武道館大会はとにかくキツい大会だったけど、超満員のお客さんに来ていただけたし、5時間に渡る長丁場でも何一つダレる部分もなかった。お客さんから「すばらしい大会でした」という声を多くいただいたし、団体としてはお客さんに楽しんでいただくのが一番だからね。だから、すべてを乗り越えて終えた時の達成感はすごかった。それは選手のみんなも感じ取ってもらえたと思う。武道館のお客さんの反応って「後楽園かよ!」っていうぐらい、ダイレクトに伝わるんだ。メインイベントのお客さんの重低音ストンピングもすごかったし、2回目はないかなと思っていたけど、また再来年にはやりたくなったよ。
今回の武道館大会で俺様が決めていたのは、過去を振り返ったり、懐かしむことをしてはいけないということ。懐かしの選手を誰ひとり入れることなく、DDTの現在進行形の選手で、DDTの未来を見せようと決めていた。おそらく、ファンの中に今回の武道館でDDTが最終回になると思った方もいただろう。もちろん、そう思われるのは嫌だったんだけど、「これで終わりでもいいのかな」という気持ちが若干あったのは事実。でも、DDTの規模をここまで大きくして運営してきて、自分勝手な気持ちで団体を畳むことはできないし、未来を見せなきゃいけないと決意したんだよ。メインの飯伏vsケニーもそうだし、来年の両国2DAYSや5年後の東京ドーム進出というように、一つでも多くの未来を見せたかったんだ。
その両国2DAYS(2013年8・17&18)では、18日(日)が従来の『両国ピーターパン』で、17日(土)はプロレスと異業種のコラボ興行を予定している。土曜日のほうは、違う業種のファンの方にプロレスを見てもらって、プロレスファン層を拡大していくのが狙いで、興行というよりはイベントと言ったほうがいいのかもしれないね。2日間で料金設定も異なってくると思う。
このコラボイベントは2010年3・6&7、さいたまスーパーアリーナでコーエーさんが開催した『戦国武将祭り』が理想形。あの時はコーエーさんが持っている『戦国無双』シリーズの世界観の中でプロレスを行ったんだけど、俺たちはプロレスの世界観の中で、いろんな業種の人たちとコラボしていきたい。
コラボするならアーティストというのは漠然とあって、歌手やアイドルに限らず、声優や芸人でもいいね。一部夕刊スポーツ紙では「AKB48とコラボ」という記事も出ていたけど、個人的にはSKE48かなあ。
あと、地方から見に来るお客さんも一日だけよりは、2日間のほうが遊べるだろうしね。経費の面でも2DAYSにすることで、器材は置きっぱなしにできるし、施工費用も一日の料金で済む。人件費は2日分かかるにしても、夏と冬に分けて2倍にするより、連戦だと1.5倍ぐらいで抑えられるんだ。
一つの会場を2日間でシェアするというのは、一つの会場を3団体でシェアする『天下三部の計』と発想は一緒で、このへんがインディーなんだよ。どこかの団体が土曜の朝とか、日曜日の朝とかに両国大会をやれば、さらに経費を分担することができるんだけどね。(この項つづく)