28日、東京・後楽園ホールにて「DDTドラマティック総選挙2014最終投票日~最後のお願いスペシャル~」がおこなわれた。試合前の鶴見亜門GMの前説では新グッズ情報、会場先行販売チケット情報ほか、以下の発表事があった。
①2015年後楽園ホールの興行スケジュールは1月3日(土)18:30、1月25日(日)12:00、3月29日(日)12:00、4月29日(水=祝)12:00、5月31日(日)12:00、6月28日(日)12:00、7月19日(日)12:00、9月27日(日)12:00、10月25日(日)12:00、11月29日(日)12:00、12月23日(水=祝)12:00。
②DDT制作映画「プロレスキャノンボール」の概要が発表された。内容は選手がチームに分かれて目的地・東北に向かいながらご当地レスラーと対戦してポイントを稼ぐというもの。参加チームは鈴木みのる&高木三四郎&葛西純withマッスル坂井(撮影)、KUDO&坂口征夫&マサ高梨、男色ディーノ&HARASHIMA&飯伏幸太withマイケル(飯伏のセコンド)。
③DDT公式飲料ブラックアウトの新商品としてブラックアウトGODの販売がアナウンス。250mlにこれまでと同等のカフェインを詰め込んだもので、場内スクリーンで大石真翔バージョンの新CMも流された。リングにはドン・キホーテ後楽園店の店長とドンペン君が呼び込まれて挨拶。ドンペン君がなんとかエプロンに上がれたところで店長の挨拶は終了。亜門GMが「ドン・キホーテでプロレスをやらせてほしい」とお願いすると店長から「前向きにやらせていただければ」との好感触を得た。
第1試合は大石真翔&勝俣瞬馬vsMIKAMI&ゴージャス松野のタッグマッチ。MIKAMIが2人まとめてドロップキックを決めて大石を排除すると勝俣を相手にダブルのフライング・クロスチョップから合体エルボーで攻勢に出る。タッチワークで翻弄された勝俣だったがMIKAMIのスワントーンボムを回避するとセカンドロープから向き直り式ドロップキック。替わった大石はMIKAMIからスイッチした松野のゴージャスエルボー狙いをあっさりキャッチすると逆さ押さえ込み。カウント2で返されると直伝トルネードクラッチ(仮)で勝利した。
第2試合はKUDO&坂口征夫&マサ高梨&赤井沙希vs伊橋剛太&中澤マイケル&松永智充&星誕期の8人タッグマッチ。赤井のコールを伊橋が襲撃してリング上でグラビアポーズに興じて試合スタート。松永が赤井にエアプレーンスピン。替わったマイケルに赤井がミドルキック。マイケルはその蹴り脚でキャッチして太ももを舐め、さらにローションを口に含んで赤井の体に垂らしていく。赤井はビッグブーツからコルバタで逆転。坂口が出てきてミドルキック、ブレーンバスターでマイケルを制裁。場外に落とすとエプロンPKを見舞う。続くコブラクラッチはロープに逃げられてしまう。マイケルは巨匠スラムでやり返し、誕期vs高梨の局面へ。誕期が高梨にノド輪落とし。すると伊橋が「誕期ちゃーん!」としゃしゃり出てタッチを受けるも、フロッグスプラッシュはあっさりかわされ自爆。それでも伊橋はニールキックを決めると、KUDOに豚ingでトレイン攻撃。伊橋がミサイルキックを決めるもカウント2。松永がKUDOをホイップしてマイケルがベノムアーム。伊橋がマイケルからアンダータイツを譲り受けるとベノムアーム。さらにぶっこ抜きブレーンバスターへと繋ぐが酒呑童子のカットに遭う。伊橋がムーンサルトを狙うも坂口と高梨が阻止してKUDOが地獄の断頭台。赤井は場外の豚ingにコーナー最上段からプランチャ。リング内ではKUDOが伊橋にダイビング・ダブルニードロップを決めて勝利した。
第3試合はアントーニオ本多vs佐々木大輔のシングルマッチ。向かい合うやナックルの応酬。互いに馬乗りにあってナックルで殴り合い、そのまま場外へと転がり落ちる。アントンは客席へと投げようとするが、佐々木に切り返されて柵に激突。アントンも向かってきた佐々木を飛行機投げで南側客席へと放り捨てた。アントンが佐々木をリングに戻すと、フェースロック。苦しい佐々木はアントンのニードロップをカウント2でクリアすると、バイオニックエルボー狙いをナックルで阻止してドロップキック。トラースキックを狙おうとするもアントンが「ノー!」と許しを請う。向かってきた佐々木をロープを空けて場外に出すもケブラーダ狙いは脚を滑らせてエプロンに尻餅をついて転落。佐々木がすぐさまリングに戻ってトペ・スイシーダ。リングに戻ったアントンに佐々木はダイビング・ラリアット。アントンに敬礼ポーズからマシンガンを放つとクロス・フェースロック。アントンはロープエスケープ。佐々木のナックルにワンショルダーを外して気合いを入れたアントンはナックルでやり返してバイオニックエルボー。10分経過、アントンはダイビング・フィストドロップ。剣山で阻止した佐々木にトラースキックをブチ込んだアントンは卍固めを狙うも佐々木にキドクラッチで切り返されてしまう。佐々木は向かってきたアントンにミスティカ式クロス・フェースロック。グイグイ絞られるとアントンはギブアップするしかなかった。
第4試合はHARASHIMA&ヤス・ウラノvsスーパー・ササダンゴ・マシン&DJニラのタッグマッチ。ササダンゴは「試合に先立ちまして本日の作戦を発表します。私の左手に持っているもの、映せますか? 控室のHARASHIMA選手のコンタクトレンズを盗んでまいりました。今、大慌てしているはずです! これがないとどうなるかわかってますよね…」と言うと、そのコンタクトレンズをパッケージから取り出し、ニラの口に入れてしまう。ニラはコンタクトを飲み込んでしまった模様。リングインしたHARASHIMAだが右目しかコンタクトが入っていないため、距離感が掴めず、あっさりササダンゴに投げられてしまう。ササダンゴは「弱い!」とエルボードロップ。替わったニラは「オメエがほしいものはこれだろ?」とコンタクトを投げるが、拾おうとしたところでギロチンドロップ。その間にササダンゴはHARASHIMAの右目のコンタクトを外してしまうとニラに渡す。ササダンゴが羽交い絞めのしたヤスの口に、ニラがコンタクトを放り込んで、さらにロケットパンチ。ヤスは勢い余って飲み込んでしまった模様。それでもHARASHIMAがなんとか逆転してスイッチしたヤスがササダンゴにミサイルキック。5分経過、ササダンゴがドロップキックで逆転するとニラの足延髄からササダンゴがスライディング・ラリアット。これはニラがカット。ササダンゴはヤスにマスクを被せてしまうと、自身がヤスのバンダナとTシャツを装着。視界がぼやけるHARASHIMAはヤスに勘違いして山折りから蒼魔刀。ササダンゴはHARASHIMAを排除するとカバーするがカウント2で起こしてから再びマスクを装着。しかし続く垂直落下式リーマンショックはカウント2で返される。2発目もカウント2で返されるとトドメのリーマンショックを狙う。これを踏ん張るヤス。ササダンゴがコーナー二戻ったHARASHIMAに気付くと、そこには亜門GMのメガネを借りたHARASHIMAの姿が。HARASHIMAがリングインして2人にハイキックからまとめて蒼魔刀。ヤスがササダンゴをカバーして勝利した。
第5試合はKO-D6人タッグ選手権試合。第13代王者組の石井慧介&入江茂弘&高尾蒼馬は高木三四郎&大鷲透&平田一喜を相手に3度目の防衛戦。スクリーンで平田のバックダンサーとして紹介されたのは女装した福田洋と宮武俊練習生。あのマスクを付けた平田とあの曲でダンスし、場内は大盛り上がり。大鷲と石井のショルダーアタックのぶつかりあい、高木の高尾へのフライング・クロスチョップ → 619や高尾のドロップキックを経て入江と平田がロックアップ。入江のショルダーアタックで飛ばされてしまう平田。高尾のミサイルキック、ボディースラムで攻め込まれてしまう。石井のフィッシャーマンバスターは高木と大鷲がカットして「タッチしてくれ!」。入江のエルボーにグロッキーの平田は続く串刺しラリアット、スライディング式ボディープレスにグッタリ。それでもブレーンバスターを投げ返してピンチを脱出。替わった大鷲が一気呵成の攻め。入江にクロスチョップを見舞う。入江とのラリアットが相打ちに終わるとスイッチした高木は石井と高尾に両腕ラリアット。さらに2人まとめてバックフリップで投げる。ここで平田が「オッケー! 社長!」とタッチを求める。高木は躊躇しながら石井にスタナー。平田は再びタッチを求めると、高木は平田に託す。しかし待っていたのは石井のジャンピング・ニー。入江を使ったフラップジャックなどドリフの猛攻に遭う平田。T2ひーもトリプルの低空ドロップキックを入江に見舞ってやり返すと、平田が入江にエルボー連打。入江がエルボーでやり返して垂直落下式ブレーンバスター。石井と高尾のダブルのトラースキックから入江がビーストボンバー。これは大鷲がカット。入江は平田にフライング・ソーセージ。平田はカウント2でクリアすると場内は大「ヒラタ」コール。ビーストボンバーで向かってきた入江を平田がクルリと丸め込みで切り返して大逆転勝利。場内にあの曲が流れて場内は大歓声。
高木「獲っちゃったよー! 平田、この大歓声が聞こえるか? あとはオマエに任せた」平田「勝った? 俺、勝ったな!(場内の平田コールに)ありがとう! 最後、ボロボロになってよくわかってないけど、ここにベルトがあるってことは勝ったんだろ!? よっしゃー! 俺はボロボロになったって真面目に真剣にすべてプロレスだと思って頑張ってんだよ! このベルトの余韻に浸ることなくベストストレッチだけど、俺がここでチャンピオンになったぞー! 俺が最後、締めるってことはなぁ! あれしかないでしょう! ボロボロでフラつくかもしれないけど、みなさん、休憩前に盛り上がるぞー!」あの曲が場内に流れて平田はボロボロの体でもあのダンスを完璧に踊り切った。
【試合後のコメント】
高木 マジかよ!
大鷲 奇跡が起きるんですよ、高木さん!
平田 勝っちゃったよ!
大鷲 まさかのKO-D6人タッグ、T2ひーの元にきちゃったよ!
高木 しかも入江からだよ! 覚えているか?
大鷲 オマエの人生の絶頂かもしれないぞ!
高木 今日で全盛期だよ。
平田 ボロボロで頭パニックですよ!
高木 あとはオマエの思うことを言ってみろ!
平田 夢を諦めなければサンドイッチ返品からでもプロレスラーになれます! こうして王者になれます! ありがとうございましたー!
石井 まずビックリしています。チームドリフ結成して2年が経って、この3人で組んで初めて入江クンが負けた。この入江クンが負けるデータがなかったので、そのデータをぶち破ったのはすごいと思うけど、いつでも取り返せるし、今まで3回戴冠しているのなら4回目を目指せばいいし、川田&田上組だって世界タッグを6回戴冠しているんだから。今日は負けて悔しいけどマイナス思考にはなってない。
入江 全然、僕も負けたとは思っていない。今日は確かに負けたかもしれないけど、トリオの力は絶対に負けてないと思うから、すぐにでも闘わせてほしいです。
高尾 悔しいですよ。あのベルトはウチらが一番思い入れを持っている。すぐにでもドリフの手に取り戻したいと思います。
入江 石井さん、高尾クン、本当にゴメン…。石井さんがアジアタッグ獲ってくれて落としたのは自分で、高尾クンが6人タッグを獲ってくれて、それも落としたのは自分で…。本当に申し訳ない。
休憩明け、鶴見亜門GMがリング上から以下の発表をおこなった。
①ラーメン評論家で東京ラーメンショー2014の実行委員長を務める大崎裕史氏、富山県で「つけめん えびすこ」を営業している元格闘家・小路晃氏と高木大社長リングイン。10月24日から11月3日まで東京・駒沢オリンピック公園にて開催される東京ラーメンショー2014につけめんえびすことDDT経営のエビスコ酒場がコラボしたラーメン店を出店。出店は10月30日~11月3日の第2幕。これを記念して10月30日16時からラーメンショー会場での路上プロレスも決定。大崎氏「第1幕には高山さんと力皇さんにもタッグでコラボを出していただきます。他の実行委員から2つもいらないんじゃないかと言われたけど、実力を見てくださいと押し通して出ていただくことになりました。勝ち負けを競うものではありませんけど、まがい物じゃないものを見ていただき、来年も再来年もDDTとのコラボラーメンを出したいと思います」小路氏「お久しぶりです! 当日は魂を込めた美味しいラーメンを提供させていただきます。DDTさんと組ませてもらえるので楽しみです。路上プロレスもあるとの事なので今日からトレーニングをして巻き込まれてもいいように、体を作り直しています」高木「東京ラーメンショーといえばラーメン界のレッスルマニアですよ! 小路さんとエビスコタッグを組めて感極まる思いです。当日は路上プロレスもそうですけど、エビスコタッグのラーメンも楽しみにしてください!」
②デビューを控えた練習生5人、勝俣瞬馬、河村知哉の若手選手が主人公となる新プロジェクト『DDT NEW ATTITUDE』(DNA)を起ち上げ。11・28北沢で旗揚げ戦をおこない、宮武を含めた練習生5人はこの大会でデビュー戦を迎え、この7人に沖縄で修行中の鈴木大を加えた8選手が所属となる。河村、勝俣、宮武はこれまでと変わらずDDT、ユニオンにレギュラー参戦。デビューした4人も活躍いかんではDDT、ユニオンに上がれるとのこと。所属となる7人がリング上から挨拶。中津良太「出身は京都府で総合格闘技をやってました。地下格闘技で10戦ほど経験しております。しっかりこの経験をいかして誰が相手でもバチバチにいきたいと思います」梅田公太「熊本出身でキックボクシングをしていました。蹴りを生かした選手になりたいと思います」岩崎孝樹「自分は札幌で山本喧一さんのもとで練習をしていました。新たなプロジェクトを全力で盛り上げたいと思います」樋口和貞「北海道出身です。去年12月まで大相撲の八角部屋で相撲をとっていました。DDTに入ったからには横綱を目指して頑張っていきたいと思います」河村「DNA所属として頑張りたいと思います。この中で一番キャリアがあります。オマエらとは違うというのをリング上で見せたいと思います」勝俣「新プロジェクトで後輩もできるので、僕が新プロジェクトを引っ張っていきたいと思います」宮武「ケガをしてデビューが遅れたけど、その気持ちを糧に試合にぶつけていきたいです」高木「気づけば大所帯になってしまって、練習生が4人も入ってきて大変なことになってしまった面はあるんですけど、闘う場を与えてやっていきたいとこのプロジェクトを起ち上げました。主人公はコイツらです。オマエらがいち若手に甘んじてしまうのなら、若手通信のようなプロジェクトになってしまう。オマエらが一人一人、主役という意識をもってやれば、そういうプロジェクトになる。オマエらにすべては懸かっているからな!」
セミファイナルはDDT EXTREME級選手権試合。第29代王者の男色ディーノは彰人を相手に3度目の防衛戦。ディーノはルールに関して「誰もわからないルール。すなわちノーバディ・ノウズルールでおこないます!」と発表。スクリーンにはディーノが選んだという1カウントフォール、英語禁止、痛がるの禁止、ロープエスケープ禁止。練習生クラッシュ、3カウント後キス、3カウント後告白、3カウント後脱ぐ、3カウント後掘るの9個のルールの内、どれかが決まり手として該当するというもの。木曽レフェリーがルールが亜門GMの持った紙袋から決まり手の書かれた紙を引いて確認し、試合スタート。
エルボーの打ち合いも「痛がるの禁止」かもしれないため互いに我慢。1カウントフォールかもしれないため、互いにカバーも即座にクリア。ディーノが彰人のケツを掘っていったが、彰人は「痛くない!」。男色クローも「痛くない!」急所蹴りにも「硬いから痛くない」と言い張る。ディーノは思わず「ナイトア…」と言いかけたが英語禁止に抵触するため「内藤メアリー」と言い直す。コーナーに登るも彰人にロープを揺らされてトップロープに股間を痛打。我慢するディーノに彰人がカンチョーを仕掛けたが、逆にケツを締められて指を痛めてしまう。思わず痛がってしまった彰人だったが「続行」のアナウンス。大石が練習生をリングに上げる。ディーノが練習生にリップロック。そのディーノをドカして彰人がアンクルホールドを決めてギブアップするが「続行」。彰人がアンクルホールドを決めるとロープエスケープするかどうかで苦悶。ディーノは丸め込みに切り返し、1カウント叩かれるが「続行」。ディーノは男色ドライバー。思わず「カモン」と言ってしまうが「続行」。男色スープレックスを放つも彰人は低空ドロップキックからドラゴンスクリュー、アンクルホールドへ。ディーノは再びエスケープするかで苦悶。彰人はキャンバスにヒザを痛打させて俵返し。サソリ固めは決めさせなかったディーノはバック急所蹴りからゲイ道クラッチで3カウントを奪ったあとキスするが「続行」。ディーノは男色ドライバーもカウント2。垂直落下式ブレーンバスターを決めたディーノは彰人に強烈な張り手。張り手で打ち返す彰人に股間をソフトタッチしてから張り手を打ち込む。ナックルからブレーンバスターを狙うも逆に切り返した彰人は両者ヒザ立ちでナックルの打ち合い。ディーノはバズソーキック。男色ペディグリーからリバースえび反りジャンプを狙うも、彰人が蘇生してヒザ砕き。ハーフネルソン・スープレックスもディーノがバズソーキックで返してホモイェ。彰人をコーナーでセットしたディーノは雪崩式男色ドライバーにトライせんとする。彰人が抵抗してモンゴリアンチョップの打ち合いから彰人が頭突き。さらにリップロックからキン肉大移動へ。
これで3カウントを入れたが彰人はマイクを取ると「ディーノさん。僕はあなたに見せられて憧れてプロレスラーになりました。そんな僕がこの後楽園ホールであなたとタイトルマッチができて夢が叶いました。けど夢を叶えて終わりにしたくない。あなたに勝ってあなたの言うように夢を紡いでいきまし。あなたに出会えてよかった。大好きです」と告白。するとこれが正解。ゴングが鳴らされ、彰人がEXTREME級王者となった。「僕はあなたがいたからプロレスラーになれた。愛してます」と涙ながらに言う彰人に、ディーノは指を突き立てながら「オメエなんか好きでもねえや!」と吐き捨て退場。彰人は「EXTREMEは個性の象徴。自分にしかできないことをやっていきます!」と誓った。
【試合後のコメント】
彰人 やっと獲れましたね。何か実績を残さなきゃいけないと思っていたけど、4月のKO-D無差別級でも負けてしまって、次期挑戦者決定トーナメントでも負けて、やばいなと思っていたんですけど、今日、EXTREMEのベルトが獲れて、本当によかったです。しかも、ディーノさんから獲れたというのが大きくて、僕は男色ディーノに憧れてプロレスラーになったので、ディーノさんに勝てたのがすごくうれしかったですね。EXTREMEのベルトは個性の象徴だと思っているので、僕にしかできないことがいろいろあると追うので、それをドンドン見せていきたいと思います。さっそくなんですけど、今年のKING OF DDTに予選で負けて出られなかったんですよ。それが心残りで、今年中に決算したい。次の挑戦者は高尾蒼馬を指名して、決算したいと思います。EXTREMEのベルトの価値をKO-D無差別級と同じぐらいにまで高めていきたいと思います。
――高尾選手とやる時にルールは考えていますか。
彰人 簡単に言ってしまえば、僕は足関節が得意なので、例えばですけどオンリー・ギブアップルールとか。お笑いもできますけど、あえて真面目にやってベルトの価値を高めてもいいのかなと思います。
メインイベントはKO-D6人タッグ選手権試合。第49代王者組の飯伏幸太&ケニー・オメガは竹下幸之介&遠藤哲哉を相手に7度目の防衛戦。先発の飯伏と竹下はバックから腕の取り合い。続いてケニーと遠藤が対峙。ケニーがヘッドロックで捕獲。遠藤もアームホイップで投げるがヒザ蹴りですぐさま逆転されてしまう。ラヴァーズの串刺し攻撃から合体リフトアップは遠藤が着地すると竹下がまとめてジャベリンキック。ケニーが竹下を黙らせて遠藤に飯伏とともに連係攻撃を決めると、竹下にはケニーのバックブリーカー+飯伏のフットスタンプの合体攻撃。孤立した遠藤にケニーがバックブリーカー。このカバーはカウント2。飯伏がスリーパーからキャメルクラッチで続く。セコンドのアントンが「遠藤、根性出せ!」と檄を飛ばす中、遠藤にケニーが強烈な逆水平。そこからケニーに集中砲火を浴びてしまう。苦しい遠藤だがケニーのパワーボムを着地してエルボーを放つが、すぐさまスパインバスターで叩きつけられ、シャープシューターで捕獲されてしまう。遠藤は何とかロープエスケープ。飯伏にスイッチすると、飯伏は「どうした! こいよ!」。遠藤はなんとかエルボーを打ち込んでいく。カウンターのバックエルボーからソバットを食らってもドロップキックで打ち返して、ようやく竹下にスイッチ。竹下は飯伏にヒザ蹴りからパーフェクトプレックスもカウント2でカットされてしまう。ラヴァーズの連係を何とか分断させて15分経過。飯伏はキックのコンボからミドルキック、さらにムーンサルト・ダブルニードロップを繰り出すがカウント2。竹下はショートレンジのビッグブーツからコウモリ吊り落としを決めて遠藤にタッチ。遠藤がスワンダイブエルボー。ケニーも場外に落とすと、捻りを加えたケブラーダ。竹下のハーフハッチに遠藤がその場跳びムーンサルトを合わせるもカウント2。遠藤がムーンサルト。飯伏が回避するも遠藤が延髄斬り。竹下も加わるが飯伏は2人まとめてオーバーヘッドキック。飯伏はケニーとタッチ。ケニーは遠藤にダイビング・ボディーアタック。カバーを丸め込みで切り返されるもカウント2でクリアしてトラースキック。クロイツラス狙いを凌いだ遠藤がトラースキックから変形の河津落とし。コーナーに登るが蘇生したケニーが動きを止めると、雪崩式クロイツ・ラスを狙うが遠藤がこらえて逆さ吊りになったケニーに竹下がfromコーナーtoコーナーでアシスト。遠藤のムーンサルトプレスはカウント2。竹下はケニーにタッチダウンを狙うが凌がれてしまうと、PKこころは遠藤がスワンダイブを狙う飯伏を引きずり落として阻止。スタイリングDDT、飯伏のミサイルキック、遠藤のオーバーヘッドキック、ケニーと飯伏の波動拳ジャーマンが交錯。遠藤を仕留めようとラヴァーズのPKこころは竹下がなんとかカット。飯伏が竹下を排除。飯伏の雪崩式パワーボムを遠藤がフランケンでかわしてケニーに垂直落下式ブレーンバスター。タッチを受けた竹下がケニーに串刺しビッグブーツからブルーサンダー。カウント2でクリアしたケニーが竹下にドラゴン・スープレックス。波動拳を竹下がエルボーでかわし直後にケニーがジャンピングニー。向かってきたケニーに竹下はラリアットからジャーマンはカウント2。またもジャーマンを繰り出すがカウント2で返される。竹下がタッチダウンから遠藤がスカイツイスタープレス。竹下のカバーは飯伏がカット。遠藤が飯伏を押さえつけ、竹下がクロスアーム・ジャーマンで3カウント! 場内は大歓声に包まれた。
ケニーがマイクを取る。ケニー「結果が全て。これからオマエらにDDTの未来を任せます」竹下「ケニーさん、飯伏さん、ありがとうございました。今日でゴールデン☆ラヴァーズを超えたなんて、これっぽっちも思ってません。もっともっと上を目指して努力していきます。でも、今日だけは今日一日だけは喜ばせてください。今日は遠藤さんがすごく頑張ってくれたので、遠藤さんに締めてもらいます」遠藤「正直、みなさんの応援があったおかげで、こうしてベルトを獲ることができました。今日は応援ありがとうございました。このまま僕が締めてもいいんですけど、今日獲った竹下に締めてもらいます」竹下「世界のベストチームに1勝を挙げたことはプロレス界に革命を起こしたと思っていいですか? 僕たちがプロレス界の未来を見せます! 今日はどうもありがとうございました!」
【試合後のコメント】
ケニー 最後のほうの試合を思い出して、7発、連発で受けて殺されました。俺はスーパーマンじゃない。ただの人間です。エリートアスリートだけど、7発は多すぎた。ゴメン。
飯伏 自分の中で助けにいけるチャンスはあったのかもしれないけど、その前のゴールデン☆アルマゲドンを返されてダメージと焦りで助けにいけずに…。最後の最後の前も助けたんですけど、最後の竹下は防げなかった。
ケニー 今回はまったくわからない。だけど、竹下と遠藤の本当の勝負はこれから。ここから上にあがるか。DDTのみんなが、ファンのみんながそれを見ている。1年前からゴールデン☆ラヴァーズが精一杯がんばりました。だから、ファンのみなさん、ゴールデン☆ラヴァーズを応援してくれてありがとう。そして遠藤、竹下。がんばって。
――リング上で2人にどのような言葉を送りましたか?
飯伏 これからがんばってという感じです。たぶん。
竹下 応援、ありがとうございました。
遠藤 これで一つ、すごく大きな結果が出ました。もう今日はこれ以上ないんじゃないでしょうか。
竹下 一瞬、ゴールデン☆ラヴァーズに上回れただけだと思います。これで超えたとは思っていません。もっともっと上を目指して明日からトレーニングを頑張っていきます。
遠藤 いや、トレーニングは今日から。
竹下 わかりました。ストイックにいきましょう。遠藤さんとタッグを組んで2年ぐらいたちます。後楽園の第1試合に出ました。でも2年後、後楽園のメインでゴールデン☆ラヴァーズを相手に勝つことができて何も言うことはありません。ありがとうございました。
――ゴールデン☆ラヴァーズを上回れた要因は?
竹下 やっぱり、いつもここで負けているというところでもうひと踏ん張り。ガムシャラにあきらめないことだけ。これでいい試合をして負けたら当たり前だと思うんですよ。それじゃ未来を見せられないと思うんですよ。俺たちがプロレス界を引っ張っていくんだという気持ちだけでがんばりました。
――ピンチでは必ずカットに入る信頼関係を見せた。
遠藤 なんだかんだ結成して2年間ぐらいですから、信頼関係は築いている。
竹下 試合前にすべてを懸けて闘おうと。これで終わってもいいぐらいの気持ちでベルトを獲りに行こうといって。それに名監督・アントーニオ本多さんにも励ましてもらって、がんばることができました。
――最後のクロスアームジャーマンは?
竹下 初めてですね。でもこれさえ出せば絶対に3カウント取れると確信していたので。狙うことはあったんですけど、遠藤さんのサポートもあって今回初めて決めることができました。奥の手です。
――お客さんの大歓声に対しては?
竹下 僕はあまり歓声を受けたことがないと言うか応援されるタイプの選手じゃないので、会場全体で応援してもらって、その声援に応えることができて、プロレスラーになってよかったなと思いました。
遠藤 改めて応援が力になるんだなと思いました。小山でケニーさんに殺されかけた時もこっちは100%でいってもダメだった。でも今日の歓声とか大きい会場でやることによって僕らの秘められた殺気が歓声によって解き放たれた。その結果、ベルトが獲れた。応援あってのことです。
――DDTの未来を見せる上で今後はどのような防衛ロードを考えていますか。
竹下 これからはチャンピオンとしてタイトルマッチが組まれますけど、ゴールデン☆ラヴァーズに勝利したことはプロレス界に一つビッグウェーブを起こしたと思っています。ここから本当の意味で俺たちがプロレス界を引っ張っていくので、期待してください。