15日、福島市国体記念体育館にて「あれから4年・東日本大震災復興イベント~がんばろう福島~ゴージャスナイト」がおこなわれた(1300人超満員札止め)。
鶴見亜門GMの前説にはゴージャス松野が登場。『劇場版プロレスキャノンボール2014』の東北での上映に関して亜門GMは「近いうちに良いお知らせが出来れば」とコメント。続いて出場選手がリングを囲み、東日本大震災で亡くなられた方々に黙祷が捧げられた。最後に松野が挨拶。「震災後、3回目の開催になりますけど、毎回やるたびに元気になっていることを今日来た選手も見て持ち帰って全国に伝えてくれると思います。今日は新たに皆さんと元気を分かち合いたいと思います。2017年( ← 正しくは2015年)DDT福島大会『ゴージャスナイト』スタート!」
第1試合は佐々木大輔vs梅田公太のシングルマッチ。佐々木にアームホイップからミドルキックを決めた梅田はスナップメイヤーからスリーパーで苦しめる。佐々木はロープに逃げると握手を求めるフリをして腹部に頭突き。これで逆転するとナックルパンチ連打からボディースラムを連発。これはカウント2。続くキャメルクラッチをロープに逃げた梅田はミドルキックで応戦。プランチャで舞い、佐々木のダイビング・エルボードロップも回避して十字架固めで丸め込むなど奮闘を見せたが、ドロップキック一発で逆転されてクロス・フェースロックで絞られてギブアップした。
第2試合はヤス・ウラノ&勝俣瞬馬vs石井慧介&MIKAMIのタッグマッチ。石井が勝俣にオーバーハンドチョップ。ボディースラムからのカバーはカウント2。替わったMIKAMIもセントーンで攻めたて石井と太鼓の乱れ打ち。ローンバトルを強いられた勝俣だがカウンターのドロップキックを石井に決めて逆転。ヤスが出ていくも石井のドロップキックで逆転されてしまう。それでもヤスはMIKAMIにボディースラムを決めてシルバーブレット。MIKAMIもスティンガーでやり返し、石井とスイッチ。ヤスは石井に低空ドロップキック。タッチを受けた勝俣がミサイルキックやスワンダイブ式Xファクターで攻めたてるも、カバーはMIKAMIにカットされる。勝俣のムーンサルトをかわした石井がダブルニードロップ。このカバーをダイビング・ボディープレスでカットせんとしたヤスだが、回避されて勝俣に命中。勝俣も丸め込みで石井に応援してロープに飛んだが、トラースキックで迎撃されてしまった。石井がバックブリーカーからエクスプロイダーでぶん投げて、ニールキックで勝利した。
第3試合は赤井沙希vs中島翔子のシングルマッチ。身長差で劣勢の中島。赤井のキックに翻弄されたがスリーパーを指に噛みついて脱出。赤井はミドルキックから場外に出た中島にエプロンPK。さらに場外の鉄柱に中島をぶつけてリングに戻す。苦しい中島は人工衛星ヘッドシザースで投げてライダーキック。赤井のボディースラムからの新人賞を回避して丸め込み連発で応戦する中島だがカウント2。転ばせて丸め込もうとした中島だが、これを察知した赤井は中島を起き上がらせて胸板にミドルキックをブチ込むと新人賞を決めて勝利。
第4試合は高木三四郎&宮武俊vs男色ディーノ&大石真翔のタッグマッチ。ディーノが男性客を漁るだけ漁ってリングイン。ディーノ「福島のみなさん、お待たせしました! 毎年毎年ゴージャスナイトって言ったら、田代純子をさらっていました。でも私、目が覚めました! シンプルにこの福島をゲイタウンにした方が手っ取り早い。初心に戻って私たちが勝ったら福島はゲイタウンに生まれ変わります」高木「福島をゲイタウンにさせない! なぜなら宮武俊はいつでもどこでも脱げる男、ヌード宮武だからだ!」ディーノ「いやいやいや、成人男性は普通できないよ」すると高木の指示により“証拠”としてスクリーンに映し出されたのは、屋外で撮影されたと思われる宮武の生まれたままの姿(一部修正済み)だった。高木「宮武が勝ったら福島をヌーディストタウンにしてやる」ディーノ「オマエら汚いぞ! 福島のみなさん、安心してください! 私たちが勝ってゲイタウンにします!」両軍が襲い掛かって、福島のゲイタウンorヌーディストタウンが決定されるという、どちらにせよ傍迷惑なタッグマッチがスタート。場外戦からリングに戻された宮武がタイツを尻にTバックで食い込まされて尻を叩かれ恍惚の表情を浮かべる。ディーノのナイトメアを食らってピンチの宮武。ディーノのリップロックは高木がカットして5分が経過。宮武はアンダータイツ一丁になって筋肉アピールをしてディーノに逆転のラリアット。高木がドロップキックで続くと大石にはクロスチョップからの619のルチャ殺法。ぶっこ抜き雪崩式ブレーンバスターを決めると、替わった宮武がジャンピング・バックエルボーで続く。ピンチの大石だが、加勢に入ったディーノと宮武に3Dを決めると「祭りの始まりじゃーい!」の掛け声とともに恒例の尻出しタイムへ突入。お客さんの「ワッショイ! ワッショイ!」の掛け声とともにディーノが尻を出してコーナーへセット。大石は高木を尻に吸い込めてダウンさせると、続いて宮武を投げようとする。これを宮武が堪えてダブルチョップからのハートアタックで逆転。大石を捕まえて槍投げでディーノの尻に吸い込ませようとするが、大石が寸前で回避して宮武をディーノの尻に吸い込ませるとミラクルエクスタシーで叩きつけて勝負あり。こうして福島はゲイタウンとなり、ディーノ&大石の音頭による「ワッショイ! ワッショイ! ワッショーイ!」で休憩へ。
休憩明け、“福島の歌姫”田代純子さんの歌謡ショーがさらわれることなく無事におこなわれ、場内は大盛り上がりを見せた。
セミファイナルはHARASHIMA&彰人vs入江茂弘&高尾蒼馬のタッグマッチ。高尾が彰人にドロップキックを決めて歓声を浴びると、彰人もやり返してHARASHIMAとスイッチ。HARASHIMAはコーナーで彰人に串刺しダブルニー。ボディースラムからギロチンドロップを落として彰人とタッチ。高尾はカウンターのバックエルボーでやり返して入江とタッチ。入江は彰人にボディースラム連発。そこからWARスペシャルにつなぐがロープに逃げられる。高尾が出てくるとドロップキック。再び替わった入江はハンマーパンチを振り下ろし、エルボーへ。彰人もエルボーでやり返すが入江のコーナーにセットされて串刺しの頭突きからダイビング・エルボードロップを食らってしまう。カウント2で返した彰人は入江をボディースラムで投げてHARASHIMAとスイッチ。替わったHARASHIMAはダイビング・カンフーキックから雪崩式ブレーンバスター。入江のエルボーとHARASHIMAのミドルキックの意地のラリーが繰り広げられ、HARASHIMAの顔面フロント・ハイキックに入江は串刺しラリアットでやり返す。HARASHIMAは延髄斬りを決めると替わった彰人が俵返し。入江がブレーンバスター・ホイップでやり返すと高尾が出てきてスライディングキックからミサイルキック。彰人も抱え込み式のジャーマンで投げてHARASHIMAとスイッチ。彰人のダブルアーム・スープレックスのアシストからスワンダイブ式ボディープレスを見舞ったHARASHIMAが山折りから蒼魔刀を狙う。これを入江が交通事故タックルで吹っ飛ばし、その入江に彰人がエクスプロイダー、その彰人を高尾がジャンピング・ハイキックで蹴散らす。高尾がHARASHIMAの腹部へローリング・エルボーを放つとトラースキックからジントニックを狙う。これを堪えたHARASHIMAがハイキック → リバース・フランケンから蒼魔刀に繋いで勝利した。
メインイベントはゴージャス松野&アントーニオ本多&竹下幸之介&遠藤哲哉vsKUDO&坂口征夫&マサ高梨&松永智充の8人タッグマッチ。試合前のVTRで酒呑童子+松永が映し出される。いつも「ゴージャスナイト」が松野の歌で締めくくられることに「酒がまずくなる」(高梨)とご立腹の酒呑童子+松永。「アイツのノドを潰してやりますよ!」(松永)「替わりの歌を兄貴が唄ってやるよ!」(高梨)動揺するKUDO。「歌えないように絞め落としてやる!」(坂口)。続いて松野&田代+ハッピーモーテルのバックステージ映像へ。「今日はお客さんが超満員だし、年甲斐もなく緊張しちゃって…」と弱気な松野に田代さんが「ゴージャス、緊張している場合じゃないだろ! オマエはみんなに応援してもらって幸せモンだ! とにかく今日はみんなから受けた恩を忘れないように頑張れよ! 勝ちにいくぞ!」と檄を飛ばされてリングに送り出された、一番最後に入場した松野に多くの黄色い紙テープが投げ込まれ、花束も贈呈された。松野のセコンドには田代さんが付く。アントンvs高梨でスタートして、遠藤vsKUDO、竹下vs坂口と攻防が続き、松野と松永がリングで対峙。場内は大歓声。松永と向かい合った松野の背後を高梨が攻撃して場外戦へ。松野をヒドい目に遭わせた高梨と松永にブーイングが飛ばされると、松永は「まつ・なが・ともみつー!」のポーズを見せつけた。リングに戻ると松野が松永にコルバタ。スイッチしたアントンがナックルパンチからバイオニックエルボー狙い。これを松永が腹パンで阻止して「まつ・なか・ともみつー!」のポーズ。坂口が出てきてアントンにヒザ蹴り。KUDOが出てくると倒立式ダブルニードロップと猛攻が続く。防戦一方のアントンが何とか反撃に出ると替わった竹下が一気呵成の攻め。竹下がウォール・オブ・タケシタで高梨を捕獲するも、坂口がミドルキックで解除。KUDO&高梨の連係に捕まった竹下だが、KUDOへのバックドロップで抜け出し、遠藤がドロップキックで飛び込む。竹下のハーフハッチのアシストにその場跳びムーンサルトを合わせた遠藤がカバーに入るも高梨がカット。KUDOのバズソーキックをカウント2で返した遠藤がトラースキックでやり返し、両者ダウン。ここで松野と坂口がタッチを受けて対峙する。松野のエルボーに「来いよ!」と笑みを浮かべて挑発する坂口。坂口のミドルキックの反撃をカウント2で返した松野はハイキックをかわすと飛びつきでのゴージャススーパースター腕十字。これをかわした坂口がスリーパーで勝負に出るも、松野はファンの声援に押されてロープに手を伸ばした。コーナーへ登った松野は救出にせんとリングに入った松永と高梨にダイビング・ボディーアタック。これはキャッチされてしまったが、すかさず竹下が松野ともどもドロップキックを放って倒す。松野からタッチを受けた遠藤が松永にトーチャーラックボムを仕掛けるも、これは高梨がカット。酒呑童子のトレイン攻撃から松永のスモウラリアットはアントンと竹下がカット。松永のトミーボンバーをかわした遠藤が延髄斬り。ハッピーモーテルのナックルパンチ → バイオニックエルボーの連係が決めると松野がゴージャスエルボー、ゴージャスワントーンボムの大立ち回り。最後は遠藤がスカイツイスター・プレスで勝利した。
試合後、松野がマイク。「おかげさまで3回目のメインも勝利で飾ることができました。今日、勝ってくれたのは竹下幸之介…オマエ、いくつだ?」竹下「19です」遠藤「23です」アントン「12です」松野「若干サバを読んでいるみたいですが、私は今年4月で54歳になります。自分に子供がいれば息子みたいなやつらですけど、プロレスデビューして頑張って続けております。こいつらを見るとまだまだ自分もリングを降りるわけにはいきません。体育館の建て替え工事もあって、何とか今日この日を迎えることができましたけれども、日本全国各地からお客さんがいらしていただいていますが、東北が復興するまで、そしてゴージャス松野がリングに立ち続ける限り、生涯『ゴージャスナイト』を開催したいと思います!」最後は松野&田代のデュエット曲『心酔わせて』を熱唱し、大盛り上がりの中で大会は終了した。
【試合後のコメント】
松野 おかげさまで超満員のお客さんに集まっていただいて。前回やったのは一昨年の10月だったんで、1年半ぐらい空いたんですけど、福島の体育館が一つになってしまったので、なかなか空きがなかったんですけれど、福島のお客さんを見ていて、やれてよかったなと思いました。
アントン 普段は何が借りているんですか?
松野 公共の施設なんでバスケットとかバレーボールとか公共の行事が先にきてしまうので、空いた日を我々みたいな興行が押さえるので、体育館も一つに集中してなかなかスケジュールが取れない中で…。
アントン そんな中で今回、大成功じゃないですか! なおかつ我々勝ちましたね!
松野 そうです! ゴージャスワントーンボムが決まったからこそ、あれ(遠藤のスカイツイスター・プレス)がいけたようなもんですよ。
竹下 あれでスリーを確定させたようなもんですよ。
松野 遠藤クンも白石で隣の町なので、譲るところは譲んないとね。一番うれしかったのはさっきも言ったけど…いくつだっけ?
竹下 19です。
松野 お父さんは?
竹下 今年45歳です。
アントン 松野さんは何歳ですか?
松野 私は今年の4月で54です。自分の子供みたいな選手とリングに上がれて本当に嬉しいし、人生の先輩として、リングに上がる以上は見本にならないといけないと自分に言い聞かせている。もちろん技とか動きは若い人には負けるけど、体を鍛えることや人生(経験)の力で試合の流れとかを…ちょっとマジックで。
アントン マジックって乱暴にまとめましたね(苦笑)。
松野 そのへんを学んでほしいと思うし、まだまだ2人に負けないような体を作らないと。今日はチームを組んだけれど、今後は対戦することもあるだろうし。それと震災から4年目ですけれど、2012年から開催して3回目ですけれど、2012年は震災の影響で始まる時には不安な興行だったけれども、お客さんが温かく受け入れてくれて、プロレスで元気づけようと来たのが、逆にお客さんから元気をもらったというか、毎回毎回僕らはお客さんから元気をもらって、僕らがプロレスをしてお客さんに元気になってもらって。プロレスの力というか、これからの復興にはそういったパワーが必要だと思うし。本当の意味で東北・福島が復興するまでは「震災復興イベント」の冠は外さないし、それまではリングに上がり続けなければいけないかなと思うし。お客さんからも「いい興行だった」と言ってもらって、これを肝に銘じて、また次に向かって頑張ろうと思います。福島、そして東北の未来、プロレスの未来に向かってDDTプロレスは頑張ります。