2月10日、神奈川・小田原アリーナ・サブアリーナにて『Into The Fight シリーズ 2013 in Odawara』が行われた。
第1試合は「のぼうのキャッスル~小田原籠城マッチ」として、成田長親(高木三四郎)&甲斐姫(松本浩代)&北条氏政(彰人)の北条軍と石田三成(男色ディーノ)&豊臣秀吉(中澤マイケル)&伊達政宗(DJニラ)の豊臣軍が激突。豊臣軍はいつものコスチューム、北条軍はチラシで作った兜を装着し、リングイン。通常のプロレスルールであっても、ただただ成田長親の築城意欲だけが試合に反映され、ずんずんパイプイスを重ねていく。甲斐姫がローンバトルを強いられようがお構いなし。甲斐姫が反撃に出て北条氏政が豊臣秀吉をアンクルホールドで捕獲したところで、成田長親は「できた!」と宣言。築城を記念して北条氏政とともに写真撮影を行うも、直後に攻撃されてしまって城が崩れかかる。さらに伊達政宗のロケットパンチを食らった成田長親が城に突っ込んでしまって見事に落城。それでも甲斐姫が熱くなって火照ってしまった豊臣秀吉のアルティメット・ベノムアームをかいくぐり、ライガーボムで勝利した。試合後、勝ち誇る北条軍に石田三成が「城争奪戦においてはワタシたちが落としたから実質勝ちよ」と反論。すると成田長親は「城は落ちたかも知れない。だが真の小田原城は落ちていない」と会場扉を指差すと、開いた扉の先には築き上げられた新たな城が姿を現わした。成田長親にあった勇者の証である星形のアザが、豊臣軍の面々にもあったということで「選ばれし勇者」となったみなさんは、成田長親の「まだまだ終わらない! 最後はあの真・小田原城だ!」との掛け声で、城へと向かっていき、場内に「高木三四郎先生の次回作にご期待ください!」とのアナウンスが響き渡った。
【試合後のコメント】
彰人 僕は聞かされていなかったんですけど、2・17後楽園で坂口(征夫)さんと組んで、新日本プロレスの獣神サンダー・ライガー&高橋広夢組と対戦することになりました。僕にとっては願ってもないチャンス。ホントにビッグチャンスだと思ってます。坂口さんとライガーさんの因縁とかじゃなくて、ここで僕がぶち込んで、僕が一番この試合で良かったと言われるぐらい目立ちたいと思ってます。相手がメジャー、新日本というのは関係ない。僕みたいなどインディー上がりの人間が、がんばってる姿をもっともっと見せなければいけない。どインディーでもこれだけ強いと証明したい。
――タッグパートナーとして指名された形ですが?
彰人 坂口さんとは、けっこう話をしてても通じるものがあって。坂口さんは自分が持っていないものを持っていると僕のことを買ってくれています。僕は坂口さんの勢いや殺気を買っていて。二人が組んだら、意外といいタッグチームになるんじゃないかなと。
――高橋とはキャリアが近いということで抜擢されましたが?
彰人 キャリアがどうこうじゃないんですよ。坂口さんが売られたケンカを買うと言っている以上、僕はそれに乗ってやるだけ。相手がどう、キャリアがどうじゃない。僕はDDTを背負って闘いますし、坂口さんも同じ思いだと思います。
第6試合は「石井慧介が自分の足りないものを探すシングルマッチ」。2・3千葉でタッグマッチながらMIKAMIに勝利したものの、そのパートナーだった高木から「プロレスラーとして致命的な何かが欠けてるんだよ。MIKAMIさんと闘えばわかる」と指摘された石井は、今大会で急きょMIKAMIとのシングルマッチに臨むことに。試合はMIKAMIの奇襲でスタートし、スワントーンボムを投下。場外エスケープした石井もDDTで反撃したがリングに戻ってからは脚攻めに大苦戦。石井がミサイルキックを繰り出せば、MIKAMIはすぐさまドラゴンスクリューで盛り返す。MIKAMIがスワントーンボムを投下するも、石井はこれをかわしてニールキックへ。ここから続こうとした石井だったが、直後のMIKAMIの首固めで3カウントを聞いた。試合後、石井は「俺に足りないものはなんだ!?」とMIKAMIに詰め寄らんとしたが、MIKAMIが試合のダメージから失神してしまったために聞けず仕舞い。石井の“プロレスラーとして欠けている致命的な何か”は、謎のまま終わってしまうところだったが、石井が高木に「足りないものを教えてくれよ。まだいるだろ?」と食い下がり、「もう一人だけいた。DJニラだ!」と高木が明かしたことで、2・11小山での高木&ニラ戦(石井のパートナーは高尾蒼馬)で、ニラから“プロレスラーとして欠けている致命的な何か”を聞かなければならなくなった。
第7試合はKO-Dタッグ選手権試合。第46代王者組・HARASHIMA&ヤス・ウラノが石川修司&FUMAを相手に2度目の防衛戦に臨む。FUMAは地元凱旋試合。石川のボディースラムで捕まったヤスがFUMAにガットショットを決めて逆転。HARASHIMAに替わって試合は王者組ペースに。苦しいFUMAはエルボー連打で逆転。石川がヤスをブレーンバスターで投げていく。ヤスも石川の串刺し攻撃を回避。タッチを受けたHARASHIMAは石川にスワンダイブ式ボディープレスを浴びせて山折り狙い。石川がかわしてかんぬき式頭突き → かんぬきスープレックスへ。FUMAがランニングエルボーで続く。HARASHIMAがキックで応戦し、ヤスがダイビング・フットスタンプを投下して盛り返す。張り手でやり返さんとするFUMAをヤスは首固めで丸め込み、さらに逆さ押さえ込みへ。これを回避したFUMAがランニング・ローキック → バックドロップ。ヤスも向かってくるFUMAに松井レフェリーを盾にして防ぎ、ツームストーン・パイルドライバーの体勢。FUMAは体を入れ替え、逆にツームストーン・パイルを決めることに成功。ダイビング・ヘッドバットを放ったが、このカバーはHARASHIMAが阻止。HARASHIMAはFUMAに蒼魔刀を突き刺しアシスト。石川をファルコンアローで分断している隙にヤスがFUMAにツームストーン・パイルを決めて勝利した。
試合後、鶴見亜門GMからMAGPが発表され、ヤスが受賞(賞金はやっぱり500円)。ヤスは「今までいろいろ言って来たけど、オマエもウラシマクドウの大事な仲間だよ。KUDOが欠場してる間よく穴を埋めてくれた」とFUMAに感謝の言葉を伝え、マイクを預ける。地元・小田原アリーナでプロレスラーになって試合をできたという一つの夢が叶ったことを明かしたFUMAは「次に小田原に来る時はベルトを巻いて帰ってきたい」と決意を述べ「3、2、1、小田原城!!」と唱和して大会を締めた。
【試合後のコメント】
――2度目の防衛に成功しました。
HARASHIMA 今回も僕らが対戦相手を指名した形だったけど、初の小田原大会で、地元のFUMAもいたけど、防衛できてよかった。危ないところはあったかな?
ヤス あったね、ハハハ。でも、石川修司ってすごいなって、改めて思いましたね。あの体は、何ものにも代えられない。うらやましいと思います。でも、自分は自分にやれることをやって。また石川に勝ちたいと思います。
HARASHIMA 石川のすごさは前からわかってますけど、FUMAとはあまり当たることがないんで。今日、当てってみて、もし同じユニットということで、彼が遠慮してくることがあったら、叩き潰そうと思ってたんだけど、まったく遠慮することなくガンガンきたんで。すごく気持ちよく、楽しく闘えました。アイツがユニットのメンバーにいてくれて、ホントに良かったです。試合後はウラノくん自らがFUMAをメンバーだと認めてくれたんで、これでまたユニットの結束力が固まった。KUDOも帰ってくるから、4人でガンガンやっていきます。
――闘うことでFUMAをメンバーと認めることができましたか?
ヤス 冷静に考えてみて、なんかしら動くときに後輩がいたほうが、いろいろと便利なんですよね。アイツはリーダーとおだててたら、ホントにその気になって、いろいろやってくれそう。面倒臭い仕事とかあるじゃないですか。そういうのを全部やってもらおうかなと思ってます。
――MAGPを受賞しました。
ヤス なんですか、あれ? 人前であんなに仰々しく渡しておいて500円って、アンタ恥ずかしくないのかと言いたいですね。よくそれで俺をリスペクトしろとか言えるなって。
――リスペクトが足りないということで作った賞らしいですが?
ヤス 彼はまったくわかってないですね。人の気持ちがわかってない。500円もらって喜ぶようなレスラーはいないですよ。普通に「500円の牛丼をおごってやる」だったら喜びますよ。あんなリング上で仰々しく500円渡すバカはいないでしょう。
――次の対戦相手については?
ヤス 今回のことしか考えてないんで、ちょっと練っていきたいと思います。何よりも自分たちが楽しめる相手、リスクのある相手と闘っていきたいと思います。