただきました。しかし話の中で「何かしらそういう部分での方法はないか」ということで、菅林会長から「新日本とDDTの2団体所属になるのはどうでしょうか」というご提案をいただきまして、2団体所属というのはまず例がない話であり、「これはおもしろい」と興味を持ちました。弊社としても飯伏幸太という選手の可能性をもっともっと広げてあげたいし、プロレス界の発展のために業界全体で押し上げていくスターにしなければならないというと思いまして、基本的に合意しました。詳細については10月7日より飯伏幸太は株式会社DDTプロレスリングとは3年間の複数年契約、株式会社新日本プロレスリングさんとは1年間の単年契約を結びます。興行についてはDDTがほぼ全戦、新日本さんはビッグマッチを中心とした限定参戦になります。試合以外に関する窓口はDDTになります。
菅林 公式には9月にお願いしましたが、それ以前にあくまでも非公式で、必ず第三者がいるところで「そろそろウチに来ませんか?」と会うたびに誘っていたんですが、正式に移籍を高木社長に打診しようと思いまして、結果的に2団体との契約になりました。ひじょうに期待しております。これからの飯伏選手の活躍で新日本のリングがどのように活性化されるか楽しみです。
飯伏 まずこの話を聞いた時、すごくビックリしました。僕はDDTが大好きなので離れることは考えなかったです。でも2団体所属の話を聞いて、自分は新日本プロレスも大好きだし、高木さんに「やってみたら?」と言われて受けることにしました。いつもプロレスを見たことない人たちに、もっともっとプロレスが広まればいいかな、少しでもプロレス界にプラスになればいいと思っています。頑張ります。あと菅林さんにお願いがあります。自分が出る試合に、中澤マイケルを毎回セコンドに付けて頂きたいのですが?
菅林 今、初めて聞いたので…却下。
飯伏 ダメですか?
菅林 ダメです。
これを受けて新日本10・14両国大会の第4試合が「飯伏幸太新日本プロレス所属第1戦」(真壁刀義&本間朋晃&飯伏幸太vsプリンス・デヴィット&カール・アンダーソン&バッドラック・ファレ)となることが決定。飯伏がDDT、新日本2つの契約書にサインを済ませ質疑応答へ。
――2団体同時所属ということは飯伏選手は両方にしか出ない?
高木 基本的にはそうだと思っていただいて構わないです。
――他団体からのオファーは両団体で相談して決める?
高木 基本的にはそうですね。
――飯伏選手が見られるのはDDTと新日本だけと言っても構わない?
高木 今の段階では、そうですね。
――所属になって何が変わる?
菅林 ビッグマッチでも出る時と出ない時があったと思います。ただ、これからは調整は必要なんですけど優先的に試合数が増えるのではないかと考えています。
――2団体所属という異例の形での契約にした理由は?
菅林 可能性ですね。試合を見る前もいい評価が耳に入っていたけど、新日本での活躍ぶりを見るとライオンマークのジャージーを着て上がるところが見たいなと思いました。一昔前なら引き抜きもあったかもしれませんが(苦笑)、DDTさんとは信頼関係があるので話し合いでそうなりました。
――新日本プロレスでどういう選手を視野に入れて闘いたいですか?
飯伏 闘ったことない選手はもちろんやりたいです。とりあえずは自分は今はジュニアに絞ってやっていきたい。また、(プリンス・)デヴィット選手とか、しばらくやっていないので闘ってみたいですね。
――IWGPジュニアのベルトも狙っていく?
飯伏 狙っていきたいですね。
――DDTが3年間契約になった意図は?
高木 本人の意思を尊重した上で複数年契約という形が、DDTファンにとって安心する材料じゃないかと思いました。これまでと同じように時には外れたような路上プロレスをやることはあるだろうし、新日本さんでは新たな闘いもあって幅が広がることでしょう。
――DDTではどのような闘いを見せたいですか?
飯伏 基本的には自分は変わらず、路上プロレスだったり、今まで通りやりたい。スタイルが変わるとかはないです。
――新日本では本隊、CHAOS、鈴木軍、BULLET CLUBがありますが?
飯伏 今の段階では予想がつかないというか、全力でやるだけなんで。
菅林 試合を組んで、やってもらってからでしょうね。いろんな選手の思惑があるでしょうし。
――中澤マイケル選手のセコンド帯同が断られたが。
飯伏 妥当ですね。
高木 これは今日出た話なので、菅林会長のほうと今後はちょっと詰めたい。そのためであれば中澤マイケルはいつでもウチは差し出す用意はあります。
菅林 どうですかねぇ。では変わりにキャプテン(・ニュージャパン)を、キャプテンDDTとして(笑)。
高木 おもしろいですね。キャプテンDDTはちょっとアリですね。イメージが浮かびました。では中澤マイケルのセコンド契約を結んで頂ければと思いますので。
――2団体所属として懸念されるのは新日本のビッグマッチとDDTでの飯伏選手のやりたい試合がバッティングした場合だが。
高木 我々の方でスケジュールがかぶらないように調整します。
――巡業は?
飯伏 大丈夫です。
――仮に中澤マイケル選手がいない場合は一人で回ることになるが。
高木 その時はウチが中澤マイケルのスケジュールを全部ぶっちぎってやりますんで(笑)。
――かつてはIWGPヘビーを狙いたいと言う発言もあったが?
飯伏 その気持ちは変わらずですけど、自分はジュニアなんでジュニアでやっていきたい。チャンスがあれば、余裕があればヘビーを狙っていきます。
――新日本プロレスの飯伏選手のグッズやイベントが増えていくことになりますか。
菅林 はい(笑)。商品展開も会議にあげていますので。