8日、川口・埼玉県産業技術総合センターにて「DDTプロレスさいたまスーパーアリーナへの道4」がおこなわれた。試合前の鶴見亜門GMの前説で9月の埼玉大会が石井慧介の主催興行となり、9・23所沢市民体育館で開催されることがアナウンスされた。同大会も『さいたまースラム!』で中継されるため、亜門GMはリングへ呼び込んだ石井に「営業に奮闘するドキュメントを撮りたい」と要望。石井はこれを快諾した。
第1試合はMIKAMIvs宮武俊(練習生)のシングルマッチ。MIKAMIが宮武に何かを伝えるような、じっくりとしたレスリングで翻弄していく。ガムシャラにエルボーを打ち込み、ブレーンバスターで反撃せんとする宮武だったが脚をすくわれると、スク~ルボ~イから脚をガッチリとロックされてしまうと、ギブアップするしかなかった。
第2試合は大石真翔vsDJニラのシングルマッチ。紙テープが投げ込まれる大石にゴング前から襲い掛かったニラが丸め込む。しかし、木曽レフェリーが両者に絡まった紙テープの片付けに追われてしまい、開始のゴングを要請しない。1分ほど丸め込み続けたニラだったが、ゴングが鳴ってカウントを取られると返されてしまう。ニラが足4の字を決めると大石がリバース。ニラがロケットパンチの要領で跳ねてロープエスケープしようとしたが、あともう一発のところで痛みに耐えかねてギブアップしたのだった。
第3試合は男色ディーノ&星ハム子vs赤井沙希&平田一喜のタッグマッチ。試合前のスクリーンではとあるマスクを付けた赤井が「マスクもつくったし、踊りも覚えたから一緒に踊りましょう」と平田に声をかける。これに平田は「フザけてんのか! リング上は闘いの場だ。オメエもフザけてるとぶっ殺すぞ! 命懸けて闘え!」と説教してリングに向かう。一方、ディーノ組のバックステージ映像へ。ディーノは星ハム子を埼玉ゲイ化計画の「最終兵器」として紹介。「どう? 嫌になったでしょう。ハム子のセクシーさで性欲を落としてあげる。春日部、志木、そして今日、川口がゲイタウンとなる。あなたのセクシーを見せつけるのよ!」と送り出した。試合では「セクシーポーズで勝負だ!」と寝そべって赤井を挑発するハム子に赤井は応じようとする。これに平田が「リングは闘いだ!」と激怒してストップをかける。その後は己の肉体を武器にハム子が平田へ攻め込み、ディーノも赤井にナイトメア。顔面騎乗は間一髪でかわした赤井が串刺しビッグブーツ、急所へのフットスタンプ、尻へのローキックで反撃に出る。しかし替わった平田が男色スープレックスで投げられてしまう。ディーノはハム子の指示を受けてコーナー最上段でケツ出し。赤井がケツに吸い込まれて戦線離脱してしまうと、平田も続いて吸い込まれ、ディーノのリップロックから男色ドライバー、さらにハム子のダイビング・ボディープレスでフォール負けを喫した。これにより川口市がゲイタウンに。試合後、ディーノは「あなたのとこも埼玉だったわね」とハム子に呼びかける。「アイスリボンは蕨です」と答えるハム子にディーノは「いかせてもらうわ」と次なる狙いを定めた模様。
第4試合は石井慧介&入江茂弘&高尾蒼馬vs佐々木大輔&伊橋剛太&勝俣瞬馬の6人タッグマッチ。5・29牛込箪笥で仲直りした佐々木と伊橋。しかし、ノリノリの伊橋に佐々木は若干引き気味の様子。序盤は勝俣がチームドリフに捕まってしまうも、何とか盛り返して佐々木とタッチ。佐々木は石井にケブラドーラ・コンヒーロ。さらに場外にエスケープしたドリフ3人にトペ・スイシーダを狙うも、先に伊橋がエプロンからプランチャを放つ。見せ場を奪われた佐々木が伊橋と揉める場面も。最後は勝俣がドリフの連係に捕まってしまい、入江の垂直落下式ブレーンバスターからビーストボンバーで3カウントを聞いた。
試合後、マイクを持った石井が亜門GMを呼び込む。石井「6月の全日本プロレスに呼ばれていないんですけど、どういうことですか? これじゃ、アジアタッグできないじゃないですか!」亜門「たぶん、向こうも体制が替わっていろいろ大変だと思うんだよ。考えても見てよ、歴史ある全日本プロレスという団体を譲り受けて新たに社長になる秋山さんの気持ちを。大変だと思うよ。でも、よく考えたらさ、秋山さんが社長になるんだったら、無理してアイアンマンのベルト取り戻す必要なかったと思うんだよね。だって、全日本さんの社長がアイアンマン王者って、すごく面白いと思わない!? ていうか、秋山さん、大森さんと三冠ヘビー級王座決定戦もやるわけでしょ!? ということは、三冠+アイアンマンで四冠王の可能性もあったわけでしょう! いや~失敗したな~。アイアンマン取り返すんじゃなかったよ。で、なんの話だっけ? アイアンマンに挑戦したい?」石井「アジアタッグの話です。全日本で呼ばれていないので、またDDTのリングでアジアタッグの防衛戦ができたらいいなと思っています」亜門「でも、6月は12日の大牟田もカード発表してるし。14日の博多、15日の大阪はKING OF DDTトーナメントがあるし。29日の後楽園もKING OF DDTの準決勝&決勝があるから、まあ、できるとしたら22日の松山大会ぐらいしかないけど」石井「そこにしましょう!」亜門「いやいや。何度も言ってるようにアジアタッグは、全日本さんが管理しているベルトなんで、僕にはなんの権限もないんだよね。だから、一応、全日本さんに『ウチの松山大会でアジアタッグできませんかね? ウチの選手相手に』と相談はしてみるけど、今日のところはなんとも言えないから、ここで決めるわけにはいかないんで、ここまでにしといてください。お願いします」石井「はい、決まりました! 6月22日、DDT松山大会、アジアタッグ、決まりました! 松山大会、ライ…」入江「関係あるかぁ!」石井「…が来ても、誰でも、どんな挑戦者、相手でも、松山大会で防衛したいと思います。応援よろしくお願いします!」
【試合後のコメント】
石井 6・22松山でアジアタッグの防衛戦が決まったので、よかったです。防衛戦の相手はまだだれも名乗りを挙げていないですけど、全日本プロレスはその頃、たぶん北海道にいってると思うので、さすがに表明できないんじゃないかと。なので、DDT内でやる気がある人、アジアタッグが欲しいという選手と防衛戦をおこないたいと思います。
入江 そう思います。
石井 もう全日本の選手が名乗りを挙げないんだったら、どんどん自分はDDTでずっと防衛していきたいし。なんかこの間、ライ…。
入江 関係あるかぁ!
石井 …も熱い思いをぶつけてきたけど、あのあと特に…。
入江 関係あるかぁ!
石井 音沙汰ないし。まあ、ライ…。
入江 関係あるかぁ!
石井 …も来ないみたいなので、DDTで防衛戦をおこないたいと思います。ライ…。
入江 関係あるかぁ!
石井 全日本の人が誰も挑戦を表明してこないなら、ずっとDDTで防衛戦をおこないます。
――それは決定で良いですか?
石井 そうですね。いまリング上で6・22松山大会でと決まったとのこのなので、正式に決まりましたね。防衛戦に向けて頑張ります。ライ…。
入江 関係あるかぁ!
石井 …が来ないので、DDTで防衛戦をおこないます。
第5試合は総研グループプレゼンツ・インフォマーシャルマッチ。試合前のスクリーンでは今回のインフォマーシャルマッチのテーマがリフォームであることが改めて流れると、亜門GMがリングに上がり、総研グループの中野取締役が美輪明宏さんの実の甥だと紹介。「まずは中野さん自ら総研グループのリフォーム力をアピールしていただくことになっております」と亜門GMが説明すると、『愛の讃歌』が流れて、おじに扮した中野取締役が登場して挨拶。亜門GMは「これから出てくる選手全員が中野さんの叔父さんにリフォームして出てきますので、誰が一番中野さんの叔父さんにリフォームしてるのかを本部席で見守っていてください」と話した。ということで“中野さんの叔父さんランブル”がスタート。
まずはマイケルの曲がヒットし、すぐに『愛の讃歌』に切り替わるリミックスでマイケルが入場。マイケルも中野取締役の叔父さんに扮している。続いて『FIRE』の出だしから『愛の讃歌』に切り替わってリングインした高木も中野取締役の叔父さんの恰好。マイケルvs高木で試合がスタートすると2人が『愛の讃歌』をハミングしながらの攻防を展開。高木がマイケルにぶっこ抜き雪崩式ブレーンバスターを決めていると『Runner』の出だしから『愛の讃歌』に切り替わって松永が中野取締役の叔父さんに扮してリングイン。高木がマイケルと松永にスタナーを見舞っていると、『Sandstorm』の出だしから『愛の讃歌』に切り替わって大鷲が入場。もちろん大鷲も中野さんの叔父さんに扮しているのだが、つらい顔をしながらリングイン。大鷲がほかの3人を次々にオーバー・ザ・トップロープでリング下に落として、さっさと試合を終わらせた。
試合後、3人だけでなく本部席にいた中野取締役をもリングに上げて公開説教。大鷲は「今日は雨の中、遠いところまでご来場いただきまして、誠にありがとうございます。そんな中、大変お見苦しい試合をお見せしまして、どうもすみませんでした。こんなこともあろうと、あらかじめお詫びの品を用意しています。ということで、後半戦も楽しんでいってください! ミュージック、スタート!」とマイク。すると『愛の讃歌』から、あの曲が流れだすと中野取締役の叔父さんに扮した平田がリングインしてダンス。踊りきって休憩へ。
セミファイナルは大森隆男&アントーニオ本多vs竹下幸之介&遠藤哲哉のタッグマッチ。試合前のスクリーンでは「どうやって生きていけばいいのか? 絶望して毎日を送っている。俺はどうしたらいいんだ」と悩むアントンの前に大森が現われ「アントン、だったら究極のワイルドを目指す旅に出よう!」と呼びかけ、2人でステッペンウルフの『Born to Be Wild』を口ずさんだ。試合が始まると遠藤との腕の取り合いを見せるアントンは要所要所でコーナーの大森に「自分はワイルドですか?」と確認する。竹下&遠藤がアントンに攻め込むも、大森が出てくると遠藤が劣勢に。大森に延髄斬りを決めてピンチを抜け出すと、替わった竹下がジャベリンキックなどを決めて互角に渡りあい、場内は大歓声。大森もバックドロップで返してアントンにスイッチ。竹下が反撃して遠藤もアントンにムーンサルト・プレスを投下。これは大森がカット。続くトーチャーラックボムはアントンがかわしてバイオニックエルボー。大森が竹下にアックスボンバーを決めてアシストすると、孤立した遠藤にアントンがダイビング・フィストドロップを決めて勝利した。試合後、竹下は大森にシングルマッチをアピール。大森が右手を差し出すも、竹下は拒否して引き揚げた。
メインイベントはKO-D6人タッグ選手権試合。第10代王者のKUDO&坂口征夫&マサ高梨はHARASHIMA&ヤス・ウラノ&彰人を相手に初防衛戦。KUDOがHARASHIMAに突っかかると、坂口と高梨もヤスと彰人に襲い掛かって試合スタート。坂口のヒザ蹴りからKUDOがHARASHIMAにバズソーキック。早々にダイビング・ダブルニードロップを投下して秒殺を狙ったが、これは彰人がカットする。ヤスが大ダメージを負ったHARASHIMAを自陣コーナーに引っ張ってタッチし、リングインするもローンバトルを強いられる。坂口のエプロンPKやKUDOの倒立式ダブルニーを食らったヤスだが、なんとかフランケンシュタイナーを決めて彰人にタッチ。しかし彰人もKUDOのミドルキックや坂口のパンチで動きが止まってしまう。HARASHIMAが戦線離脱し、酒呑童子ペースのまま10分が経過。彰人は高梨のぐるぐるパンチをかわすと、スープレックスでぶん投げる。ようやくここでスイッチしたHARASHIMAだが肋骨あたりを押さえて苦しそう。それでもカンフーキックから雪崩式ブレーンバスターで高梨に襲い掛かるが、うまく急所を蹴られて動きが止まる。その間に高梨はKUDOと交替。HARASHIMAはKUDOとの打撃戦を制してファルコンアロー。これはカウント2。替わったヤスが雪崩式フランケンを放つと、HARASHIMAがスワンダイブ式ボディープレスで続く。彰人もKUDOをハーフネルソン・スープレックスで投げてヤスも場外の坂口にプランチャを投下。彰人がキン肉大移動でKUDOを仕留めようとするも、KUDOが回避してバズソーキック。KUDOのコンビネーションキックを頭突きで返した彰人は走り込むも待っていたのはカウンターのバックスピンキック。KUDOがダイビング・ダブルニードロップを投下して一気に試合を決めた。
試合後、高梨がマイクを取る。高梨「新規ユニットにしてはスマイルスカッシュ? 頑張ったんじゃねえか。オマエらもどうせ、あいつらが勝ってベルト巻くところを見たかったのかもしんねえけど残念だったな。この6人タッグのベルトは、今も、昔も、そしてこれからも酒呑童子のものだ。そしてな、スマイルスカッシュのHARASHIMA! オマエが持っているKO-Dシングルのベルト、あれは次のトーナメントで勝ち上がるであろう、KUDOと坂口、どちらかがそのベルト持ってくからな。楽しみにしてろよ」高梨が酒を用意させて酒盛りを始めようとすると、慌てて亜門GMがリングインして「すみません、ここの会場、アルコール禁止なので…その締めはちょっと勘弁してほしいんですが」とストップをかける。坂口がこれを聞かずビールを飲み始めると、亜門GMは「坂口さん、ダメだって!」と慌てる。すると高梨は「ダメじゃねえよ、モジャモジャ! テメエの目は曇ってんのか? これが見えねえか? これはノンアルコールビールっていう便利なもんなんだよ。俺らは酒飲みだけどな、ルールはきちんと守る酒飲みだ」と明かす。最後はKUDOが「久しぶりの酒盛り、ホントに久しぶりでウチに増えすぎてます。でも、これから毎試合、酒盛りしてやります。川口のみなさんと酒盛りだ!」と締めた。
【試合後のコメント】
高梨 KO-DシングルとEXTREMEは失ったけれども、俺らはちゃんとこれを持ってるから。これだけは守り続ける。これだけは絶対になくさない。そしてKO-Dシングル、あれは預けてるだけだから。もともとKUDOのものだから、KUDOが…いや坂口さんかもしんねえな。こればっかりは俺にもわかんねえけど、KUDOか坂口がトーナメントを勝ち上がって、リングでも言った通り、あのベルトは取り返して、俺らのベルトをもう一度増やして、最高の酒盛りを両国でやってやるからな! ねえ、兄貴!
KUDO こいつ(高梨)も一応、可能性あるんでね。
高梨 そういうフォローはいいよ。兄貴の意気込みを言ってくれ。でもな、リング上で呑むビールは最高だけど、ノンアルコールビールじゃ気持ち良くなれねえよ。両国で焼き鳥をつまみにな、最高に冷えたビール呑みたいね! 兄貴、そういう目標を言ってやってくれ!
KUDO 俺の目標は、ずっと変わってないから。両国でKO-Dのベルト取って、両国の1万人のお客さんと酒盛りする。俺はもう、次のトーナメントに集中して、必ず両国のメインに立ちます。
――トーナメントへの意気込みは?
坂口 殺(や)るだけです。
高梨 考えてみろよ、トーナメントの前々日に同じブロックの石井vs高梨が組まれている。この時点で会社の人間の誰もが、俺と石井は上がんねえだろうなと。アイツらじゃ、飯伏、ディーノに勝てねえだろうなと思ってる証拠だよ。ナメんじゃねえよ。アジアタッグを持ってる石井をナメんじゃねえよ。石井はその予想を覆して上がってくけどな、その石井でも、この2人には勝てねえ。おい、トーナメントは酒呑童子のどちらかがもらうからな。その勢いで両国で酒盛りだ。コノヤロー! 以上。
HARASHIMA ちょっと自分が序盤に戦線離脱してしまって。まあ、敗因はそこですね、完全に。たぶん骨は平気だと思うんですけど、ふつうに呼吸ができなくなって。こういっちゃアレですけど、タッグじゃなければ確実にやられてました。あれだけ回復できないのは最近なかったんで。ちょっと迷惑かけてしまったことが悔しいです。
ヤス HARASHIMAクンが最初にああなっちゃたこと関係なく、今日のベルトが獲れなかったのが…。せっかく3人で組んでいい流れできていたのに、言うことがないですね。何も言えないです。
彰人 HARASHIMAさんが戦線離脱してるとき、ボクがもうちょっと頑張れたら、またちょっと変わってたかもしれないですけど、最後、畳み掛けられて、そのまま流れでいかれちゃったので悔しいですね。もう一回チャレンジしたいです。
HARASHIMA 僕ら一回、あのチームに勝ってるから。
彰人 1勝1敗。
HARASHIMA 次やって勝ち越してベルトを獲ろう。
彰人 もう一回チャンスが欲しい。
――高梨選手が「新ユニットにしてはやるじゃねえか」とコメントしていたが、連係などは?
HARASHIMA 全然、問題ないし。戦線離脱しても、あれだけ試合を渡りあえたと思うので、チームとしていいですよ。
――トーナメントを酒呑童子のKUDO選手、坂口選手のどちらかが勝ち上がって、そのベルトを取るともコメントしていたが?
HARASHIMA 誰が来たって、自分は勝ち上がってきた選手と闘うだけですよ。もちろん、いつでもどこでも挑戦権の相手も倒してね。
ヤス 絶対に獲れると思っていたんで、何も考えられない。今日を終えて、気持ち入れ替えて考えたいですが、今は自分は考えられないです。
HARASHIMA さっきも言ったけど、チームとしては1勝1敗なわけだから。またチャンスを掴んで。
ヤス 結果だから。あのベルトが欲しかったわけだから。
HARASHIMA 今日獲れないのは正直ショックだけど。チームとしてはあのユニットと1勝1敗なんで、チャンスを作って、必ずベルトを獲っていきたい。
彰人 次勝って、笑顔でね。
HARASHIMA そうだね。