前説
「広島のお客さんが見たことない熱い試合をやりたい」と意気込む竹下がオープニングコール
今林久弥APの前説では次回広島大会が5月31日マリーナホップ初進出とアナウンスされてオープニングコールに竹下幸之介が登場。「リーグ戦なんで勝ちにこだわるのはもちろん、広島のお客さんが見たことない熱い試合を橋本選手とやりたい」と意気込みを述べて「DDT広島大会スタート!」とオープニングコール。
オープニングマッチ 30分一本勝負
中村が勝俣にドロップキックを放つと高梨がサミングから続こうとしたが、ロープに走ったところ勝俣にかわされてエプロンから彰人のドロップキックを食らって逆転を許す。その後は捕まった高梨だったが、彰人にドロップキックを放ってピンチを脱出。彰人も納谷にDDTを放つ。替わった渡瀬に納谷がニーリフト。中村が続いて絶品!を放つもかわされてしまう。彰人と勝俣の連係で追い込まれるも、渡瀬にブラジリアンキックを決めるなど意地をみせた中村だったが、直後のドロップキックで倒されてバックドロップでフォール負け。
第二試合 30分一本勝負
※前方回転エビ固めを切り返す。大石が第1446代アイアンマンヘビーメタル級王座の防衛に失敗、 パロマが第1447代王者となる。
ディーノのケツ掘りがパロマに効かない。逆にパロマがケツ掘り。耐えるディーノがグランドでのケツ掘り。パロマも返すが、ディーノのケツ掘りの威力が上。ぐったりするパロマにディーノと大石がナイトメア3D。大石がカバーするもカウント2。ディーノのナイトメアはカウント2。パロマもパロマボンバーで逆転。アントンがトペ・スイシーダをせんとしたが、キャンバスに足を取られてヒザを強打。ギブアップ寸前になるも、その前に創作昔話を披露するが内容は「もみじ饅頭」ではなく下ネタ。ディーノにサミングが決まるも、大石にはかわされてパロマの乳首を摘まむ結果に。パロマのごんぎつねもアントンに乳首へ。その間に大石はディーノをコーナーに乗せて尻出し。大石がパロマを地獄門に沈めんとしたがパロマが切り返す。パロマが大石を捕獲も、アントンのごんぎつねは失敗してディーノの地獄門へ。大石がパロマに回転エビ固めも、アントンがアナルぎつねでカットして、パロマがその勢いで丸め込み返した。この結果、アイアンマンが移動。
第三試合 30分一本勝負
このツアーでいいところがなかった平田が先発を買って出るも奇襲されて試合スタート。場外戦からリングに戻ってきても平田がローンバトルを強いられる。平田は大和にミサイルキックを放ち、ピンチを抜け出すと大鷲が一気呵成の攻め。平田がタッチを求めるも受けたのは剣心。剣心が大和にスリングブレイド。剣心は平田にタッチしてしまう。トレイン攻撃はあっさりかわされてしまうとDAMNATIONに攻め込まれる。しかし、平田が遠藤に手刀。「?」の遠藤だが佐々木の指示で死んだフリ。気づかずに踊る平田だったがトーチャーラックで担ぎ上げられてしまう。平田も丸め込みで抵抗するが堪えた遠藤が顔面踏み付けからゆりかもめでギブアップを奪った。
第四試合 30分一本勝負
Bブロック公式リーグ戦
※ランニング・エルボーバット
ゴングから接触を嫌った高尾が場外に出ると吉村が追いかける。すると高尾はリングイン。いら立つ吉村がリング内に戻ろうとすると、高尾がロープを蹴り上げ急所攻撃。そこから場外戦に。高尾が場外でDDT。吉村は場外カウント19でリング内に戻ると、高尾が背中にセカンドコーナーからのダイビング・フットスタンプ。延髄斬りからDDTを放つもカウント2。高尾のブレーンバスター狙いを吉村は返し、ボディスラム。コーナーで吉村は串刺しラリアットを連発。ベアハッグの体勢から後方へのスープレックスを決めるがカウント2。続けて吉村が滞空式のブレーンバスターを放ちカウント2。高尾がダウン。吉村が抱え上げると高尾が着地しエルボー。吉村もチョップを返し打ち合いに。吉村がダブルハンマーで打ち勝つが、高尾はトラースキックを連発しフォールに入るもカウントは2。高尾のトップコーナーからのダイビング・フットスタンプを交わした吉村がカウンターの払い腰。高尾が丸め込みを連発するも吉村がカウント2で肩を上げる。高尾はエルボーからジントニックを狙うも、吉村はシットダウン・パワーボムで返す。続けてラリアットを決めるがカウント2。吉村は正念場を狙うが、高尾は着地。吉村を松井レフェリーにぶつけようとするが、耐えた吉村がロープに走ると自らもロープに走りランニング・エルボーバットを炸裂させる。そのまま高尾が抑え込むと3カウント。納得のいかない吉村は松井レフェリーに詰め寄るが、止めに入る中村をチョークスラムで投げ捨て怒りを露わにした。
【試合後のコメント】
吉村 ふざけんなよ! 終わってへんやろ、今の返しとったろ! 見とったか!? 完全に返しとったろ!
――タッグ王者の高尾選手に敗北となったが。
吉村 そんなもん知るか! ボコボコにするつもりでボコボコにしてて、最後返してんのにスリー入ってて、おかしいと思わへんのか!
――レフェリーが3カウント入れてしまった。
吉村 もうあと1戦しかないよな、その1戦も同じ、佐々木大輔。KO-Dタッグチャンピオンやろ。今日こんな負け方して、次の俺の試合、最終戦、どんな手使ってでもアイツから3カウントとったるからな。覚えとけ!
高尾 何もねえよ。ただ、最後のチビ、ハゲがチョークスラム食らってるのかわいそうだ。それしか思ってねえよ。かわいそうじゃねえか、アレ? 関係ないだろ、アイツ。かわいそうだよ、アイツ。DDT辞めたらどうすんだよ。オマエが責任取れるのか? オマエが練習生やるか? かわいそうじゃねえか、アイツ。
――押されながらも勝利したが。
高尾 押されてねえよ! 勝ってんだろ、どういうことだよ!
――3カウントは入ったが。
高尾 取ってんだよ、勝ちじゃねえか。
――吉村選手は不満があるようだが。
高尾 負けてんじゃねえか、アイツ! 完全な勝利だよ。明日から欠場だろ。
――吉村選手はタッグ王者を狙ってるようだが。
高尾 俺は意識してねえよ。ただアイツがかわいそうだってだけだ、ハゲが。興味があんのか、このベルト? 知らねえけど。じゃああげればいいか、このベルト? いまからあげにいけばいいか? それで満足か? ほしいなら土産で家に持ってってやるよ。
第五試合 30分一本勝負
ロックアップから試合はスタート。上野がロープに押し込み張っていくと、怒りの飯野はタックルで返す。ボディスラムからハカエルボーを狙うが上野が立ち上がってフライングクロスボディを放つも、飯野がキャッチ。上野が脱出しロープを使ってのスタンガン。続いて上野がエプロンを超えてのストンピングを浴びせる。上野は飯野の顔面にニードロップ。立ち上がった飯野はチョップを放つが、上野は冷静にスリーパーで捕まえる。飯野はロープブレイク。それでも上野はスリーパーでしつこく絞り上げていく。飯野は立ち上がり力ずくで外す。上野がランニングエルボーを放つが飯野に跳ね返される。飯野のブレーンバスター狙いを着地した上野はロープに走るが、飯野がキャッチしてバックフリップ。上野が再びスリーパーホールド、飯野はアルゼンチン・バックブリーカーの形で担ぎ上げ後方へ叩き付ける。飯野がコーナーへの串刺しタックルを連発しブレーンバスター。上野はカウント2で返す。「終わりだー!」と飯野が叫ぶとアルゼンチン・バックブリーカー。上野は脱出すると、飯野がチョップを連発。ヘッドバットを放ちロープに走ったところを、上野がカウンターのドロップキック。飯野をロープにもたれかからせ、背中へのブロンコバスター。上野がコーナーから後頭部にミサイルキック。カウントは2。上野はおっぴろげアタックから、飯野をコーナーに乗せると、雪崩式フランケンシュタイナー。上野はキャメルクラッチで締め上げる。長時間捕まった飯野だが、そのまま肩車に担ぎ上げると、コーナーに顔面を叩き付け投げっぱなしジャーマンからラリアット。上野はカウント2で返す。飯野の再度のジャーマン狙いを上野が耐えてハーフネルソン・スープレックス。上野は気合を入れロープに走るが、飯野は左のラリアットからババボム。飯野は長座の状態の上野に低空タックルからダウンバースト。距離を取った飯野がスピアを決めるとカウント3。飯野が望みをつなぐ勝ち点6とした。
【試合後のコメント】
上野 リーグ戦がすべて終わってしまいました。おそらく優勝決定戦にも残る見込みはなくて、これはD王始まる前だったら、走り切っただけでよかったのかもしれないですけど、このD王GPは悔しい思いをたくさんしました。とくに今日の飯野への負けというのは、絶対に忘れないです。
――飯野選手だから特別負けたくない?
上野 飯野はデビューに関しては半年ぐらいしか変わらないんですけど、デビュー戦の相手をしたりとかもあったんで。意識する部分があったんですけど、いやあ、負けましたね。飯野だからというよりは、自分の負けっぷりに腹が立ちますね。
飯野 3勝目、勝つことができました。3勝2敗、あと1勝すればまだ決勝までの道はありますよね? 最後橋本さんに勝って、頑張っていきたいと思います。でも、今日の反省点としては、最初の上野さんの頭いいというか、テクニックで完璧に最初やられて、攻め込まれて、首もやられて、最初どうなるかと思ったんですけど、なんとか最後はスピア決まって。これで橋本さんに臨むわけですけど、このままじゃ自分は勝てないと思うので、もっともっとこの3日間、調整して頑張りたいと思います。
――先輩からの勝利も増えていっている。
飯野 今回は勢いでいけてるので、それは勝ちとはあれなんですけど、自分の悪いところは一回勝ってホッとじゃないですけど、気を抜いて勝ったからいいやと思っちゃう時があるんで、それをなくしてずっとずっと緊張感を持って、緊張感はあるんですけど、そこをもっと固めていきたい。そしたらもっと勝利は増えると思うので、もっともっと勝敗を増やして頑張っていきたいと思います。
第六試合 30分一本勝負
クリスは握手から水を噴射するも石井がかわしてゴング。両者攻撃をかわし合いが続くが、クリスの水噴射を石井が食らってしまう。クリスは石井の両手を踏んでから、顔面への低空ドロップキック。試合は場外戦へ。石井がクリスを鉄柱に激突させる。リングに戻ると、石井のチンロックはクリスがロープへ逃げる。クリスが強烈なチョップを浴びせるが石井もチョップで返す。突っ込んできた石井をクリスが止めると、背中へのダイビング・セントーン。場外に落ちた石井にクリスがトペ・スイシーダ。クリスが鉄柱を使い石井の右腕を痛めつける。クリスは石井をリング内に戻すと、オクトパス・ストレッチ。グラウンド状態になるとクリスはさらに足まで固めるが、石井は何とかロープへ。石井はエルボーを返すが、クリスはソバットで動きを止め場外に落とす。クリスが場外でのオクトパス・ストレッチ。場外カウントが進み、クリスは解除しリングに戻ると、石井はカウント19で滑り込む。チョップの打ち合いから石井がランニング・ビッグブーツ。続けての低空ニーアタックをクリスはかわすが、石井は背中へのダブルニードロップ。さらに蹴り上げて、側頭部への低空ニーアタック。カウントは2。ロープに走った石井にクリスはカウンターで飛び付き式のオクトパス・ストレッチ。石井は何とかロープブレイク。クリスはプレイングマンティスボムを狙うが、石井が返し延髄斬り。クリスのニーアタックに石井もニーアタックで返すと、石井は水面蹴りからダブルニードロップの波状攻撃。石井が部ブレーンバスターの体勢で投げようとすると、クリスはロープを使ってのマジックスクリューで返し、立ち上がった石井もフィッシャーマンバスター。両者ダウン。立ち上がった石井がコーナーに上ると、クリスが追いかけるが、石井がクリスの顔面をコーナーに叩き付け脱出。石井が再びコーナーに上がると、クリスがサイド追いかけ雪崩式ダブルアーム・スープレックス。クリスがエプロンからの飛びつき式のカッター。カウントは2。クリスがプレイングマンティスボム狙うが石井は耐えて、高角度ダブルアームDDT狙い。クリスも返すと、石井がエルボー。すると互いに片腕を掴んだままエルボー合戦。石井が打ち勝ち、投げっぱなしジャーマンから両腕極めドライバー。クリスはカウント2で返す。石井はタイガースープレックスを狙うがこれをクリスは丸め込み。カウント2で石井が返すと、走った石井にクリスがビッグブーツ。石井もビッグブーツを返し、クリスのラリアット狙いをかわした石井がニールキックを放つが、これをクリスがかわしてニーアタック。ぐったりとした石井にクリスがプレイングマンティスボムを決めて3カウントを奪取。クリスが決勝進出への望みを繋ぐ勝ち点5とした。
試合後、クリスがマイクを持つと最初「ハジメマシテ、ヒロシマ。ワタシノナマエハ、クリス・ブルックス、デス!」と日本語で挨拶をし、英語で史上初のD王GP外国人チャンピオンになることを広島のファンに約束した。
【試合後のコメント】
石井 今日勝てばAブロック1位通過だったと思ったけど、研究重ねたけど警戒してた技を、3つのうち2つ食らってしまった。ダメージは今日大きかったけど、次の遠藤戦、勝つしかないね。勝てば大丈夫でしょ。今日負けたぐらいで勢い落ちるわけでもないんで。次勝つとしか言えないですよね。
――改めてクリス選手はどう感じた?
石井 身長というのは武器だと思ったけど、この体型でプロレスラーとしてプライド持ってるんで、背高い人に負けてられないですよ。でも脅威だったのは確かですね。また頑張ります。
クリス 2勝目をもぎ取った。この週末で、これまでの流れが変わった。とうとう竹下と当たるけど、これで勝てば本当に流れが変わる。
――ハードヒットな試合も得意?
クリス イエス。状況的にそういくしかないと、追い込まれた部分はある。ハードにいくことは、D王で勝つためには必要なことだと感じ始めてる。
――改めて竹下戦については?
クリス これまで竹下とは大きな試合もやったことがあるし、これまで一番接してきたレスラーでもあるから、D王で誰よりも竹下に対しては準備している。
アイアンマンヘビーメタル級選手権試合
※パロマが防衛に失敗、大石が第1448代王者となる。
休憩時間が終わろうとする中、パロマと大石がリングに雪崩れ込んでくる。大石がロープに走ると、パロマがカウンターのフライングニールキック。さらに恍惚を極めようとすると、下から大石が丸め込み3カウント。大石がアイアンマンの奪還に成功した。
セミファイナル 30分一本勝負
HARASHIMAはタックルに行くもブルは倒れず。ブルは上からプレッシャーをかけていく。HARASHIMAはグラウンドに引き込もうとするが、ブルは付き合わず。タックルをがぶったブルの腕を取り関節を極めるHARASHIMAだが、ブルはすぐにロープへ。再びバックの取り合いから主導権の奪い合いに。HARASHIMAのフロントネックロックをブルは簡単にボディスラムで脱出し、強烈なタックル。ブルは力でHARASHIMAの足首をひねり上げる。さらにブルは足首を踏み付け、足首を固めていく。ブルの意外なテクニシャンぶりに苦しめられるHARASHIMAだが、コーナーに突進したブルにエルボーからのドラゴンスクリューで逆転。ダウンしたブルの足を「ほら痛いだろー!」と言いながら踏み付けていく。HARASHIMAはお返しとばかりにブルの足に集中砲火。HARASHIMAが足4の字固め。ブルがリバースするとHARASHIMAが悶絶。HARASHIMAがさらに返しブルにダメージを与えていくがまたもブルに裏返されてしまう。両者もつれるようにロープへ。立ち上がったHARASHIMAが走るとブルがカウンターのスパインバスター。カウントは2。エルボーの打ち合いになるが、HARASHIMAはローキックを放つとブルもローキック。ローキックの打ち合いへ。HARASHIMAがローキックからミドルキック、ハイキックでダウンを奪い、スワンダイブ式ボディプレス。カウント2。突進するブルをかわしたHARASHIMAが再びスワンダイブで飛ぶが、これをブルはキャッチしてマットに叩き付ける。カウント2でHARASHIMAが返す。追撃しようとするブルにHARASHIMAが延髄斬りから山折り狙いも失敗。HARASHIMAがハイキックでブルをダウンさせから蒼魔刀を狙うがブルが前蹴りで迎撃。コーナーからドインクドロップを狙うも足のダメージでコーナーに上がれず、そこへHARASHIMAがハイキックから顔面にソバット、距離を取って蒼魔刀を決めると3カウント。HARASHIMAが最終公式戦の田中戦に向け、1敗をキープした。
試合後、HARASHIMAはマイクを持ち「D王GP、Bブロック、田中将斗選手、独走してます。僕はこの3連戦、3連勝しました。まだまだ追い付きます! 最終戦の原宿、皆さん期待していてください!」と田中戦必勝を誓った。
【試合後のコメント】
――最後、コーナーに上がれれば勝てた?
ブル ダメージが大きすぎて、HARASHIMAも同じように痛めてたけど、自分はダメージが大きすぎた。3カウントを聞いた時、頭がフラフラして何が起こったかわからなかった。もうファイナルにいけないんだけど、ここで得たことは本当に大きいし、自分にとってひじょうに誇りになってる。またDDTに呼んでもらえるかもしれないし、ニューヨークに帰っても自分のなかで誇りとしてある。
HARASHIMA ブル・ジェームス、初めて闘って、やっぱあの体が凶器だよね。あんな大きくて。すごいプロレスのテクニックも持ってるけど、今回僕が蹴ったローに関して意地を張ってきてくれたことが僕の勝因かなと。付き合いに乗ってくれたので。ああいう打撃戦になったら僕は負けるわけにいかないんで。歯を食いしばって耐えて頑張りましたよ。
――ああいう蹴りあいになったのは意外だった?
HARASHIMA そうですね。日本を楽しんでるのか、僕を楽しんでくれたのかわからないですけど。僕もこんなに歩み寄ってくれるんだと思って、やってて楽しかったですね。ホント僕の勝てた理由としては、こっちのペースにまんまと乗ってくれたというか、引きずり込めたのが勝因ですね。
――残るは田中戦だが。
HARASHIMA この3連戦じゃなくても、僕は全部勝つつもりと言ってたんで。この3連戦を全部勝つと言ったことはできたので、最後の原宿、田中将斗戦ガッチリやるだけですよ。他団体の選手なのに、D王GPということでホント独走されちゃってるんで。そこは悔しいので、僕はDDTを背負って12月15原宿、勝ちにいきたいと思います。
メインイベント 30分一本勝負
両者ガッチリと握手から試合はスタート。腕の取り合いから、互角のグラウンドを繰り広げる。続いてレスリングの攻防となると、橋本が竹下をコントロール。竹下はたまらず場外へ。竹下は思わず「強っ!」とつぶやく。竹下は橋本を場外に引きずりだし、エプロンに叩き付ける。鉄柱に叩き付けようとするが、逆に竹下が鉄柱に叩き付けられてしまう。竹下は客席に座らせた橋本にランニング・ビッグブーツを叩きこむ。リング内に戻してカバーも橋本はカウント1でキックアウト。竹下はコーナーで橋本の顔面を踏み付ける。竹下はDDTからカバーもカウント2。竹下はスリーパーホールドでギブアップを迫る。何とか橋本がロープへ逃げると、竹下は橋本の足を関節技で捕らえる。橋本はこれも何とかロープへ。橋本はエルボーで逆転しようとするが、竹下は効かず「もっとこいや!」と叫びエルボーを打たせる。竹下はお返しに強烈なエルボー。続けてブレーンバスターを狙うが、橋本が逆に投げ返す。橋本のローリングセントーンはカウント2。橋本がコブラツイストも竹下が投げて脱出。竹下はビッグブーツからラリアットを狙うも橋本はエルボー。しかし竹下は両手を踏みつけ、ロープへ走ると、橋本は素早くバックに回り込みオブライトを狙うが手のダメージ上げられず。竹下はビッグブーツ。橋本はエプロンへ。追撃する竹下を止めて、橋本はリング中央でオブライトの体勢に捕らえるが、竹下は橋本にクラッチされたまま場外に転がり出る。場外で両者はエルボーの打ち合い。竹下はヘッドバットから橋本をエプロンに乗せると、ジャーマン狙い。橋本が堪えて、エプロンで投げっぱなしジャーマン。場外に落ちた竹下だったが立ち上がってエプロン上の橋本にザーヒー。両者ダウン。場外カウントが進むが、カウント19で両者リングへ戻る。橋本のスピアを竹下は耐えるが、橋本は水車落とし。橋本がコーナーからローリングセントーン。カウントは2。再びコーナーに上った橋本を竹下は追いかけ、雪崩式ブレーンバスター。追撃を狙う竹下はコーナーに上がるが、橋本が追いかけ、お返しの雪崩式ブレーンバスター。両者ダウン。ダブルダウンカウントが数えられる。何とか立ち上がった両者はエルボーの打ち合い。打ち勝ったのは竹下。助走をつけての強烈なラリアットを放つが、カウント2で橋本が返す。串刺しのビッグブーツから垂直落下式ブレーンバスター。さらにロープに走ってからのラリアット。これもカウント2で橋本はキックアウト。竹下がジャーマンを狙うが橋本が耐え、ロープへ逃げるが、竹下はクラッチを離さず。止めに入る松井レフェリーを竹下が振り払うと松井レフェリーがダウン。松井レフェリーに気を取られた竹下に橋本が投げっぱなしジャーマン。立て続けにスピア。しかしカウント2で竹下は返す。立ち上がった竹下が投げっぱなしジャーマンを放つと橋本は立ち上がり、ラリアットの相打ちとなるが、橋本のラリアットが打ち勝つ。橋本が投げっぱなしパワーボム。カウント2。満を持してオブライト狙いの橋本だが、互いにバックの取り合いとなる中で竹下がジャーマン・スープレックス・ホールド。これが決まると橋本も返せず3カウント。試合後両者は座礼で互いの健闘を称え合った。混戦のAブロックで竹下が決勝進出へ大きく前進した。
「もっともっと自分のオブライトを磨きあげていきたい」(橋本)「ジャーマン・スープレックスへの愛をお互い確かめ合う試合だった」(竹下)
試合後、竹下がマイクを取る。竹下「ホンマに強い、あかん、強すぎる……。でも、そのセンダイガールズプロレスリング・橋本千紘に勝った俺は、もっと強いんちゃいますかね。正直、言葉も何も出てこないです。この勝ちはホントに嬉しいもので、D王GPの勝ち星でもありますけど、僕の大きく言ってしまえば、プロレス人生に残る勝ち星だと思ってます。橋本選手、ありがとうございました。D王GP、これでなんとか自分もまだまだ決勝にいく可能性残したんで、今年のD王GPも優勝して2連覇を達成し、再びKO-D無差別のベルトを自分の腰に巻きたいと思います。広島のお客さんの前でも、もう一度自分が無差別のベルトを巻いている姿を見せたいと思います。DDTプロレスリング、次回広島大会は……5月! 5月にもありますんで、今日来たお客さんはぜひ、ご予定があえばまた見に来てください。本日はありがとうございました!」
【試合後のコメント】
橋本 3連戦で3連敗して、優勝の望みはもうなくなったかもしれないんですけど、やっぱ竹下選手はこのD王GPだけじゃなくて、同世代としても意識している選手なので。自分も女子プロレスを引っ張っていくつもりでいますし、竹下選手もそういうつもりでいると思うので、この闘い、今日で終わりじゃなくて、もっともっと1年後でも2年後でも3年後でも、またやれた時には自分が、勝ちます。そしてD王GPあと一戦、飯野と対戦が残ってるんですけど、もうそれは自分と飯野の闘い、一回勝ってるので次はボコボコにして、飯野が悔しがる姿、見たいと思います。次は必ず勝つので、最高の「ぎゅん!」をしたいと思います。
――今まで闘ってきた男子選手とどこが違った?
橋本 自分が踏ん張ってというか、勝手に持っていかれてしまうというか、踏ん張り切れなくてジャーマンも投げられてしまいますし、やっぱ力の差はすごく感じたんですけど、もっともっと自分も体もパワーアップして技術も上げて、闘えるようになっていきたいと思います。
――ジャーマンで投げ捨てることはできたが、オブライトまではいかなかった。
橋本 ホールドとなると、ぜんぜんいけなかったので。あと、ジャーマン投げられた時になんか全身がビリビリきて、もうこのジャーマン、自分もできてるのかわからないですけど、やっぱジャーマン・スープレックスをフィニッシュに使っている選手というのは、こんなにすごいんだというのを自分で再認識できたので。もっともっと自分のオブライトというジャーマンも、磨きあげていきたいなと思います。
――レスリング勝負になるシーンもあったが。
橋本 そこでは、竹下選手もレスリングをやってたとはいえ、絶対に負けれない闘いで。最初ちょっとポイント取られちゃったんですけど、そこで火がついたというのもおかしいですけど、あれはあれですごく新鮮で女子にはできない闘いだったので。またやりたいなと思います。
竹下 どうでしたか?
――男子vs女子というより、まさに勝負になっていた。
竹下 男vs女と言われがちですけど、もっと大きくみればレスラーvsレスラー、人間vs人間ということですね。男が狩りに出て女が家を守る時代は終わってますんでね。女が男にラリアットで打ち勝つ時代なので。しゃあないです、強いんだから。僕も練習さぼってるわけじゃないですけど、今日勝ってもなお、もっと練習しないとなと思わされました。正直公式戦のなかでは一番……まだ終わってないですけどね、クリスとの試合も自分のなかですごいモチベーションなんですけど、橋本戦というのは懸けてたんで。僕も試されてたけど、橋本選手も試されてたと思うので。ぶつけ合いました、投げ合いましたね。まさかエプロンで投げられるとは思ってなかったですけど。あれで、久しぶりにどっかいきましたね、体がどっかいきました。
――お互いがジャーマンを狙ったが、どの差が勝敗を分けた?
竹下 僕、試合中に指踏んだでしょ? あれでちょっとクラッチゆるくなったような気がします。ジャーマン得意なんで、僕。ジャーマンで卒業論文を書いて日体大を卒業しているので。ジャーマンってやっぱり腰とか足よりも、クラッチ大事なんですよ。それを論文で書いてるんで、僕は。クラッチの重要性を。その差かもしれないです。僕の論文結果、論文の証明をまたきょうもしてしまいましたよね。橋本選手のジャーマン合戦で。まあ橋本選手はオブライト。橋本選手も日大でオブライトで卒業論文書いてたら、もしかしたらきょう僕は負けてたかもしれないです。ジャーマンへの愛、ジャーマン・スープレックスへの愛、オブライトへの愛を、お互いに確かめ合うような試合でした。
――序盤のレスリング勝負ではポイントを取られていた。
竹下 まあ、試合に勝ってレスリングには負けたみたいなもんですよ。試合には勝ってるんで。レスリングでは負けた。正直、なんであそこアマレス勝負したかというと、僕も小学校の時、大阪の吹田アマチュアレスリングチーム、一番小学校では有名なところなんですよ。橋本選手は高校からレスリングを始めたらしく、だいたいね、アマレスでも圧勝して試合の序盤で心を折ったろうと思ってたんですけど、わりとすんなり心を折られましたね。たぶん8-2ぐらいで負けてる。ホンマに強いんで。
――怪物級なものを感じた?
竹下 いやあ、それは高校、大学と本気でオリンピック目指してレスリングやってた人と、小学校しかやってないアレでは全然ダメです。それはわかってます、わかってるんですけど、いけると思ってたんですよ。体格差あるし。そういう問題じゃないんすね。次シングルマッチする時は、もちろんその時も勝つし、アマレスでも勝つ。アマレスの練習もしとこうと思います。飯野と。飯野、橋本戦が残ってるでしょ。なんか飯野にも勝たせたい、橋本選手に。自信つけさせたい。1週間もないか。土曜日まで特訓したいと思います。