セミファイナルはHARASHIMAがゴージャス松野、ケニー・オメガがDJニラをパートナーにタッグ対戦。ケニーのタッチを受けたニラが、松野にタッチせんとしたHARASHIMAに対し「来いよ、HARASHIMA」と宣戦布告するも、エルボー1発に倒れピクリとも動かなくなった。ケニーが腕を引っ張って自軍コーナーまで引きずると、ニラは「ワンモア!」と立ち上がる。「もっと手加減してよ」と言わんばかりにケニーから耳打ちされたHARASHIMAが超スローモーなエルボーを入れると、ニラは「これならいける!」と蘇生。ところがまったいけず、今度は替わった松野に攻め込まれる。いつになく猛攻を見せるこの日のゴージャス。その力強さは思わず世界ジュニアヘビー級王者がカットプレーに入るほど。相手コーナーに捕まったニラは「汚ねえぞ、2人がかりで。末代まで呪ってくれるわ」と恨み節を口にするが劣勢は変わらない。たまらずコーナーからケニーが「ニ~ラ」と緩くチャントを要請。松野はバズソーキックをかわされるとその場跳びムーンサルト……のつもりの後転を見せ、飯伏ムーブにオリジナリティーを勝手に加える。ニラがカウンターのロケットパンチでようやく反撃すると、ケニーが登場。HARASHIMAは山折りから蒼魔刀を狙ったが、ケニーを踏み台にしたニラが飛んできてロケットパンチで迎撃。ここでケニーが松野にクロイツラスを狙ったが、松野は久々に「空中松野チョップ」を解禁しこれを防御。最後はHARASHIMAのファルコンアローを受け「そうまトオ!」の掛け声も勇ましく蒼魔刀をニラに突き刺し完勝をあげた。試合後、亜門GMが「HARASHIMAさんとケニーに相談があります。後楽園で、夢のカードを組みたいと思いまして…HARASHIMAvsケニーのシングルマッチどうですか?」と振ると、HARASHIMAは了承。ケニーは「ドーデモイイデスヨ」とつれない返答をしたが、すぐに「ドーデモイイとヤリタイは同じ意味じゃないんですか?」と、日本語の使い方を間違った模様。このやりとりを倒れながら見ていたニラは「なんだよ、これじゃこの2人の前哨戦をやったようなもんじゃねえかよ! だったら俺たちも前哨戦だよ。こいつ(松野)とのシングルマッチだ」と主張。これを聞いた亜門GMは「じゃあ、2人の絡みはダークマッチででも」と即決。「なんだよダークマッチって!? 客入れ時に月光闇打ちマッチやるか」などとのニラの案は無視された。
ほもいろクローバーZ同士の6人タッグマッチとなったメインは、KUDO&大石真翔&みなみ飛香と男色ディーノ&彰人&福田洋の両チームがいっしょに入場し、まずはリング上で踊ったあとにディーノがマイク。「わたくし、この試合にひとつテーマを設けたい。それはズバリ、闘い! ほもクロは笑顔と歌とダンスで世の中を照らしてきましたが、そっちに偏りすぎたので、闘いを出していこうと。ただ、グルーヴ感は出さないといけないのではじめからガンガン曲はかけていきます」。その通り、開始のゴングと同時に曲が流される中、いきなりスタートのディーノと大石、福田による掘り合戦を除けば6人タッグマッチらしい正統的な展開が繰り広げられた。中盤からはディーノ組が大石にマッスルスタンプ(足踏みつけ)を連打。ディーノはそこへナイトメアーを施し、大石の足へ精神的ダメージを与える。ピンチに陥った大石だったが、ハートパンチで福田に反撃しKUDOとタッチ。ひとり活躍もその間、大石&飛香がセンター花道で踊りまくり始めたため3人がかりに捕まってしまう。ようやく反撃するも、コーナーには誰もいない。それでも同士打ちを誘ったKUDOは、福田にバズソーキックからダイビング・ニードロップをグサリ。大石と飛香は踊っているうちに勝ってしまった。終了のゴング後も曲は止まらず、リング内に戻ってきてからも大石と飛香が踊る中、1・29後楽園で無差別級王座を懸けて闘うKUDOとディーノがにらみ合い。ようやく曲が止まると、両雄は握手を交わしつつ未青年(飛香)の前でキスをかわし、6人いっしょに帰っていった。
メイン後には新春お年玉バトルロイヤルがおこなわれた。亜門GMより「選手は所定の位置からスタート。オーバー・ザ・トップロープは失格。優勝者には私から個人的にお年玉と豪華な副賞を贈ります」と説明があった。だが、1stRINGのシャッターが開くと、参加選手全員が外に集結しており、そのまま開始のゴングと同時に乱闘スタート。さっそく場外カウント20が数えられ、その時点でリングに上がっていない半分ぐらいの選手がまとめて失格扱いとなった。リング上では福田、翔太、佐々木、大石、ウラノ、石井、入江の順で失格。残りはHARASHIMA、マイケル、松野、ニラ、平田に。HARASHIMAがマイケルに蒼魔刀をヒットさせるも、フォールへいく前に平田が背後から丸め込み3カウントをせしめる。さらに蒼魔刀のダメージで動けぬマイケルを踏みつけピンフォール。松野も首固めでしとめニラと2人に。それまでいっさいの気配を消していたニラが放ったロケットパンチをかわした平田はエースクラッシャー。これを自力で返したニラは「何が福男だ! 俺は去年一年なんにもいいことがなかった! 俺はもう帰る。新春一発目DDT興行はバッドエンドだ!」と宣言し背中を向ける。これを気の毒に思った平田が「ひとつぐらいいいことが……」と言いながら不用意に近づくと、ニラはきびすを返してのリバース・ロケットパンチを突き刺し電撃3カウント奪取。2012年DDT福男はニラに決定した。試合後、お年玉を渡した亜門GMは「福男なんだから今年のDDTを引っ張っていって」と期待をこめつつ、副賞として「1月22日の千葉で大物とのシングルマッチを組みます。大日本プロレスの“黒天使”沼澤邪鬼です」と発表。嫌がるニラに笑顔で「じゃあ最後、ニラ締めて。ニラの曲がかかって興行終了にします」と無茶振りをする。ニラは「コレ(お年玉)で俺に与えた気になってんのか? 俺がおめえらに与えてやるんだ! 俺がその扉(サイドの花道奥)を出て、締めたら興行終了だ」とあくまでも自分流を貫き、フツーに歩いて扉を通り、締めて終了。ニラのテーマ曲は無音のため、客出しの曲がかからぬまま興行終了になるという、シュールな結末だった。