休憩明け、ディーノと大石が再びリング上へ。先ほどとは打って変わっておとなしい口調で7・21後楽園でのパートナーを発表。「未定となっているパートナーは佐々木健介です」。そして亜門GMをリングに呼び込む。驚きを隠せない亜門GMは「エッ、決定? すごいね。健介さんは君たちみたいなイロモノレスラーは大嫌いだと思っていたけど、よく了承してもらえたね」。しかしディーノは「まだ了承してもらってない。言ったでしょ? 私たちが心に決めましたって。(交渉は)あなたの仕事でしょ」。これを聞いた亜門GMは、「何で私がそれをしなくちゃいけないんだ。そういうときだけGM扱いするな! お前らが言い出したことなんだから、お前らが決めてこい」と突っぱねる。亜門GM、ディーノともに意地を張って「じゃあ、口きかない」と黙り込んでしまった。仕方なく大石が「じゃあ(交渉に)行くよ」と折れると、亜門GMは「今週中に吉川のダイヤモンドリングの道場に行って決めてこい」と期限を決め、「(健介から)了承がもらえたら決定」とした。
セミファイナルは入江茂弘&石井慧介&高尾蒼馬vsKUDO&ヤス・ウラノ&FUMAの6人タッグマッチ。ウラシマクドウが突っかかって試合開始のゴング。そのまま場外戦へ。リングサイドを走って逃げるウラノを追い掛ける入江だが、息が切れてしまう。戦場をリング内に戻すと、選手がめまぐるしく入れ替わる展開に。その中で入江が長時間捕まってしまう。何とかKUDOとウラノを両腕の抱えてブレーンバスターで叩きつけてピンチを脱出。高尾がウラノを追い込んでいくものの、KUDOがミサイルキックで救出。FUMAを捕まえた入江だったが、KUDOのコーナーからのダブルニードロップで押し潰される。それでもコーナーを背にしたいFUMAに串刺しラリアット。さらに石井&高尾を抱え上げられてからのボディープレスと体重を生かした攻撃で追い込む。FUMAもキックで反撃するが、入江はヘッドバット、ラリアット、コーナートップからのフライング・ソーセージとつないでFUMAをマットに沈めた。試合後、前夜、高木を相手にV7を飾ったKO‐D無差別級ベルトを肩に掛けると、マイクを手に。「昨日、師匠の高木三四郎さん(相手)にこのベルトを防衛して、ずっと夢のように感じていた両国国技館のメインイベントが目の前に来ています。7月21日の後楽園ホールで、大日本プロレスの岡林裕二選手と試合します。強い相手だけど、僕は絶対あきらめないんで負けない。だからこれ(ベルト)を持って、両国まで行きます。このあとの試合でHARASHIMAさんが上がってくるのか、ケニーさんが上がってくるのかわからないですけど、どっちが来ても僕は必ず、両国国技館でこのベルトを守ります。ありがとうございました。応援よろしくお願いします」とアピールした。
メインイベントはHARASHIMAvsケニー・オメガのトーナメント決勝戦。立ち上がりは静かな展開。試合が動いたのはケニーのリープフロッグをHARASHIMAがジャンピング・キックで打ち落としたあたりから。HARASHIMAの突進をかわして場外に落としたケニーが、トップロープ越しのプランチャ。しかしリングに戻ってからは焦ることなく、時間をかけてじっくりと攻め込んでいった。HARASHIMAはキチンシンクを決めたところで反撃に転じる。しかしこちらも一気に攻め込むことなく、ボディーにじわじわとダメージを与えながらの攻撃。ファイアーマンズキャリーを決めたケニーはセカンドロープ、トップロープに飛び乗ってのムーンサルト・プレスを狙ったが、足を滑らせて失敗。改めて放ったものの、HARASHIMAはあっさりとかわした。串刺しビッグブーツ、雪崩式ブレーンバスター、ファルコンアローと攻め立てたHARASHIMAだったが、スワンダイブ式ボディープレスをヒザを立てられてカットされる。ケニーはロープ際でラリアットを決めてHARASHIMAを場外に落とすと、今度はノータッチのトペ・コンヒーロ。そしてHARASHIMAをリングに押し上げて、コーナー最上段からボディーアタックを放った毛にだったが、山折りで迎撃されてしまう。ジョン・ウー式ドロップキックでケニーをコーナーまで吹っ飛ばしたHARASHIMAは蒼魔刀を狙ったが、ケニーにかわされてコーナーマットに激突。ケニーはHARASHIMAをパワーボムの体勢に抱え上げると、一気に対角線を走って反対側のコーナーマットに叩きつけた。立ち上がった両者は、互いに力の限りエルボーを打ちこんでいく。さらにHARASHIMAはキックで追い打ち。しかしケニーは素早く背後に回ってフルネルソンに固めて投げ捨てスープレックス。それでもすぐに立ち上がったHARASHIMAは、ジャンピング・ハイキック、串刺しニーアタック。ケニーも波動拳を返し、クロイツ・ラスを決めるが、HARASHIMAはカウント2で肩を上げた。それでもケニーは対角線を走って、下から突き上げるヒザ蹴りをヒットさせると、HARASHIMAを肩車。しかしHARASHIMAは後方に滑り下りてバッククラッカーを決め、片翼の天使狙いはウラカン・ラナで切り返していった。しかしカウントは2。ここで攻撃の手を緩めず、蒼魔刀、スワンダイブ式蒼魔刀と畳み掛ける。そのまま押さえ込むと松井レフェリーの手がマットを3回叩いた。
試合後、リングに上がった亜門GMが「HARASHIMAさん、KING OF DDT2013、優勝おめでとうございます。素晴らしい試合でした。あなたたちのような選手がいるDDTのGMをやれることが私は誇りに思います。これで8月18日、両国大会メイン、KO-D無差別級タイトルマッチ、挑戦者はHARASHIMAさんに決定しました。対戦相手は入江茂弘、もしくは岡林裕二です。3年ぶりの両国のメインになりますね。DDTのエースとして、“これぞDDT”という試合を見せてください。期待してます」と声をかける。それを受けたHARASHIMA。「このトーナメント、今までいろいろ悔しい思いをしてきましたけど、やっと今回、優勝することができました。それは本当、お客様の応援、それとユニットの仲間の応援があったおかげです。本当にありがとうございました。トーナメントに優勝したことももちろんうれしいけど、これだけ強いケニーに勝てたことがホントにうれしくって…。とりあえず、メチャクチャうれしいんですよ。両国の対戦相手が入江か岡林か、どっちになるかまだわかんないけど、どっちが来たって、この俺が絶対勝ってやるぞー!(場内『なんで~!?』) そしてチャンピオンベルトを巻いてやるさー!(場内『なんで~!?』) そして次の大阪大会、ベルトを巻いて来てやるさ!(場内『なんで~!?』) 何でかって? それは鍛えているからだー!!」。
【試合後のコメント】
HARASHIMA 勝ち上がって両国のメインの切符を手に入れました。今回、全試合すごいキツくて、KUDOだったり、佐藤光留だったり、竹下…初めての相手で。あと、シングルで勝ってないケニーというキツイ闘いだったけど、ホントみんなの応援のおかげで勝つことができました。いつでも挑戦権を獲られたりして、あきらめかけたメインの座ですけど、立ち上がってメインの場に立つことができて、ホントにうれしいです。ただね、メインに立つっていうそれだけで満足するわけじゃなくて、もちろんそのときのチャンピオン、入江か岡林かわかんないけど、どっちが来たって絶対倒して、僕がベルトを巻きます。
――どちらが勝ち上がってくるかによってテーマが変わってくると思います。
HARASHIMA (どっちが勝ち上がってきても)自分の闘いをするだけですよ。正面からいって、蹴って、叩き潰して、蒼魔刀を打ち込んで。
――ケニー選手に初めて勝ったわけですが勝因は?
HARASHIMA ホントにケニーは強いんで。やっぱりホント、お客さんの声援と、ユニットの仲間の応援、それが今回僕にすごい力を与えてくれて。後僕は今までやってきたことを信じて闘えたことが勝ちにつながったと思います。ケニーはホントに強かったです。あえて言うなら、勝ちへの執念が僕の方が強かったのかな? わかんないですけど。それが要因だったと思います。
――今まで勝ったことがない、去年の準決勝で負けている、そういうこともこの結果につながっていると思いますか?
HARASHIMA そうですね、僕はムチャクチャ負けず嫌いなんで。雪辱ですね。タイトルマッチでも負けてるんで。悔しさがあったんで。まだまだ上を目指していくんで、両国では期待しといて下さい。
ケニー 昔よく、ガイジン選手として日本でやっていくのはツライ、厳しいっていうことをよく言ってたけど、でもこれ以上それを言い訳に使うことはできない。ベストでい続けることは難しい。今となってはもう、たくさんのすごい選手がいる。そのなかで自分を歴史に残したければ、いつでもベストを尽くして闘うしかない。負けるのはホントに悔しいことだけど、それでも少しだけ自分の気持ちを楽にさせてくれるのは、HARASHIMAも自分と同じぐらいベストを尽くそうとするヤツだっていうことを僕は知っている。言い訳として、相手がラッキーだった、だから負けたっていうことじゃなくて、ホントに今日はあいつの方が強かった。そう言い切ることができる。そしてそれはいいことでもある。これ以上、もっと頑張らなきゃいけないっていう理由にもなるからだ。また戻って来る。HARASHIMA、両国で頑張れよ。