1月20日、愛知県名古屋市のテレピアホールにて『ダイヤモンドダスト in 名古屋 2013』が行われた。
第1試合は中澤マイケルvs遠藤哲哉vs福田洋の3WAYマッチ。アメリカ国歌に乗り揃って入場してきたマイケルと福田。遠藤がそれを問い詰めたところ、福田は「今日は名古屋のみなさんにとっても、記念すべき日になりそうです。なぜなら今日、僕がこの試合になったら、この名古屋はアメリカの植民地となるからです。もう一つ、隣にいるミスター中澤とは、今まで人種間の問題で仲違いしてましたが、今日アメリカの領土拡大という目的の下に、ここで2人は歴史的な結託を果たしました」と説明した。これに納得いかない遠藤が襲い掛かって試合開始のゴング。3WAYながら福田とマイケルが手を組んだことで1対2の展開で進んでいく。いつの間にか福田とマイケルは片方がコーナーに控え、タッチを交わしてリングに入って闘うありさま。奮闘する遠藤だがハンディキャップ状態では分が悪い。乱戦に中でアルティメット・ベノムアームを狙ったマイケルだったが、もみ合う中で松井レフェリーに決めてしまう。松井レフェリーが失神してリング上は無法地帯となったが、遠藤はマイケルのアルティメット・ベノムアームと福田のタンバリン攻撃を同士打ちにさせる。両者が枕を並べてダウンしたところにムーンサルト・プレスを放った遠藤。次の瞬間、松井レフェリーが意識を取り戻し、遠藤が2人に覆いかぶさっているのを見てマットを3つ叩いた。
第2試合は坂口征夫vs伊橋剛太のシングルマッチ。互いにアップライトに構えて蹴りを放っていくが、リーチの差は明らか。伊橋の蹴りは空振りに終わり、坂口のキックは的確にヒットする。グラウンドでも坂口がマウントポジションを奪うなど優勢に展開。まるでサンドバッグのように蹴られまくる伊橋だったが、強引に突進して坂口に組み付くと、バックドロップ、ボディープレスと反撃。しかしフロッグ・スプラッシュはかわされてしまった。坂口は右ハイキックをヒットさせて伊橋の体勢を低くさせ、サイドは4点ポジションの状態で走り込んで顔面に蹴りを見舞って、片エビで押さえ込んで3カウントを奪った。試合後、マイクをつかんだ坂口は「自分は覚悟を持ってこのリングに上がってます。年齢、総合上がり、プロレスができない……そんなことを全部背負ったまま、一生懸命このリングで闘ってます。試合も見てないヤツにグズグズ言われる筋合いはない。俺はこのリングで、このDDTのリングでトップを目指したい」と決意を語った。
【試合後のコメント】
坂口 リング上で言った通り。この前の試合(レジェンド1・13後楽園)はこの前の試合。年齢のこともそう、総合上がりでプロレスができないこともわかってます。でもその上で、俺は覚悟を持ってここでがんばっているんです。試合も見てない、この間の部分だけで評価されるのも俺は納得いかないし。だったら毎回毎回、DDTの試合を見に来てほしい。見に来た中で評価してほしい。とにかく俺はそういうものを全部背負って、中途半端な気持ちでやってる気は一切ない。俺なりの覚悟を持ってます。それだけは理解してもらえればと思います。俺がいつ新日本に上がりたいって言いました? 1・4を目指すなんて言ってない。確かに親父の名前で恩恵を受けているのは、自分の中で十分理解してます。でも俺の中で一番親父を嫌ってる部分もあるんで。俺は坂口征夫個人としてDDTに上がってるし、だからこのリングで上を目指したい。何か勘違いして捉えられていたら、俺がここでがんばっている意味がない。そういうものを全部ひっくるめた上で批判されるのは構わない。それは勉強だと思うんで。見て、坂口征夫を評価してもらえたらと思います。それでしょっぱいと言うならそれでいい。建前だけで評価されたくない。
――一方で評価された部分もありましたが?
坂口 自分はあの試合に点数をつけたら、点数はつかないと思います。ただ、あれはあれ。自分はこれからがんばっていかないといけないんで。自分の気の強さを買っていただいたのはありがたい。その部分はその部分で継続して。その上でどんどん新しいものを取り入れてやってきたいし、もっともっといいレスラーになっていきたいと思います。
第3試合はアントーニオ本多&佐々木大輔&星誕期vs大石真翔&佐藤光留&DJニラの6人タッグマッチ。 丸坊主にした光留は髪にコンプレックスがあるのか、佐々木の髪をつかんで攻撃を仕掛ける。大石もそれに呼応。途中までは誕期とニラを除いてのタッグマッチの様相だったが、ニラが光留からタッチを受けてリングに入ると、アントンに対し「オマエに勝っても、この闘いは終わらない。一気にケリをつけるまで」と誕期を呼び込んだ。そして「決着方法はこれだ」と言うと、相撲の仕切りの構え。レフェリーを行司呼ばわりし、軍配が返るといきなり誕期のボディーにロケットパンチを見舞った。しかしその後は体格差から何もできず防戦一方。光留、大石がバックアップするも、モンスター軍はイマチキャノンなどで分断に成功。最後は誕期がイマチ投下を決めてニラを圧殺した。
第4試合は男色ディーノとがばいじいちゃんのシングルマッチ。杖を突いて入場したじいちゃん。足取りがおぼつかず、途中で何度も休憩。じいちゃんには試合中の杖の使用が認められた。優しくロックアップしたディーノ。次の瞬間、じいちゃんは杖でディーノの太ももをパチン! それでも杖を突きながら、超低速でのバックの取り合いを披露する。闘いづらそうなディーノは、これ以上付き合ってられないとナイトメアを決めたが、じいちゃんの杖がロープに伸びてブレイク。ならばとディーノはファイト一発から男色ドライバーを狙ったが、じいちゃんは頭でなく杖の持ち手の部分をディーノのタイツに差し込んで引き上げる。急所に食い込んだようで、ディーノは悶絶。じいちゃんは杖を突きながらのオールドスクールを披露したものの、ディーノがその杖を奪ったため足を滑らせて転落。その際、股間をトップロープに打ち付けた。杖を失ったじいちゃんは突然、スピードを上げてディーノに襲い掛かり、フランケンシュタイナー、スワンダイブ式ボディーアタックを決めた。さらにチョークスラムを狙ったがばいじいちゃんだったが、踏ん張ったディーノは男色スープレックスでじいちゃんを後方に投げ飛ばす。さらにパンチを見舞おうとしたディーノだったが、じいちゃんは杖でカットして、そのままドラゴンスクリューの要領でひねってディーノの体を宙に舞わせる。ディーノはリップロックでじいちゃんの動きを止め、男色ドライバーへ。ダウンカウントが数えられたが、松井レフェリーとディーノがじいちゃんの股間を見ると「じいちゃんがたった!」。息を吹き返したどころか、動きが若返ったじいちゃんは、じいちゃんアップからチョークスラム。カウント2でディーノを起こしてショートレンジ・ラリアットからスワントーンボムを投下して3カウント。
第5試合は入江茂弘&彰人vs高木三四郎&高井憲吾のタッグマッチ。高木と彰人が先発。静かな立ち上がりだったが、高井vs入江の顔合わせになると、いきなりショルダーアタックの打ち合いと、激しく正面からぶつかり合う展開に。ボディースラムでの投げ合いでも、互いに意地を張り合う。彰人が高井の分厚くテーピングされている右ヒザに蹴りを入れると、高井の動きが止まってしまった。これを機に、高井の右ヒザに集中砲火を浴びせる入江&彰人。ローンバトルを強いられた高井だったが、入江にカウンターのフォアアームを決めて、ようやく高木とタッチ。高木は入江にミサイルキック、彰人にラリアット、入江にリバース・スプラッシュ、フットスタンプと一気に攻め立てる。入江にテディベアやランニング・フォアアーム、スクラップバスターなど反撃を許す場面もあったが長く続かず、すぐに自軍ペースに引き戻した。その後、高井が彰人につかまるシーンこそあったが、パワーで振りほどくと、エルボーの打ち合いからラリアットをカウンターで決め、でらホフボムにつないで勝利をもぎ取った。