メインイベントはKO-D無差別級選手権試合。第45代王者の入江茂弘は岡林裕二を挑戦者に8度目の防衛戦だ。岡林はロックアップで入江をロープに追い込むもクリーンブレイク。入江は岡林のスタミナを奪うようにヘッドロックで執拗に固めるが、岡林は豪快なバックドロップ。場外にエスケープした入江に対して岡林は逆水平。さらに鉄柵に叩きつけると、そのまま会場南側の通路へ。そして、お互いに端っこから一斉に走ってラリアットで衝突。先に立ち上がった岡林は入江をリングに連れ戻す。岡林の重い攻撃の前に劣勢が続く入江。岡林は強烈なボディースラム、オクラホマスタンピートを炸裂させると、さらに逆エビ固めで絞り上げていく。なんとかロープに逃れた入江は、ブレーンバスターで反撃開始。そして、岡林にエルボーを叩き込むが、強烈な逆水平でペースを奪われてしまう。しかし、入江はロープに飛んだ岡林にブラックホールスラム。そしてフライング・ソーセージを投下。さらに担ぎ上げようとするが、これをこらえた岡林は張り手で反撃。続けて豪快なラリアット、垂直落下式ブレーンバスター、ゴーレムスプラッシュで入江を追い詰める。しかし、入江も負けじとファイアーサンダーで反撃。そして入江がエルボー、岡林はラリアットを繰り出すと両者はダブルダウン。入江が場内に響き渡るヘッドバット、さらにラリアットを狙うが、岡林は交わすと投げ捨てジャーマンへ。だが、入江はすぐに立ち上がるとラリアット。ここで再びダブルダウン。先に立った岡林が往復ビンタからロープに走り込むと、入江は抱え上げて自分が垂直落下式バックフリップを見舞うが、これは惜しくもニアロープ。しかし、入江はヘッドバットからエルボー。これがカウント2になると、最後は身体ごと岡林に浴びせかけるようにエルボーを叩き込んで、見事に3カウントを勝ち取った。入江は松井レフェリーに抱きついて歓喜。
試合後、亜門GMに促される形でHARASHIMAがリングに上がる。HARASHIMA「入江、凄い試合だったよ、防衛おめでとう。自分はDDTを最初から見ている。入江は歴代で最強のチャンピオンだよ。ただ、8・18両国大会の後の最強は僕だから。よろしく」入江「今日の岡林さんとの試合、バケモノみたいな選手だったけど、僕は諦めずに勝ちました。両国も絶対に諦めません。僕が勝ちます。自分の所属団体がなくなって、誰も僕が両国のメインに立つなんて思ってなかったと思います。そんな絶望のときに、プロレスは絶対に裏切らないという言葉を聞いて、ここまでやってきました。その言葉を今日、身をもって証明できたと思います。今日は胸を張って、心の底から言わせてください! プロレスは絶対に裏切らない! 最後まで立ち向かう!」
【試合後のコメント】
HARASHIMA チャンピオンが防衛して入江に対戦相手が決まりまして。リング上でも言いましたが、自分はDDTができたときからいろいろ関わってきて、いろんなチャンピオン見てきましたけど、間違いなく今、彼が歴代の中でも一番強いと思います。だからこそ自分は両国が終わったあとに、自分が最強になっていたいと思います。というか、なります。まあ、入江とは過去に何度も対戦していて、自分は負けたことがなくて、一回引き分けがあっただけで、あとは全部勝っていて。だけど、チャンピオンになってからの入江とはやったことがないので、過去に勝っているからといって、もちろん油断せずにガッチリいきたいと思います。やっぱり、今日の試合を見ていてもわかるけど、彼は進歩しているので油断せずに。自分としては3年ぶりに両国国技館で、本当に久しぶりにベルトを奪回したいです。
岡林 きつかった……。やっぱり、入江のエルボー、きついわ。レスラーの中で一番、エルボー凄いんじゃないですかね? 俺の両国のメインに立つという夢は……。これで終わりじゃないですけどね。まだまだチャンスはありますけど、これはこれで今日は俺の負けなんで。これはもう、ぜひとも入江に両国のメインで勝って欲しいですね。絶対に勝って欲しいです。いやあ、きつかった。ありがとうございました!
入江 勝ちました! 僕が両国のメインに立ちます。リングでも言ったとおり、団体がなくなって、僕が両国のメインに立つなんて想像していた人はいなかったと思います。自分でもしてなかったです。でも、僕は「プロレス絶対に裏切らない」、その言葉を聞いて、その言葉を信じてプロレスを頑張ってきました。諦めずにプロレスをやってきて、自分がこの身体で両国のメインに立つということを勝ち取りました。でも、これがゴールじゃないんで、自分が必ずHARASHIMAさんを倒します。両国のメインで最後に自分が「立ち向かう!」と叫んでみせます。
――これで大槻ケンヂさんにもチャンピオンとしてお会いできますね。
入江 嬉しいです。これで生歌とかあったら嬉しいですけど(笑)。でも、チャンピオン姿を見てもらえるのは嬉しいですね。「立ち向かう!」という、その歌に勇気づけられてやってきたので嬉しいですね。
――HARASHIMA選手は歴代最強のチャンピオンだと言ってましたが?
入江 そういうのは自覚はしてないですけど、自分は諦めないだけなんで、必ずベルトは守ります。
――岡林選手とは団体は違いますが、同世代のライバルとしてこれからも張りあっていけるんじゃないですか?
入江 そうですね。メチャクチャ強かったです。あと何回かやっても、もしかしたら勝てないかも知れないし。ホントに強い相手ですけど、今日はなんとか勝てて良かったです。
高木 ようやく両国2DAYSに向けて全部揃ったかな、と。点と点を全部つないで、線になったのが今日の興行でしたね。去年の8月の武道館大会からいろんな種を蒔いて、それが実ったのが今日でした。今日咲いた花が全面に咲き誇るのが、両国だと思うので。とにかく、今日はテンコ盛りすぎて「自分も何の発表したんだろうな?」って思うくらいで(苦笑)。もともと、両国初日の方がいろんなタレントさんやアーティストの方とコラボする興行というのをイメージしていて、自分の中のキーワードとして「アイドル」「ロック」「声優」「ヌード」「ラーメン」というのがあったんですけど、最後のラーメンだけがコラボできなかったっていうね。これはまたどこかでやりたいですね。でも、思ってたことのほとんどができて、いろいろ動いてきた中で、最初っから「これでいこう」という終着点を目指してやってきたわけじゃなくて、動いている中でいろいろな方の協力や、人脈ができた産物であったり。それこそ、ヌード写真集を撮ってもらおうと思ったときに、ドレスキャンプのデザイナーさんと遭遇して、そこからレスリー・キーさんを紹介してもらったりとか。アイドルの方も次から次へとそうなって、新田恵利さんも動いている中で(出会って)。オスカーの方とも出会って、そこから赤井沙希さんのデビューに繋がって。そうやっていろいろ種を蒔いてきたのが、一斉に収穫となったのが今日であり、両国なんだと思ってます。でも、今回動いてみて、誰もプロレス界がやろうとしなかった、やれなかったことをやろうという部分で、収穫があったんで、今年の夏だけじゃなくて、来年も生かしていけるようにしたいと思ってますね。両国が終わって、種を飛ばしていって、来年再来年に繋がっていくのがプロレスかなと思っているので。とにかく、全部を出し尽くしたので、あとは両国2DAYSを成功させるだけなので。
――HARASHIMA選手が入江選手を歴代最強のチャンピオンと称していましたが、過去のチャンピオンとしてその意見についてどう思いますか?
高木 HARASHIMAがそう思ったんであれば。自分も7月の名古屋で肌を合わせてみて、確かに歴代の中でも強いと思うし。最多防衛という結果が全てだと思うので。ケニー・オメガ、飯伏幸太、それに自分を退けたという点においては最強のチャンピオンなんじゃないですかね。でも、HARASHIMAも自分の中ではDDTのエースだと思っていますしね。その中で彼がどう思っているのか、入江がどう思っているのか。自分の中では一つの世代闘争なのかなと思っています。自分の代というのは2008年~2009年がピークで。2009年に両国に進出する時に、その挑戦者決定戦で自分が飯伏幸太に負けた時に、自分の時代は終わりを遂げた、と。その中で2009年から2013年、4年経って今はどうなのか? HARASHIMAは終わるのか、終わらないのか。入江が次、勝ち上がるのか、どうなのか。という面においては、非常に楽しみです。いろんなものと闘って欲しいですね。ダブルメインという意味をわかってほしいし。勝ち上がって欲しいので、僕は期待しています。
――リングに上がった気持ちは?
赤井 いま、練習でリングに上がってるんですけど、その時と全然違って。今日は少しお話するのでも緊張したので、当日はそういう気持ちも含めて調整していかないとなって思いました。
――今は具体的にどのような練習を?
赤井 とりあえず、今までやってきたことは打撃が多かったので、プロレスはドラマでやったくらいなので。とりあえず受け身をひたすらやってますね。基礎練習を主に。改めてプロレスラーは凄いなって思いましたね。コスチュームもファイトスタイルも全部自分で考えないとアカンから、今まで見てきたレスラーの方をよりリスペクトしました。
――人から見られる仕事はされてると思いますが、プロレスラーはまた違いますか?
赤井 違いますね。モデルやグラビアの仕事の時は、いかに綺麗に見えるかとか、身体のラインとか。レスラーの方も工夫されてるとは思うんですけど。でももう、カワイイとかキレイにとか気にしてたら、ケガしちゃうから、そこは気にせずに。
――発表されたカードがチェリー選手とマサ高梨選手と組んで、福田洋&世Ⅳ虎&志田光組となりましたが?
赤井 そうですね。志田ちゃんはドラマの役ではタッグパートナーだったんですよ。今回は対戦相手になって。新日本プロレスの真壁選手があんまり他の選手とは仲良くしない。仲良いと情がわくとおっしゃっていた意味がわかりました。世Ⅳ虎選手は愛川ゆず季選手とよくやっているのを何度か観たことがあって。でも、遠慮しないで、自分のファイトスタイルをガンガンぶつけていきたいと思います。
――やはり、手足の長い打撃がご自身の武器になりますか?
赤井 そうですね。あとは身長が今回の対戦相手の中でも一番高いと思うので、身長差を活かして。蹴りとかもいいのが入ればなと思います。
――デビュー戦に向けてオリジナルの技は?
赤井 やっていたのが打撃なので、相手の顔にハイキックは当たると思うので。あとは絞め技も練習しているので、手足を相手にクモみたいに絡められたらなと。必殺技を当日までに考えたいと思います。
――打撃はキックボクシングを?
赤井 いや、ボクシングだけで。キックは遊びでやっていたくらいで。
――お父さんからアドバイスは?
赤井 いや、私は直接連絡は取ってなくて。『東スポ』さんがウチのパパの事務所に連絡したときに話してくれたり。そのときとかは「ケガだけないように。挑戦することはいいことやから」って、応援はしてくれています。
――当日はお父さんも見に来ますか?
赤井 今のところはないですね。仕事が入っているみたいで。パパの事務所の社長さんは来てくださるみたいです。
――プロレスの練習をして体重は増えましたか?
赤井 それがヤバくて、やればやるほど減っちゃってるんですよ。でもガタイはお尻とかが上がったりとか筋肉はついたんですけど。でも、食べなくちゃいけないなって。レスラーの人って食べるのも仕事で大変だなと思いました。でも、世Ⅳ虎選手みたいなタイプとは自分は違うと思っているので、あまり大きくなりすぎないのも自分のスタイルかなって。ちゃんと見た目も……世Ⅳ虎選手がどうとかじゃなくて(苦笑)。タレント、役者業も成立しつつ、プロレスも成立しつつ。2倍頑張らないといけないので、そこもプロレスを決してナメてるわけじゃないです。
――愛川さんを意識はしますか?
赤井 周りで「女子プロレスをまた盛り上げてくれるんじゃないか」とか、言って下さる方もいるんですけど、やっぱりゆずポンさんがタレントとかやっていて、女子プロをやるという道を作ってくれたというか。タレントをやっていても一生懸命やれば選手として完成することを証明してくれたと思うので。もちろん、向き不向きもあると思うんですけど。私は私で別のことをやろうと思っています。でも、尊敬していて、試合とかも勉強で見たりしています。面識はないんですけど、引退される前に、高木社長とタッグを組んでる試合は生で見ました。