前説
「ガンバレ☆プロレス代表としてDDTの大黒柱を倒します!」(石井)
今林久弥アシタントプロデューサーと井上マイクリングアナウンサーがリングイン。D王TOTOの紹介、今後のD王GPのスケジュールなどの各種アナウンスを行った後に、全対戦カード発表と見所紹介があり、石井が登場。昨日の敗戦を反省しつつ本日の竹下戦に向け「ガンバレ☆プロレス代表としてDDTの大黒柱を倒します!」と力強く宣言し、「横浜大会スタート!」のオープニングコールで大会がスタートした。
オープニングマッチ 時間無制限勝負
アイアンマンヘビーメタル級選手権時間差入場バトルロイヤル
第1入場者は王者大石。第2入場者中村が入場し開始のゴング。中村はいきなりマイクを要求し「僕はアイアンマンを獲るためにDDTに入ったんで、今大石さんだったら最大のチャンスだと思うので、大石さん、獲らせていただきます。宜しくお願いします」と宣言するや握手から首固めを仕掛けるもカウントは2。怒りの大石は猛攻を仕掛けるも、中村がドロップキックで一矢報いる。中村のスワンダイブ式ミサイルキックは自爆。第3入場者、納谷が入場するやマイクを持つ。「大石さん、俺もアイアンマンチャンピオンになるためにDDTに移籍して来たんです。あなたなら勝てます」と言うや否や納谷がガットショットから首固めも大石はカウント2で返す。納谷がチョークスラムで叩きつけるも中村がカット。第4入場者、渡瀬が入場。渡瀬はマイクを持つと「大石さん、何後輩に舐められてるんですか。俺は大石さんに憧れてプロレスラーになったんすよ! 小学校の時にテレビで見てた、アイアンマンのベルトを巻いた大石さんに憧れてプロレスラーになったんだ! 大石さん、立て!」というと何とか立ち上がりかけた大石に渡瀬がミサイルキック。フォールに入ると納谷がカット。渡瀬が納谷に延髄斬り。中村が納谷にスワンダイブ式ミサイルキック。第4入場者、高梨が入場。マイクを持つが大の字で動かない大石の様子を見てフォールに入るも全員からカットされる。高梨が集中砲火を浴びるも、高梨が巧みに切り返し、大石にチンクラッシャーからタカタニックを狙うが大石は何とか脱出。第5入場者、大和が入場。マイクを持つや自身のテーマ曲を熱唱。リングの周りを大和が歌いながら歩く中、リング内では闘いが続く。大和が曲を歌い切ると翌日の君津大会の告知と共にアイアンマンを獲得して4冠王になると宣言。高梨に丸め込まれるもカウント2で大和は返す。全員から袋叩きになるも大和はXを連発してピンチを脱出。大石にボディスラムを決め、コーナーに上るとたっぷりと明日の君津大会を宣伝。スーパー大Xを狙うとしたところ納谷が突き落とし、大和がオーバー・ザ・トップロープで退場。中村が納谷に向かっていくが歯が立たず。納谷にドロップキックを連発するが納谷がラリアットで一蹴すると3カウントが入り中村が退場。納谷が大石をフェイスロックで捕らえると最終入場者のアントンが入場。リングインしようとしたところで膝を負傷。ギブアップしかけるも創作昔話『ごんぎつね』の披露を懇願。結果パピコではなくチンコだった。サミングを狙うも納谷に止められる。高梨と大石と渡瀬も加勢。全員で「うんとこどっこいしょ」とアントンのごんぎつねで納谷の乳首を攻撃すると、納谷がリングアウトし退場。アントンは返す刀でサミングを高梨と渡瀬に決めるとそのまま場外に追放し失格に追い込む。大石は命乞い。アントンのサミングを大石がかわすとスタナーからミラクル・エクスタシーを狙うが、アントンがかわしてドラゴンスクリュー。シャイニングのごんぎつねを狙うが、大石が逆にアントンの乳首を掴ませる。悶絶するアントンを大石は丸め込もうとするが、アントンが上からごんぎつねを落としフォールに入るとこれで3カウント。アントンが新王者となった。
アイアンマンヘビーメタル級選手権試合
※アントンが防衛に失敗、大石が1446代王者となる。
勝ち名乗りを上げるアントンに大石が握手を求め健闘を称えるフリをすると、直伝トルネードクラッチで丸め込みベルトの奪還に成功した。
第二試合 30分一本勝負
先発は大鷲と彰人。大鷲は大鷲コールを煽る。スピーディーな攻撃で彰人がペースを掴むが、大鷲はルチャで対応。続いて平田と勝俣。勝俣がスピードで平田を翻弄、彰人を呼び込み連係攻撃を見せる。飯野と勝俣の合体式プレスを見せるも、飯野の勢いが強過ぎ勝俣までも大ダメージ。ここから平田が捕まる展開が続く。平田がコルバタで逆転するや大鷲にタッチ。大鷲がビッグブーツからルチャで全員を蹴散らす。すると平田が「大鷲さん! 今日の裏テーマがあるでしょ! それはHARASHIMAさんの体力を温存させることです! リーグ戦が無い僕も目立ちたい!」とタッチを要求。大鷲は無視してHARASHIMAにタッチ。飯野とHARASHIMAの対戦に。HARASHIMAがスワンダイブ式のボディアタック。カウント2。ブレーンバスターは飯野が投げ返して、カウント2。HARASHIMAの強烈なミドルキックが飯野を襲う。飯野も逆水平チョップで返す。キックとチョップの打ち合いの中らラリアットは相打ちも、HARASHIMAのバックスピンキックで飯野がダウン。HARASHIMAは平田にタッチ。平田のラリアットは飯野が逆にラリアット。彰人の膝蹴りから飯野がバックフリップ。勝俣がダイビング・フットスタンプ。カウント2。ALL OUTがコーナートレイン攻撃。最後の飯野を平田がかわすとDISASTER BOXが反撃のトレイン攻撃。HARASHIMAと大鷲の顔面蹴りと延髄斬りの合体技から、平田がロープに走るも飯野がカウンターのダブルハンマー。飯野がベアハッグ。平田はモンゴリアン・チョップで脱出。そして手刀で彰人と勝俣を蹴散らす。平田がメガネを装着しTOKYO GO!が流れ始めると、平田のダンスに飯野はハカで対抗。飯野が押されると彰人と勝俣もハカで加勢。するとHARASHIMAと大鷲がダンスで加勢。最終的には両チーム全員でTOKYO GO!に乗りながらハカ。DISASTER BOXが3人同時に横入り式エビ固めに入るも、カウントは2。最後は飯野が平田にボディスラムからハカエルボーを決め、3カウントを奪った。
第三試合 30分一本勝負
吉村がタックルで奇襲しゴング。吉村が豪快なパワースラムを決めるもカウント2。ブレーンバスターで投げ切るがこれもカウント2。吉村はコーナーで串刺しラリアット連発。エクスプロイダーもカウント2。吉村のパワーボム狙いも坂口は着地し、ミドルキックの連打からハイキックで吉村からダウンを奪う。坂口は脱いだTシャツを吉村に投げ付け蹴りを放つと、吉村は逆水平チョップを返す。坂口もミドルキックで対抗。強烈なチョップとキックの打ち合い。坂口がダッシュミドル。続けて放った神の右膝を吉村はキャッチして叩きつける。吉村が投げを狙って抱え上げるが、坂口は絡みついてスリーパー・ホールド。坂口は自ら解除して、吉村の背中に膝蹴り。グラついた吉村に坂口が正面から神の右膝を叩き込みカウント3を奪取。坂口がリーグ戦の星取りを五分に戻した。
【試合後のコメント】
坂口 昨日も言ったようにね、勝った負けたもあるけど、楽しかった。吉村、面白かったな。きっちりいいケンカ送ってきてくれて、感謝してる。いい闘いができた。それだけだ。勝った負けたはその次だから。俺は満足してる、すごい。まあ自分の生き様みたいな試合ができるので、本当満足してる。ただ強いな、アイツも。やばいな。
――奇襲で吉村選手の気持ちを感じた?
坂口 常套手段だからね、奇襲。そういうものがちょっと、俺の中で失われていたものを思い出させてもらった。思い出したから俺もガウンかけて蹴っとばしてやったけど、そういう気持ちにさせてくれる相手がDDTにいるというのは俺は嬉しいよ。だからすごく満足。
吉村 気づいたら終わってましたね。坂口さんが強いのは全員わかってる通りやと思うし、だからこそ先手・先手仕掛けて、どうしても勝ちたかったから。前々から坂口さんとは1対1でやり合いたくて。だからこそ全部をぶつけようと思ったけど、こんな結果っすね。結果から言うとD王で2連敗。まだまだ、まだ終わらないです。今日に関しては勝ち負けももちろんあって、こんなに悔しいこともないんやけど、それ以上にやり合いたかった人と試合ができて自分の中で嬉しかったし、次やる時は同じ結果には絶対しないです。
第四試合 30分一本勝負
ブルの握手を高尾は拒否。ゴングが鳴るや高尾は自らロープへもたれかかり、ロープブレイク。ブルをけん制する。ブルは腕を取る攻防の中で指を1本掴み反則を取られる。続いてレフェリーに確認しながら指3本を掴み腕をひねり上げると、高尾はサミングで脱出。高尾はエルボーからロープに走るもブルの強烈なタックル。高尾は場外に逃げる。場外カウントが進む中、高尾は客席に座り息を整える。高尾がようやくリングインすると、ブルがガットショットから背中に強烈なハンマーパンチ。高尾は悶絶。倒れた高尾にブルは膝を落としていく。高尾はボディへのエルボーを返すが、ブルは高尾の口に手を突っ込みぶん投げるという荒技。これはカウント2。ブルは強烈なストンピングから勝利を確信しボディスラム。エルボー・ドロップは高尾がかわし、ドロップキックを連発。続けてミサイルキックを放つもブルは倒れず。高尾は低空ドロップキックから回転エビ固めを狙うが、ブルに抱え上げられるも何とか回避。高尾がトラースキックを連発し、ジントニックを狙う。しかしブルはパワーボムで返す。ブルはコーナーを指さし、ドインクドロップを狙うも高尾がかわす。高尾は松井レフェリーを盾にし、ブルの追撃を阻止すると、レフェリーの死角を突いて赤い毒霧。試合を奪われたブルを十字架固めで丸め込み3カウントを奪取。高尾がリーグ戦1勝目を上げた。
【試合後のコメント】
高尾 俺の勝ちだけどよ、なんであんなヘビー級のヤツがこのリーグ戦いるんだよ。スーパーヘビー級じゃねえか。どういうことだよ! 会社は嫌いか、俺たちが。カリスマや高尾蒼馬が嫌いか? 背が低い俺らが、ちっちゃい俺らが。
――もともとエントリーされている選手ですから……。
高尾 おかしいだろ! 子供とか入れとけよ。子供とか入れたら、俺らがスーパーヘビー級になれるだろ。
――子供は参加できない……。
高尾 じゃあ大人でいいよ。
――ブル・ジェームス選手は大人ですよね。
高尾 ブル・ジェームスはダメだ、今から辞退させろ。カリスマ、みんな危険がある。
――ただこれで1勝を挙げることができた。
高尾 頭使ったんだ。力だけじゃこのリーグ戦勝てないってことを証明してやったぞ! 次はカリスマか? 次はカリスマ倒す。楽しみにしてろ。
ジェームス 今日は完全に俺の失敗だった。パワーボムをやってフォールにいっていれば、それでよかった。驕りが出てしまった。DAMNATIONには必ず仕返しをしてやる。Bブロックは佐々木大輔。オマエらにとっての俺がDAMNATIONだ。
第五試合 30分一本勝負
ゴングと同時にじっくりとしたレスリングの攻防。腕の取り合いからヘッドロックの取り合いと互角の攻防が続く。手四つの力比べになると橋本が押し勝つ。タックル合戦となると、上野が足をすくいダブルニー・ドロップを背中に落とす。上野は「ぎゅーん!」と叫びながらボー・アンド・アロー、跳ね上げフォールに入るもカウントは2。上野は橋本の背中に狙いを定める。エルボー合戦になり橋本が打ち勝つが、上野はロープにもたれた橋本の背後から助走をつけたヒップ・ドロップ。上野は足を固めてのフェイスロックでギブアップを迫る。上野は腕も固めるが、橋本は無理矢理腕を伸ばしロープブレイク。上野がブレーンバスター狙いも橋本は耐えるが、上野がタックルで倒しフォールに入ると、橋本はカウント1でキックアウトし意地を見せる。橋本はエルボーを打ち込み、水車落としを狙うも腰のダメージで上がらず。上野はフロント・ネックロック。橋本は無理矢理上野を抱え上げブレーンバスターで投げ捨てる。橋本のローリング・セントーンはカウント2。橋本はコーナーでのラリアットからカバーもカウント2。橋本はオブライト狙いも上野が堪えると、橋本はコブラツイスト。橋本はそこからサイドスープレックス。橋本はコーナーに上がりローリング・セントーンを放つも自爆。上野はフルネルソンからのバックブリーカー。上野がドロップキックを決めるもカウントは2。上野はミサイルキックからおっぴろげアタックを狙うも避けられ自爆。橋本は再びオブライト狙いも上野は一回転して着地。上野がハーフネルソン・スープレックス。上野がロープに走ったところに橋本がカウンターのラリアット。両者ダウン。立ち上がりエルボー合戦も橋本が優位に立つ。上野は走ってきた橋本を捕まえると裏投げ。カウントは2。上野はおっぴろげアタックからコーナーの上に橋本を乗せ、雪崩式の裏投げを狙うが、橋本は耐える。上野がリング内に戻されると、コーナー上の橋本にドロップキック。橋本はエプロンに落とされるも、エプロンを走りつつロープを挟んでのラリアット。橋本はリング中央でパワーボムもカウント2。満を持して橋本はオブライトを狙うも上野はエビ固めに丸め込む。カウントは2。追撃を狙って向かってきた上野に、橋本は素早く背後に回り込みオブライト。この一撃で上野は返せず3カウント。橋本が前日に続き連夜のオブライトで完勝した。
【試合後のコメント】
橋本 2勝しました。リーグ戦まだ続きありますけど、自分がトップですよね。昨日言ったみたいに全勝優勝して、自分がリーグ戦優勝して、自分がDDTの顔になります。
――大阪、博多、広島と過酷な連戦が続きます。
橋本 そうですね。自分にとってもそこが山場だということはわかってます。なので、その3つ勝ち取ったら、もう飯野なんていてもいなくても一緒なんですけど。まあ最終戦の飯野もぶっ倒して自分がAブロック優勝して、このリーグ戦も優勝したいと思います。
――今日はパワーでも真っ向からいっての勝利だったが手応えは?
橋本 体の大きさもそこまで違わないですし。ちょっと相手が身長でかいだけで、自分のほうが体重もあると思いますし。スタミナだって全然負けてないと思うので。毎回毎回違う相手で、一戦一戦勝つごとに自分も自信になっていくので、この自信MAXにして、後楽園ホールに挑みたいと思います。
上野 昨日石井さんに勝ちまして、僕は今世紀最高の、ベルトを取るぐらい嬉しい1勝を取って、自分の体のコンディションとか気持ちとか、調子にも勢いにもぶっちゃけMAXだと思ってたんですけど、完膚なきまでにブン投げられて、ブン殴られて、ブン殴られましたね。これは仙女、橋本千紘、強かったですね。何の言い訳もないです。でも、僕は今日も明日もトレーニングして、次当たる頃にはもっと強くなってるので。まだリーグ戦も続きます。今日は橋本さんにちょっと負けちゃいましたけど、明日にはちょっと勝ってるんで、次の遠藤さん、タケ(竹下幸之介)、クリス、もっと大きい飯野雄貴…全員頑張ります。
――橋本選手のパワーはどう感じた?
上野 大木かと思いました。あれはたぶん、飯野が皮をかぶってるんじゃないかってぐらい、飯野と当たってる時とまったく同じでしたね。
第六試合 30分一本勝負
ロックアップから遠藤はロープに押し込みクリーンブレイク。クリスが押し込むとクリーンブレイクで返す。遠藤が腕を取ると、クリスはトップロープに足をかけブレイク。クリスはキャメルクラッチの体勢から舐めた指を耳に突っ込もうとするも、遠藤は回避。遠藤は練習生のTシャツを脱がしリングに投げ込むと、クリスに指を拭くように指示。クリスは素直に従い指を拭き、Tシャツを投げ返す。その後はじっくりとしたグラウンドの攻防が続く。クリスはジムブレイクス・アームバーを狙うも遠藤が丸め込み、カウント2。遠藤が変形ゆりかもめを極めるとクリスはロープブレイク。遠藤がコーナーで強烈なチョップ。クリスが回転エビ固めを狙ったところを、逆に遠藤は指を舐めてクリスの耳に突っ込もうとする。ここから互いに耳に指を突っ込もうとするが互いに回避しあい未遂に終わる。遠藤は「汚い! 汚いよ!」とぼやく。クリスが場外に退避すると遠藤も追いかけ場外戦に。鉄柱を使ってクリスの腕にダメージを与える遠藤。クリスをリング内に戻すと、遠藤は両腕をクラッチしてのネックロックでギブアップを迫る。遠藤はボディスラムからフォールもカウント2。遠藤は腕ひしぎ十字固め狙いもクリスはロープへ逃れる。遠藤はロープ際でクリスを踏み付ける。10分経過。遠藤のチョップにクリスもチョップで返す。しかしクリスはなかなか立ち上がれず。遠藤はコーナーでチョップを連発。コーナーへの串刺しエルボーからのフォールはカウント2。遠藤はコーナーに上りミサイルキックもカウントは2。遠藤はスリーパーホールド。クリスが逃れると遠藤がタックルで倒す。リープ・フロッグを狙ったクリスを遠藤が変形ゆりかもめで捕獲すると、クリスは指を舐めて遠藤の耳に突っ込み脱出に成功。クリスは遠藤の背中へダイビング・セントーン。場外へ退避した遠藤にクリスはトペ・スイシーダ。クリスは気合を入れ客席を煽り、遠藤をリング内に戻す。コーナーに上った遠藤にクリスが水を噴射してから雪崩式ドラゴン・スクリュー。フォールはカウント2。クリスが遠藤の腕を極めながら、ニーパッド外しマットへ何度も叩きつける。そこから腕をクラッチしての変形逆片エビ固めに移行。遠藤は何とかロープへ逃げる。クリスは遠藤の膝を逆に曲げさせる攻撃。フォールもカウント2。15分経過。クリスはコーナーでロープを使って遠藤の膝へ攻撃を集中させる。クリスが遠藤を場外へ出し、場外戦へ。クリスはニークラッシャーで遠藤の膝をエプロンに叩きつける。遠藤はなんとかリング内へ戻る。クリスは強烈なチョップを連発し、STFへ。遠藤はロープへ。立ち上がった遠藤はエルボーを打ち込むが、クリスの膝へのキックで動きが止まる。スワンダイブ式のカッターを狙ったクリスに、遠藤はハンドスプリング・アタック。場外転落したクリスに遠藤はラ・ケブラーダ。20分経過。遠藤はクリスをリング内に戻し、スワンダイブで飛び込むもクリスは回避。追いかけてくるクリスの勢いを利用してエプロンに着地した遠藤はスワンダイブ式フォアアームを決める。フォールに入るがカウント2。遠藤はトーチャラック・ボムを狙うが、クリスは耐えてオクトパス・ストレッチ。遠藤が脱出して丸め込むがカウント2。遠藤は強烈なトラースキック。続けてブレーンバスターの体勢に入り、クリスが耐えると、遠藤はコーナーにブレーンバスターで叩きつける。遠藤はセカンドロープからのシューティングスター・プレスを放つもカウントは2。勝負をかけに来た遠藤にクリスはカウンターの飛びつき式オクトパス・ストレッチ。遠藤は抱え上げ、場外にクリスを落とす。遠藤がサスケ・スペシャルを狙うとクリスがカウンターのカッター。カウント2。膝蹴りを狙ったクリスをかわして遠藤はハンドスプリング・オーバーヘッドキックを狙うが、クリスは空中でキャッチしバックドロップ。ロープに走ったクリスに遠藤はテツヤ・イン・ザ・スカイ。両者ダウン。25分経過。コーナーに上った遠藤を追いかけたクリスが雪崩式ダブルアーム・スープレックス。クリスはエプロンに遠藤を連れて来ると断崖式のプレイング・マンティス・ボムを狙うが、遠藤は耐えて逆にトーチャラック・ボムを狙う。エプロンで打撃の打ち合い。クリスがトラースに、遠藤はオーバーヘッドキック。遠藤が場外に落ちたところにクリスがダイビング・セントーン。両者場外でダウンし、場外カウントが進む。なんとかカウント19で両者リングに戻る。残り時間3分。張り合いからクリスはアンクル・ホールド。遠藤は延髄斬りで返すが、ダメージで立ち上がれず。先に立ち上がったのはクリスだが、遠藤がヘッドバットからカナディアン・デストロイヤー。フォールに行こうとするも、クリスは場外へ退避。遠藤がリング内に戻し、遠藤はコーナーに上がろうとするもダメージが大きく時間がかかる。トップコーナーからシューティングスター・プレスをクリスはカッターで迎撃。カバーもカウントは2。残り時間30秒。クリスのプレイング・マンティス・ボムを着地した遠藤は延髄斬り。クリスがニーアタックを返すが遠藤はバイシクル・キック。追撃を狙った遠藤にクリスが飛び付いてアンクル・ホールドで捕らえた瞬間、30分時間切れのゴング。両者痛み分けとなり、勝ち点1を分け合った。
【試合後のコメント】
遠藤 クソー! 俺のD王が終わっちまった。俺は最初に言ったよな、全勝優勝って。引き分けた時点で俺は敗北者だ。クリスめ、やってくれたぜ。俺の左足はもう壊死して使い物になんねえ。明日は誰だ?
――明日は飯野選手です。
遠藤 飯野か。俺の負けだわ。左足がない状態じゃアイツには勝てねえ。
クリス これは恥ずべきことじゃないし、遠藤相手に引き分けたことはレスラーとして恥ずかしいことじゃない。このD王は試されて、テストだと思ってるんで。初めてD王をガイジンで優勝したい思いも強い。佐々木の週プロのコメントを読んだ。面白いことを言ってるけど、DDTの一員としてD王で勝ち星を挙げたい。常に100%で闘っている。開幕から負けと引き分けでスタートしてしまったから、ここからポイント取り返してD王、始まったばかりなので、優勝するためには負けられない。自分自身も自分のことは信じているし、DDTのファンも自分のことを信じていてほしい。
――佐々木選手のコメントにはカチンときてる?
クリス 怒ってるわけじゃないけど、逆にモチベーションになってるよ。
セミファイナル 30分一本勝負
ロックアップから石井がロープに押し込むと、そこから互いに膝蹴りとビッグブーツを狙い合うがかわし合い、最後は竹下がザーヒーを直撃させる。いきなり場外戦へ。竹下が石井を客席に投げ込み、鉄柱に直撃させるなど優位に立ちリング内に戻す。竹下はDDTからストレッチプラムを見せる。続けてキャメルクラッチ。さらにボディスラムで腰へダメージを集中させる。石井のエルボーに竹下はエルボーを返し、竹下は逆水平チョップでダウンを奪う。コーナーでの踏み付けから、河津掛け、グラウンド卍で石井を追い込む。石井はロープブレイク。竹下は「来い! 来い! オラ!」と声をかけると石井の両手を踏み付けてからのエルボー。コーナーへ向かってくる竹下を飛び越え石井は投げっぱなしジャーマン・スープレックス。続く石井のキックをキャッチした竹下はウォール・オブ・タケシタを狙うが石井は竹下の顔を蹴って回避。石井はエクスプロイダーの体勢からの膝蹴り、水面蹴り、ダブル・ニードロップの連続攻撃。石井の追撃をかわした竹下は、石井のボディへの一撃。石井の動きが止まるとウォール・オブ・タケシタへ。竹下は絞り上げるが、石井はなんとかロープへ逃れる。竹下は腰へのエルボー連発に、石井がエルボーで返す。石井は竹下の首をロープにかけた状態で背中へのダブル・ニードロップ。エプロンに出た竹下は追撃する石井を捕らえてエプロンの角へDDT。場外カウントが進む。竹下がリングインしようとすると、追いすがる石井は場外で両腕極めドライバーを敢行。両者場外でダウン。石井が竹下をリング内に戻す。フォールに入るもカウント2。竹下がエルボーを打ち込むも石井が延髄斬りで返す。竹下は西成ドライバーを狙うが、逆に石井がみちのくドライバーⅡでマットに叩きつける。カウントは2。竹下と石井は互いに片腕を捕らえたまま、エルボーの打ち合い。石井が打ち勝ち蹴りの連続攻撃から低空のニーアタックを狙ったところに、竹下がカウンターのラリアット。竹下はフルネルソンで投げようとすると、耐える石井の後頭部にラリアット。再びフルネルソン狙いの竹下のバックを取り返した返した石井はタイガー・スープレックス狙い。竹下がバックを取り返しタイガー・スープレックスでかえそうとしたところ、石井が膝を蹴って脱出。走りこんだ石井を竹下はポップアップ・パワーボムから顔面にザーヒー。カウント2で石井は何とか返す。竹下がジャーマン・スープレックス狙いも石井耐え、丸め込む。カウントは2。石井が膝蹴りからオーバーヘッド・キック。これを竹下は避けてラリアットを狙うが、カウンターのニールキックが直撃。続いて石井がタイガー・スープレックス・ホールドもカウントは2。再度ニールキックを狙った石井に竹下はカウンターのラリアット。しかし石井がすぐに立ち上がりニールキック一閃。カバーに入るとレフェリーが3カウントを叩き、石井が宣言通りDDTの大黒柱を突破した。
【試合後のコメント】
石井 4年後輩だけど、デビューして初めて竹下に勝った。今まで勝てなかったけど、このタイミングで勝ててよかった。90年代の野球で例えたら今日は巨人戦だと思ってきたから。まあ自分がどこ(の球団だ)かわからないから、例えづらいけど。でも、今日は後輩からの勝利とはいえ、大勝利。すごい嬉しい。でも、まだ1勝1敗だから。今日勝ったって、優勝しなきゃなんの意味もないから。気を引き締めていきますよ、勢いに乗った!
――ガンバレ☆プロレスを背負っている気持ちが大きかった。
石井 もちろん。DDTの大黒柱、竹下。俺はガンプロのエースだと勝手に思ってるから。ガンプロのエースがDDTの大黒柱を倒した。ガンプロの気持ちもありましたよ。なぜか大家さん、セコンド来るって言って来てないけどね。まあ、いいや。でも、嬉しいです。
――これまでのことに一矢報いた?
石井 まだ一回勝っただけだからね、後輩といえどすげえなと思うし、本当に。まあ、橋本千紘戦が注目されるから、「ヤマは?」って記者会見で聞かれた時に「1位・橋本、2位・竹下」と答えたけど本当はここが一番ヤマだったから。これを乗り越えた自信は大きい。でも、油断したら意味ないから。次また頑張っていきますよ。
竹下 ちょっと、最後のほうよくわかんないですけど、セコンドの彰人さんいわく僕が最後負けちゃったみたいで。なんか、石井さん…正直僕は自信家なので、絶対俺が負けへんと思って試合してるけど、石井さんだけはずっと僕勝ってきて、いつか負けんなみたいな。いつか負けるなと思ってて、それが今日でしたね。どっちが上とかそういう話じゃなくて、今日は石井さんのプロレスの勝ち、ということだと思います。負けた実感ないので、まだ何も言えないですけど、映像を見ないと。僕はもちろん目標は優勝。でも田中将斗選手も橋本千紘選手もガイジン2人もいるなかで、その日一番僕の試合が心に残るようなレスラーに、このD王GP2020でなりたいと思います。
メインイベント 30分一本勝負
ロックアップから試合はスタート。佐々木は馬鹿にするように田中の頬を叩く。タックル合戦になると田中が優勢。しかし佐々木はサミング。田中はいきなりスライディングDを狙うが、佐々木は場外へ退避。佐々木が場外戦を誘い田中が追いかけると、佐々木はリング内に戻る。リングに戻ろうとした田中に、佐々木はロープを蹴り上げ、急所攻撃。場外で佐々木はイスを投げつける。さらにイスを田中の首にかけ、鉄柱に激突させる。佐々木は田中をリング内に戻すと、反則を織り交ぜ田中に反撃を許さない。田中が佐々木を場外に転落させると、お返しとばかりに佐々木を客席に突っ込ませる。田中は場外でイスを叩きつけると、鉄柱に佐々木の腕を固定してイスで殴っていく。イスを使って佐々木の腕を極める田中。リング内に戻すと、田中はランニング式のアームブリーカー。さらにそのまま脇固めでギブアップを迫る。田中は佐々木の左腕を集中攻撃。田中は足を使って腕を極めるが、佐々木は何とかロープへ逃げる。田中が腕へのストンピング。佐々木はたまらず場外へ。佐々木がなんとかリング内に戻ると、田中はコーナーへの串刺しエルボー。佐々木はダウン。田中はクロス・フェースロック。自らの得意技で苦しめられ屈辱の佐々木は田中の指を噛んで脱出。攻勢に転じたい佐々木だが、田中が腕を攻撃すると反撃もストップ。コーナーでの田中のスイングDDTを回避すると佐々木がドラゴン・スクリュー。佐々木はコーナーからフライング・ラリアット、続けてDDTを放つ。佐々木はペディグリーを狙うが、田中はリバース。ロープに走った田中に佐々木がカウンターのドロップキック。カウント2。佐々木はクロス・フェースロック。田中がロープへ逃げると、佐々木はコーナー上へ。田中が追いかけ、雪崩式ブレーンバスターを狙うが、田中はロープを使ってのスタンガンからロープを挟んでのラリアット。田中がコーナーへの串刺しラリアットを連発する。田中はブレーンバスターを狙うが着地した佐々木に田中はDDT。カウント2。田中は佐々木の髪の毛を掴むと怒りの佐々木はエルボーを返すが力が入らない。田中のエルボー連発でロープに下がった佐々木に、田中が弾丸エルボーを狙うが、佐々木がカニばさみでキャッチし場外へ。佐々木がトペ・スイシーダ。佐々木は客席に座らせた田中にコーナーからダイビング・エルボードロップ。佐々木は田中をリング内に戻し、ペディグリーを決めるがカウントは2。佐々木はローリング・エルボーを狙った田中を捕まえクロス・フェースロック。田中は何とかロープへ逃れる。佐々木はボディスラムからダイビング・エルボーもかわされ自爆。するとここで両者はイスを手にすると、交互にイスで相手の頭をぶち抜く。その後エルボーの打ち合いへ。佐々木が打ち勝ち、スピア。カウントは2。佐々木は田中をコーナー上に乗せるが、田中が返して雪崩式ブレーンバスター。さらにそこへスーパーフライ。カウント2で佐々木はキックアウト。田中はスライディングDを狙うが、佐々木はよけて佐々木式ウラカン・ラナ。カウント2で返した田中に、佐々木はミスティカ式クロス・フェースロックを狙って飛び付くが田中が耐えて左のラリアット。田中の垂直落下式ブレーンバスターはカウント2。田中が放ったスライディングDを佐々木は横十字固めで返し、カウント2で田中が返すとそのままクロス・フェースロック。逃げようとする田中をリング中央に戻し、そこからクロスオーバー・フェースロックに移行しようとすると田中が丸め込み。カウント2。立ち上がった田中が左右のエルボー、佐々木はトラースキックを連発。耐えた田中が裏拳から佐々木を引き倒し、側頭部にスライディングD。佐々木はかろうじてカウント2で返すが、そこに田中が真正面からスライディングDを叩きこむと、佐々木も返せず3カウント。田中が2点を獲得し、勝ち点を4に伸ばした。
エンディング
「D王GP盛り上げたいのは俺も一緒や!」(田中)
試合に勝利した田中がマイクを持ち「ここ最近ZERO1のリングでもマイクを持って話すことはあまり無い。でも今日DDTのD王GP、みんなにとっては残念な結果やったかもしれん、でもD王GP盛り上げたいのは俺も一緒や!(観客席から拍手が起こる)決勝のリングまで、色んな所行って、色んな熱い闘いがあると思うけど、みんな精いっぱい頑張るし、みんな怪我無く最後まで全力疾走で行けることを願っといてください。それでも! それでも! 俺が最後にこのDDTのリングで優勝して、俺が右手を上げたるから、その時は宜しく!」と大会を締めた。
【試合後のコメント】
田中 今日2戦目でDDTのカリスマと呼ばれる男と対戦して、やっぱうまいしね。苦労した部分もあるし、なんで彼がDDTでカリスマと呼ばれるのか、ちょっとわかったような気がします。でも、俺は優勝するためにここのリングに上がってるんで、人数合わせ、そういうつもりで上がってるつもりは毛頭ないし、俺が上がるのはどこでも全力ファイト、それでいてリーグ戦が組まれていれば、俺は全勝で乗り切るつもりでおる。きょうはリング上で言ったけども、D王GP、盛り上げて。やっぱ最高のシチュエーションで俺が決勝に上がって、決勝で優勝するにはやっぱこう、D王GP盛り上がってもらわないと困るからね。その願いはDDTの選手と一緒やし、まあリングで言った以上はそれ相応の覚悟で1試合1試合頑張ります。
――明日はブル・ジェームス選手という巨漢レスラーとの対戦です。
田中 彼の体を見て、規格外というか、思っていた以上にデカいので。どう対処していこうかというのは、みんながみんなシングルでやるのは初めてやったんで、その時その時考えようかなと思ってたんですけど、彼の大きさ見たら、片隅にでもどういうことやるのかというのは調べておかなアカンかなと、そういうような体ですね。
――改めて佐々木選手のファイトは?
田中 一つ一つうまいですね、的確に来るし。ああいうイス使ったり、そういうファイトに出てくるというのは、そういうベルトを持ってたからというのもあると思うし。また今度やる機会があったら、そういうルールのもとでやってみるのも面白いんじゃないかなと思いました。
――イスチャンバラなどでは負けられない?
田中 そういうプライドは人一倍持ってるつもりなので負けられないし、彼はそういうベルトを失っても素晴らしいカリスマだと思います。またいずれどこかでやることがあると思います。
佐々木 俺としたことが、文句も言えないぐらい完敗だ。あれが世界だ。俺もよ、世界基準だと思ってたらよ、俺なんかただの日本の東京都練馬区だったよ。ただ、いいね。ああいう人が近くにいると、俺だってまだまだ、まだまだ練馬規模だって教えてもらえてよ。でも、けっこう練馬規模でも満足してるから。きょうのところはこれぐらいで勘弁しといてやるよ。
――今日ハードコアファイトで立ち向かっていったが、練馬規模というのを痛感した?
佐々木 そうだな、立ち向かったっていうか、練馬の家のテレビで見ていたことをやりたかっただけだからよ。ちょっと思ってたのと違ったな。俺が見てたのはテレビのなかだった。現実問題はこれだけ差があるってことだ。
――ミスティカ式も阻止されたが。
佐々木 思うに田中さんは俺のことがすごい好きで、けっこう研究してきてる。俺のやること、全部読まれていたような気がする。
――1敗で明日は坂口選手との対戦です。
佐々木 この勢いでよ、全敗目指すよ! もう立ち直れねえよ、練馬から出ねえ。そういうことだ。