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【後楽園リポート】KO-D無差別級の絶対王者HARASHIMA、イサミを退けて堂々のV5/毎年恒例じゃんけん大会を制したのは高尾

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    • 26日、東京・後楽園ホールにて「DDT Special 2014」がおこなわれた(試合結果)。まずはダークマッチ2試合から。勝俣瞬馬(総選挙24位)vsMIKAMI(総選挙21位)は勝俣がドロップキックで追い込むも、MIKAMIがドロップキックでやり返し、あっさり攻守逆転。スワントーンボムを回避した勝俣は丸め込みでフォールを狙うも3カウントは奪えない。Xファクター狙いをかわしたMIKAMIはスク~ルボ~イで丸め込んで勝利した。



      第2ダークマッチは入江茂弘(総選挙23位)vs佐々木大輔(総選挙22位)のシングルマッチ。入江のショルダーアタックで吹っ飛ばされた佐々木だが、油断させておいての低空ドロップキックから蹴り連打でペースを握り返す。入江は向かってくる佐々木をショルダースルーで投げると、強烈な串刺しラリアット。続いて垂直落下式ブレーンバスターでホイップするもカウント2。佐々木はテディベアをかわすと入江をトップロープに引っ掛けてスライディングキック。さらにダイビング・ラリアットと畳み掛けるがカウント2。入江はブラックホールスラムで逆転。しかし、フライング・ソーセージを剣山で返されるとオクラホマロールからクロスフェースで捕まってしまう。入江がロープに逃げて残り3分。コーナーに登った佐々木がダイブするも入江はパワースラムで切り返してビーストボンバー一閃。カウント2で返されるとバックフリップを狙うも佐々木がウラカンラナで切り返す。場外に出た入江に佐々木がトペ・スイシーダ。佐々木は入江をリングに戻してキークラッシャー。カウント2で返した入江が交通事故タックル。佐々木がロープに跳ね飛ばされ、これで接触した松井レフェリーに勢いがついて、入江をショルダーアタックで吹っ飛ばしてしまって3者ダウン。起き上がった佐々木がミスティカ式クロスフェースを狙うも、堪えた入江がファイアーサンダーで突き刺したところでフルタイム。



      鶴見亜門GMの前説では以下の発表があった。

      ①今後のタイトルマッチに関してKO-D無差別級戦線は11・30後楽園、12・23後楽園、2015年2・15さいたまスーパーアリーナで12・23後楽園の勝者が飯伏幸太の挑戦を受けることになる。KO-Dタッグ戦線は11・2川口、11・30後楽園。11・2川口では王者組の竹下幸之介&遠藤哲哉に石井慧介&入江茂弘が挑戦する。KO-D6人タッグ戦線は11・9沼津。
      ②本日26時35分~27時35分、テレビ東京にて8・17両国の中継番組がオンエアされる。
      ③iphone用アプリとして「DDTニョキニョキ」「DDTカメラ」を11月から無料配信。「DDTニョキニョキ」はリングに卵を設置して育成するとDDTメンバーが孵化するという「意味不明な放置育成ゲーム」(亜門)。「DDTカメラ」は何を撮影してもDDTのメンバーが映り込んでしまったり、撮影した人物の顔がDDTメンバーの顔になってしまうというもの。
      ④新プロジェクト「DDTマンガ化プロジェクト」として、インターネットマンガサービス「GANMA!」とのコラボレーションが決定。GANMA!にて掲載するDDTをマンガ化した作品を描いてくれる漫画家・イラストレーターをプロ・アマ問わず募集する。募集期間は10月27日~11月16日。特別審査員は高木三四郎、男色ディーノ。当選者がGANMA!にてDDTのマンガを連載するという(選手への取材はDDTが全面協力、もちろん原稿料も発生)。詳細はGANMA!をアクセス。GANMA!の佐藤光紀編集長は「DDTさんとのご縁で新作のプロレス漫画を作るという事で、大変おもしろい企画になっています。書き手のみなさんはもちろん、作品ができあがったあかつきには、読者のみなさんにもぜひお楽しみいただければと思います」。


      第1試合は赤井沙希(総選挙6位)&大石真翔(総選挙16位)vsチェリー(総選挙7位)&ヤス・ウラノ(総選挙11位)。赤井と大石はハロウィン使用のコスチュームで登場。写真撮影に応じているところをチェリーがやっかみで襲い掛かって試合スタート。チェリーとヤスの老獪なテクニックに翻弄される赤井。チェリーに羽交い絞めにされた赤井だがヤスのエルボーをかわして誤爆させると、ヤスにはコーナーから飛びつきコルバタで投げていく。大石が出てくるとチェリーにボディーアタック。チェリーもヤスのマンハッタンドロップのアシストからダイビング・ボディーアタックを見舞ったが赤井にカットされる。大石はチェリーにスタナー。これはヤスがカット。赤井がヤスにビッグブーツを決めると大石がリング下へと投げて、赤井がコーナーからプランチャ。リング内では大石がチェリーにミラクルエクスタシーを決めて勝利した。






      第2試合は石井慧介(総選挙4位)&高尾蒼馬(総選挙8位)vsKUDO(総選挙10位)&マサ高梨(総選挙15位)のタッグマッチ。酒呑童子が連係と巧みなインサイドワークで高尾を捕まえる。高尾はKUDOのソバットを堪えてランニング・フォアアームで逆転。替わった石井がKUDOにミサイルキックを突き刺す。救出せんと出てきた高梨にもカウンターのドロップキックを見舞っていった。KUDOは石井の打撃戦からタイガースープレックス狙いをかわして延髄斬り。石井もKUDOをコーナーに接触させてからジャーマンで投げ捨てる。高尾が出てきてミサイルキック。5分経過、KUDOがヒザ蹴りを決めると高梨がKUDOとの連係を狙うが、石井が分断。コーナーのKUDOに高尾が雪崩式リバース・ヘッドシザースで排除すると、高尾が高梨にバッククラッカー。そこげ石井がニードロップを落とす。高梨が高尾のジントニック狙いを切り返す。KUDOのアシストから高梨がタカタニックを決めて勝利した。




      第3試合は平田一喜(総選挙11位)vs遠藤哲哉(総選挙20位)のシングルマッチ。平田は高木と大鷲を帯同させて、いつものあれでダンス入場。コールと同時に遠藤に襲い掛かってドロップキック。ミサイルキックからベストストレッチで絞っていくがロープに逃げられる。「早く決めろ!」というセコンドの指示に「うるさいよ!」と一喝した平田だったが遠藤にブレーンバスターで投げられてしまう。遠藤のスカイツイスターをかわした平田がスライディングキック。しかしバイアグラドライバーを切り返されてしまうと、奇跡を呼ぶ一発う逆転首固めも逆に丸め込まれて、奇跡を呼ぶことすらできなかった。





      試合後、遠藤は「店長、DDTのベルトを全部狙うと言ってましたよね。我々ハッピーモーテルもDDTのベルト総獲りを目指しているんですよ。次の沼津で6人タッグの…なんだっけ。6人タッグのベルトの防衛戦が決まっているみたいじゃないですか。我々に挑戦させてください」平田「バイト、この野郎! テメエ! 勝ってんじゃねえよ。コスチュームまで替えて秒殺狙って奇襲したのに負けて恥ずかしいじゃねえか! 沼津? いいよ! 挑戦したいんだろ! 俺の権限で挑戦させて…」ここで高木と大鷲が平田に暴行を加えて黙らせる。大鷲「平田、いい加減にしろ! 沼津みたいな田舎でひっそりとベルト獲られたら切ねえじゃねえか! どうぜベルト獲られるなら、せめて後楽園で…」すると平田が大鷲と高木にビンタ! 平田「バカヤロー! 試合前から負けを考えるヤツがどこにいるんだ! 少ない会場だって1000人の会場だって勝ちにいくんだよ! 要は俺が勝てばいいんだろ! 沼津! GM、俺の挑戦…」亜門「挑戦者気分なんですか?」平田「王者に慣れてないの!」亜門「わかりました。11月9日の沼津でT2ひーとハッピーモーテルのKO-D6人タッグ選手権試合、決定です」




      第4試合は坂口征夫(総選挙17位)vsスーパー・ササダンゴ・マシン(総選挙18位)のシングルマッチ。ササダンゴは「プロレス興行における格闘家レスラーの傾向と対策」の煽りパワポを披露。2人の戦力を分析した結果、「身長と体重以外、私は何一つ勝っておりません!」。それでも何かしら弱点があると踏んだササダンゴは坂口をSWOT分析にかけた。強味は「打撃技・関節技でのクリティカル・ギブアップが出しやすいです」。弱みは「丸め込みなどのテクニック系攻撃が苦手です」。チャンスは「プロレスキャリアが短いので、相手にデータ分析がされにくいです」。脅威は「プロレスキャノンボール2014の撮影による疲れ」。ここで「丸め込みなどのテクニック系攻撃が苦手」という点に着目したササダンゴだが、有効な丸め込み技を研究する上で「プロレスキャリア2年半の坂口征夫が、どのような丸め込み技を苦手とするのか、判断材料のデータが絶対的に不足しています」。そこでササダンゴが取り上げたのが「父親の浮気癖は子供に遺伝する」というヨーロッパの大学での研究。「父親の弱点は子供に遺伝してしまうという、遺伝子学的な研究です。現役時代の坂口の父がもっとも苦手とした丸め込みは息子・征夫も苦手に違いありません。その丸め込み技はご存じキドクラッチです!」。そこでササダンゴは新潟でキドクラッチ臨床実験を実行。コシヒカ~ルを相手にキドクラッチの練習に励んだところ、「体重差のあるササダンゴさんに丸め込まれると、体重のかけ方が下手すぎて、必要以上に苦しい」との効果が得られたという。具体的な数値でいえば、相手の体力35%を奪うことに成功したという。この体力を減少させるグラフの推移が2009年のリーマンショックにおける国内の金型生産額が35%減少したグラフに酷似していたため、ササダンゴはこの技を「キドクラッチ式リーマンショック」と名付け、1回成功すると相手の体力を35%奪い、2回成功すれば75%減少させ、3回成功すれば105%となり必ず丸め込むことができる、企業で言えば倒産になるという。「結論、ササダンゴ・マシンは新必殺技キドクラッチ式リーマンショックを3回成功させることによって坂口征夫の体力を105%減少させて、勝利をプロレスキャノンボール2014の撮影にかかわってくれたすべての仲間たちに捧げることができます!」


      こうして試合が始まるやいきなりアンクルホールドを狙われてピンチのササダンゴ。坂口の腹パンはササダンゴが巻いていたアイポケ級のベルトに当たってしまい、拳を痛めてしまう。そこへササダンゴがキドクラッチ式リーマンショック。これはカウント2。坂口がササダンゴをコーナーに振ろうとしたところでササダンゴが切り返してキドクラッチ式リーマンショックで丸め込むもカウント2。腕十字を狙う坂口にササダンゴはキドクラッチ式リーマンショックに引き込むが、やっぱりカウント2でクリアされると腕十字をガッチリ決められてギブアップした。




      第5試合は「ドラマティック壮行試合~ケニー・オメガDDTラストマッチ~」。飯伏幸太(総選挙1位)&ケニー・オメガ(総選挙18位)vs男色ディーノ(総選挙5位)&竹下幸之介(総選挙14位)のエニウェアフォールタッグマッチ。ケニーには多くの紙テープが投げ込まれる。先発のケニーは竹下とグラウンドの攻防。竹下と握手をしてから飯伏とタッチ。竹下はディーノと交替する。ディーノの男色殺法にケニーも救出せんとするが逆に男色スクリューで回されてしまう。コックボトムからのナイトメアはケニーがモンゴリアンチョップでカットに入る。耐えたディーノは「You!」と指差しながら飯伏の顔面にケツからへたり込んでしまう。ケニーが慌ててカットに入って場外戦へ。南側通路でケニーが竹下を台車に乗せて助走を付けて転がすと、飯伏がミドルキックをブチ込む。続いてディーノを台車に乗せて転がすが、ディーノは男色クローを蹴ろうとする飯伏に決めて回避。ディーノはケニーにも男色クローを決めて2人をぶつけさせる。飯伏とケニーを入場口のヘリの下にまとめたディーノはヘリの上から尻を向けて落下。ケニブシはディーノの尻に悶絶する。飯伏はディーノを入場ゲートまで連れていってダウンさせるとムーンサルト・アタックを発射。リングではケニーが竹下にダイビング・ボディーアタック。替わった飯伏がキャメルクラッチから鼻と口を塞いで呼吸を封じる荒業へ。ケニーがバックブリーカーを決めるがカウント2。竹下はカウンターのビッグブーツから飛びつきコルバタ。それでもタッチをカットするケニーに打点の高いドロップキックを見舞ってディーノとスイッチ。ディーノは大石に尻を出させてコーナーにセットさせる。ディーノの男色ドライバー狙いを堪えるケニーは逆水平。しかし波動拳ジャーマンは竹下がケニーの脚を引っ張って阻止。ディーノの男色ドライバーはカウント2。リバースえび反りを狙ったディーノ。竹下がブルーサンダーでアシストせんとする。するとケニーが回避して竹下をディーノの尻へぶつけていく。続くPKこころはマイケルが松井レフェリーを攻撃してカット。「この試合が終わったらケニーは新日本にいっちゃうんですよ! だから俺はこの試合を終わらせるわけにはいかない!」とマイケルがアルティメット・ベノムアームを狙ったが、あっさりかわされて飯伏に迎撃されてしまう。竹下に波動拳ジャーマンを決めるとPKこころ。今度こそカバーして、松井レフェリーに替わって木曽レフェリーがマットを叩くも今度は遠藤が阻止。遠藤「ケニーさん、いかないでよ! 寮はどうなるんですか!」ケニー「どうなるんだろうね。オマエの気持ちよくわかる。ありがとうございました。飯伏さん、よろしくお願いします」すると飯伏が遠藤にグーパンチ。ここで起き上がったディーノにPkこころ。2人で押さえみ、蘇生した松井レフェリーがマットを2つ叩いたところで場内が暗転。なぜかケニーのテーマ曲がヒットすると、ケニーのコスチュームをまとったヨシヒコが登場。マイケル「このケニヒコもDDTにいてほしいって言ってんだよ。新日本にいったらこんな試合できないよ。どうすんのかな~?」飯伏がヨシヒコに向かっていくもエルボー合戦へ。ケニーが飯伏にヨシヒコをパスするも、ヨシヒコがウラカンラナ。するとケニーがヨシヒコに襲い掛かる。ヨシヒコもケニーへのブレーンバスターで反撃すると蘇生したディーノがそのヨシヒコを使ってケニーをぶん殴る。ケニーはディーノを高速ドラゴンで投げ捨てると、ずっとコーナーで待機していた大石の尻へ吸い込ませる。ケニーがディーノに片翼の天使を決めるも竹下がカット。竹下を排除すると最後はラヴァーズのゴールデンシャワーが見事に決まって3カウント。















      試合が終わると壮行会へ。選手とスタッフを代表して高木から「別に引退するわけじゃないからさようならは適しない。新日本にいっても頑張れ! 花束も用意していない。これはDDT全選手からのメッセージが書いてある。これを受け取ってくれ」とフード付きタオルを贈呈される。ケニーが挨拶。「私はどこにいてもDDTの魂で試合をやるんだよ。6年間でDDTで試合をしてキャリアのベストはここでやった。それは絶対忘れない。私が新日本にいくのに応援してください。すごくさびしいけど大成功するため新日本で精いっぱい頑張る。ありがとう」最後は選手全員で記念撮影。ファンから惜しみないケニーコールを送られたケニーはDDTのリングを後にした。




      【試合後のコメント】
      ケニー 感動しました。今日は苦しく終わるのがダメだし、一番嬉しく、一番楽しく終わりたかった。久しぶりに完璧なゴールデンシャワーがやれて嬉しい。2人とも大きくなったし、最近は別々のフィニッシュを使っているから、もうできないかと思った。ゴールデン☆ラヴァーズの最後じゃない。ゴールデン☆ラヴァーズはフォーエバー。だからなんの団体になるか、こちらか違う場所で、飯伏サンと組みたい。そして今回は今のDDTでのラスト。勝てたことも良かったけど、それよりもう一回DDTのファンの前で試合をやれたほうが大事。だからみんな、本当にありがとうございました。
      ――ゴールデン☆ラヴァーズとしてはこれで区切りになりますが。
      飯伏 そうですね。ケニーとのゴールデンシャワーも何年もやってなかったのに、いきなりやって、いきなりタイミングも合うし。意思疎通が何もしなくてもできるので。ケニーは別にどこでも変わらず、同じプロレスをやっているので、ちょっと寂しいですけど、寂しくないです。
      ――新日本ではハチャメチャな試合はできなくなりそうですが。
      ケニー できなくなりそうですね。その可能性は高い。それはまあ…キツいですね。私の好きなプロレスは今日みたいな試合。新日本ではちゃんとプロレスをやらないといけないけど、DDTの選手がどこでもうまくできることを見せたい。ゴールデン☆ラヴァーズの力を新日本ジュニアでやってみせる。そして飯伏サンが伝説のヘビーになって、私が新日本のジュニアの伝説になって、そうなってから伝説なチームになるしかない。それはすごい楽しみにしてます。

      竹下 ケニーさんがまたDDTに戻ってくるかもしれないけど、一区切りの試合に選んでくれて嬉しいです。
      ディーノ 今日のところはこれぐらいにしといてやりますよ。次会った時には! 次会った時にはー! ぶっ潰してやりますよー!
      竹下 次は必ずありますから、その時までこのベルト(KO-Dタッグ)を防衛し続けたいと思います。


      休憩明けのインフォメーションは以下。

      ①「DDTを見ればきれいになれる」をコンセプトに総合美容商社とコラボ。コラボ第1弾として11・30後楽園でヘアーメイキングマッチが決定した。これはカリスマ美容師にヘアーメイクされた選手が闘うというもの。当日、展示場にはヘアーアレンジブースが設けられ、女性ファンは無料体験できるという。
      ②2015年2・15さいたまのゲスト参戦選手に大日本プロレスの関本大介が決定。
      ③ヤスがスマイルスカッシュのプロデュース興行(11・12後楽園)のカードのXを発表。大相撲トーナメントのX枠に関本、石川修司が決定。ヤスはケンドー・カシンとのシングルマッチをアナウンス。さらにHARASHIMA&彰人の対戦相手が真壁刀義&高木三四郎に決定したと発表した。


      亜門GMが後半戦にいこうとすると高木大社長が登場。高木「あれ、どうなってんだよ! アイアンマンのベルトだよ! 8・17両国でLiLiCoさんに持っていかれたままじゃねえか! 王様のブランチを見るたびに、いつか獲られんじゃないかとドキドキしてんだよ!」亜門「取り戻さないといけないと思っているんですけど…LiLiCoさんが忙しいのでスケジュールが合わないんですよね」高木「俺様が確認をとったたところ、次回、11・30後楽園が空いているそうだ。なのでLiLiCoさんをここに呼んでおきました!」亜門「試合をしてくれるんですか?」高木「そんなことはいっさい言ってない。アイアンマンは24時間、いつでもどこでも防衛できるベルトじゃん。LiLiCoさんがここに来た時に奇襲すれば奪還できるということだ!」

      セミファイナルはDDT EXTREME級選手権オンリーギブアップマッチ。第30代王者の彰人(総選挙9位)はアントーニオ本多(総選挙13位)を相手に2度目の防衛戦。彰人が脚をねちっこく攻める展開。彰人は右腕を捻り上げてエルボーを見舞うと、そこへ一点集中。アントンはトップロープを使って右腕を絞っていく。これを抜け出した彰人は鉄柱を使ってアントンの脚を攻撃。彰人の左脚へのエルボーの右腕をアントンがキャッチしてエルボーで攻撃。さらにアームブリーカーを決めるも2度目は彰人がヘッドロックに切り返し、さらにキャンバスへのニークラッシャー。アントンもテーズプレスでやり返して腕十字へ。彰人はロープに逃げる。アントンはショルダーネックブリーカー。しかし、DDT狙いは再びキャンバスへのニークラッシャーで叩きつけられ、アンクルホールドを狙われる。アントンはロープエスケープ。アントンは奥の手のアナコンダバイス。彰人がロープに逃げて10分が経過。アントンはここで卍固め。逃れた彰人に逆水平を放つ。彰人エルボーでやり返し、アントンはナックルを振るう。バイオニックエルボーから再び卍固めを狙うアントン。彰人はこれを抜け出し、器用に足4の字を決める。アントンは何とかロープに逃げる。アントンは彰人のマフラーホールドを逃れて卍固めを狙う。抵抗する彰人に腕十字を決めたアントン。しかし、彰人が抜け出してサソリ固め。さらに腕を決めてギブアップを奪った。





      【試合後のコメント】
      彰人 キツかったですね。でも、自分が今までやってきたプロレス人生の中で好きな形の試合ができて、すごく楽しかったです。僕がチャンピオンなってから、先輩でも後輩でも、誰もでいいです。どんなルールでもいいです。僕は空腹のブラックバスって呼ばれてるから、プロレス界の空腹のブラックバスになって、誰の挑戦でも受ける。先輩でも後輩も関係ないよ。今、このEXTREMEのベルトが欲しい人。このベルトを懸けて僕とやることがおもしろいと思う人。どんどん名乗りを挙げて欲しい。
      ――得意なルールとはいえ、本多選手に意外と攻められました。
      彰人 本多さんも卍固め、アナコンダバイスなど腕の攻めのバリエーションがけっこう多い人なので、事前に研究はしていたんですけど、やっぱりうまいこと腕を取られてやばいなと思うところもあったんですけど、なんとかクリアできたんで。次ですね。またオンリーギブアップみたいなことをやってもいいですし。別の変わった形式でやるのもありなんで、相手を見て決めたいと思います。
      ――ベルトを自分の色に染めていく?
      彰人 今のDDTで僕にしかできない防衛ロードを探していかないと、せっかくこのEXTREMEのベルトを獲った意味がないので。このベルトは持つ人によって色が違うわけじゃないですか。ディーノさん、坂井さん、ササダンゴさんが持ったらバラエティー色にも染められるし。今日みたいなオンリーギブアップとか、初代王者のMIKAMIさんもハードコアルールでやられてたんですけど、僕はバラエティー色ではなく、このベルトの価値を高めていくために、あえて強さの象徴に並ぶベルトに価値を上げたいから、どんどん闘っていきたいです。

      アントン 負けました…。負けましたね。応援してくれた方々、申し訳ない。以上でございます。ありがとうございました。

      メインイベントはKO-D無差別級選手権試合。第48代王者のHARASHIMA(総選挙3位)は木高イサミ(総選挙2位)を相手に5度目の防衛戦。HARASHIMAの差し出した右手をイサミがパチンと払って試合スタート。序盤は緊張感のある技の読みあい。腕を決めようとするイサミをHARASHIMAがパワーで跳ね返しストマックブロック。思わずイサミは場外にエスケープする。HARASHIMAはここから腹部を集中的に攻める。何度もフットスタンプを落とすHARASHIMAにイサミは意地を張って食らい続ける。しかしこれが仇となって、HARASHIMAのヒザ蹴りに悶絶。コブラツイストはなんとかロープを掴んだ。HARASHIMAは離れ際にもヒザを入れて隙がない。イサミは腹パンチからドロップキックでようやく逆転。串刺しのフロント・ハイキックからブレーンバスターで何とか投げるもカウント2。イサミのコーナーダイブにHARASHIMAは両ヒザを合わせるとスワンダイブ式ボディープレス。トップロープに引っ掛けてミドルキックを入れてスリングショット式レッグドロップを狙う。イサミがこれを回避してトペ・スイシーダを発射。HRASHIMAをリングに戻すとダイビング・ダブルニードロップ。これはカウント2。コルバタで回すと六八九で絞りあげるがHARASHIMAが抱えて顔面にヒザを入れる。イサミが着地するもHARASHIMAがファルコンアローで切り返す。これはカウント2。HARASHIMAが山折り。蒼魔刀を封じようとイサミが猛ダッシュ。HARASHIMAがヒザ蹴りで迎撃する。イサミは昇龍拳。ここからエルボーの打ち合いへ。張り手のラリーへと続き、イサミのかめはめ波にHARASHIMAもすぐさまハイキックをブチ込む。HARASHIMAがリバース・フランケンから蒼魔刀もニアロープ。つるべ落としを着地したイサミがヒザ蹴り。カウンターの勇脚はカウント2。勇脚・斬はHARASHIMAが迎撃して垂直落下式つるべ落とし。カウント2で返したイサミに蒼魔刀をブチ込んで勝利した。イサミはHARASHIMAから差し出された右手を払うと頭を下げてリングを後にした。








      試合後、HARASHIMAがマイクを取る。「イサミ、負けたらDDT上がらないとか勝手なルールを決めていたみたいだけど、そんなの関係ないよ、知らないよ。楽しかったからまた何度でもやろうよ! 楽しかったよ! ありがとね!」亜門「HARASHIMAさん、すごい試合でした。おめでとうございます。次のタイトルマッチは11月30日後楽園です。次に挑戦する選手はこの方法で決めます」スクリーンには「じゃんけん」の文字。こうしてドラマティック・ドリーム・じゃんけん大会がスタート。トーナメントは今回の選抜メンバーのうち、王者のHARASHIMA、挑戦者だったイサミ、2・15さいたまで挑戦する飯伏、DDTラストマッチのケニーを除いた16選手で争われた。

      ▼トーナメント1回戦第1試合
      ○遠藤哲哉vsスーパー・ササダンゴ・マシン×
      ※勝ち手:チョキ

      ▼トーナメント1回戦第2試合
      ○大石真翔vs坂口征夫×
      ※勝ち手:パー

      ▼トーナメント1回戦第3試合
      ○竹下幸之介vsマサ高梨×
      ※勝ち手:チョキ

      ▼トーナメント1回戦第4試合
      ○ヤス・ウラノvsアントーニオ本多×
      ※勝ち手:パー

      ▼トーナメント1回戦第5試合
      ○平田一喜vsKUDO×
      ※勝ち手:チョキ

      ▼トーナメント1回戦第6試合
      ○高尾蒼馬vs彰人×
      ※勝ち手:パー

      ▼トーナメント1回戦第7試合
      ○チェリーvs赤井咲希×
      ※勝ち手:パー

      ▼トーナメント1回戦第8試合
      ○石井慧介vs男色ディーノ×
      ※勝ち手:チョキ

      ▼トーナメント2回戦第1試合
      ○大石真翔vs遠藤哲哉
      ※勝ち手:パー

      ▼トーナメント2回戦第2試合
      ○ヤス・ウラノvs竹下幸之介×
      ※勝ち手:グー

      ▼トーナメント2回戦第3試合
      ○高尾蒼馬vs平田一喜×
      ※勝ち手:グー

      ▼トーナメント2回戦第4試合
      ○チェリーvs石井慧介×
      ※勝ち手:パー

      ▼トーナメント準決勝第1試合
      ○ヤス・ウラノvs大石真翔×
      ※勝ち手:グー

      ▼トーナメント準決勝第2試合
      ○高尾蒼馬vsチェリー×
      ※勝ち手:パー

      こうして決勝戦の組み合わせはヤスvs高尾に決定。じゃんけん前に両者が意気込みを述べる。ヤスは本部席で見守るHARASHIMAに「来月のメインで会いましょう!」と呼びかけ、高尾は「総選挙で緊張して、それが終わり、また緊張しています」と表情をこわばらせた。

      ▼トーナメント決勝戦
      ○高尾蒼馬vsヤス・ウラノ×
      ※勝ち手:パー。高尾が11・30後楽園のKO-D無差別級王座次期挑戦権を獲得。



      高尾がじゃんけん選抜を制して優勝、HARASHIMAへの挑戦権を獲得した。高尾「総選挙が終わり緊張がなくなったと思ったら、また緊張が始まりました。でもKO-Dのシングルは2011年、3年前にやった限り、ずっとやってないので、こういったチャンスが得られて素直に喜んでいます。HARASHIMAさんとはシングルで何回かやったことがあるけど、まだ勝てたことがないんで、勝ってそのベルトを巻きたいです」HARASHIMA「今から緊張してどうすんだよ。じゃんけんで勝ち上がるのは運もある。運も実力のうちだから、高尾はいろんな団体に出て実力を上げているよ。強くなっているよ、確実に。でも僕のほうがもっともっと強いんで、タイトルマッチを楽しみにしているよ」最後はHARASHIMAが締め。「11月も高尾とのタイトルマッチ、絶対勝ってやるさー!(観客『なんで~!?』)12月もタイトルマッチあるけど、それも勝ってやるさー!(観客『なんで~!?』)さいたまスーパーアリーナまで突っ走ってやるさー!(観客『なんで~!?』)なんでかって? それは鍛えているからだー!」客出しのアナウンスはケニーが担当。客席から大ケニーコールが起こった。


      【試合後のコメント】
      HARASHIMA まずイサミとのタイトルマッ チ。やっぱり彼も背負ってるものがあるというか、強かったですね。危なかったですよ。僕もDDTを背負ってるんで、ユニオンには負けられないですね。単純に闘っててすごい楽しかったですね。これでDDTは上がらないとか、そんなルール決めてたみたいだけど、何度でも上がって、何度でも楽しい闘いをしたいと思いました。あと、ジャンケン。高尾とは何度かシングルしてるけど、それは昔の高尾であって、色んな経験を積んでるアイツとは闘ってないんで楽しみです。じゃんけんに勝つ運もあるし。気を引き締めて来月の後楽園、タイトルを防衛したいと思います。
      ――今後のタイトルマッチのスケジュールが発表されました。
      HARASHIMA 10月勝ったので11月を勝って、12月も勝って、スーパーアリーナのメインにいきたいですね。いや、いきますよ。
      ――イサミとのタイトル戦は前回は3WAYで今回は1対1での闘いでしたが。
      HARASHIMA 最初から一人に集中できたっていうのはありますね。より楽しめるというか。彼はやればやり返してくるおもしろい相手なんで、お互いの意地の張れる感じが楽しかったですね。
      ――高尾選手は緊張しているようですが。
      HARASHIMA あんな状態でリングに来たら終わると思う。せめて緊張はせずにリングに上がってきてください。僕はしっかり待ち構えてますんで。

      高尾 動揺があったんですけど、じゃんけんで勝ててKO-Dシングルに挑戦できることはすごい嬉しいです。1回挑戦してずっと挑戦してないし、その時はちょっと違う形式の試合だったんで、今回は初めて普通のKO-Dのシングルなんで。ずっとDDTのチャンピオンのHARASHIMA選手なのでキャリアも違いますけど、自分は全日本で1年間、他団体でも試合をしてきて、DDTでドリフとしてもやってきた。培った経験がHARASHIMAさんとはまた違うものだと思う。ドリフも2人はアジアタッグを獲ったり、成績を残したりしてるんですけど、自分はタイトルとかシングルは獲ったことがないんで。この2人には負けたくない気持ちがあるので、今回のチャンスをモノにして絶対獲って。獲って防衛すればさいたまスーパーアリーナのメインも見えてくる。キャリア6年なので、DDTのプロレスラーとしてもっと上にいく選手になっていきたいです。あとポスターも大きい位置にいきたいですよね。そういう心は持ってるんで、HARASHIMAさんには一回も勝ったことがないんですけど、絶対に勝ってベルトを獲りたいと思います。
      ――HARASHIMA選手から「今から緊張してどうするんだ」と言われていましたが。
      高尾 普段は全然緊張しないんですけど、2人のほうが緊張するんですよね。ちょっと動揺を隠しきれなかったですね。
      ――じゃんけんで勝ち進んでいった時の気持ちは?
      高尾 他人事というのも若干あるんです。勝ったらいいなというのもあるんですけど、なると思わないので。動揺してます。
      ――シットハートファウンデーションとして石川修司選手に挑戦した時とは違うと思います。
      高尾 あの時とは全然状況もキャリアも仲間も違うので、全然違う自分でいけるとは思います。
      ――HARASHIMA選手はどういう王者ですか。
      高尾 絶対的なチャンピオン。 冷静に自分のペースで笑顔でやってくる選手なので、こちらも冷静にいきたいと思います。

      イサミ 完敗ですね。とりあえず僕のDDTチャレンジ第1部・完で。1部があるなら2部があるかもしれないし、作者が次のものを書き始めるかもしれないですけどね。僕はDDTをclub ATOMの頃から知っていて、ファンの頃からDDTが大好きで、その時も高木さんのカリスマ性とか、MIKAMIさんのすごさとかに憧れて。こんな僕でもプロレスラーになっていいのかなという迷いを振り切らせてくれたのがDDT。僕みたいな人間でも、頑張ればここぐらいはいけますよ。だからといって、決して諦めるとか、逃げるとか、そういう意味じゃなく。それは僕だってやれることなら、来月にでもHARASHIMAとやりたいですよ。じゃんけん大会やってましたけど、僕だってもう一回やらせてくれと言いたい。でも、これ以上は言い訳になるから。あとはまた強くなって、その時にKO-Dをユニオンプロレスの木高イサミとして獲りに帰ってきます。すごい団体だし、僕はDDTの系列のユニオンプロレスにいることを誇りに思います。また帰ってきます、 大丈夫です。
      ――HARASHIMA選手からは何度でもやろうという呼びかけもありましたが。
      イサミ でも、第2部はいつ始まるかわからないですね。僕のプロレス人生のスタートがDDTを見始めたこと。そこから僕はプロレスラーになろうと思ったんで。最初に入ったのはKAIENTAI DOJOでしたけど、踏み切る勇気をもらったのはDDTだったし、ユニオンプロレスに誘ってくれたのも高木三四郎だったし。 そういうのもひっくるめて、プロレスキャリア12、13年が第1部だった。ヤンキー二丁拳銃で両国に出たり、KO-Dタッグを巻いたのも第1部の大事なところです。
      ――今回はユニオンのセコンドをつけなかったですが。
      イサミ 僕のセコンドは票を入れてくれた人みんなですよ。きょうはたくさんいました。たくさん声も聞こえましたし、あれが僕のセコンドです。大事なんですよ、仲間って。ユニオンっていうのも大事だし、仲間っていうのも大事。セコンドって大事なんですよ。今日は689票のセコンドですよ。こんなに心強いセコンドはいなかったです。ずっと背中を押してくれてるみたいで。でも最後は肩を上げられなかった。だからちょっとだけ、謝るつもりはないですけど、胸を張ってリングは下りましたけど、申し訳ないというつもりで、ちょっとだけ頭を下げさせてもらいました。

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