21日、栃木・小山市立文化センターにて「レッスル小山評定2014」がおこなわれた。鶴見亜門GMの前説ではディーノのEXTREME級のベルトに挑戦する彰人が登場し、「ルールが当日まで分からないんですけど、すごいルールを用意すると言っていたので、その対策は立てられないんですけど、僕は誰よりも男色ディーノという男を知っていますので、男色ディーノの対策も立てられます」と意気込みを語ってから、大会開始を宣言した。
第1試合は石井慧介&高尾蒼馬vs高木三四郎&大鷲透のタッグマッチで9・28後楽園でのKO-D6人タッグ選手権試合の前哨戦。早くも紙テープの数の近いに激怒する高木は喧嘩越しで「どっちが出てくんじゃ!」と挑発。石井が出て来ると、高木はスッとコーナーに下がって「鷲関20周年だぞ!」と叫ぶが、紙テープが一本も飛ばなかったことを嘆く大鷲。声援もあまり飛ばないので、高木は声色を変えて「鷲関~」と声援を飛ばすが、大鷲は「たまにはちゃんとやらせろ!」と高木を一喝する。ショルダーアタックでぶつかっていった石井だが、受け止めてみせた大鷲。すると石井は「チャーシュー! オマエが来い!」と大鷲を挑発して走らせると、うまくかわして逆にショルダーアタックでなぎ倒す。「アイツ嫌いだ」と言いながら大鷲が高木にタッチ。高木は高尾にショルダーアタックを見舞っていくが、すぐに立ち上がった高尾はカウンターのドロップキック。しかし高木は「黄色い声援がムカつくんだ!」と叫びながらドラゴンスクリュー。そして高尾を場外に出した高木は練習生の宮武を呼んで高尾を殴らせるが、高尾は宮武にエルボー。それでも高木からの社長命令で高尾にチョップを見舞っていった宮武だが、高尾がエルボーを叩き込んでリング下に蹴り入れる。リング上では大鷲が高尾にWARスペシャルからブレーンバスター。しかしカウンターのドロップキックを返した高尾は石井にタッチ。「チャーシュー!」と叫びながらミサイルキックを発射した石井はサマーソルトドロップ。大鷲も石井と真っ向からチョップを打ち合うとビッグブーツを叩き込んで高木にタッチ。ドラゴンリングインからフライング・クロスチョップ、619とルチャ殺法を出した高木だが、石井はカウンターのフランケンシュタイナーから延髄斬り。タッチを受けた高尾は背中にダイビング・フットスタンプを投下すると、もう一度コーナーに登るが、高木はスペース・ローリング・エルボーで高尾をエプロンに落とすとぶっこ抜き雪崩式ブレーンバスターさらに大鷲が入ってきてサンドイッチ・ラリアットを決めると、高木のスタナーから大鷲がノド輪落とし。カウント2でカットされると、大鷲はコーナーに登っていくが、追いかけていった高尾は雪崩式ブレーンバスター。さらに延髄斬り、トラースキックを決めた高尾だがカウント2。ダイビング・フットスタンプを剣山で迎撃した大鷲は丸め込むが、高尾も逆さ押さえ込みで対抗。ならばと大鷲はラ・マヒストラルで丸め込んでいって3カウントを奪った。前哨戦で勝利した高木&大鷲は腰に手を当て、ベルトを獲ってやると挑発してみせた。
第2試合は坂口征夫&赤井沙希vs中澤マイケル&松永智充のタッグマッチ。先に入場した豚ingの松永が栃木名産のレモン牛乳をコンビニで買ってきたと持参して登場。「栃木県民はこんなマズイものを飲んでいるのか? じゃあ今日は赤井と坂口を蹴散らして、このまずいレモン牛乳で乾杯だ!」とマイケルと一緒にレモン牛乳を馬鹿にした上、リング下の練習生の頭に降り注いでみせた。そこに坂口&赤井が登場。まずは坂口と松永が緊張感のあるグラウンドでの攻防を展開すると、坂口が赤井にタッチ。すかさず「タッチ、タッチ!」と要求したマイケルは、「一丁揉んでやりますか~」といやらしい表情で赤井に詰め寄っていく。ロープに赤井を張り付けて走り込むマイケルだが、赤井は追走式ビッグブーツからミドルキックを連打。だが、蹴り脚をキャッチしたマイケルは太ももを舐めていく。半失神状態の赤井を松永がエアプレーンスピンで回していくと、続いてマイケルもエアプレーンスピン。完全に目が回った赤井に松永がスピニング・トーホールドを決めると、マイケルもスピニング・トーホールドと見せかけて太ももを舐めていく。坂口が蹴りでカットしたが、マイケルはバニーガールのコスチュームを持ち出すと、そのまま赤井を拉致してバックステージへ。その間にリング上では松永が坂口を攻撃していく。そこに逆にマイケルをバニーガールの格好にさせた赤井が戻ってくる。バニーガールの格好をしたマイケルは「よくもこんな恥ずかしい格好させやがって!」とスペース・ローリング・太もも舐め。しかしウラカンラナで切り返した赤井は坂口にタッチ。エプロンでのPKからリングに戻ってチキンウイング・フェースロックを狙った坂口だが、松永が入ってきて合体攻撃。しかし赤井が豚ingの2人にダイビング・ボディーアタックを決める。坂口はマイケルにボディブローを叩き込むが、マイケルは「熱くなってきたぜ~」とコスチュームを脱ぎ出すと、Tバック姿になってアルティメット・ベノムアーム。坂口が何とか食い止めると松永が入ってくるが、逆にアルティメット・ベノムアームの餌食に……。赤井も飛び込んで来るが、敢えなくアルティメット・ベノムアームの餌食に。その隙に坂口はマイケルをスリーパーに捉えると、マイケルのベノムアームをマイケルの顔に押し付けながらのコブラクラッチに移行。これでマイケルがギブアップ。
試合後、松永が「今日は中澤さんが勝って、あの大爆笑間違いなしと言われたカーテン芸をやらせたかったんですよ! 僕、本当はレモン牛乳大好きなんです! 中澤さんにカーテン芸をやらせてあげてください!」と言うと、酒呑童子と赤井がリング上から見守る中、マイケルがステージに立ち、亜門GMの眼鏡をかけてから「アラレちゃん。キーン! ケント・デリカット! メガネ、メガネ」と往年のギャグを次々に披露。会場を凍らせたまま逃げるように去っていった
第3試合はアントーニオ本多vsスーパー・ササダンゴ・マシンvsDJニラの3WAYマッチ。ゆっくりと三つ巴の睨み合いからスタート。なかなかタイミングが合わず、力比べにいけないでいると、とりあえず3人とも携帯を取り出してメールチェック。ニラに至ってはガラケーとスマホの2台持ちであることが判明したが、宮武練習生に携帯を預けた3人はようやく力比べかと思わせておいて指を鳴らしてリズムを刻む。そこから三つ巴の腕の取り合いになるが、ニラがコンタクトを落としたらしく探し始める。その横でササダンゴとアントンはヘッドロックの応酬に。コンタクトを踏まれたら困るニラはどうにかコンタクトを発見すると場外に避難。その間にアントンがササダンゴを攻撃していき、場外に追いやるとケブラーダを発射…と思いきや飛び乗ったロープから転落。大きなダメージを負ったアントンはササダンゴとニラに向かって「続けてください」。仕方なくリングに戻ったササダンゴとニラ。ササダンゴはスタンディングのSTFを決めていくが、ニラは片脚で飛び跳ねながらロープに脱出。「こいつ新潟の風土で日に日に成長してやがる。俺は絶体絶命の危機に陥れられている」と言いながら、ゆっくりとコンタクトを探し始めたニラは、不用意に近づいてきたササダンゴにロケットパンチ。さらにDJタイムを狙うが、かわしたササダンゴはブロックバスター。ササダンゴがカバーするとアントンがカット。ササダンゴとアントンは喧嘩腰で互いを突き飛ばし合うと相打ちになってダブルダウン。そこをニラがカバーするがカウント2。アントンがバイオニックエルボーを狙うが、腕を回転したところでニラが腕を押さえつけ、ササダンゴがその腕を下げて回転させた腕が股間に当たって悶絶するアントン。するとニラはササダンゴの左ヒザを攻撃すると、シャイニング・ウィザード…と思いきや、ササダンゴのヒザの上に乗ったところで立ち止まり体重を乗せていく。その痛みに耐えられなくなったササダンゴがギブアップして終了。
第4試合は男色ディーノ&大石真翔vs彰人&MIKAMIのタッグマッチ。ディーノと彰人は9・28後楽園でのDDT EXTREME級選手権試合の前哨戦。ブロディシャウトをしながら太い縄を振り回しながら登場したディーノは「26日には後楽園ホールで…28日です! 後楽園でこのベルトをかけたタイトルマッチが行われます。このベルトはチャンピオンがルールを決めていいんですけど、たったいまアタシはルールを決めました。ところで彰人君、あなた得意技ってなんだっけ?」と言い出す。「足関節とか?」と彰人が答えるとディーノは「屈強なプロレスラーがギブアップといって試合を諦めるところを子供に見せるんですか? ハッキリ言って絞め技・関節技は悪です! この試合から絞め技、関節技は悪ですから排除したいと思います!」と言い出す。しかもタイトルマッチではないことから、絞め技、関節技によるギブアップなしのルールを採用すると強権発動。彰人も承諾して先発を買って出たが、大石がヘッドロックに捕らえた途端に反則カウント。彰人がハンマーロックで切り返すが、これも反則。慌てて抑え込んだ大石だがカウント2。続いてMIKAMIがディーノにボディブロー。続くドロップキックを自爆させたディーノは急所クロー。しかし、これも反則。続く男色回転体も反則を取られたディーノは「やってられるか!」それでも「オマエか? オマエが悪いのか?」と自分で決めたルールであることを棚に上げて彰人を攻撃。続いて大石は彰人の顔面をトップロープに擦りつけるが、これはそもそも反則。ディーノは彰人の顔面を蹴ると男色ナイトメア。だが、これもギブアップを迫っているため反則。タッチを受けた大石がスイングDDTを狙うが、彰人はブレーンバスターで切り返してMIKAMIにタッチ。串刺しジャンピングキックからミッキーブーメランを決めたMIKAMIは、スワントーンボムを投下。これをかわして自爆させた大石はランニングエルボーを叩き込むとディーノにタッチ。ディーノのナックルに彰人はエルボーで対抗すると、ヒザへの低空ドロップキックから俵返しへ。ディーノもソバットからリップロックを返すが、これは反則。ならばとファイト一発から男色ドライバーを狙ったが、彰人は水車落としで切り返す。互いにマットに両ヒザをついたまま殴り合うと、先に立ち上がった彰人がエルボー。だが、彰人が走り込んだところに大石が入ってきて3Dを決める。そこから大石はディーノにケツを出すように指示。ケツを出してコーナーに登ったディーノ。MIKAMIがディーノのケツの餌食になると、彰人はホイップしようとする大石をどどん式ヒザ砕きで叩きつけてからアンクルホールドに捉える。大石はタップするが、これは彰人の反則。すかさず大石はミラクルエクスタシーを狙ったが、彰人はバックに回る。その背後からMIKAMIが攻撃すると、彰人は大石はディーノのケツに押し込んでからキン肉大移動を決めて3カウント。
前哨戦で勝利した挑戦者の彰人は「ディーノさん、今日みたいにお互いの良さを殺す試合とかルールじゃなくて、お互いの良さを最大限に引き出す・活かすルールでタイトルマッチをやりましょう! 引き出すルールだったらどんなルールでも受けるので、彰人とディーノ史上最高の試合をしましょう!」と提案。それを聞いたディーノは「キー、悔しい! プロレスっていいこと・悪いことひっくるめてプロレスだったのね。今日気付いたわ。関節技最高! アタシもあなたのお互いの良さを引き出すという部分には賛成だけど、ルール考えるのはアタシなのね。アタシはアタシでこのベルトでやりたいことがあるので、残念ながら防衛させてもらいますけど、今日のところはチ。チクショー! 覚えてやがれ!」と捨て台詞を吐いてみせた。
【試合後のコメント】
彰人 今日は(EXTREME級の)前哨戦という形で、ディーノさんが決めたあのルールで何とか勝つことができたんですけど、今日はタッグだったので。シングルだとどうなるかちょっとわからなかったですね。実際、今日ギブアップなしみたいなルールにされて、ちょっと戸惑ったところがあったんで。自分の持ち味の足関節でどうしよう、どうしようって。(アンクルホールドを)極めてもダメだったし。最後、キン肉大移動があって何とか決められたっていうのはあったんですけど。次はタイトルマッチ、今日の試合をやってみていろいろ考えないといけないことが増えましたね。
――王者もいろいろ困ってました。
彰人 そうですね。ディーノさんも墓穴を掘ったというか、たぶん始めはわかっていなかったんでしょうね。自分のケツを掘ったり、股間を触ったりするのも関節技だったってことに気づいていないくて、2人ともちょっと苦しい思いをしたっていうのがあって。今日はお客さんは楽しんでくれたのかもしれないですけど、互いの持ち味を最大限いかすことができずに勝ったんで、試合的には……。
――精神的にも優位に立てましたもんね。
彰人 そうですよ。勝って、ディーノさんをちょっと焦らせることができたのかな思います。
ディーノ 今日、彰人君に乗っ取られてしまいまして、ちょっと落ち込んでいます。アタシとしたことが、相手のいいところを殺して勝とうなんて浅ましい考えをしていたアタシが悪かった。今日のところはその通りです。言い返すことは何もありません。後楽園ホールではこの教訓を活かして力一杯頑張ろうと思いますので、みなさん応援のほどよろしくお願い致します!
――会見のときにおっしゃってた凄いルールというのは、今日のルールとは別ですか。
ディーノ えっと、凄いルールではやりますけど……何て言うかなぁ。その場凌ぎって言葉、ご存じかな? その場凌ぎでもの凄いルールって言ったんです、アタシ。大人ならそれが通じるかなと思っていたんですけど、通じていないようならハッキリ言わせてもらいます。その場凌ぎです。今日もその場凌ぎで、後楽園ホールでは凄いルールで闘おうかと思っております! みなさん、応援のほどよろしくお願い致します!
第5試合は入江茂弘vs平田一喜のシングルマッチで9・28後楽園でのKO-D6人タッグ選手権試合の前哨戦。通常の入場テーマで登場した平田に観客からは「えー」の声。お互いのユニットのメンバーがセコンドにつき、前哨戦ムードを煽る。入江から握手を求め、平田が応じてから試合開始。入江に黄色い声援が飛ぶ中、平田にはセコンドから低い声の声援が飛ぶ。腕の取り合いから入江がヘッドロック。平田はロープに飛ばして脱出するが、入江はショルダーアタックで吹っ飛ばす。平田もカウンターのドロップキックを放つが、入江は跳ね返す。すると平田は「入江さん、めっちゃくちゃ巨乳のお客さんがいますよ!」と客席を指差し、そちらを向いたところで背後からドロップキック。これで場外に出た入江にプランチャを投下した平田は、ダンスを促す高木と大鷲を「うるせー!」と一喝。高木と大鷲は両腕をクルクルさせながら「ラクになっちまえよ!」と迫るが、平田はグッと堪える。しかし、その隙を突いて入江がボディースラムからエルボーを連打。さらにタックルで平田を吹っ飛ばすと、豪快なブレーンバスター。入江は曙のポーズからランニング・ボディープレスからWARスペシャル。平田は「俺は曲には頼らん!」と叫びながらロープに脱出すると、入江をボディースラムで叩きつける。さらにフェースクラッシャーからコーナー2段目からミサイルキックを発射した平田は、左右のエルボーで追い込むが、体勢を入れ替えた入江は強烈なエルボーバット。鈍い音が館内に響き渡る中、入江は串刺しラリアットからテディベア。カウント2で返した平田に入江は張り手とエルボーを叩き込むが、平田も必死で立ち上がってエルボーを返す。入江はカウンターエルボーからブレーンバスターを狙ったが、これを逆に投げていった平田は、スライディングキックを狙ったが、入江はブラックホールスラムで切り返すとコーナーへ。しかし、ここで平田は「ちょっと待った! もう俺にはこれしかない! 俺の曲をかけろ!」と叫んで、“あの曲”をかけると入江をデッドリードライブで投げてからあのダンス。しかし、入江も交通事故アタックで平田を吹っ飛ばすと「平田! いつも試合中に踊りやがって! 踊りたいのはオマエだけじゃないし、踊れるのはオマエだけじゃない!」と言い出すと、「僕の曲をかけろ!」と叫ぶ。流れてきたのは恵比寿マスカッツの『バナナ・マンゴー・ハイスクール』。笑顔でかわいく踊ってみせた入江は、黄色い声援を浴びながら突っ掛かってくる平田を突き飛ばし、さらに曲に乗ったままビーストボンバーを放って勝利。
まさかダンスでも見せ場を入江に取られてしまった平田に高木は「平田、完敗だよ。試合でも負けて、ダンスでも負けて。こんなんで後楽園勝てると思ってんのか? テメエのダンス、キレがねぇんだよ! 後楽園、勝ちたいんだろ? 俺と鷲関が自腹でバックダンサーをつけてやる! 最高の入場をやりなさい!」と約束して引き揚げる。1人リングに残された平田が「またいつものコレですか……何はともあれ最高のバックダンサー……」と言ったところで、高木が「オマエの力を200%、300%引き出す最高のバックダンサーだ」と声をかけると、平田は「俺、ここまでやって負けたらあとがないっすよ! ダンスも最高にやって、試合も最高にやって、絶対にKO-D獲ります! 今日は完敗だけど、KO-D獲って、ベストストレッチでここに来られないかもしれないけど、絶対に都合つけてまた帰ってきます!」と叫んで、あの曲で踊ってみせた。
セミファイナルはHARASHIMA&ヤス・ウラノvsKUDO&マサ高梨のタッグマッチ。ヤスと高梨の先発で試合開始。腕の取り合いからケサ固めで抑え込んだヤスだが、高梨は自軍のコーナーに押し込んでいってKUDOにタッチ。グラウンドに持ち込んだKUDOだが、ヤスは脚を取って自軍のコーナーまで引きずってきてHARASHIMAにタッチ。ワキの差し合いからHARASHIMAが払い腰でテイクダウンを奪うが、KUDOはすぐに脱出して高梨にタッチ。力比べを要求する高梨に逆水平チョップを叩き込んだHARASHIMA。すると高梨は悶絶。ヤスは耳元で絶叫すると高梨をエプロンに出すが、脚を掴んで場外に引きずり降ろした高梨。すかさずKUDOが蹴り飛ばすと、ヤスをリングに戻した高梨はヘアーホイップで投げてからロメロスペシャルを狙ったが持ち上がらない。すかさずヤスが反撃すると、タッチを受けたHARASHIMAが逆にロメロスペシャルで吊り上げる。高梨は手に噛みついて脱出するとKUDOにタッチ。サッカーボールキックからニーリフトを叩き込んだKUDOに対し、エルボー合戦を仕掛けていったHARASHIMAだが、KUDOはロープに飛んだHARASHIMAに追走式ニーリフト。さらに8×4からコーナーへ。追いかけていったHARASHIMAは雪崩式ブレーンバスターで投げていく。KUDOもミドルキック合戦を仕掛けていくと、優勢だったKUDOは延髄斬りからバズソーキック。しかしHARASHIMAも何とか蹴り返してヤスにタッチ。ヤスはHARASHIMAと連係攻撃を決めると、ハーフダウンのKUDOの顔面に低空ドロップキック。KUDOもカウンターで逆上がり式逆さ押さえ込みからバズソーキックを返すと高梨にタッチ。アッパーカットからサミングを見舞った高梨だが、ヤスは高梨をKUDOに叩き付けると、トップロープの上に1回乗せて、その反動でブレーンバスター。これはKUDOがカットに入る。すかさず高梨がバックブリーカーに捉えると、KUDOのミドルキックから高梨がレッグラリアット。さらにKUDOがダイビング・ダブルニーアタックを発射。高梨のトラースキックとKUDOのミドルキックのサンドイッチから高梨がタカタニックを狙ったが、HARASHIMAが入ってきてハイキックでカット。すかさずヤスが串刺し攻撃を決めると、そこにHARASHIMAが串刺し式蒼魔刀。そこからヤスがツームストーン・パイルドライバーで高梨を突き刺して3カウント。
メインイベントはケニー・オメガ&佐々木大輔vs竹下幸之介&遠藤哲哉のタッグマッチで9・28後楽園でおこなわれるKO-Dタッグ選手権試合の前哨戦。竹下&遠藤はアントンとのハッピーモーテルトレインで登場すると円陣を組んでからリングイン。終始厳しい表情をしていた遠藤が先発を買って出る。ケニーを睨みつけた遠藤は腕の取り合いからヘッドロック。だが、ケニーはロープに振って逃れると、遠藤の頬を軽く叩いて挑発。ショルダータックルでなぎ倒したケニーは、逆水平チョップからの前蹴りで吹っ飛ばす。タッチを受けた竹下はロープワークでスピードをつけていくが、ケニーはカウンターのキチンシンク。そこに佐々木が入ってきてトレイン攻撃。さらにダブルのブレーンバスターを狙ったが、竹下が着地すると遠藤がミサイルキックで飛び込んでくる。さらに竹下がハーフハッチでケニーを投げると、遠藤がその場跳びムーンサルトを投下。佐々木が戻ってきて合体攻撃を狙うが、竹下&遠藤はカウンターエルボーで迎撃すると、ラリアットでケニーと佐々木を場外に叩き落とす。だが、場外乱闘になるとケニーと佐々木が優勢。佐々木は竹下に場外マットを投げつけると、どこにドロップキック。さらにその上からケニーと佐々木はフットスタンプを落としていくと、ケニーが遠藤をボディースラムで竹下の上に投げつける。ゴールデン☆ストームライダーズの2人は竹下の腰を集中攻撃。悶絶しながらもケニーのシュミット式バックブリーカーからのキャメルクラッチにも耐えた竹下だが、佐々木がなおも顔面を踏みつける。ケニーもレフェリーに見ていない隙を突いて踏みつけると、反撃しようとした竹下に佐々木はケブラドーラ・コンヒーロ。10分経過、ケニーが張り手で挑発してからコーナーに何度も押し込んで叩きつけていく。腰をコーナーに何度もぶつけられた竹下はぐったり。ケニーはさらに逆水平チョップから串刺し攻撃を狙うが、ビッグブーツで迎撃した竹下はハリケーン・ラナを決める。佐々木がタッチを阻止しようとしたが、竹下はドロップキックを叩き込んでようやく遠藤にタッチ。佐々木へのスペース・ローリング・エルボーからケニーにスワンダイブ式エルボーアタックを決めて場外に追いやった遠藤はケブラーダを発射。リングに戻った遠藤はケニーにバックブリーカーからのコンプリートショットを決めたが、ケニーもバックブリーカーを返して佐々木にタッチ。ダイビング・ラリアットから遠藤をトップロープに吊してからのドロップキックを決めた佐々木はダイビング・エルボードロップを投下。これをかわした遠藤はタッチした竹下と合体フラップジャック。そこから竹下はアームホイップからのニーリフトから垂直落下式ブルーサンダー。場内からどよめきが起こるほど強烈な一撃だったが、佐々木も一瞬の隙を突いてクロスフェースに捉える。これは遠藤がケニーごと突っ込んででカット。だが、ケニーは遠藤を肩車すると佐々木へ投げつけ、佐々木はトラースキックを合わせる。さらにPKこころΩを狙ったが、竹下はうまく回避。遠藤が入ってきてケニーと佐々木にダブルのトラースキックから同時にジャーマンで投げるがカウント2。ならばと遠藤がケニーを羽交い絞めにして竹下はコーナーに登るが、エプロンから佐々木が足止め。しかし竹下はエプロンで佐々木にタッチダウン。遠藤もケニーにトーチャーラックボムを狙うが、ケニーは決めさせない。だが、竹下が走り込んできてケニーにビッグブーツを叩き込むと、遠藤がムーンサルト・プレスを投下。しかし合体攻撃を狙う竹下&遠藤に対し、ケニーは蹴りで迎撃。遠藤をコーナーに叩きつけてからターンバックル・パワーボムで竹下を遠藤にぶつける。さらにケニーは遠藤にパワーボムから、そのままクラッチを離さずに肩口まで抱え上げて片翼の天使。これで遠藤は戦線離脱状態に。ケニーは一気に竹下にトドメを刺そうとするが、竹下はカウンターのラリアット。さらにビッグブーツを叩き込んでからロープへ。しかしケニーはジャンピング・ニーアタックで迎撃。そこからクロイツ・ラスを狙ったケニーだが、どうにか脱出した竹下はラリアットからタッチダウンを狙ったが、ケニーはうまく潰すと十字固めで丸め込む。どうにか肩をあげた竹下だが、ケニーは間髪入れず十字固めで丸め込んで3カウント。
KO-Dタッグのベルトを持ったケニーは「オイオイ! このガキ野郎! パートナー(遠藤)どこですか? 死んだか? まあいい。次の後楽園でオマエらの勝ち目はない。このベルトを見ろ! 私が日本にいる間はオマエたちがこのベルトを獲ることは絶対にない。ファンみたいに見るだけだ。オマエらのことなんてそんなに尊敬してないんだ。嫌いではないけど、どうせ童貞だから意味わからないだろ? オマエ、力足りない。オマエ、何もできない!」と言うと、ベルトをマットに落とし「後楽園、全力でかかってこい!」と言ってから竹下の顔にツバを吐きかけた。この行為に珍しく感情的になった竹下はケニーに殴りかかる。セコンド陣が止めに入って両者をわけるが、竹下は一旦落ち着いたと思わせておいて再びケニーに襲いかかる。ケニーは松井レフェリーに向かって「警察呼べ!」と叫ぶほど。どうにかアントンがなだめて竹下をリングから降ろすが、ケニーはなおも「まあオマエはスポーツマンじゃない。負けたから怒るんでしょ? しょうがないか。今度の後楽園も負けるでしょ。私と飯伏サンが殺すんだよ」と言い放つ。竹下はリング下から鬼の形相で「絶対にベルト獲ってやるからな!」と叫んだが、ケニーは「おおマジか? 感情見せたのか? 別に気にしてない。(小山のお客さんは)もし来られれば来てくださいね。ゴールデン☆ラヴァーズと竹下&遠藤のメインイベントになりました。絶対にいい試合を見せてやる。佐々木さん、オマエのこと忘れてないんだよ。佐々木はゴールデン☆ストームライダーズだから一緒に締めましょう!」と余裕の表情。最後は佐々木が「クソガキどもが……痛かったよ」と言うと、ケニーが「佐々木さんが負けると思ったんでしょ? でもゴールデン☆ストームライダーズは3人とも強い!」と絶対的な自信を見せて大会を締めくくった。
【試合後のコメント】
ケニー まあ今日はリングの上で結構しゃべったから言葉もうない。意見がリングの中の通りです。佐々木さんはこの試合をどう思った?
佐々木 あのクソガキどもはビッグマウスなだけでね。全然……。
ケニー 口デカイけど。
佐々木 口だけだね。経験もないし、童貞クソ野郎どもが。経験がないんですよ!
ケニー それは試合の経験? 何の経験?
佐々木 すべて。人生ですね。
ケニー そうだよね。でもしょうがない。若いから。気持ち分かる。もちろん、私はいつもいい試合をしたいですけど、このガキどもたちが今日は本当に全力で闘いました。私は余裕をセーブするため試合をしたけど、結局めっちゃエネルギー使いました。ほら見て。汗、ヤバい。
佐々木 遊んであげたからね。
ケニー でも、いいことはダメージがない。後楽園で100%で試合できる。飯伏さんはどうかわからないけど、飯伏さんが50%でも充分です。佐々木さんの試合はなんですか?
佐々木 私はハッピーモーテルのアントニーオ本多と闘いますよ。ユニット対抗戦ですね。
ケニー 今回はつながってますね。
佐々木 私も勝って、メインも勝って、ハッピーモーテルは解散です。
ケニー ハッピーモーテルなんてカッコイイと思ってる? 思ってないんだね。
佐々木 本の読み過ぎですね。
ケニー そうですよね。
佐々木 (ハッピーモーテルが)勝てると思ってるいるなら後楽園に来たらいいし、もう今日のでごめんなさいってきっと思っているだろうから、もしかしたら後楽園は来ないかもしれないね。
ケニー そうっすか?
佐々木 ええ。
ケニー オーマイガッ!
佐々木 違うチャレンジャーも準備しておいてもらったほうが……。
ケニー ですよね。いいかもしれないですね。
遠藤 いやぁ、やっぱりアレですね。ゴールデン☆ラヴァーズじゃなくても、飯伏さんじゃなくて佐々木さんとケニーさんでもやっぱりSランクですね。前回、ビアガーデンでケニーさんとやったときより、僕自身……もちろん竹下もですけど、進化してるって言ったんですけど、そのスピード以上にケニーさんが強くなってましたね。何かもう最後片翼(の天使)食らって、自分が動けなくなって……竹下がせっかく最後食い付いてくれたんですけど。まあ結果は……負けということで。ただ今日の試合はタイトル(マッチ)じゃないんで。ちょっとここで落ち込まずに前向きに考えて、次の試合を迎えたいと思いますので。
竹下 両国で棚橋弘至選手とのシングルマッチがあって、あの試合以降……自分の中でスランプだと思い込んでましたよ。初めてちょっとプロレスの難しさを知ったというか、挫折というかね。……と、感じてましたが、今日ケニー選手、佐々木選手が……僕らはちゃんとKUDO選手、高梨選手に勝って挑戦しようって言ってるのに、でも挑戦者はリスペクトしないって言って舐めた試合を最初にしてきました。だから気付いたらもうスランプどうこう関係なく、感情的になってしまって。最後は本当に前も言った自分の100%以上のものが、一瞬出せたと思いました。でもケニーさんは僕らが弱いって、Dランク、Eランクって言ってましたけど、最後のケニーさん、確かに強かったですよ。でもアレは実はケニーさんの本気だったんじゃないかなって。そこまで僕らは出させたんじゃないかなって。最後、僕もレフェリーが3つ入ったって言ったら、それは負けかもしれません。でも丸め込みでした。じゃあ僕はそこまで出させた。ケニーさんにはもうあとがない、そこまで来たと僕は感じました。でも負けているんで。しかも後楽園は(パートナーが)飯伏さんだし。だから僕らもこれで落ち込むことなく……結局、この間の挑戦者決定戦の前哨戦も僕ら負けているんで。それで1週間反省して、もう一度、イチから考え直して、作戦立てて勝ったんで、後楽園楽しみにしておいてください。
遠藤 今日、竹下がこんだけ感情的になるってことは、正直珍しいことだと思うので。まあそれは100%以上の力が出たからであって。ただ僕はどうかと言うと、正直まだ100%以上はいっていないと思います。後楽園で勝つには次は僕が100%以上、リミッターを解除して出さないとダメだと思います。正直、本当僕が後楽園のキーマンだと思っています。
――最後、ケニー選手に唾を吐かれて、個人的に思うことはありますか?
竹下 やっぱり……うん。日本のプロレス界はキャリアというものがあります。すごくそれが大切にされていると思います。確かに僕らはキャリアはないです。若いし、経験もない。でも僕らの実力はあがってきていると思います。だけどキャリアがないから、こうやって評価されないし。一緒にトレーニングして、これだけ俺たちトレーニングしているのに、そこは評価されない。だからケニーさんも僕たちのことをリスペクトしないっていう。こうして勝ってきているのに。それが僕は一番感情的になってしまった理由。プロレス界に革命を……プロレス界が大変革するために、僕たちは絶対次の後楽園のメインでゴールデン☆ラヴァーズに勝たなければいけない、そう思っています。
――このKO-Dタッグ戦っていうのが、その革命の一つの過程になる?
竹下 僕がずっと言い続けている「未来を見せる」、その一番形にしたもの。それが今のゴールデン☆ラヴァーズから、言うなれば僕らのキャリアで勝つこと。それが絶対必要だと思っています。