15日、さいたまスーパーアリーナコミュニティアリーナにて「さいたまスーパーDDT2015」がおこなわれた。まずは伊橋剛太&DJニラvs星誕期&福田洋のキング・オブ・ダーク初代王者決定戦から。13時20分過ぎにニラがフラりとリングイン。続いて誕期が現われるとニラがビニール傘で一撃。うずくまる誕期。「俺じゃねえ!」とうろたえるニラ。ここで「間もなく本日のダークマッチをおこないます」のアナウンスが。ニラはぐったりする誕期をエプロンサイドに移動して待機する。13時30分が回ってダークマッチがスタート。福田が星条旗フラッグをはためかせながらリングインするも、パートナーの誕期はグッタリしたまま。続いて伊橋が入場するが、何事もないままゴング。福田が伊橋にショルダーアタック。自分の尻を叩いて挑発する福田に伊橋がミドルキック。替わったニラはヒザを抱えてうずくまり、不意を突いてのロケットパンチ。伊橋が出てくるとボディースラム。福田も伊橋をコーナーにぶつけて誕期にタッチを求めたが、当の誕期はグッタリしたまま。伊橋のボディープレスを福田が回避。誕期が何とか蘇生してようやくタッチを受けると電車道。コーナースプラッシュからブレーンバスターで投げる。このカバーはニラがカット。2人がかりの攻撃を誕期がショルダーアタックで一蹴。伊橋がレッグラリアットでやり返し、ニラが足延髄。さらにシャイニング・ニースタンドから伊橋がミサイルキックを決めるもカウント2。伊橋がジャーマンで投げたが誕期の重さで潰されてしまう。誕期からスイッチした福田がコーナーダイブも伊橋がナックルで迎撃。サミングを受けるもラリアットでなぎ倒して「イェイカモン!」コールからムーンサルト・プレス。これをかわした福田がランディ・オートンばりのバイパームーブから首固めで勝利した。このタイトルは直接負けた選手が認定されるため、伊橋が初代王者に。亜門GMから「勝たない限り、オマエは未来永劫、ダークマッチに出続けるんだからな!」とベルトを渡されると伊橋は「こんなベルト渡しやがって!」と引き揚げた。
【試合後のコメント】
伊橋 あー! こんなベルトいらねー! なんだよこれ? だいたいよ、キング・オブ・ダークって、略してKO-Dなんてよ、言いやがって!単なる、嫌がらせじゃねーかよこんなベルトよ! でもこれあれだろ? 誰でもいいから、誰でもいいからあの、挑戦させて、負けさせたらいいんだろ? そしたらこの忌々しいベルト渡せるんだろ、他人に。俺は本戦に出れるんだろ? そうだよな? よし! 何が何でも、次の試合でこれかけて勝ってやる。次のダークマッチで、このベルト、この忌々しいベルト賭けて勝って、負けた相手に渡してやるよ!
第0試合は樋口和貞&河村知哉&岩崎孝樹vs中津良太&鈴木大&梅田公太の6人タッグマッチ。樋口と中津の先発でスタート。梅田が伸びのあるドロップキックを岩崎に決めて鈴木と交替。鈴木はエアプレーンスピンから逆片エビ固めで捕獲。岩崎はロープエスケープ。中津が出てきてエルボーで向かっていく。岩崎はミドルキックでやり返してランニングエルボー。岩崎は河村とスイッチ。河村が中津に高速ブレーンバスター。救出に入った鈴木にはバックエルボーを決める。ステップ式リバーススプラッシュはカウント2。中津はエルボーからミドルキックで動きを止めるとドロップキックへ。中津からタッチを受けた梅田は中津とダブルのミドルキック。鈴木のロケットパンチからさらにダブルのミドルキックを決めるもカウント2。河村がコルバタで梅田を投げて樋口とスイッチ。樋口は梅田にドロップキック。これはカウント2。さらにショルダーアタックからカナディアン・バックブリーカーで担ぐも梅田が回避してキックのコンボ。しかし、向かっていったところで樋口にキャッチされてオクラホマスタンピード。最後はカナディアン・バックブリーカーでギブアップを奪った。
【試合後のコメント】
樋口 初めてのさいたまスーパーアリーナというこういうデカい会場で、プロレスができて本当に幸せです。
――DNAのメンバーでこのような舞台に立てて、チームとしての喜びはありますか?
樋口 そうですね、チームとしてもあるんですけど一個人としても本当に嬉しいなという気持ちがあります。次はダークじゃなくて本戦に出れるように、DNA全員で頑張りたいと思います。
鶴見亜門GMの前説ではゲストの山里亮太さんもリングイン。グッズ紹介ではHIRATA GOサングラス売り切れの情報が明かされる。さらに『劇場版プロレスキャノンボール2014』の追加上映決定もアナウンスされた。3月21日~4月3日、シネ・リーブル池袋にて(昼間上映もあり)。3月21日(土)、28日(土)、29日(日)は舞台挨拶付きとのこと。最後に大石も交えて「Xを迎え入れる作法」へ。山里さんが「旭さんでしょ? わかっていたら盛り上がらないでしょう」と疑問を呈すと、亜門GMはビンタして「DDTのお客さんはできるんだよ!」。亜門GMの熱血指導で場内大盛り上がりの中、練習は終了。「さすがですね! DDTのお客さんは最強だと思い出しました!」と感心した山里による「さいたまスーパーDDT、スタート!」のコールで大会スタート。
第1試合は曙&大鷲透&平田一喜vsヨシヒコ&アントーニオ本多&グレート小鹿の曙軍vsヨシヒコ軍全面対抗戦。ヨシヒコ軍の後に曙軍が入場するも曙と大鷲のみ。そして『●O●●O ●O!』が流れるとHIRATA GOサングラスを光らせ、豪華なガウンに身を包んだ平田が登場。平田はサングラスを曙と大鷲に渡そうとするも拒否されてしまい、踊ろうとしたところでアントンの襲撃にあって試合スタート。アントンの挑発に曙が乗って対峙するもパワーに圧倒されてしまう。気を反らせてのナックルパンチも拳を痛めてしまう有様。フィンガーロックの力比べも片腕だけでダウンし、ショルダーアタックで倒されてしまって小鹿とタッチ。小鹿はチョップを繰り出すもビクともしないとヨシヒコとスイッチ。曙は「ダメダメ」と平田と交替。するとヨシヒコからアントンにスイッチ。平田はアントンにドロップキックを見舞うと「俺はさいたまに踊りにきたの!」と言うとサングラスを装着し「俺の曲をかけろ!」と指示するも、やっぱりアントンに阻止されてしまう。小鹿が出てくるとキチンシンク。さらにボディーへのニードロップからアントンのニードロップも食らってしまう。平田はアントンへのコルバタで逆転すると替わった大鷲がアントンのバイオニックエルボーを阻止して「さいたまのみなさんお待たせしましたー!」とバイオニックエルボー狙い。腰をくねらせていると、小鹿も腰をくねらせて近づきエルボーでカット。ヨシヒコがキックで加勢する。平田が救出に入るもヨシヒコが大鷲をコルバタで回す。回された大鷲はそのまま自軍コーナーの曙とタッチ。曙はヨシヒコにエルボードロップを見舞うとコーナーに追い詰める。しかしコーナースプラッシュをヨシヒコが回避してコルバタで投げた。誰もいなくなったリングでサングラスをかけた平田がダンス。これはアントンがカット。アントンがサングラスをかけてダンス。これは大鷲がカット。大鷲がサングラスをかけるとあの曲が流れたが、すぐに外す。ここで小鹿がリングインし大鷲を蹴散らすと「コジカ」コールに押されてサングラスを装着すると、あの曲に乗ってダンス。平田と大鷲を蹴散らすとサングラスをかけたアントン、ヨシヒコとダンスを踊る。アントンの背後にはサングラスをかけた曙が。アントンに張り手を見舞うと大鷲がノド輪落とし。平田のスライディングキックから曙がランニング・ボディープレスで勝負あり。マイクを持った曙が「平田選手、ここままじゃ終われないでしょ? どうですか、お客さん!」と煽る。するとサングラスを装着した平田があの曲でダンス。場内を大いに盛り上げた。
【試合後のコメント】
小鹿 いやー、横綱は大きい!
アントン 小鹿さん対して闘ってないじゃないですか!? 自分ばっかりですよやられたの。
小鹿 大きい岩の塊にいったようなもんだ。
アントン 全然闘ってないじゃないですか。
小鹿 いやいこうと思ったけど。
アントン 助けにきてくださいよ~。
小鹿 本多選手が張り切ってるから、今日お客さんもいっぱいいるしね、本多選手の存在感をね、お客さんに見せてやらないと。
アントン 何言ってるんですか!?
小鹿 俺は遠慮したんだけど。
アントン いやいやいや。
小鹿 いやいやいやいや、ほんと、大きい。強い。今度やる時は別なこと考えなきゃダメだな。
アントン そうですね。ちょっと、我々、相手方を倒すこととともに、あのメガネで踊りたいという欲を抑える事ができなかったのが、やはり敗因の大きな一つだと思いますんで、今度からは、やっぱちょっと一回抜いてくみたいな感覚で、試合前に一回踊りまくって、一回抜いてくみたいな感覚で、あの、試合に臨めば本番はイケるんじゃないかと。一回抜いてくみたいな感覚で。
小鹿 踊りという魔法をかけてさ、相手をそれでやっつけると。
アントン ドラクエの不思議な踊りみたいなものですよね。我々が不思議な踊りを出すことによって相手が眠るみたいな。
小鹿 そう。
アントン ラリホーみたいな。
小鹿 なんか催眠術をかけるような。
アントン 踊りのクオリティーを上げるっていうのは一つの作戦かもしれないですね。
小鹿 速い踊りでな。
アントン 速い踊り!?
小鹿 試合やる前に息が切れるような。
アントン 試合やる前じゃダメでしょう。試合中に踊るんじゃないんですか? チキショー、覚えてろ。
小鹿 よく頑張ってくれた。
アントン ありがとうございます。負けましたけど、こうやって小鹿さんと、ヨシヒコ、そして、ぶっちゃけ福田と一緒に、ビッグマッチを闘うことができて自分は嬉しいです。な、福田?
福田 ありがとうございました。さいたま終わった。
大鷲 横綱ありがとうございます。さいたまスーパーアリーナっていうね、ビッグマッチ! 我々、何軍ですが?
曙 チーム曙軍じゃないの。
大鷲 T2ひー解散して新しく、ATひー?
平田 ATひーな感じです!
大鷲 その辺はまあまあとりあえず後々考えるとして、平田! なんだお前、入場のガウンは聞いてねーよ! だんだんだんだん電飾で派手になっていきやがって、お前どこにいこうっていうんだ。というか今日で完全に終わりだろうが。
平田 いや、まだまだ。私、進化していきますからね~。
大鷲 これ以上結構なんでね。とりあえず横綱、どうですか? 初のヨシヒコ。
曙 たち悪いっすね。
大鷲 色んな意味でたち悪い(苦笑)。
曙 たちが悪いっす。
大鷲 どうですか? ゆくゆくはシングルマッチとか。
曙 もうちょっと僕も勉強しないと、できないね。
大鷲 まだこれ以上、横綱にも勉強がいると。
曙 はい。
大鷲 ヨシヒコがそんな奥深い選手ということでですね、とりあえず、また是非よろしくお願いします。
第2試合はアイアンマン・バトルロイヤル。スクリーンで第1012代王者のアジャが通路を歩いていると映像班の久保佑允が襲い掛かってカバーし、ベルトを奪ってしまう。久保はベルトをたすきに巻いてビデオカメラ片手に撮影しながらリングイン。続いてリングインしたヤスを撮影しながら対峙してゴング。久保はカメラ片手にコルバタを決めて撮影。さらにアストロシザースまで決めてみせる。第3入場者は勝俣瞬馬。勝俣は久保にミサイルキック。スワンダイブ式Xファクターを迎撃した久保に勝俣が飛びつきエビ固めでフォールを奪って王座移動。第4入場者は相島勇人。相島はヤスを蹴散らして勝俣にエルボードロップ。このカバーはカウント2。第5入場者は高尾蒼馬。高尾がヤスにドロップキックを決めていると第6入場者の佐藤光留が昨年大晦日のDEEPさいたまでの勝利者賞の盾を片手にリングイン。光留が盾を手にしたまま勝俣に逆片エビでギブアップを奪って王座移動。ここで第7入場者のベルナール・アッカがリングイン。光留は盾とベルトを手にしたままアッカにアリキック。第8入場者は松永智充。光留が押さえ込まれて高尾に王座移動。第9入場者はゼウス。ゼウスはパワーで圧倒し、アッカ、相島、ヤスをOTRにする。第10入場者は赤井沙希。ゼウスは高尾にチョークスラムでフォールを奪って王座移動。第11入場者は大石真翔。松永が大石を使ってゼウスを丸め込み王座移動。怒りのゼウスがその松永にラリアットを見舞うと大石が松永をカバーして王座移動。最終入場者はアジャ・コング。アジャは大石に一斗缶殴打。バックドロップでフォールし王座移動。赤井がそのアジャにダイビング・ボディーアタック。アジャが裏拳で黙らせてバックドロップ。これはカウント2。アジャが垂直落下式ブレーンバスター。これで3カウント。アジャがタイトルを守り抜いて試合終了。引き揚げる際に久保が襲い掛かるも裏拳で黙らせた。
【試合後のコメント】
ゼウス まあ、三冠の後やいうことで、こないなね、ベルトに挑戦、させてもらったわけやけど、まあこのベルトはこのベルトで、全日本の秋山さんも獲ったり、芸能人のLiLiCoも獲ったり、まあ一流の人間が取ってたから、その中に、俺の名前も連ねたっていうのはええかな。まあそういうノリかな。まあまあこれから、ゼウス、やるから見とってや。
――最後の一人まで残ったんですがね
赤井 最後の方に、登場が最後の方だったので。私、先々月の後楽園のチャンピオンだったんですよ。今日知り合いの人とか、芸能関係の友達とか見に来てくださってて、沙希ちゃんなんの試合なの?ってアイアンマン、私前にしてたベルトをアジャさんに獲られたから、私が獲り返すって言って結構、芸能関係の人が来てくださって、芸能とかの知り合いの人がまたプロレス面白いねんでって、そっからまた広げて欲しかったんですけど、できればベルトを巻きたかったんですけど、何が敗因なんですかね? 何が敗因ですか? 私、何がダメでした?
――パワーとかキャリアですかね。
赤井 パワー…そっか、パワー…あの、パワーではもちろん敵わないってわかってたので、やっぱり一瞬の隙とか、絞め技とか、自分は打撃とかプロレス見る側では打撃とか持ち上げてヨイショっていうのが好きなんですけど、自分にあった技で効果的なやつをもうちょっと勉強します。
――今回不意打ちではなかったが、アジャ選手の怖さとか感じました?
赤井 やっぱり、入場しただけで一回りも二回りも、もちろん元々のアジャさんも大きいんですけど、それ以上にオーラを含めてすごく大きく見えたんで、入場の時点でちょっとビビったっていうのはもしかしたらあるかもしれないです。スターダムで世Ⅳ虎と試合した時に、集中するのに背中向けてたんですけど、それじゃダメだと思って今回は見ようと思ったんですけど、やっぱり一回りも二回りも大きく見えましたね、アジャさんが。
――アイアンマンへの思いは変わらないですか?
赤井 そうですね、その、もちろん私がDDTに参戦するってことになって、一番欲しかったベルトで、一番獲りやすいとかそういうのは全然思ってなくて、競争率もその倍? 何倍もあると思ってるんで、今日なんて、映像班の方が獲ったりしてたんで、獲れそうな人に回るまで待ちますってほんとは言いたいんですけど、それじゃいつも練習で教えてくださってる坂口さんもそうだし、普段プロレスの練習が意味ないってことになっちゃうんで、ちゃんとプロレスやってる方から獲りたいなって思いますけど、そんな甘いこと言ってられへんから一回はちゃんとチャンピオンになって、オスカーのスタジオで撮影して、もっともっと世間に、DDTのアイアンマンってベルト取ったって、綺麗な写真で色んな媒体に載りたいです。ちゃんと、ベルトを巻いて、綺麗な写真を取ります。すいませんでした、とにかく。
アジャ お前ら下がれ! 信用しないからな、カメラマンとか記者とかこの野郎。そこのカメラマンもあんまり前出てくんなこの野郎! ぶっ飛ばすぞ。誰にも渡さねえからな、このベルト。誰も信用しねえからな、この野郎。カメラマンであろうが記者であろうが、プロレスラーだろうが芸能人だろうが、誰にも渡しません、このベルトは! 二度と同じ轍は踏まないからな。ちょっとでもお前ら変な真似したらな、全員ぶっ殺すぞこの野郎。わかったか!? 後ろ回るんじゃねえぞ、この野郎! 散れ! みんな散れ!!
第3試合はテレ玉presentsDDT EXTREME級選手権ルールランブルマッチ。第30代王者の彰人は6度目の防衛戦。Xを迎え入れる作法がバッチリ浸透しており、旭の入場に場内は大盛り上がり。ルールランブルは互いに持ち寄ったルールが90秒ごとに変更されて、その中で勝ち負けを争うというもの。まずは通常ルールでスタート。互角のグラウンドの攻防から90秒が経って「関節技禁止ルール」が提示される。旭のハンマーロック、彰人のハンマーロックは木曽レフェリーに注意され、彰人のダブルアームも、フルネルソンも関節と取られてストップが入る。彰人の俵返しはクラッチなので注意されず投げ切ることに成功。ここでルールが「場外転落即敗北ルール」に変更されるとエプロンでの際どい攻防へ。ここでルールが「2カウントフォールマッチ」に変更。旭の逆さ押さえ込み、モダンタイムスをカウント1でクリアする彰人。サソリ固めを決めているとルールが「彰人&ヤス・ウラノvs旭&大石真翔のタッグマッチ」に変更される。互いのセコンドが慌ててリングイン。大石旭のサボテンの花がヤスに決まるも、これは彰人がカット。彰人へのサボテンの花は彰人が回避してルールが「オンリーギブアップマッチ」にルール変更。足横須賀からアンクルホールドで旭に迫る。彰人のキン肉大移動が決まるとそこから足4の字固めへ。旭はロープに逃げる。ここでルールが「ノーロープエスケープマッチ」に変更。彰人は両足まとめてドラゴンスクリューからロープ越しのトライアングル・スコーピオンへ。旭はこれをネックロックで拒否して阿吽を決めるとロープ越しでうまく丸め込んで勝利。旭にはテレビ埼玉から彩の国黒豚一頭分が贈呈された。
【試合後のコメント】
彰人 なんかごめんなさい、僕が一番やっちゃいけないことやっちゃいました。ビッグマッチで、ベルト落とすのは本当に良くない。EXTREMEのベルトって、僕にとってこう、アイデンティティになってきたものであって、EXTREMEのベルトがない僕のDDTでの存在意義って、ちょっと今立ち直れないですね。いやけど、取り返します。絶対取り返します。旭志織から、絶対取り返す。僕は勝つまで、勝つまで諦めません。ウラノさんほんとごめんなさい。
ヤス しょうがないよ。今日負けるのは悔しいね。
彰人 ちょっと、やっちゃいました。ちょっとナメてたかもしれないですね。ノーロープエスケープになって、前回、大石さんから勝ってるから、あの技僕は完璧な技だと思ってて、ちょっと完全にナメきってましたね。僕が甘かったです。今日ほんと悔いしかないですね。もう一回、一から、一からEXTREMEのベルト、挑戦まで上り詰めます。
旭 どうですか? 獲りましたよ?
大石 イエーイ、獲ったぜ―!
旭 あの、なんでしょう? 彰人選手が、このEXTREMEのベルトでね、自分なりの王者っていうものを築き上げたっていうのをわかってますし、リスペクトはしてますけれども、このスタイル、僕だってはっきし言って得意なんですよ。こういう、ちょっとひねりの効いたこと、俺得意なんです。えーと、最後の、最後のルールになったなんだっけあれ? アナタが負けたやつ。
大石 私が負けたやつ。
旭 ノーロープエスケープ。あれ、多分ね、提出されたルールの中にあれ二個あると思うんですよ。彰人選手がもちろん一個提出したんでしょうけど、僕も、一個提出したんです。理由は、わかりますよね? フィニッシュを見れば、わかりますよね? ロープを使ったエトセトラ、わたくしも大の得意ですんで。週刊プロレスの選手名鑑見てください。ロープ際での攻防を得意とするみたいなこと書いてありますから。
大石 書いてあった、書いてあった。
旭 それをチェックしてない、彰人選手の情報不足ですかね。
大石 そうだね。
旭 このEXTREMEのベルト、色々と活用させてもらいたいと思います。もちろんDDTのリングで、対戦防衛するのはもちろんですけども、千葉にも持って帰って、千葉のためにも、役立たせていただけたらなと思ってますんで、まあ色々と考えてます。これからの、旭志織、X=旭志織の王者像、ご期待ください。
第3試合終了後に大会日程などがスクリーンで発表された。
①3・21埼玉・春日部ふれあいキューブで春日部初のビッグマッチを開催。今回のKO-D無差別級タイトルマッチの勝者の初防衛戦。
②今年のビアガーデンは東京・新木場1stRINGで期間は9日間と最大規模で開催。
③8・23両国国技館大会のチケットは好評発売中。
④今年もDDTドラマティック総選挙を開催。対象大会はDDT8・30新宿~ユニオン10・4後楽園。さらに9・22&23新宿でDDTブランド一挙集結。ガンプロ 、東京女子勢にも出馬資格を付与。
⑤名古屋のビッグマッチは年2回。5月17日に続いて11月3日の愛知・名古屋国際会議場大会が決定。
⑤12月13日に九州発のビッグマッチを開催。福岡・博多スターレーンを全面使用。
⑥2016年は春と夏に両国開催! 3・21&8・28両国国技館大会が決定。
第4試合はKO-D6人タッグ選手権試合。第15代王者のゴージャス松野&バラモンシュウ&バラモンケイはKUDO&坂口征夫&マサ高梨を相手に3度目の防衛戦。バラモン兄弟が場外で暴れまわっていると先入場の酒呑童子が呼応して開始のゴング。客席を所狭しと暴れまわった6人。豚の頭部まで乱れ飛んで5分が経過。キャリーバッグを持ち出した兄弟は高梨をコーナー下に固定してボウリング球を投げてストライク。さらに交通標識看板を持ち出した兄弟。しかし羽交い絞めにしたケイにシュウのフルスイングが誤爆。高梨がKUDOにスイッチするとキックで一気呵成に出る。KUDOの兄弟まとめての8×4から松野もまとめてキャリーバッグで固定すると坂口がボウリング球を投げてストライク! リング上では松野がコーナーに固定されて坂口の串刺しニーを食らうもカウント2。坂口のスリーパーはシュウがパウダーで阻止。松野の丸め込みはカウント2。松野が坂口に619。ゴージャスエルボーはかわされてしまうも飛びつき腕十字に持ち込む。これをKUDOがダイビング・ダブルニードロップでカット。すかさず坂口がコブラクラッチを決めて勝利した。酒呑童子がリング上で勝利の美酒に酔っていると亜門GMから「リングをあけてもらっていいですか? 次の試合の準備もあるんで」とストップが入った。
【試合後のコメント】
シュウ オイ、大丈夫か。オイ! 起きろ!
松野 うおっ!
ケイ 危ねーな!
シュウ 何してんだよ、お前よ!
松野 どうしたんだ?
シュウ 負けたじゃねーか! お前が失神して負けたんだ。
ケイ ベルト獲られちゃったよ。
シュウ 何してんだよ、お前。
松野 誰もギブアップなんかしてねえぞ。
兄弟 お前が落ちたんだよ!
シュウ ギブアップよりも負けに等しいよ! 戦意喪失と同じじゃねーか!
松野 ここどこだよ、オイ。
ケイ 記憶がなくなってんじゃねーか。
シュウ さいたまスーパーアリーナだよ。負け負け。
ケイ 負けたんだよ。
シュウ お前が勝手に負けて、このトリオも終わりだな!
ケイ 今日でお払い箱じゃねーかよ。
松野 バカ言ってんじゃないよ。
シュウ 勝手にやって勝手に負けてんじゃねーよ。
松野 そんなことねーよ。
ケイ そんなことあるよ!
シュウ それしかなかったぞ!
松野 なんだよ! どこだよ、ここ!
シュウ だからさいたまスーパーアリーナだっつってんだろ!
ケイ コミュニティホールってやつだ。
松野 なんだ、リングどこなんだよ。
シュウ リングあっちだよ。
ケイ さっきまでいただろ。ここはリングじゃねーよ。テーブルの上だ、オマエ。
松野 坂口極めたじゃねーかよ。
ケイ 極めてねーよ。
シュウ 極められたんだよ。
ケイ やられたんだよ。唇カサカサじゃねーかよ、お前。水分ないんだろ。
シュウ 水分足りねえだろ。水飲んどけ。お前減量しすぎだよ。
松野 負けたの?
兄弟 負けたの!
松野 じゃあいいや、ベルトは、ねーな。
シュウ だから負けたんだからベルトなんかねーだろ!
ケイ 負けたのにベルト持ってたら変だろ。
松野 いいよ、酒呑に負けんだったらよ、俺たちがタッグを組んだのもよ。
シュウ トリオな。
松野 トリオ、え? 3人タッグ組んだんだってよ、キャノンボールが縁なんだからよ、酒呑じゃねーかよ最初。あいつらに持ってかれんだったら俺はよ。
シュウ まあそうだな。あいつらとの闘いから始まったからな。
松野 そうだよ。ただしな、一個だけ言っとくけども、もう、守るもんなんにもねーけども。
シュウ 元々ねーじゃねーかよ。
松野 いやこれからは、俺たちの本当のな、友情が芽生えて…。
兄弟 芽生えねーよ!
松野 ベルトはなくなったけど、これから俺たちほんとに生きたチームとして、闘い抜くよ。
シュウ 生きたチームってなんだよ!?
ケイ 死んでたのかよ! 最初から生きたチームにしてくれよ!
松野 ベルトなんか持ってると、なまじっかそれを守ろうと思って、ほんとのチームワークなんかできねーんだよ。失って初めて…。
シュウ お前、失ったらたぶん呼ばれねーぞ。
松野 そんなこと。
ケイ あれはベルトとともにな、このチームも失われるんだよ。俺呼ばれてねーもん。
松野 そしたら、俺が福島で自主興行やる時はお前らを呼んで。
シュウ いつだよ?
松野 3月15日だけど。
シュウ そん時な、みちのくあるんだよ、出れねーわ。
松野 いいよ、来年もやるからな。
ケイ じゃあ来年までないな、このチームはな。
松野 一回か二回ぐらいDDTの事だからあるとたぶん思うけども。
ケイ 来年までに一回か二回だったら、みんな忘れちゃうよ。
シュウ そうだよ。
松野 電話するよ。
シュウ 連絡先を知らねえもん。
ケイ じゃあもう今日でお別れだ、サヨナラ(兄弟は控室へ)。
松野 ちょっと気を失ったんでいきなりこういうとこで、カメラの前で俺としては、あるものなくなっちゃってるんで、それは現実として受け止めなきゃならないんで、まあ、反省点をこれから吟味して、ただバラモンとは非常に自分としてはいいコンビだと思うんで、トリオだと思うんで、これからまた新たな挑戦するとかそういう可能性が出てくると思うんで、これ最後じゃなくて、これを始まりにして自分たちは頑張って、またあのベルトを獲り返しますよ。俺たち3人でね。必ず約束しますよ。今日はありがとうございました。
高梨 勝って、ベルト獲って飲む酒は最高ですね。最高の肴です。
坂口 いやー、ヤバイっすね。
KUDO しかもね、昼間だからね。
高梨 昼間から酒飲んで最高ですね!
KUDO 最高最高。
高梨 あーほんと、プロレスキャノンボールから始まったゴージャスバラモンとの因縁、一つ決着ついたんじゃないの? このチーム、いつもは喋らないけどな、今日はな、主役の坂口にコメントもらおうじゃないか。坂口さん、言ってやってくださいよ。
坂口 例のやつでいこうか。
高梨 え!?
坂口 ●●してやったよ、ジジイ。
高梨 オイ! ピーでお願いします。でもな、大一番で気合いを入れた見ろこの眼の色、やっぱこういう時にね、大一番で気合い入れてくる坂口さんは頼りになるよ。そんな坂口さんと、俺たちのアニキがいる限り、うちらのチームは負けねー。どのチームでもかかってこいよって。ゴージャスバラモンがまだやりたりねーんだったら、いつだっていいぞやってやるよ。アニキ!最後にコメント出して一言言って締めてくれよ。
KUDO まあ、ユニットのトップの証、これが俺6人タッグのベルトだと思ってるから。ユニットのトップは、酒呑童子で、だれでも、挑戦してきてください。以上です。
坂口 かかってこいよ、この野郎。
第5試合は高木三四郎&葛西純、石井慧介&入江茂弘、佐々木大輔&宮武俊、MIKAMI&石川修司のスーパーTLC4WAYタッグマッチ。吊り下げられたカバンを先に獲得したチームの勝利となる。リング内にはイスで作られた城。リングサイド周りにはイスやテーブルが大量に置かれ、ラダーも持ち込まれる。クレイジー大社長はギター片手に現われ、通路から戦闘用チャリンコのドラマティック・ドリーム号に乗って移動。すると他の3組が襲い掛かって試合スタート。高木がさっそく城に投げ込まれて落城。石井は佐々木を蹴散らしラダーを設置してカバンを奪いにいくも高木が阻止。高木と宮武が登るも石川が押し倒してカット。石川がラダーに登ると葛西がカット。石川に肩車されたMIKAMIが取ろうとするも葛西が阻止。葛西はコーナーにテーブルを設置するが、石川が葛西をテーブルにぶつける。石川がラダーを設置せんとするが、そこに石井や入江がイスをぶつけていく。宮武がラダーごと石川を押し倒し、首にかけてグルグル回って石井や入江を場外に出すと、佐々木がロープに引っ掛けたラダーをつたってトペ・コンヒーロ。宮武が巨大ラダーを設置して登ろうとするもMIKAMIがカット。MIKAMIはヴォルカニックボムを投下。巨大ラダーからの技でMIKAMIにもダメージが残る。空いたラダーを石井が登ろうとするが高木と葛西がテーブルをぶつけてカット。高木がテーブルを設置して石井を寝かせると葛西がコーナーへ。入江がこれをカットし、石井が高木をテーブルに寝かせる。入江は「シュワッチ! シェー!」とフライング・ソーセージでテーブルクラッシュ。佐々木と宮武は巨大ラダーを使ってMIKAMIを排除。リングに設置するも石川がビッグブーツ。佐々木がコルバタで石川をコーナーに立て掛けてあるラダーにぶつける。佐々木が巨大ラダーに登るも石川が押し倒すと、佐々木は場外のテーブルへと転落。巨大ラダーに登ろうとする石川に石井がイスでフルスイング。場外にテーブルを設置するも石川が奈落式ファイアーサンダーでテーブルクラッシュ。高木はエプロンの石川をぶっこ抜き雪崩式ブレーンバスターでイス盛りにヒットさせる。その高木に入江がコーナースプラッシュ。葛西が入江をイスで脳天殴打しラリアット。その葛西の背後をMIKAMIが襲い掛かってラダーを立て掛けて登っていく。宮武がダイビング・ハートアタックでMIKAMIをなぎ倒すも、葛西がここでギターショット。高木が巨大ラダーを持ち込み、リング内にテーブルを二段にしてその上に宮武を寝かしつける。高木は放送席の山里さんのメガネを奪い、葛西にトス。葛西はそれを「シュワッチ! シェー!」と装着してパールハーバー・スプラッシュを決めてテーブルクラッシュ。高木がカバンをゲットして試合は終了した。
試合後、亜門GMによってスーパーTLCマッチの豪華景品が「新たな路上プロレスへの参戦権」と明かされる。場所は伊豆ぐらんぱる公園で日時は4月15日(水)。高木は「メチャクチャにしていいの?」と大喜び。さらに葛西からデビュー20周年記念を祝福されると「ある方がお祝いに駆けつけている」と明かす。現われたのは高木の愛娘の玲ちゃんと結ちゃん。花束が贈呈されると「ちょっとこういうのやめてよ!」と感極まった高木は「20年頑張ってきましたが、もうちょっとぐらい頑張ってみようと思います!」とファンに誓った。
【試合後のコメント】
高木 全部吹っ飛んじゃったよ。いやー。
葛西 まあ三ちゃん、20周年おめでとう!
高木 ありがとうございます、改めまして。
葛西 それと、このさいたまスーパーアリーナ、初進出おめでとう!
高木 ありがとうございます。
葛西 もう、ドラマティック・ドリームチーム、両国もいって日本武道館もいって、さいたまスーパーアリーナもいって、そしてめでたく20周年迎えて、三四郎、これがゴールじゃねーからな! スタートだぞ。今日集まってくれた観客、誰一人とってもな、これがゴールだと思ってねーよ。これがスタートで、まだまだ、夢のあることを高木三四郎が、見せてくれるとここの観客はみんな思ってるんだよ! だから、この20周年、今日からがスタート! あとのコメントは任せます!
高木 えー!? 丸投げですか。
葛西 もう言うことねえだろ。
高木 葛西君、ありがとう(葛西は控室へ)。いやほんとにね、何も聞いてなかったんで、自分デビュー戦3つぐらいあるんですよ。屋台村で2回ぐらいデビュー戦やって、その二
2ヵ月後ぐらいにPWCっていうところでデビューして、PWCがプロの団体で屋台村も、プロの団体って言ってたんですけど、結局どっちかわかんないまんまここまで来ちゃったので、デビュー戦一応3回ぐらいあるんですけど、まあ一応自分の中ではPWCの2月16日か、オンエアー・イーストでやったトラブルシューター高智か。その試合がデビュー戦になるんですけど、そんなことすっかり忘れてました。僕はあんまり過去を振り返らないタイプなんで、ほんと過去を振り返らないんで、今日もいつもの普通の試合のつもりでいたし、こんなサプライズ用意してたなんて、あんなのわからなかったよ。あらかじめ言ってくれないと、ね? アドリブに弱いんで(苦笑)。でもなんか嬉しいですね、こうやって20年間やってきて、最初はもうほんとに、誰も当然のことながら、DDT旗揚げした時点でもそんなに仲間も少なかったんですけども、20年間プロレス人生続けてきて、仲間がいっぱい増えてきてね、その仲間たちとこのさいたまスーパーアリーナ大会をできたってことがほんと自分の中でも幸せだなと思います。たぶん俺、引退前にも幸せなプロレス人生だったなって言って終えていきたいなと思ってて。まだ途中だけど、今の時点でも十分幸せで。たぶん俺ほどいろんな経験をしていろんな選手と闘ってきて、いろんなシチュエーションでやってきた人もいないと思うし、それはもう常日頃からバックアップしてくれる人がいるからこそできることで、自分の本当ワガママ、自分のやりたいことに付き合っていくんで、本当に感謝してます。ありがとうございました。20年、でもあくまでもゴールではなくてスタートなので、21年目もまだまだ大人げなく、業界をどんどんどんどんとね、盛り上げていきたいと思ってるんで引き続きよろしくお願いします!
第6試合は男色ディーノvs中澤マイケルのスペシャルシングルマッチ。試合前、スクリーンではマイケルが松崎さんに「シンガポールに連れていくためには松崎さんの力が必要です。僕が勝ったら『愛のメモリー』で嫁の心を変えたいんです」と訴える。松崎さんは「どうせ歌を唄うならマイケルが勝ってならだな」と言うと「やれるのか!?」と言って張り手を見舞い、気合いを注入した。マイケルのセコンドには松崎さんも付く。ディーノは入場で欠場分のうっ憤を晴らすかのように男性客を襲い続ける。ゴング前にマイケルがディーノの背後をスピアで奇襲してスタート。さっそく腰を痛めつける。マイケルがコーナーポストを外していると、ディーノがナックルパンチ。マイケルがやり返してボディースラム。カウント2で返したディーノをマイケルは金具むき出しのコーナーに振ろうとする。踏ん張るディーノにマイケルはローブロー。そこから投げてコーナーにぶつけて踏みつけてカバーを要請するが、もちろん松井レフェリーはカウントを取らない。マイケルがコーナーポストでメッタ打ちにしていると、松井レフェリーは注意。マイケルはイスを持ち出すと松井レフェリーも突き飛ばす。イスで殴ろうとしたところで松崎さんが「マイケル! オマエ、しゃいご(最後)の試合だぞ! そんなんで勝って嫁さんが喜ぶか? オマエのいいところは嫁さんを愛しているところだ。あとは色黒だ」とストップさせると、ディーノに「話がある」と近づき「しゃいご(最後)の試合だ、いい試合やってくれよ。愛の言葉で骨抜きにするんだよ!」と言うなんとリップロック! これでダメージを負ったディーノにマイケルがエルボーで襲いかかる。ディーノはナックルパンチからナイトメア。これはカウント2。ファイト一発!からの男色ドライバーをマイケルは拒否してエルボー。ディーノもエルボーでやり返すと熱くなって火照ってしまったマイケルはTバックに。ディーノもマイケルのエルボーに熱くなってTバックに。互いに打ち合って、重ね履いていたTバックを脱ぎ捨てていく。さらに脱ごうとしたマイケルだが、その下には何もなかったようで松井レフェリーが必死に止めていると、ディーノが攻撃して男色ドライバーを決めるもカウント2。リバースえび反りジャンプ狙いをマイケルがカットして巨匠スラム。これはカウント2。ディーノがシャイニングあてがい。マイケルはすぐさま立ち上がって波動拳で反撃して「クロイツ・ラス!」とアピール。ディーノを肩車にするが、ディーノが回避してリップロック。最後も別れのキスから男色デストロイで3カウント。
試合後、ディーノがマイクを持つ。ディーノ「この男色ディーノ様がいないDDTは…まあDDTだっただわね。でも! だからと言って私の居場所がないか? いいや違うね。居場所は自分でつくるんだ! それを目かっぽじって見てなさい。マイケル、スタンド・アップ。私は今復活して今後マイクを持っていっぱいしゃべる機会があるわ。ワタシはそろそろ帰るから、アンタが締めるんだけど一つだけ問いたいことがある。プロレスラーとはなんぞや?」マイケル「プロレスラーとは…わかりません」ディーノ「その通りよ、私もわからないわ。ただ、すべてのプロレスラーはプロレスが大好きってこと。あんたはまだプロレスラーなんでしょ? プロレス好きなの?」マイケル「僕はプロレスが大好きです!」ディーノ「そんなことどうでもいいわ! 今日、アンタの大事なことは私に勝って嫁をシンガポールに連れてくってことでしょ? でもぶっちゃけ私に負けて、嫁も来てない。この辛い状況であんたがプロレスラーなら立ち上がるわよね。次の試合が決まってないだけで、立ち上がるわよね」ディーノはここで退場。マイケル「現実は認めます。嫁は来ていない。試合にも負けました。僕は一人でシンガポールに行きます。でも、僕は自分がまだプロレスラーだと思っています。そして試合は決まってませんけど、僕は人生がプロレスだと思ってます。だから最後まで諦めません。一人でシンガポールにいっても、最後は佳耶子と幸せになってみせます。ひとまずこれにて中澤マイケル、いったん終了となりますが、みなさん応援ありがとうございました!」ここで『愛のメモリー』が場内に流れて松崎さんが熱唱。間奏に入るとステージ最上段にはウェディングドレス姿の佳耶子さんの姿が! マイケルはすぐさま佳耶子さんの元に駆けつけ、マイクを通さず「シンガポールに来てくれ」と問いかける。佳耶子さんは涙を流してうなづき、マイケルは口づけをかわしてお姫様だっこ。ハッピーエンドとなった。
【試合後のコメント】
マイケル すいません、勝てなかったのに。
松崎 いやいや。でも大変だね。いつからいくの?
マイケル 19日に。
松崎 もうすぐだ。でも今日あれだね、嫁さん大丈夫だね。一緒にいくよね。
マイケル 松崎さんの歌の力で。
松崎 いやいや、そんなそんな。
マイケル 本当にありがとうございました。途中で勝ちたくて汚い手を使ってたところに、松崎さんの喝があったから、僕も取り戻す事ができました。ありがとうございます。
松崎 いやー、でもやっぱ面白いね。みんなそれぞれに色んな分野で活躍してるっていうのは。やっぱりその体を保つには、マイケルのところにいってトレーニングするのが一番だろ?
マイケル はい。是非。
松崎 ということはシンガポールにいって、もう、かなり会員数もいるんじゃない?
マイケル そうですね、はい。結構繁盛してます。
松崎 やっぱり新たなものを始めるっていうのは大変な事だけど、まあでも、あれだね、スポーツに精通してるもんね。
マイケル 今日の試合のおかげで頑張れそうです。ありがとうございました。
松崎 いやいやいや。もう何年やってる?
マイケル プロレスは10年です。
松崎 10年か、そうか。でもあの、大社長みたく20年やってる人もいるからね。
マイケル そうですね、まだもちろん引退したわけじゃないんで。
松崎 そうだね、まだあるよね。
マイケル 辞めたつもりはないです。
松崎 逆にシンガポールいって、逆にまた自分のやってるジムでまた体鍛えて、出るってこともあるの?
マイケル そうですね、シンガポールで団体を立ち上げるとか可能性としては。
松崎 僕も一番初めに仕事したのシンガポールなの。
マイケル そうなんですか!?
松崎 今からもうほんと40年ぐらい前に。だからそういう面では、すごくいいとこだし、綺麗なとこだし、ゴミを捨てたら500ドルの罰金だし、唾を吐いたらやっぱり500ドルの罰金だし。まあでも、あの環境の中でできるというのはすごいことです。いいと思います。ありがとうございました。
ディーノ まあ、見ての通りなんだけど、まあ、一つだけこの試合で私の中で残ったものといえば、しげるはやっぱりこっち(ゲイ)だったって事よね。まあ、ついついね、今まで隠してるゲイの衝動が出ちゃったんでしょうね、私と対戦することで。次はまあ、しげると私が雌雄を決しなきゃいけないかもしれないわね。まあまあ、今日の私の収穫は、しげるがもう、カミングアウトしたってことです。これはマスコミの皆さん、堂々と報じてください! 私からは以上です。何かあれば。だいたい私しげるの事なんでもわかるから、しげるについて聞いてくれても答えるわよ。
――今回はまさかのしげるさんの方から熱いベーゼを。
ディーノ だからやっぱり隠しきれなくなったんでしょうね。プロレスのリングってフェロモン出てるから。フェロモンにしげるが耐え切れなくなってもう、私としたくてしょうがなかったんでしょうね。そこは見逃さなくてもいいんだけどそこはわかってあげて。
――送り出す中澤選手に対しては?
ディーノ 何にもない! いやもう本当にね、自分でもびっくりするぐらい何にもない。どうぞ、行ってらっしゃい。最後…しげるはこっち(ゲイ)です。
第7試合はスーパー・ササダンゴ・マシンvs桜庭和志のスペシャルシングルマッチ。ササダンゴは『LONELY DAYS』でリングインするとマスクもコスチュームも白で統一。ここから煽りパワポへ。今回のテーマは『プロレス界における格差問題を解消する方法』。結論を言うと桜庭に勝つためにバナナの皮で転ばして垂直落下式リーマンショックを決める流れを3回繰り返して完全勝利を目指すというもの。マスク姿の桜庭はリングインするなり、ササダンゴと額を付けて睨みあう。桜庭はマスクを脱いで、それを客席に投げた。開始のゴングが鳴らされると、緊張感のあるバックの取り合い、さらにグラウンドの攻防。桜庭のローキックに驚くササダンゴにセコンドのディーノは「痛くない!」。コーナーに追い詰められてダウンした隙にバナナの皮を受け取り、顔の上に乗せるとフットスタンプ狙いの桜庭を転ばせて垂直落下式リーマンショック! 桜庭はバックを取って腕十字に持ち込む。これはロープエスケープ。桜庭のミドルキックでコーナーに追い詰められてダウン。その隙にササダンゴはディーノからバナナの皮を受け取り、キャンバスに置いておく。向かっていった桜庭が転んでしまってササダンゴが垂直落下式リーマンショック! 場内は「あと1回」コール。桜庭はダブルリストロックを決めようとするがササダンゴがロープに押し込むと、ディーノが思わずタオルを投げんとする。ササダンゴが「助けて!」と言ったところで場内に『エトピリカ』が流れ、ササダンゴの回想がスクリーンに流れる。「ついに腕を取られてしまいました。でもディーノ、その必要はない。この回想で俺の体力は十分に回復した。アニマル浜口ジム仕込みのレスリングを使って腕を抜いて3発目の垂直落下式リーマンショックを決めてアメリカンドリームを掴むんだ!」スローモーションで腕を抜いたササダンゴだが、桜庭もスローモーションで張り手を見舞う。ササダンゴはサミングを決めると垂直落下式リーマンショックの体勢。ここで桜庭の回想へ。「この状況にとまどっています。この対戦相手の男、全然パワーも技術もない。プロレスラーなんだろうか。闘った時点で負けだったんじゃないか。終わらせよう」場内が明るくなると桜庭が張り手からサクラバロックを決めて勝負あり。
【試合後のコメント】
ササダンゴ あの、これが、これがあのDDTワールドであったり、マッスルの世界観だったりとか、実はそんなんじゃなくて、これが、桜庭和志という人間の、桜庭和志というプロレスラーの世界観だったとしたら、僕はそういう意味で、あの、全然、こういう自分の得意な分野というか、自分が得意だと思っていた試合というか、プロレスでも、それでも実は俺は色んなとこで桜庭和志に、桜庭さんに敵わなかったなっていう気持ちが一番強くあります。そういう意味では、ほんとに悔しいし、この今のプロレスの大きな流れとは関係ないかもしれないですけど、俺は絶対あるべきだと思ってる、面白いと思ってる、これも絶対プロレスの一つなんだと思ってる。このジャンルはまだまだ、まだまだ追求していかなきゃいけないんだなと。ここは全然ゴールじゃないです。あの、みんな言ってる通り、途中の途中の途中なんで。ありがとうございました。
セミファイナルはKO-Dタッグ選手権試合。第50代王者組の竹下幸之介&遠藤哲哉は関本大介&岡林裕二を相手に5度目の防衛戦。ハッピーモーテルは福田も加わって円陣を組んで入場する。先発は遠藤vs岡林。互角のグラウンドの攻防から竹下vs関本へ。関本が逆水平を決めると竹下もお返し。ここから逆水平のラリーになってエルボー合戦へ。関本がショートレンジ・ラリアットを見舞うとコーナーの遠藤も吹っ飛ばして岡林とスイッチ。岡林はハンマーパンチや逆水平で押していく。ここから関本と岡林が交互にボディースラムを放つ。関本のボディースラムからのカバーはカウント2。5分経過、関本が逆エビ固めで捕獲。竹下は何とかエスケープ。竹下は関本にニールキック、岡林にドロップキックを決めるもコーナーに戻れず関本のSTFに捕まってしまう。竹下はロープを掴む。関本のブレーンバスター狙いは竹下が踏ん張って逆に投げ返して、ようやく遠藤とタッチ。遠藤はスワンダイブ式エルボー。コルバタで場外に出すとケブラーダをきりもみ式に決める。関本をリングに戻すと遠藤はミサイルキック。これはカウント2。関本は串刺し攻撃をキックで迎撃するとアルゼンチン。救出せんとした竹下に岡林がアルゼンチン。竹下が脱出して関本に攻撃する。関本から替わった岡林は遠藤に逆水平。串刺し逆水平で続いて10分経過。岡林のブレーンバスター・ホイップはカウント2。逆片エビは遠藤が必死にロープへ手を伸ばす。岡林はラリアットを決められないとスピア。遠藤もバックドロップでやり返して竹下とスイッチ。岡林も関本とタッチをかわす。ショルダーアタックでぶつかると関本は頭突き。竹下はビッグブーツからドラゴンスープレックス、ブルーサンダーを決めるがカウント2。サソリ固めは岡林が逆水平でカット。遠藤が岡林を排除すると竹下のラリアットは関本と相打ちに。関本が延髄斬りからラリアット。竹下はカウント2でクリア。ジャーマン狙いを阻止して竹下がジャーマンで投げ切ると、さらにもう一発。しかしカウント2で返されると今度は関本がジャーマン。ラリアットの相打ちから関本のラリアットと竹下のローリング・ラリアットも相打ちに。ここで戦況は遠藤vs岡林に。逆水平の打ち合いから遠藤がドロップキック。カウント2で返されるとトーチャーラックボム狙い。一度は阻止されると遠藤は延髄斬りから垂直落下式ブレーンバスター。これは関本がカット。遠藤のトーチャーラックボム狙いを岡林はスリーパーで阻止。串刺し攻撃をかわして竹下の串刺しビッグブーツのアシストから遠藤がトーチャーラックボム。これは関本がカット。遠藤のスカイツイスターはカウント2で決まらない。ならばと遠藤はコーナーに岡林を乗せて雪崩式フランケン狙い。岡林がこれを堪えて雪崩式シットダウン・パワーボムに切り返すが竹下がカット。関本&岡林は竹下に眉山。関本は岡林とサンドイッチ・ラリアットからツープラトン・バックドロップ。岡林が延髄ラリアットからショートレンジ気味にラリアットを決めるもカウント2。ならばと岡林はゴーレムスプラッシュを投下して3カウント。
試合後、亜門GM「悔しいですが、すごい試合でした。初防衛戦は3月29日、後楽園大会を予定しています。最初に闘いたいチームはいますか」岡林「誰もいいです。どこのチームでもかかってこい」亜門GM「挑戦者なんですが…」すると『愛のメモリー』が流れて松崎さんが熱唱しながら挑戦者を「ディーノとササダンゴだよ~♪」と替え歌で明かす。ステージ上にはディーノとササダンゴがポージング。あっけに取られる新王者組をヨソに亜門GMは3・29後楽園のKO-Dタッグ選手権試合◎<王者組>関本大介&岡林裕二vs男色ディーノ&スーパー・ササダンゴ・マシン<挑戦者組>を決定した。
【試合後のコメント】
竹下 ベルト、僕達がチャンピオンで、チャンピオンはベルトを守るという責任、義務、あると思って、それをいいプレッシャーに感じながら、防衛続けてきました。で、今回関本選手と岡林選手、対戦決まって、他団体の選手なんで、絶対に負けるわけにはいかないと。ベルトを外に出すわけにはいかないとそう思って、もう、全力で、ここまで準備してきました。身体も作って、メンタルも鍛えて、いっぱい研究して、今、僕と遠藤さん二人とも今が、今僕は生まれて19年ですけどベストコンディション作りました。試合も、全力を出しきりました。それで、負けてしまったということは、まだまだ自分たちの実力が、及ばなかったという事だと思います。僕達が、必ず取り返します。だから、また全力で、身体鍛えなおして一から頑張りますので、また応援よろしくお願いします。
遠藤 今日、ベルト取られたけど、俺たちのやることは変わらない。強さを求め、いい試合を皆さんに見せます。ありがとう(竹下と握手する)。
竹下 また頑張りましょう。
――関本選手をぶっこ抜きで投げ飛ばしました。
竹下 やっぱり、関本選手の体重を想定したトレーニングという、関本選手をぶっこ抜くためのトレーニングというものをしっかり準備としてしてきて、でもちょっと序盤に腰を攻められたのがあって、ブリッジでいつもみたいにホールドができなかったんです。それが、返された一つの敗因になったものだと思うんで。いつもは、遠藤選手が捕まって、僕が反撃するっていうパターン多かったですけど、今回は自分が結構攻められてしまって、前半に。それで腰がちょっと、効いたというのが一つの敗因と思ってるんで。でもそれは終わったことなんで、また次闘う機会があれば、チャンスをもらえるまでほんとにまた頑張るだけです。
関本 取りました。いやー、すごいっすね。あの、なんていうの? 身体能力もすごいし、力も強いし、体見ればわかりますけどトレーニングも一秒も怠っていないなという、すごく感じました。試合をしてて、日々の鍛錬をすごく感じました。でもね、俺らだって負けてないんだよ。そこのね、気持ちの部分でなんとか、今日はベルトとれました。
岡林 今日は120%出せたと思います、自分の中で。まあ所々決めにいってる技がちょっと失敗したりしてましたけど、自分の中では120%の力でいけたと思います。対戦相手も120%でくるって言ってましたけど、ほんとに気持ちが絶対守ってやるっていうベルトを。ベルトを絶対守ってやるっていう気持ちが、ほんとに出てたと思います。まあ僕達も、絶対取ってやるって気持ちでいったんで、それが今回は勝ったんじゃないですかね。いやほんとに、やっと取れたって感じです。
関本 これからも防衛していきましょう。
岡林 これからもどんどんどんどん、防衛していきます。
――次の対戦相手、男色ディーノとササダンゴ・マシンという2人が松崎しげるさんの曲で入場し唖然としていましたが。
関本 ビックリするわねあれは(苦笑)。ビックリしたな。
岡林 ビックリしました。
関本 あれ、松崎しげるさんじゃないですか。聴き入っちゃって。まあ、男色ディーノとササダンゴ・マシンはね、一筋縄ではいかないのわかってるんで、俺らも力一辺倒じゃね、押しきれないかもしれないんで、そこは気をつけたいなと。ちょっと相手のね、動きをね、勉強しなきゃだね。
岡林 まあでも、相手が誰であれ、僕と関本さんはいつもどおりの闘い方でいきたいと思います。
――色んな団体でタッグベルトを取っていたと思いますが、このベルトは違いはありますか?
関本 まあ色んなチャンピオンがいたのは知ってますし、ちょっと流れはあれなんですけど、僕勉強不足なんですけどあの、竹下選手と遠藤選手のことは、ずっと見てましたから。非常に身体能力に優れた、そしてそれに奢らず日々の鍛錬を忘れないというのは身体見ればわかりますから。その2人に挑戦できて、こうやってベルトを取れたっていうのは誇りに思います。ね、岡ちゃん。
岡林 はい。この、他団体のベルトを、関本さんと取れたっていう、アジアタッグ以来ですか?
関本 そうですね。
岡林 どんどんどんどんこれから、またあの他団体で暴れていきたいですね。
メインイベントはKO-D無差別級選手権試合。第48代王者のHARASHIMAは飯伏幸太を相手に8度目の防衛戦。HARASHIMAの握手に飯伏がガッチリと応じて18時5分に開始のゴング。ロックアップから飯伏がロープに押し込むとクリーンブレイク。再びロックアップ。HARASHIMAがロープに押し込むとクリーンに分かれる。グラウンドの攻防からHARASHIMAの腕十字狙いを飯伏がブロック。バックに回った飯伏がHARSHIMAを場外に落とす。リングに戻すとスナップメイヤーからスリーパー。そこからキャメルクラッチに移行する。HARASHIMAがロープに逃げる。5分経過、HARASHIMAは飯伏のミドルキックをキャッチしてストマックブロック。すかさずフットスタンプを連発で見舞う。飯伏は思わず場外エスケープ。HARASHIMAはエプロンからフットスタンプを見舞ってダメージを重ねてリングに戻す。HARASHIMAがここからボディー攻め。コブラツイストで捕獲して同時にボディーへのナックル。飯伏はロープに逃げる。HARASHIMAは串刺しフロント・ハイキックからコーナーに乗せて雪崩式ブレーンバスター狙い。飯伏は一度は落とすも腹部に蹴りを入れられて動きが止まってしまう。HARASHIMAは雪崩式ブレーンバスターからダブルニーを落としてカバー。これはカウント2。飯伏はファルコンアローを着地するとコルバタでHARASHIMAを場外に出す。三角飛びケブラーダはHARASHIMAが阻止。10分経過、リング下でダウンする飯伏の腹部にHARASHIMAがエプロンからアトミック・ボムズアウェイを投下して追い詰める。場外でのエルボーの打ち合いから飯伏は「いくぞー!」とステージへ。HARASHIMAもこれに応じて2人のランニング・ラリアットは相打ち。HARASHIMAのソバット → 蒼魔刀狙いを飯伏が側転オーバーヘッドキックで迎撃するとさらに高台に登ってムーンサルト・アタックを発射。飯伏が先にリングに戻る。場外カウント17で戻ったHARASHIMAに飯伏はソバットからミドルキック。さらにその場跳びムーンサルト・ダブルニー。ドラゴン・スープレックス狙いを解除したHARASHIMAがジョン・ウー。HARASHIMAの蒼魔刀を飯伏はフットスタンプで迎撃。飯伏はミドルキック連打。HARASHIMAは蹴り脚をキャッチしてボディーにグーパンチからドラゴンスクリューで回していく。HARASHIMAはスタンディング蒼魔刀からコーナーに乗せて雪崩式リバースフランケン。そこから蒼魔刀につなぐがカウント2。HARASHIMAがつるべ落としを狙う。飯伏が着地して掟破りの蒼魔刀。カウント1で返したHARASHIMAは鬼の形相に。向かってきたHARASHIMAにラリアットを振るった飯伏はシットダウン式ラストライド。これはカウント2。飯伏はフェニックス・スプラッシュを狙うも回避したHARASHIMAがすぐさま後頭部への蒼魔刀。両者起き上がれずダブルダウン。立ち上がった2人はエルボーの打ち合い。HARASHIMAが顔面フロント・ハイキックから下から顔を蹴り上げて20分経過。飯伏は掌底。HARASHIMAは張り手で応戦。飯伏が掌底でやり返すとHARASHIMAはグーパンチ。飯伏はショートレンジ・ラリアットを放つ。飯伏のシットダウン式ラストライドを頭突きで回避したHARASHIMAはつるべ落とし。これもカウント2止まり。HARASHIMAはバズソーキック連打。顔面を射抜いてスワンダイブ式蒼魔刀を狙う。ロープに飛び乗ったHARASHIMAをキャッチした飯伏はフェニックス・プレックス・ホールドを完璧に決めてフォールを奪った。
試合後、飯伏がベルトを受け取り、それを高く掲げて勝ち名乗りを受ける。ベルトを腰に巻いた飯伏はガッツポーズ。HARASHIMAの元に駆け寄り右手を差し出すも、HARASHIMAは応じることなく引き揚げた。山里さんがリングに上がってインタビューへ。山里「素晴らしい試合でしたが感想はありますか?」飯伏「本当にキツかったけど楽しかった。勝てて本当に良かったです」山里「HARASHIMA選手はいかがでしたか?」飯伏「DDTを長く守ってきたんで本当に強かったです」山里「次の防衛戦は3月21日の春日部大会です。闘いたい相手はいますか?」飯伏「もうすか?」山里「もうです」飯伏「そうですね…久々にヨシヒコとやりたいです」山里「ファンの皆様に一言お願いします」飯伏「今日は本当に本当に本当にありがとうございました」飯伏はリング上でバック宙。ステージの最上段に登ると手を振って「今日は寒い中、ありがとうございました。6年前にDDTはこれから出発ですと言ったんですけど、さらにデカくなってDDTは再出発します。ありがとうございました!」飯伏は花火に着火すると、パイロからも火花が散る。飯伏は「もっともっともっとデカくなるぞー!」と叫ぶ。場内には『INTO THE LIGHT』が流れ、スクリーンに本日のダイジェストが今日のメインまでキッチリ入って流れる。飯伏がバックステージに移動するとコメントスペースにいたHARASHIMAに右手を差し出す。HARASHIMAは悔しそうに拳を突き合わせて「もう一回」とアピール。するとその前を佳耶子さんが「やっぱりシンガポールに行かない!」と通り過ぎる。追いかけるマイケルは「僕は諦めませんよ。また会う時までサヨナラ、サヨナラ、サヨナラ」と手を振ってエンディングとなった。
【試合後のコメント】
――試合を振り返っていかがですか?
飯伏 そうですね、久々に、またキツかったっすね。いやー、しんどかった。でも勝てたんで、それはほんと嬉しいですね。
――キツさというのはHARASHIMA選手の強さからですか?
飯伏 正直この、一、二年ぐらいですかね? タイトルに絡むことが殆どなかった、DDTで。久々にシングル、KO-Dに絡むことができて、こんなにキツイもんだったかなって、それが一番感じました。でも、自分が外で、色々経験積んできたんで、それがほんとに役に立ったなと感じます。
――新日本のビッグマッチでも重要な試合やタイトルマッチをやってきましたが、やはりそれに引けをとらないぐらいDDTのタイトルマッチは激しいレベルの高いものになってきたんだなという感じですか?
飯伏 もちろんそうです。どのタイトルマッチも、自分は全力でやってるし、それは団体関係ないですね。
――外を経験してみて、改めてKO-Dというタイトルをどのように思っていますか?
飯伏 そうですね、自分の中ではもっと、外に出てもいいのかなっていう部分はあるんですけど、うん、難しいですね。でも、全然、他の団体と比べても、変わらないし、ものすごいベルトだと思います。それは本当に思います。
――今回このタイミングでチャンピオンになって、DDTの中でどういうチャンピオンでやっていきたいという希望がありますか?
飯伏 今までにない感じのチャンピオン像というのがあるんで、それは前回ちょっと失敗したんで、また一発目、ヨシヒコとできたらいいかなと。6年前のやりたかったことやろうかなと。
――他の人とは違うチャンピオン像というのはどういうイメージですか?
飯伏 まあ、ヨシヒコ戦でその辺はわかるんじゃないですかね。やりたい。是非。
――改めてこの一年ベルトを守ってきた、DDTの王者でいたHARASHIMA選手に関しては?
飯伏 いやすごかったですね。いや前回、やった時よりもそのプロレスのスキルというか、そのへんが全然違いましたね。すごかったです。いやー、キツかったですね。でも楽しかったですね。
――フィニッシュのフェニックス・プレックスは狙ってました?
飯伏 もちろん、やるタイミングがあれば。フェニックス、普通のフェニックス・スプラッシュを避けられたんで、フェニックス・プレックスはチャンスがあればやろうと思ってましたけど、まあパワーは前よりも全然上がったんで。
――さいたまスーパーアリーナという会場に関しては闘ってみていかがでした?
飯伏 そうですね、6年前が初両国のメイン、3年前が武道館のメイン、そして今年さいたまスーパーアリーナでメインを張れたのは本当に嬉しいですね。ほんとに。3年ごとにやっぱ、節目節目で変わってきてるんで、これでまた自分が変われればと思います。
――さいたまスーパーアリーナで手持ち花火をしたチャンピオンは初めてだと思います。
飯伏 最高に気持ちよかったです! 最高でしたね! いやー、良かったです!
――今のお気持ちは?
HRASHIMA 負けですね。はい。まあ、五年半前の最後の一騎打ちで、この5年半やっと来たチャンスだったんですけど、結果的には5年半前と同じ技で敗れて、ほんと悔しいですね。情けないですね。
――試合の序盤から勝つという執念や、蒼魔刀をやられた時の怒りがものすごく伝わってくる試合でしたが、試合で絶対勝つんだとこだわっていた部分は?
HARASHIMA もちろん、はい。勝つ気がなく試合することがありますか? 向こうも勝つために試合してるんで、絶対今日は負けちゃいけない試合だったんで、悔しいですね。自分でやっぱりDDTを、最後の対戦からでも5年半守ってきた自負があって、結果的に今日勝てないというのは本当に悔しいです。でも、2勝2敗なんですよトータルでいうと。結果だけで言えばイーブンなんで、決着ですね次。完全決着、やりたいですね。
――改めて飯伏幸太というレスラーとあたってみて改めて感じる部分はありました?
HARASHIMA 非常に強いですね。素晴らしい選手です。本当に。強かったですね。
――前回のシングルと違っていた部分は?
HARASHIMA あん時より強くなってますねもちろん。あの時より5倍は強くなってると思いますよ。
――最後まで握手を拒否し続けたのは、ただ悔しかったからでしょうか? 前回は確か最後に握手を交わしていたと思いますが。
HARASHIMA 思い返せばベルトを巻いてあげたりもしてました、そういえば。
――その変化はなんだったんでしょう?
HARASHIMA やっぱ初めての両国でベルトを取られて、5年半経って、ビッグマッチでそのチャンスが来て、やっぱりそこでやっと来たチャンスを取れなかった悔しさですね。それは彼に対する悔しさというか自分の不甲斐なさというか、あそこで素直に握手というのが、彼にとって悪いかもしれないですけどちょっとなんか、ちょっと自分の中では申し訳ないですけどできなかったですね。悔しいです本当に。
――また当然ベルトを狙っていくと思いますが。
HARASHIMA もちろん、はい。より鍛えて、挑戦します絶対に。ベルトを奪い返します。5年半という時間はかけません。もう。
【高木三四郎大社長の総括】
高木 まああの、何年ですかね? 2009年から、両国大会を続けてきて、武道館、両国両国と経て、まあ初めてこういう、半分なんていうんですかね? お昼の開放的な雰囲気というか、ずっとあの、こういう会場でやりたいなっていうのがずっと自分の中であって、野外だと色々雨降ったりとか色々寒かったりとかリスキーなんで、なんかないかなって思ってて、さいたまスーパーアリーナさんの、ほんとはメインアリーナを狙ってたんですけどもちょっと日にちが押さえられないということで、で、コミュニティアリーナを見た時にちょっとこれ理想のことができるんじゃないかと思って。もう、ほんと所変われば見せ方も変わるし、プロレスの表現の仕方も変わってくると思うんですよ。2時開始に設定して、だいたいうちの興行4時間から4時間半なので、だいたいこの時期だと5時ぐらいにはうっすらと夕焼けになって、もうほんとメインの頃には間違いなくすごくいい雰囲気になってるだろうなという。それをなんか表現したかったっていうのがあって、なんかプロレス会場の屋内だけじゃなくこういう見せ方もできるんだっていう所をちょっと出したかったんですよね。さいたまスーパーアリーナコミュニティアリーナで。おかげ様で用意した席はほぼ埋まったという事だったんで。そういうのもあって、試合形式も普段とは違う、やっぱスーパーTLCというのもやっぱああいう開放感のあるでかい所でないとできないし、最後のパイロ特効もこの天井の高さでないとできなかったっていうのがあったんで。プロレスの見せ方っていうのも、また違った見せ方をしたかったっていうのがあったんですね。来年もう早々に年に2回両国国技館をやるって発表もしちゃったんですけども、あの、地方の大会場なんかも進出していきたいなと思ってます。今、色々とプロレス女子ブームなんですかね?なんて言われてますけども、僕らは特に意識、まあしてますけども、そこだけに捕われず、色んなお客さんファン層を取り込んでいきたいなというのがあるんで。やっぱそういう男性の方もそうだし、やっぱりファミリーですね。やっぱそういった所を取り込んでいって、もっともっとプロレスをお茶の間に近づけたいなという所があるんですよ。自分の中でプロレスっていうのは大衆娯楽だと思ってるんで、やっぱりその大衆娯楽のプロレスといったものをもっともっと世間に出していきたいなと。だから松崎さんとああいう形のコラボっていうのは、ほんとにね、うちでしか多分できない事だと思いますし、やっぱりどんどんどんどんね、プロレスってすごいんだっていうのを出していきたいなという所でした。それが一つの理想の形となって今日さいたまでできたので、次は! 来年はあらかた発表したんで、再来年になるかもしれないし、ひょっとしたら突発的にやるかもしれないですけど、次はメインも狙って行きたいなと。さいたまスーパーアリーナメインアリーナ狙っていきたいなと思います。
――試合内容に関してはいかがでしたか?
高木 いやもう、それぞれが、やっぱうちの皆スゲーなっていう、とにかくどの選手もいつもと違うじゃないですか? 後楽園ホールとも違うし、両国とも見せ方も違うわけですよ。でもすぐ順応して、やっぱお客さんの声援を引き出していたっていうのはプロだなという。うちは本当に日本だけじゃなく世界に誇れるプロフェッショナル集団だなと思ってます。それを皆が良い形でメインに繋いで、今日のあれだったのかなと。
――次のKO-D無差別級王座の挑戦者がヨシヒコになりました。
高木 え? 言ってましたね。まあでも、一回やってるし、うちというか僕個人の考えとしては、最近ね、ヨシヒコきてるんですよ。なんかね、またさらにYouTubeでも結構あの、再生回数が増えてて、なんかまとめサイトとかニュースサイトとかにも取り上げられるようになって、また来てるんですよね。だから飯伏がヨシヒコの名前を出したっていうのが、ちょっと自分の中でも面白いなっていう。次3月の21日春日部?かな? 一応全面使用なんで。まあ、ありかなと思ってます自分の中では。あとはまあ、ちょっとGMとか色々と相談して、考えたいなと思ってますけども、いいとこ目をつけたなと思いましたね。今ヨシヒコ来てますよ。ヨシヒコと飯伏、何年ぶりですか?
――最初の両国の後ぶりです。
高木 これも6年ぶりですか!? いやー、すごいっすね、楽しみですね。
――メインアリーナを目指すという言葉もありましたが、それとは別にこのコミュニティアリーナでやってみたいという気持ちは?
高木 やってみたいですね~。雰囲気いいですよここ。でもほんとフタ開けるまでドキドキだったんですけどね。客入るのかなと思いながら。なかなか、隣がモトリー・クルーさんがやってて、セミぐらいまでズンドコズンドコ低音が響いてて、もうほんと、ウワッて思ったんですけど、メインでピタッとおさまったんですよ。あれ終わったわけじゃないよね? 終わったわけじゃないと思うんですけど、メインでピタッとおさまったんですよ。メインでズンドコズンドコしなかったんですよね。やっぱ持ってるなと思いましたね。ヒキですね、あの2人の。飯伏とHARASHIMAのヒキですね、すごいなと思いました。これ奇跡だと思いました。
――HARASHIMA選手に贈る言葉は?
HARASHIMA すごいなんだろうな、この試合自体が自分の中ではやっぱすごい、飯伏は外に出て、DDTの名前を上げてくれた人だし、HARASHIMAは中にいてDDTを守ってきた人だし、やっぱり外に出てって攻めてった人間と、守った人間が闘って勝敗をつけなきゃいけないっていうのは、もうやっぱりどっちも自分からすればDDTの最大の功労者だと思ってるんで、やっぱり負けたHARASHIMAもまだまだと思ってるでしょうし、やっぱり、これじゃHARASHIMAが一歩下がるかっていったら絶対下がらないと思うんで彼の性格上。そこはやっぱ次以降、期待して見て行きたいというところですね。ようやくですよね。なんか、なんて言うのかな?ようやく今評価が来たかなという所で、この試合に負けて次何を見せてくれるのかっていう所ではすごい興味があります。同時に飯伏にもやっぱり、攻めてた男がDDTでさらにどういうものを見せてくれるのか。2団体所属と言ってますけど、まあベースにあるのは飯伏個人なんで。でもほんとに、さっきも言いましたけど、いい仲間に、いい仲間と一緒にこの興業ができたというのが本当に幸せな事だと思いますし、プロレスといったものを広く世間にまだまだ伝えて行かなくちゃいけないと思ってるんで、そういった意味では一つのターニングポイントになった大会だと思ってます、今日の大会は。