7月20日、有明・東京ビッグサイトで開催中の『HandMade In Japan Fes 2013』にてDDTが路上プロレスを行った。対戦カードは高木三四郎vsHARASHIMAvs飯伏幸太vs木高イサミvs中澤マイケルのエニウェアフォール5WAYマッチ。イサミは巨大ハンマーを手に登場した。まずは屋外のミュージック&プレイエリアにて5選手が手を重ね合わせてスタート。高木は「ハンドメイドするぞ!」と言うと試合そっちのけで用意したイスを積み上げて築城を開始する。HARASHIMAは高木の築城にクレームをつける。イサミも「試合中だろ!」と止めに入ったが、これを蹴散らした高木は淡々とイスを積み上げ続ける。するとマイケルが「試合中に城を作るなんて、いい加減にしろ!」とジョークを飛ばすと、一部から笑いが起こったためDDTファン以外も観戦していることが判明。そのマイケルがHARASHIMAによって城へと投げつけられ落城。せっかくの城が崩れたとあって怒りの高木は「こうなったら場内に行くぞ!」。5選手は攻防を繰り広げながら屋内へと移動。ブースの目の前をガタいのいい半裸の男たちが路上プロレスを繰り広げながら突っ切る様にハンドメイドジャパン目的のお客さんも「何事か」と注目を集める中、飯伏がマイケルを飾られた柱にぶつけ、高木はHARASHIMAをコンクリートむき出しの柱へとぶつける。ボディーアタックを狙った高木をかわして柱へとぶつけたHARASHIMAはコブラツイスト。高木はそれを投げ返す。その間に飯伏は各ブースを見学。女性クリエイターにイヤリングを試着させてもらっていたマイケルを襲撃し、休憩所のあるエントランスホールへと移動。もちろん休憩していたハンドメイドジャパン目的のお客さんが「何事か」と見つめる中、飯伏はトイレに立ち寄る。トイレから出てくるとイサミが巨大ハンマーを振るって奇襲。イサミは飯伏に卍固め。高木がドロップキックで襲い掛かる。走り込んできた高木をイサミが巨大ハンマーでブッ叩いていく。飯伏もイサミのハンマーを奪って振り回す中、イサミはHARASHIMAを捕まえて2階バルコニーへと移動。HARASHIMAを1階へと落とそうとする。階段でやり合うとHARASHIMAがイサミをブレーンバスターで投げ捨て、イサミもろとも階段落ち。一方、マイケルは飯伏を柱にぶつけるとトラースキック。づづいてアルティメット・ベノムアームを狙うが、飯伏がこれをマトリックスでかわして飛びつきフランケンシュタイナー。カウント2で返されると設置されてある大きなカラーボールによじ登りムーンサルト・アタックを発射。そこから攻防を繰り広げながらブースを突っ切って再び屋外のミュージック&プレイエリアに戻ってくると高木がいそいそとイスを積み上げ、城完成まであと一歩のところまで来ていた。高木がお客さんから「すごいですね」と声を掛けられる中、イサミはテーブルの上にイスを並べると、そこへマイケルを河津落としで叩きつける。高木が完成手前の城をバックに記念撮影に興じていると、イサミはテーブル+イス+ラダー越しにマイケルを河津落としで叩きつけている。高木は天守閣部分のイスを乗せてやっと築城。「ハンドメイドだ!」と喜ぶ高木にマイケルが再び「試合中に城を作るなんて、いい加減にしろ!」。高木はマイケルにイスを投げつけ、返す刀で近くにいた飯伏にもイスをぶつける。しかし、HARASHIMAとイサミによって高木は城へと投げつけられ、あっという間に落城。飯伏が巨大ハンマーを抱えてのその場跳びムーンサルト・プレスをイサミに放つ。これをかわしたイサミはラダーを設置し、イス盛りの上に飯伏を乗せると巨大ハンマーを添えてのダイビング・ダブルニードロップへ。飯伏がかわしてイサミは大ダメージ。飯伏も動けない。観客の中にいた赤ちゃんが泣いてしまって松井レフェリーと高木が一生懸命あやす中、マイケルが巨大ハンマーを奪ってHARSHIMAに振り回す。HARASHIMAはハンマーを奪ってマイケルに一撃。マイケルのイスに座らせての蒼魔刀で3カウントを奪った(23分47秒、体固め)。
オープニングよりもさらに多くなった観客が5選手を取り囲む中、高木がマイクを取り「みなさん、こんにちは! 我々はDDTプロレスリングです。本来はプロレス活動をしている団体なんですが、今日はHandMade In Japan Fes 2013さんに、文化系プロレス団体として参加させていただきました。なんで我々のような団体が物事をクリエイトする、創造していくイベントに参加したのかと言いますと、有名なプロレスラーの言葉で『破壊なくして創造なし』というフレーズがあります。物が壊れなくては新しく作ることはできません。破壊なくしては創造なしという言葉がある通り、我々がこうやって壊したあと、みなさんの力で新しく物事を作っていってください。ハンドメイドしてください!」と挨拶。最後に「8月17日、18日、DDT両国国技館大会を行います。このような日常の刺激に飢えている方は是非いらしてください」と告知すると、イベントの成功を祈って「3、2、1、破壊なくして創造なし! う~、ハンドメイド!!」とファンとともに拳を突き上げ、路上プロレスを締めた。なお、高木はこの試合中に右足肉離れを起こしたため、7・21後楽園大会欠場となった。
【試合後のコメント】
高木 今回、HandMade In Japan Fesの主催者と自分が旧知の間柄でやりました。主催者の方もプロレスが好きで「こういうフェスをやりたい」と。世間ではハンドメイドブームだったりして、彼はCreema(クリーマ)というハンドメイドで物を作った人が物を出品するポータルマーケットをやっているんですけど、その彼から依頼があって「どうしてもやりたいんです」と。正直、僕らは物事を壊していくほうの人間だし、これは物事を作っていくほうなので、どんなものかなと思っていたんですけど、『破壊なくして創造なし』という橋本真也さんの言葉を思い出して、確かにそうだよなと。物が壊れるから、また新たに作るわけで、プロレスもそれと同じで、闘って負けたらまた勝つように頑張ればいいわけであって、プロレスもハンドメイドの精神なんだと、今回のお話を受けました。やっぱり違うファン層にアピールしていくことは大事なことですし、今日もプロレスを見たことがない人たちがほとんどだと思うんですね。たぶんリングを作ってこれをやってたら、ここまで人が集まったか、ここまで注目が集まったか、わからなかったと思う。そうじゃなくて路上プロレスだったというところが良かったんじゃないですか。みなさん、どうでしたか?
――みんな楽しんで見ていたと思います。
高木 テンションは上がってましたよね。ビッグサイトこそ非日常空間ですよ、本当に。あのスペースでテンションが上がりましたもん。「うわーっ! これスゲェー!」みたいな(笑)。
――スタート時点の人だかりと、最後の人だかりの数も違いました。
高木 こうやってアピールして、興味を持ってきてくれたと思うので、そこに関してはいい場所を提供してもらったというのはありますよね。こうして常日頃からアピールしていくということがプロレスは大事なんじゃないかと思います。
――気になるのは足の状態ですが…。
高木 これは両国までに治します。大丈夫です。
HARASHIMA 久しぶりに路上プロレスに参戦できました。今回はHandMade In Japan Fesということで、DDTプロレスの創造性を生かした路上プロレスができたか、できなかったのかわからないですけど、こういういろんな人がいる中で試合ができて、とても楽しかったです。
――城に対して敵意を剥き出しにしていましたが。
HARASHIMA あれはまったく試合には関係ないことじゃないですか。城を完成させた からって試合に勝つわけじゃないし。やっぱり、試合に則したものならいいんだけど、あんなの試合で作んなくていいですよね。試合と関係ないことをやり始めたら、やっぱり何やってんだということになりますよ。
――試合に勝ちましたが『鍛えてるからだー!』という締めになりませんでした。
HARASHIMA そうですね。それは雰囲気ですね。あと僕が勝ったときに子供がすごい泣いていて、お客さんの目がそっちにいっていたとか。まあ、いろんなことがあっての路上プロレスなのかなと改めて思いました。
――ともあれ8・18両国でKO-D無差別級王座挑戦が決まっていて、路上プロレスでも勝利できましたが。
HARASHIMA トーナメントからずっと調子がいいんで。この勢いで両国もガッチリ行きたいです。