前説
本日復帰の勝俣が挨拶!
今林久弥APの前説には本日復帰戦を迎える勝俣が登場。「3ヵ月ぶりの二度目の復帰戦です。今年二度目の復帰戦です。1ヵ月ぶりの試合なんですけど、皆さんにご心配をお掛けしたんですが、今日は元気いっぱいに試合をしたいと思います」と挨拶すると「DDT北沢大会スタート!」とオープニングコール。
オープニングマッチ 30分一本勝負
同学年対決。激しいエルボーの打ち合いから梅田がミドルキック。さらに顔面フロントハイキックはカウント2。キャメルクラッチは島谷がなんとかエスケープする。島谷もジャンピングショルダーで梅田を倒すと、その場跳びシューティングスターはカウント2。続くフィッシャーマンは梅田が堪えてスナップメイヤーからローキック。島谷もカウンターのドロップキックで梅田を迎撃してフィッシャーマンを決めるがカウント2。逆打ちは梅田が堪える。島谷は丸め込みもフォールは奪えず、梅田がバックスピンキック。カウント2で返されるとPKで3カウント。
第二試合 30分一本勝負
大和を無視する形で大鷲と大石の攻防。「おおわし」「おおいし」と2人の読み仮名と「やまと」と一人だけ読み仮名が違うため、除け者にされていた模様。さっそくい大石が大鷲を裏切って、そんな大石に大和が冷え切った夫婦関係を明かして松井レフェリー含め悲しみに暮れる。そんな大和が一人気を吐いて大石にスピア。フィッシャーマンは大石が堪えてバックブロー連打。コーナーに登ったところで大和が追いかけてスパイダージャーマン狙いも、大鷲が大和の顔面に海苔を乗せ、水をかけて窒息させてしまうと大石にマヒストラルを決めて勝利した。
第三試合 30分一本勝負
朱崇花がMAOにヘアーホイップ。するとMAOもヘアーホイップでやり返す。渡瀬も出てきて朱崇花を捕獲する。ローンバトルを強いられた朱崇花はMAOにビッグブーツを叩き込んで高梨とタッチ。高梨はMAOの誤爆も誘って優位に立つと丸め込みはカウント2。戦況は朱崇花vs渡瀬に。ミサイルキックはカウント2。ライオンサルト・アタックから高梨が出てきて朱崇花と連係。渡瀬もドロップキックを返すとMAOと一緒に攻撃。顔面ウォッシュは朱崇花が道連れに。渡瀬が高梨にミサイルキックもカウント2。高梨がトラースキック。朱崇花がジャーマンで繋いで高梨がウワバミを決めて勝利した。
第四試合 30分一本勝負
勝俣がローンバトルも吉村にXファクターを決めてピンチを抜け出すと、替わった竹下が一気呵成の攻め。上野のおっぴろげアタックを食らった竹下だったがラリアットをぶち込んで勝俣とスイッチ。勝俣がミサイルキックで続く。上野がアトランティーダバスターを決めて吉村と交替。吉村に勝俣がスリーパー。吉村が首投げで振りほどくとラリアット。その吉村に竹下がジャーマン。上野がその竹下にアストロシザース。モンキーフリップを狙ったところで竹下が堪えると勝俣が捕らえられている上野に飛びつき回転エビ固め。吉村にはムーンサルトを浴びせたが決めてならず、バックドロップで投げられてしまうとラリアットから正念場で3カウント。
試合後、竹下がマイクを取る。「この一年は、オマエはケガに悩まされた1年やったと思う。3回欠場して、今回は三度目の正直。勝俣、またここから、ゼロからスタートするつもりで頑張っていこう。仙女との対抗戦も決まってるんで。なんやかんや言うてもALL OUTには勝俣瞬馬、オマエは必要や。この待ってくれたお客さんに恩を返すには、試合で返すしかない。勝俣、ここからや。上まで登っていくぞ」勝俣「負けたのにマイク持ってすいません。竹下さん、たぶん、竹下さんは感じたことない気持ちを3回の欠場で感じたと思ってます。僕も今日リングに立てて嬉しいんですけど、それだけじゃダメなんで。ALL OUT、仙女との対抗戦も、またイチから、いやゼロから頑張りますんで、これからもよろしくお願いします」
【試合後のコメント】
竹下 勝俣が復帰戦ということで。タッグ選手権が決まってる中での欠場で、一つ大きなチャンスを逃してるのは事実なんで。3回欠場が続いてますし、ゼロからやり直すくらいの気持ちのほうがいいんじゃないかなと思ってはいました。この欠場期間は今までと違って、一ヶ月間ほぼ毎日、一緒にジムに行ってトレーニングやってきましたし。トレーニングするのは当たり前の事かもしれないですけど、今まで勝俣がやっていた以上のものをやってきたので。そういう部分で、メンタリティも変わったんじゃないかなと、試合をやってて思いました。
勝俣 タッグ挑戦が決まった時に欠場してしまって。自分も悔しかったんですけど、組む予定だった竹下さんにも迷惑をかけましたし。3回欠場して3回みんなに迷惑かけてるんで。これを最後にして、またゼロからのつもりで頑張っていきたいと思います。仙女との対抗戦も決まったんで、そこにも向けて頑張りたいです。
竹下 ALL OUTにいて暇することはないと思うんで。勢いよくいってほしい。今日闘った4人は同世代で、僕はちょっと長いですけど似たキャリアで。そういう4人でタッグマッチができたのはよかったんじゃないかなと。
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第五試合 30分一本勝負
平田は『語れ!涙』から『TOKYO GO!』にスイッチしての入場。コーナーでポーズを決める高尾にドロップキックで奇襲して試合スタート。さらにエプロンからスライディングキックを決めてリングに戻る。高尾は場外カウント19で生還。怒った高尾が平田を場外に出してDDT。リングに戻すとコーナーで顔面を踏みつける。バックエルボーからのギロチンドロップはカウント2。高尾がチンロック。平田はロープに足を伸ばす。平田がコルバタでやり返すと、フェースクラッシャー。さらにミサイルキックで吹っ飛ばして串刺しエルボーからコーナーに乗せて雪崩式フランケンはカウント2。高尾はコードブレイカーからリバースDDT。ジントニックは平田が堪えてエルボー。エルボーのラリーから平田が首固め。カウント2で返されると魔神風車式フェースバスター。マッドスプラッシュはカウント2。エゴイストドライバーは高尾が切り返すとライガーボム。顔面トラースキックからみちドラⅡ。ジントニックを決めるとなんとエゴイストドライバーを決めて3カウント。高尾はメガネを壊して引き揚げた。
【試合後のコメント】
平田 負けましたねぇ。負けましたよ。けど、なんといいますか高尾くんさん先輩とのタイトルマッチに負けました。今日はああいう感じだと思ってガーッといったんですけどね。たぶんね、くんさん先輩はね、僕らのこの前のハンディキャップ戦とか見てないと思うんですよね。トーナメントに集中してて、タッグのことはいったん置いとく感じだったと思うんですけど。いったん置いといてる間にKO-Dタッグ戦線っていうのは、最近のDDTの中では近年稀に見る脱線をしてると思うんですよね。佐々木大輔は言ってましたよ、「カスが、やめちまえ」と。だがしかし試合ではどうですか。「好きだ、もっと」と叫んでたでしょあの人。もうね、あなたのパートナーも違うベクトルに行き始めてるんですよ。あなたがタッグタイトル戦前にガーッとなるのは通常なんです。だがしかし、次のタイトルマッチはイレギュラーなところの試合なんですよ。「熱い試合やる気ないんじゃないか」と言うかもしれないですけどね、そんなこと言ってると逆にヤバイですよって。ハンディキャップマッチでは一人にボコボコにやられて、魔苦のケツもくっさいのが顔について瀕死になったんですけど、僕は、そして魔苦はベルト獲る姿を想像できまくって仕方ないんですよ。今日、シングルマッチ負けましたど、そのイメージはブレないんですね~。高尾さん、その調子で、ガーッと熱い感じできてください。それが我々の勝機なんで。ぜひ熱い試合をしましょう。…超首痛え!
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7・21後楽園でブルックスがKO-D無差別挑戦! 6・30後楽園で樋口vs納谷!
休憩前に今林APから7・21後楽園でのクリス・ブルックスのKO-D無差別級王座挑戦と、6・30後楽園の樋口vs納谷の一戦がアナウンスされた。樋口と納谷がリングイン。樋口「納谷幸男、すごいな。血筋もすごいし、体もデカイし、強敵だと思ってるよ。でもDDTでは俺がオマエの兄弟子だ。オマエにDDTってものを教えてやるよ」納谷「血筋が関係ねえってことは俺が一番よくわかってんだよ。(突き飛ばして)フザけんじゃねえ! やってやる!」
【試合後のコメント】
納谷 樋口さんが強いというのは何度も試合見て分かってるんで。その強い人、DDTのヘビー級の選手と試合してどれだけできるのか。さっき言われたこと(血筋は関係ない)は自分が一番分かってるので。そこをこの試合でお客さんにも見ていただきたいです。
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セミファイナル 60分一本勝負
DDT EXTREME級選手権試合~YogiYogiデスマッチ
※アントンが初防衛に失敗、彰人が第45代王者となる。
試合中にリング上で特殊な瞑想しているヨギ(トランザム★ヒロシ、小仲=ペールワン)の邪魔をしてはいけないルール。彰人、アントンに続いてヨギのヒロシとペールワンがゴダイゴの『ガンダーラ』で入場。ベルトの返還で早くもヨギは瞑想。ゴングが鳴らされると、互いにヨギにぶつけようとする展開。まずはアントンがペールワンに接触。怒ったペールワンがアントンに地獄突きからランニング・ネックブリーカー。そして倒立して瞑想へ。アントンがシーソーホイップで彰人をヒロシにぶつける。怒ったヒロシはサミングからバックエルボー。そしてヨガのポーズで瞑想へ。アントンはヨギをかわしながらテーズドロップからエルボードロップ。これはカウント2。彰人とアントンがもつれあうようにペールワンに接触。怒ったペールワンはアントンに攻撃し、ヨガ式アサイDDTを彰人に決めて座禅から瞑想。アントンは彰人をヒロシにぶつける。怒って革命戦士と化したヒロシが彰人にリキラリアットからサソリ固め。しかし彰人が逆に足を取り返してサソリもアントンがカット。すぐに瞑想せんとするヒロシにアントンが「瞑想するな!」と起こしてツープラトン・ブレーンバスター。彰人がアントンをヒロシにぶつける。怒ったヒロシに後ずさりをするアントン。するとその背後のペールワンに接触。怒ったヨギ2人がアントンに攻撃して瞑想へ。彰人がアントンの足を取ると、アントンが抵抗。この反動で飛ばされた彰人に松井レフェリーが接触。松井レフェリーが倒れ込んだ先に瞑想中のペールワンがいてぶつかってしまう。怒ったペールワンに攻撃された松井レフェリーがダウン。彰人が足4の字を決めてアントンがマットを叩くも松井レフェリーはダウンしたまま。ナックルパンチの打ち合いからアントンがTTD。ダイビング・フィストドロップは彰人が剣山。アントンがトラースキックから彰人をヒロシ、ペールワンにぶつける。怒ったヨギ2人がサンドイッチ・ラリアット。すぐに瞑想せんとするもアントンが「瞑想するな!」と起こして3人でのナックルパンチからバイオニックエルボー。するとコーナーでペールワンが倒立して瞑想。そのコーナーにヒロシがもたれかかるように瞑想に入る。アントンが違うコーナーに登るもフラついて揺らしてしまうと、コーナーからペールワンが転落してヒロシに接触。怒ったヒロシがペールワンに攻撃。その間にアントンが彰人にダイビング・フィストドロップをズバリ。アントンがカバーも、同時にヒロシがペールワンにヨガイェを発射。これをペールワンにかわされると、彰人を押さえ込んでいたアントンに被弾。彰人がすぐさまアントンにサソリ固めを決めてギブアップ勝ち。
7・15大田区で朱崇花がEXTREME級王座に挑戦!
試合後、彰人がマイク。彰人「EXTREMEのベルト、久々に獲ったぞーっ! 本多さん、メチャクチャ過酷な試合ありがとうございました。久々に刺激になりました! この2人はどうやって帰るの? ドカしてくださいよ!」松井レフェリーは練習生の中村をペールワンとヒロシにぶつけ、怒ったヨギが中村を連行。彰人「5年ぶりにEXTREMEのベルトを腰に巻くことができましたよ。次の挑戦者は特に決まってないですか、今林さん…」すると朱崇花がリングイン。朱崇花「ベルト奪取おめでとうございます。試合のほう拝見しました。すごかったですね。普段、滅多に彰人さんとお話させていただく機会はないですけど、こんなこと言っていいですか? EXTREMEって案外ちょろいんですね。アイアンマンを落とした今、キラキラに飢えてます。そのベルトに挑戦させてもらえませんか」今林「朱崇花選手、実力は申し分ないですし、日本初のジェンダーレス・プロレスラーとして世間にアピールできる華やかさを兼ね備えた素晴らしい選手だと思います。今日どちらが勝っても次のタイトルマッチは7月15日の大田区でおこなおうと思ってましたの。…」彰人「ちょっと待ってください。大田区なんですか? このタイトルマッチやるとしたら」今林「はい」彰人「でも無差別級のベルトは大田区のメインを懸けてトーナメントとかやってるわけじゃないですか。今こうやってフラ~ッと来て『ベルト欲しいんで挑戦させてください』で大田区、ビッグマッチ、OKでいいんですか? それでいいんですか? 軽視してないですか? EXTREMEを」今林「そういうわけではないんですけど…」彰人「じゃあどういうつもりでOKと言ったんですか?」朱崇花「今欲しくなった」彰人「今欲しくなったから挑戦を『はい、いいですよ~』ってそんなベルトですか? あなた達で価値を落としてどうするんですか。なんなら僕、今日初めてしゃべるから、人見知りだし目を合わせられないですよ」今林「彰人選手は朱崇花選手が挑戦者としてふさわしくないと思っているんですか?」彰人「そんなこと言ってないでしょ。ズバ抜けた身体能力、パワーもあるし、スタミナもあるし、男子に引けを取らない試合もできる。全然挑戦者として十分じゃないですか」今林「じゃあいいじゃないですか! 受けてくださいよ、挑戦!」彰人「僕、面倒臭いことをやって欲しいと会社に言われてるからやってるだけで」今林「そんなこと言ってないでしょ! 単純にアナタが面倒臭いだけでしょ!」彰人「完全に欲しがっていたじゃないですか。わかりました、僕はチャンピオンですから、これで挑戦したい、いやですって断れる権利もありますよね? 挑戦して欲しいならアナタここに来て頭下げてください。挑戦していいですか? お願いしますって。会社的に朱崇花選手を挑戦させてほしいんでしょ? 私的には朱崇花選手とやりたい気持ちもあるけど、会社からお願いされたら『いいですよ』って言いますよ」今林「面倒臭いですね!」今林APが「朱崇花選手の挑戦を認めてあげてください! お願いします!」と頭を下げると彰人は「いいでしょう。貸しイチですから。大田区で防衛したら次は好きなようにやらせてもらいますから」と認めて7・15大田区でのタイトルマッチが正式決定。朱崇花が引き揚げると、彰人は「5年ぶりにベルトが戻ってきたぞ! これからの防衛ロードは昔、EXTREMEのベルトを巻いてた時とは違います。新しい彰人の防衛ロードを期待してください。ありがとうございました」と締めくくった。
【試合後のコメント】
――挑戦を決めた理由や意気込みは?
朱崇花 とりあえず私はキラキラしたものが好きなので。アイアンマンを落としちゃって、時期を見て挑戦しようかなって思ってたんですけど。試合見てたんですけど、案外ちょろいなっていう。こんなのでキラキラしたものが身につけれるんだったら絶好のチャンスだなと思って。
――変則的なルールも多いタイトルですが。
朱崇花 誰だと思ってるんですか? 朱崇花です、硬軟自在の朱崇花なので。どんなルールでも。
――大田区は前にメインを張って以来?
朱崇花 その間に一回タッグで上がって3回目です。大田区のメイン張った私ですから。大田区といえば私くらいの気持ちで。
彰人 5年ぶりですか。EXTREMEのベルトが久々に僕の腰に戻ってきました。ここ最近はALL OUTで若い子のための動きをすることが多くて。自分のアピール的なものはあえて閉じ込めてた部分があったんですけども。ベルトを巻いた以上、自分がしたいこと、思ってることをどんどんどんどん口に出して、行動に移していけたらなと思ってます。このベルトはALL OUTとか関係なく、僕個人の称号なので。今の無差別級戦線、遠藤哲哉なり坂口なり竹下なり、たぶん彼らはEXTREMEに挑戦したことすらない。巻いたこともないでしょう。だから別ベクトルの物語なのかなと思ってますし、彼らがEXTREMEに挑戦したいなって嫉妬するようなベルトにできればなと思ってます。あとは朱崇花選手ですか。まあフラッと出てきてね、挑戦させてくれ。会社ははいいいですよ、どうぞ。世界初のジェンダーレス・レスラーだから、外に向けての発信になるからいいでしょうみたいな雰囲気で簡単にOKしてて。そういう気にくわないこともあって。でもこれで大田区で朱崇花選手を攻略すれば、倒せば、次は僕が発信して、自分から指名することができる番なのかなと。朱崇花選手、簡単に獲れるって言ってましたけど、本質を分かってないというか。EXTREMEって試合が大変とかじゃないんですよ。ルールを決めることが一番大変なんです。ルールによって試合がイージーになったりハードになったり、いろいろ変わってくるわけで。僕は朱崇花選手をルールで苦しめようかなと考えております。
――今日は思い入れのある本多さんとの試合でした。
彰人 本多さんと試合して、いつもなんですけど勝っても負けても幸せになれるというか。この人と試合できてよかったなっていう気持ちにさせてくれる、数少ないDDTの選手の一人なのかなと。タイトルマッチですけど、終わったら勝った負けた関係なくノーサイドでシェイクハンドという感じでやれるので。何回でも試合したいですね。
――難しいルールではありましたけども。
彰人 難しすぎましたね(笑)。どっちに転んでもおかしくなかった。あそこでヒロシが飛んでこなかったら僕が負けてたでしょうし。THE EXTREMEっていうルールで勝てたことが感無量です。
――これからチャンピオンとして、ルールの方向性は考えていますか。よりカオス、よりハードなど。
彰人 5年前、巻いてた時は割と真面目なルールというか、バラエティに寄せず、ルールで遊ぶこともなく、変わった形式でやることが多かったんですけども。5年前は一若手で、今は違うので、立場的に。5年間で自分なりにルールのストックがあって。次また巻く時のために考えてたものがたくさんあるので。TPOに合わせて選んでいけたらなと。
アントン いや~、なんだあのヨギ、あいつら! もっとね、もっとというか…本当に彰人選手に負けたというか、私が勝った手応えしかないところでね。自分が考えたルールでこんなこと言うのもカッコ悪いんですが。手応えとしては勝てたという試合でしたね。だがそこで、勝ち負けのコインの裏表がクルッとなってしまうというのがEXTREME級にふさわしいルールだったのかなという気はいたしますが。あのヨギたちは本当に人選を間違えたといいまますかね。まあでも、彰人くんのコメントを聞いてましたけども、ヨガっていうのは英語で言ったらユニオン。一緒になる、統合するって意味なんですよね。なので試合後、敵味方に分かれていたものが一つになって。私もね、勝ち負けの表裏がないような状態で試合を終わって。不思議な、これがヨガかなというね。勝ち負けを超えた…まあ負けてるんですけどね。ただあの瞬間、私は勝ち負けを超えていたから。ヨガを実践したという意味では正しいヨガマッチだったのかもしれないですね。なので非常に不思議な気分です。ベルトを失って、このまま私は落ちていくのかなという気がしますけども、レスラーとして。奈落にね。下り坂か、みたいな。それもまたヨガかもしれないです。私にこれからくる苦難の道。私の大好きなドルフ・ラングレン…話がちょっと長くなりますけども、「クリード2」「アクアマン」とメジャー映画が2本きて。私もEXTREME級、ババっと2本きて。いけいけーみたいなところで、ドルフは自分が監督しようとしていた、イタリアで撮影していた映画が資金繰りのトラブルで撮影が中断してます。そういった、自分が好きなドルフ・ラングレンの人生と重なり合ってくるというのも皮肉な話というか、それもまたドルフと私の統合、ヨガなのかなという気がいたします。どうもありがとうございました。
――ヨギの人選に後悔は?
アントン 負けてしまったんであれですけど、もちろん後悔はないですよ。こういった奇妙な人たちと仕事ができるというのはなかなかないことですからね。いい…いい体験でした。分かったか! 分かったら出てく!
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メインイベント 30分一本勝負
DAMNATIONが襲い掛かって試合開始。樋口が佐々木をショルダーアタックで倒すも、坂口のエプロンPKは佐々木にキャッチされて、さらに遠藤のハンドスプリングでリング下に落ちてしまう。ここから場外戦。遠藤はポーリーの首輪で坂口を捕獲し、佐々木はゴング用の木槌で殴打。リングに戻っても坂口が捕まったまま。坂口はジャンピングミドルでやり返し、さらにフロント・ネックロックを極めるが、遠藤が投げる。トーチャーラックは沙坂口がかわして背中にジャンピングミドル。替わったHARASHIMAは一気呵成の攻め。HARASHIMAが雪崩式ブレーンバスターからファルコンアローで続く。遠藤もハンドスプリングエルボーで返すと佐々木がダイビング・ラリアット。佐々木もジャンピングハイからドロップキックを決めるとクロスフェースへ。この佐々木を樋口が担ごうとするがエプロンに出されてしまう。HARASHIMAは佐々木を樋口にぶつけてタッチ。樋口が佐々木にショルダーアタック。カナディアン・バックブリーカーは佐々木がクロスフェースで切り返そうとする。樋口がさらに持ち替えてコーナーにぶつけてビッグブーツ狙い。佐々木は木曽レフェリーを盾にして樋口の耳元で叫んでポーリーとタッチ。樋口がボディースラム。さらにHARASHIMAとの連係が決まるとカバーは佐々木がカット。樋口のぶちかましは佐々木が木曽レフェリーを突き飛ばして盾にすると、ポーリーが樋口にラリアット。さらにスーパーパワーボムからポーリーのカバーは遠藤がカット。坂口はポーリー、佐々木に神の右膝。遠藤には場外に出されたがサスケスペシャル狙いは樋口が阻止すると遠藤に坂口がエプロンPK。最後はドクターボムで樋口が勝利。
「俺がプロレスに対するリスペクトを、テメエに教えてやるよ」(遠藤)
試合後、坂口がマイクを取る。坂口「おい、遠藤! やってくれたな! もう松山まで待てねえよ。今すぐにでも…殺してやりたいほどだよ。俺は待ってらんねえんだよ!」遠藤「坂口! 俺も同じ気持ちだよ。このベルトはただのベルトじゃねえんだ。俺が人生を懸けてカリスマから獲った大事なベルトなんだよ。テメエみたいによ、殺意と衝動でしかプロレスやってねえような、そんな人間に渡せるようなベルトじゃねえんだ」坂口「何眠たいこと言ってんだ。人なんて殺してナンボだろ。欲しいものは掴み取る。テメエだってそうやってやってきたんだろ。キレイごとぬかしてんじゃねえ」遠藤「俺も、今すぐにでもテメエを殺してやりてえけど、それは6月2日、松山までとっておいてやる! 俺がプロレスに対するリスペクトっていうものを、テメエに教えてやるよ」坂口「よく勉強させてもらうよ、この野郎」ここでDAMNATIONが退場。坂口「HARASHIMAさん、樋口、ありがとうござました。まあいいや。なんか言ってくれ」最後は樋口が「カ・ズ・サ・ダー!」をお客さんと唱和して締めくくった。
【試合後のコメント】
坂口 リング上でも言った通り。待てねえ、待ちきれねえよ。殺してえ。ずっとそうやって生きてきたんだよ。気に入らねえヤツ殺して、力づくで奪ってきたんだ。あんなケツの青いガキに偉そうなこと言われてたまるかって。ふざけんな、くだらねえ。今日はHARASHIMAさん、樋口、ありがとうございました。これでよかった。いい締めだったよ。
樋口 今日はお二人に世話になりっぱなしで、頼もしい限りでした。ただHARASHIMAさんとは明日ありますからね、大阪。
HARASHIMA ガッチリやってやるよ。今日は今日。この3人が組んだらね、それは負けないよ。あとはタイミングでね、また組んでもいいし、闘ってもいいし。楽しみです。
――樋口選手は納谷選手との対戦が決まりました。
樋口 凄い人間というのは自分が一番知ってますんで、相撲界にもいたんで。ただDDTでのプロレスのキャリアとか、その他もろもろ、自分のほうが今まで過酷な道通ってきてると思うんで。負けないですよ、あんな体デカいだけの…デカいだけじゃないかもしれないですけど、それを見せてやりますよ、後楽園で。
遠藤 カリスマ、生き返りましたか。
佐々木 俺は生きてるぜ。
ポーリー さんぽ~。
佐々木 散歩はあとでするから。…おいどうなってんだ
坂口! 殺すとかよ、どうなんだ。
遠藤 そんな軽々しく使っていい言葉じゃねえだろ。
ポーリー さんぽ~。
遠藤 リング上で言った通り、6月2日、あいつにプロレスに対するリスペクトってものを教えてやるよ。
佐々木 カッコいいな、チャンピオンみたいだな。
遠藤 はい。正論を言ってみました。
佐々木 あの野郎、実力もねえくせに殺す殺すってなあ。
遠藤 弱いヤツほどよく吠えるとはよく言ったもんだな。
佐々木 いいか、人を殺していい時っていうのはな、〇〇〇〇〇〇仕方ない時だけだ。
遠藤 心に刻んでおきます。
佐々木 そういう時は刺していい。
遠藤 これは…使えるんですか?
佐々木 使えねえぞ! 使えることしゃべれおら!
遠藤 リスペクト! どういうことかわかるか。キーワードはお散歩だ。
ポーリー さんぽ~。
佐々木 なんか質問ねえのか?
――高尾選手はタッグ選手権の前哨戦でした。
高尾 いつもと違う奇襲とかしてきたけど、手ごたえはゼロかな。
遠藤 急に真面目だな。
高尾 いつも真面目だよ。
佐々木 手応えないだろ。
高尾 あれじゃ勝てないだろ。
遠藤 そんな当たり前のこと聞いてんじゃねえ。カリスマには何かないのか。
――佐々木選手から見るとタッグ選手権は。前哨戦は見ましたか?
佐々木 こっちの目で見てた。左目だけで。だからあんまり見えてない。
――左目だけで見た印象として、平田選手は?
佐々木 俺も後楽園で当たって分かってる。あいつが俺たちに勝つなら、あれ二千何年だ? ヤングドラマ杯で安部(行洋)に勝った時くらいの気持ちがないと勝てないぞ。DDT UNIVERSEでチェックしろ、あるか分かんないけど。
高尾 あと(フィニッシュの)表記は「高尾式エゴイストドライバー」だから。
佐々木 タクシードライバーだ。
――高尾式エゴイストドライバー、略して…。
佐々木 タクシードライバーだ。
高尾 そういうこと?
佐々木 サヨコ(三田佐代子女史)は質問ないのか?
遠藤 ポーリーの散歩に行きましょう。
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