6日、愛知・名古屋市枇杷島スポーツセンターにて「Road to Ryogoku in NAGOYA~ドラマティック・ドリーム・天むす~」がおこなわれた。試合前の鶴見亜門GMによる前説では飯伏幸太の欠場のお詫びから高井AID興行の告知として入江茂弘と彰人が呼び込まれる。亜門GMの「ホフ!」のやり方に入江がダメ出し。最後は気合いの入った「ホフ!!」を決めて大会スタート。
第1試合はバッファローvs伊橋剛太の「猛牛対人喰い豚、喰われるのはどっちだ!?」。人喰い豚であることが判明した伊橋。デッドリフト・ジャーマンで追い詰めるもコーナーに登ったところでバッファローに捕まってしまう。雪崩式ブレーンバスター、バックドロップと立て続けに受けた人喰い豚はラリアットに轟沈。猛牛を喰らうことはできなかった。
第2試合は高木三四郎&大鷲透&赤井沙希vs中澤マイケル&松永智充&DJニラの6人タッグマッチ。大鷲の要求により、ルチャ・リブレルールが採用されて試合スタート。赤井がミドルキックでマイケルを攻め込むも、マイケルはその蹴り脚をキャッチ。さらにその太モモをナメるという行為に出るや、場内からはブーイングが発生する。赤井のピンチに高木と大鷲がルチャ殺法で盛り返し、赤井のリーマン銀河、大鷲の羽根折り固め、高木のジャベの三重奏を決める場面も。赤井がニラにランニング・キックを狙うも、ニラがかわしてロケットパンチ。すかさずマイケルがアルティメット・ベノムアームを決める。崩れる赤井をニラがマヒストラルで丸め込んだが、赤井が逆に潰してフォール勝ち。
第3試合はMIKAMIvs彰人の「ニコ生で非常に評判が良かった試合再び!」。じっくりとしたレスリングからMIKAMIがリバース・ロメロスペシャルを決めれば、彰人もミッキーブーメランを受け止めてのアンクルホールドと一進一退の攻防。MIKAMIのスク~ルボ~イを凌いだ彰人がキン肉大移動を決めて勝利した。
第4試合は「復活!めちゃくちゃ面白い試合シリーズ」として男色ディーノ&平田一喜vs大石真翔&勝俣瞬馬のタッグマッチが組まれた。入場の時点から4人はひじょうに気合いが入りまくっている。ディーノと平田は「ぶっ壊してやる!」といきり立つ。大石から「今日も踊るんだろう!?」と聞かれた平田は「踊らねえ」と拒否。ディーノから「いつから自分の心を隠すようになった! 素直な心をぶつけんぞ!」と言われると「踊るよ。だが踊るタイミングは俺が決める。舵を取るのは俺だ! ヨーソロー!」と長渕ばりに宣言して試合スタート。ディーノにバックを取られ、ケツを突かれる勝俣は「ヤバいっす!」と悶絶していたが、最終的には「気持ちいいですぅ」と声を漏らしてしまう。ディーノは「ヨーソロー!」と長渕ばりの掛け声で勝俣にナイトメア。大石がエルボーでカットに入るが、気合いの入りまくっているディーノは「オマエのヒジは蚊か!?」と効かない様子。平田が大石の気合いの入りまくったミラクルエクスタシーを着地してバックドロップ。「俺の曲をかけろ! ミュージック…」と指示を出そうとするも、勝俣がドロップキックで阻止。勝俣は大石との3D式Xファクターを平田に決める。ディーノが平田のピンチを救出せんと勝俣の脚をリング外から引っかけると「ミュージックスタート!」の掛け声。しかし今度は平田がストップをかけて「タイミングは俺が決める! それは今だ!!」。いつもの曲が流れるとディーノと平田は長渕ばりの正拳突きで大石と勝俣を倒していく。ディーノが孤立した勝俣に男色ドライバー。平田が変形フロウジョンに繋いでフォールを奪うと、ディーノと平田は退場。勝俣は「アイツらは『ぶっ壊す』とか言っていたけど、何も壊されていません!」と大石に訴える。そこへ「大変だ~!」と木曽レフェリーがリングへと駆け込む。「アイツらとんでもないものを壊していきましたな。壊されたのはプロレスの常識です」とカリオストロの城風味の銭形チックな言葉を告げて終了。
第5試合は佐々木大輔vs石井慧介のシングルマッチ。今日がデビュー6周年の石井へ大量のピンクの紙テープが投げ込まれる中、佐々木が奇襲して試合スタート。佐々木が石井を場外で痛めつけ、リングに戻ってトペ・スイシーダ。石井はこれをキックで迎撃。エプロンの攻防に移ると佐々木がバックドロップで叩きつけて主導権を握る。苦しい石井はカウンターのドロップキックで反撃。一進一退の攻防が続く中、佐々木が石井をトップロープに引っかけて顔面ドロップキック。そこからクロス・フェースロックに繋いだがロープエスケープを許す。ダイビング・エルボードロップを察知した石井が回避して自爆させると、エクスプロイダーからニールキックを発射。佐々木がかわして自爆させるとNOW OR NEVER狙い。石井がこれを着地して延髄斬りからタイガー・スープレックス。佐々木が丸め込みで切り返すと、ここから丸め込み合戦へ。石井がエビ固めをガッチリと決めて勝利した。
セミファイナルはHARASHIMA&ヤス・ウラノvs入江茂弘&高尾蒼馬のタッグマッチ。先発のHARASHIMAと高尾はじっくりとした攻防。ヤスvs入江の局面に移ると入江は「ホフ! ホフ!」と気合いの入った様子でショルダーアタック合戦を制す。ヤスはパンチを振るうも効かないとみるやスネを蹴っていった。その後はウラシマが高尾を捕まえてペースを握る。ヤスはコーナーに控える入江をしきりに挑発。イライラを募らせる入江だが高尾を救うことはできない。なんとか高尾が入江とのタッチに成功。替わった入江は2人をなぎ倒し、ヤスにはエルボーからビーストボンバー。コーナーに登るもヤスは松井レフェリーを盾にして防御しようとする。コーナーから降りた入江にヤスからスイッチしたHARASHIMAが「チェストー!」とダイビング・カンフーキック。雪崩式ブレーンバスターを食らった入江だがクラッチを離さずにお返しのブレーンバスターを決める。エルボー合戦からロープに飛んだ入江をヤスがエプロンから蹴り上げ、HARASHIMAと連係攻撃。入江もヤスをブラックホールスラムで叩きつけると高尾と交替。HARASHIMAは高尾にファルコンアロー。これはカウント2。高尾はロープに走ってHARASHIMAの腹にエルボーをブチ込み、トラースキック。これもカウント2止まり。入江が場外のヤスにトペ・スイシーダを狙う。場内がどよめく中、サードロープとキャンバスの間をスライディングする格好でのトペ・スイシーダを見舞った。チャンスと見た高尾がHARASHIMAにジントニック。これをかわしたHARASHIMAがリバース・フランケンシュタイナーから蒼魔刀につないで勝利した。試合終了後も怒り心頭の入江はヤスを追いかけてバックステージへ。
メインイベントはKUDO&坂口征夫&マサ高梨vsアントーニオ本多&竹下幸之介&遠藤哲哉の6人タッグマッチ。アントン組はThe Whoの『A quick one, while he's away』で入場。先発の坂口vs竹下でグラウンドの攻防。続いて高梨vs遠藤へ。遠藤が攻め込み、アントンと竹下も入ると3人で攻撃していく。初めてのトリオ結成とは思えないほど息ピッタリだ。しかし場外戦になると遠藤が坂口のエプロンPKを食らってしまってリング内でもローンバトル。アントンはコーナーからしきりに檄を飛ばす。坂口のフロント・ネックロックを遠藤はブレーンバスターで切り返して、ようやく竹下へタッチ。竹下はKUDOと高梨をまとめてドロップキックで蹴り倒し、坂口にはバックドロップと一気呵成の攻め。KUDOもミドルキック連打で襲い掛かる。竹下はバズソーキックを回避してブルーサンダーを決めてアントンとスイッチ。アントンのバイオニックエルボーは坂口の腹パンでカットされてしまう。替わった高梨にアントンは「生まれた時からアントニオ♪」と『テレ玉くんのうた』の替え歌を歌いながらエルボードロップ。坂口には3人でバイオニックエルボーを決めてみせた。アントンが満を持して高梨にダイビング・フィストドロップ。高梨が剣山でカットするとKUDOと坂口がアントンにサンドイッチPK。アントンはコーナー最上段にうつ伏せにされて、坂口のランニング・ニーリフトで突き上げられてしまうが、KUDOのバズソーキック → 高梨のジャックナイフ式エビ固めは竹下がカット。高梨のタカタニック狙いも竹下が阻止するとKUDOにローリングエルボー。遠藤が場外の坂口にケブラーダで分断に成功。リング内ではアントンが高梨にスリーパーから卍固めをガッチリ決めてギブアップを奪った。
試合後、アントンがマイクを取る。「我々はDDTにおける、新進気鋭のプロレスリング・チーム、ハッピーモーテルです。ご紹介します。新入りの遠藤哲哉! 竹下幸之介! そして私が『生まれたときからアントーニオ♪』アントーニオ本多です。我々は適当に入場曲を選んでいるわけではなく、そして適当にチームの構成員を選んでいるわけではございません。ハッピーモーテルは私の残り少ないプロレス生活、そしてこの若者たちの栄えある未来をサポートし、一気に飛び立たせるために皆様の前に現れました。そして、ユニットとしては本日、結成第1戦。これはビギナーズラックなのでしょうか。それともハッピーモーテル最高ということでしょうか。DDTの数あるユニット、酒呑童子、ゴールデン☆ストームライダーズ、スマイルスカッシュ、それらはとても強い。だがしかし、ハッピーモーテルこそが、一番みなさんをハッピーにさせ、モーテルに連れ込みます。後半はウソです。みんなモーテルに連れ込むのは、苦手な人間ばっかりです。だがしかし、我々が目指すところはもちろん、6人タッグのベルトであり、そして本日ノンタイト戦ではありますが、アイツらから勝利しました。あそこにいるのは週プロ記者、加藤です。あいつは、次の週プロにこう書くかもしれません。『新進気鋭のユニット、ハッピーモーテルがいま熱すぎる。私もぜひチェックインしたいほどだ。ハッピーモーテルは、この勢いのまま、KO-D6人タッグのベルトを必ずしや取ることであろう』。DDT上層部、GMもそういったカードを組まざるを得ない状況に近々なるでしょう。とういうわけで起立します。長々とすみませんでした。本日はありがとうございました。またハッピーモーテルでお会いしましょう! 1、2、3、ホー!」。
【試合後のコメント】
アントン ハッピーモーテルです。遠藤哲哉が加入し、いよいよ本格始動なんですけど、遠藤は初めてのプロレスリング・チームですか?
遠藤 そうですね。竹下としばらく組んではいたんですが…。
アントン タッグチームね。2人以上の、いわゆる徒党を組んだことは?
遠藤 初めてです。また一つ初めてを喪失しました。
アントン オホホホホ! 前にも初めてを失ったことがある?
遠藤 なんかいろいろと。でも、一番大事なところは失っていないんですけど。
アントン Bまではいっています。ワハハハ! ウソです。全部冗談ですよ。これはおいといて、プロレスの話をしようか。遠藤、竹ちゃん、私は労を取ってるロートル男ですよ。私がこれまでディック東郷やリッキー・フジなど、いろいろとチームを組んできて、そのノウハウをプロレスの大事な一部分として、竹ちゃん、遠藤が学ぶというと言葉が大きすぎますけど、私は先生でもなんでもないんで。ただのおっさんなんでね。チームで闘っていくというプロレスの一つの楽しみ方を彼らと一緒に楽しみたいと思います。
竹下 僕は今、プロレス界には幸せが足りていないと思います。僕が考える幸せとは、鼻の下が伸びることです。僕らが6人タッグのベルトに挑戦して、勝ってベルトを巻いたらDDTファンのみなさんの鼻の下が伸びる。
遠藤 いろいろ巡り巡って、俺達も鼻の下が伸びるかもしれない。
アントン アハハハ!
竹下 僕はもうちょっと伸びています。
アントン すでに伸ばされてるから、俺たちは追いつかなきゃいけない。
遠藤 はい。鼻の下伸ばして。
アントン マスコミの人たちも頑張って鼻の下を伸ばしてほしいです。
――王者組は今日倒した酒呑童子ですが?
アントン 辛いんですよね。キックとか。だから、我々がベルトを巻いてしまえば、彼らが威張ることもなくなって、そういう辛い思いもみんなにさせない。俺たちが勝って説教しますよ。酒盛りもやめろと。そんなの呑んでるから、そんなに暴れちゃうんだ。もうちょいおとなしくして、読書をしろと。
遠藤 試合後にアルコール取るのは危ないですからね。
アントン 良いこと言う!
遠藤 血糖値とか血圧とか急に上がると危ない。
竹下 遠藤さんは最近毎日バナナをふた房食べてるんです。
アントン 本当のプロレスラーは試合後に酒なんか呑まないです。バナナ食いますよ。
遠藤 バナナを食べてプロテイン飲むんです。
アントン 今まさに飲んでますから、これがハッピーモーテルです。
竹下 最近はプロテイン一袋を4日で消費するんですよ。だから差し入れはプロテインで。
アントン 自分もプロテインくれたらすっごいうれしいです! リアルに言っちゃいます。高いんですもん。
高梨 おい、アイツらまぐれで勝ったのかもしんねけどな。残念だったな、今日はノンタイトルマッチ。ベルトは依然、俺らのもんだ。そしてなんだアイツら、ハッピーモーテルか? ハッピーモーテルが挑戦表明してきてな。正直な、遠藤と竹下、アイツらは挑戦の資格はあるよ。けど、ひとり浮いてるんじゃねえのか。おい、アントン、テメエがあそこに入って若いヤツの力を借りたところでな。俺らに勝てるわけねえんだよ。今日、勝ったかもしんねえけど、それは俺からだろ。俺からとったくらいで、いい気になってんじゃねえよ。もし、タイトルマッチをやるんだったらな、正々堂々とKUDOか、坂口を狙ってとってみろ。俺ら酒呑童子はアントン、テメエを狙っていくからな。テメエがあのユニットの弱点だ。そういうことだ。覚えておけ! 以上。