前説
飯野のオープニングコールが斬新すぎる件
今林久弥アシタントプロデューサーと井上マイクリングアナウンサーがリングイン。D王TOTOの紹介、今後のD王GPのスケジュールなどの各種アナウンスを行った後に、全対戦カード発表と見所紹介があり、飯野が登場。本日の竹下戦に向け意気込みを語り「横浜大会スタート!」「シューマイ!」のオープニングコールで大会がスタートした。
オープニングマッチ 30分一本勝負
先発は彰人と大鷲とアントン。大鷲とアントンがナックルの打ち合いをすると彰人が割って入り、三人はダスティを狙い合った末に腕を組んで回り合い最終的には決めポーズ。それぞれパートナーにタッチ。勝俣と中村が平田を袋叩き。平田は反撃するが、中村にだけ当たりが強い。勝俣が中村にボディスラム、カウント2。彰人と勝俣が連係で中村を攻め立てる。平田がカットに入り、平田が中村にカーブ・ストンプからステップキック。大鷲から「いつもそんな技やんないっすよね」と突っ込みが入る。彰人と勝俣が中村を2vs1で追い込むが、中村はドロップキックを連発して逆転しアントンにタッチ。リングインしようとするがアントンは膝を負傷。アップのギブをしそうになるが、創作昔話「ごんぎつね」の朗読を懇願。結果チョコモナカジャンボではなく、チョコモナカチンポだった。サミングが炸裂するが、平田によりごんぎつねを自らの乳首に持って行かれてしまう。ここで平田が手刀を連発し全員を排除。カズキルーペを装着しようとしたところを、中村がスワンダイブ式ミサイルキックと見せかけて一旦着地してからドロップキック。中村がカズキルーペを装着すると、突如国民的特撮ヒーローのテーマ曲が会場内に流れ始める。中村が某国民的特撮ヒーローのような姿に変身。ワイドショット、エメリウム光線を連発し次々と蹴散らしていく。中村のエメリウム光線を平田が手刀で耐えるが、中村は頭のアイスラッガーを手にすると平田を切り捨てる。中村がコーナーからヒーロー的なポージングのままダイブするも、平田が避けて自爆。そのまま平田が丸め込み3カウントを奪った。
第二試合 30分一本勝負
入場したDAMNATIONはしきりに前の試合で何があったかを気にする。先発は佐々木と高梨。腕の取り合いで互角の攻防を繰り広げる。遠藤と渡瀬の組み合わせになると、スピーディーな展開の末、渡瀬がドロップキック。一度はペースを掴みかけるが、エプロンに出たところで遠藤のハンドスプリング・アタックをくらってしまうと場外に転落。場外戦になると、遠藤はサスケ・スペシャルで追撃する。渡瀬をリング内に戻すとDAMNATIONはロープを使った反則攻撃を織り交ぜ、渡瀬が捕まる展開に。ポーリーを踏み台にしての遠藤のムーンサルト・プレス、ポーリーのランニングプレスを耐えた渡瀬は、セカンドロープからのミサイルキックで逆転し、納谷にタッチを繋ぐ。納谷とポーリーがタックル合戦。打ち勝ったのは納谷。エルボーの打ち合いからポーリーがハンマーを連発するが、納谷がミドルキック。納谷が走ったところにポーリーがテーズプレス。ポーリーから遠藤にタッチ。スワンダイブ式ミサイルキックで納谷を吹っ飛ばすと、納谷は高梨にタッチ。高梨が優位に立つも、遠藤はその場飛びのムーンサルト・プレス。カウントは2。続いてトーチャラック・ボムを狙うが、高梨がを回避すると、高梨のトラースキックを遠藤はキャッチ。遠藤のトラースキック、高梨の延髄斬りと互いの技をかわしあう。最終的には遠藤が入って来た納谷と高梨をチンクラッシャーとフェイスバスターの同時攻撃で2人まとめてダメージを与える。遠藤は佐々木にタッチ。高梨は延髄斬りを決め、渡瀬にタッチ。渡瀬はミサイルキック。串刺しエルボーからカーフブランディング、顔面への低空ドロップキックはカウント2。渡瀬のバックドロップは佐々木が空中で返してカバーに入りカウント2。エルボーの打ち合い。佐々木はサミングをしてロープに走ると渡瀬がカウンターのドロップキック。青コーナー側が分断し佐々木にトレイン攻撃。四つん這いの佐々木に渡瀬がコーナーからの顔面にミサイルキック。DAMNATIONがカットに入りカウント2。渡瀬がてのりタイガー・スープレックスを狙うが、遠藤がスワンダイブ式フォアアームで飛び込むと、ポーリーがラリアット。佐々木とポーリーがDDTと投げっぱなしジャーマンの合体技。高梨がカウント2でカットにはいるが、佐々木は渡瀬にクロス・フェースロック。これには渡瀬もギブアップ。DAMNATIONが試合を制した。
第三試合 30分一本勝負
いよいよD王GP2020公式戦がスタート。ゴング直後上野が奇襲。エプロンの石井の足をすくい、頭をエプロンに打ち付けたところにドロップキックを打ち込む。上野がリングインしようとすると石井は上野を抱え上げ、顔面をエプロンに打ち付ける。石井は上野を鉄柱に突っ込ませ、リングに入れる。石井が厳しい角度のサーフボード・ストレッチでギブアップを迫る。上野はなんとかロープブレイク。上野はエルボーで意地を見せるが、石井は上野をロープに固定し背中にキックを叩きこんでいく。石井がコーナーに振ったところを上野は反転してダイビング・ボディアタック。これを石井がかわすと上野は顔面をマットに強打。石井がフォールに入るがカウント2。ロープに走った石井を上野がアトランティーダのように抱え上げてマットに叩きつけると、続けてフェイマサー。カウントは2。上野は足を固めてのフェイスロックで石井にギブアップを迫る。石井はなんとかロープへ。立ち上がった石井は膝蹴り、水面蹴り、ダブル・ニードロップの連続攻撃で逆転。石井の強烈なエルボー。石井の蹴り上げを上野はキャッチすると張り手一閃。石井も張り返し、張り手合戦に。石井が優位に立つとロープ際で膝蹴りを連発。ロープに走った石井を上野が捕らえると、裏投げ。さらにもう一発決めるがカウント2。上野はコーナーの石井におっぴろげアタックを狙うが、石井がキャッチするとパワーボム。さらに上野の横っ面に低空のニーアタック。これもカウントは2。上野が起死回生の横入り式エビ固め、首固め、と丸め込みを狙うが決め手にはならず。石井が延髄斬り、投げっぱなしジャーマン・スープレックス。さらに両腕極めドライバー。カウント2で上野は返す。石井は高角度ダブルアームDDTを狙うが上野が耐えてエルボーを連発。距離が空いたところで石井が桃色ニールキックを放つが、上野はかわし、間髪入れずに飛び付き式のヘッドシザースで丸め込むとガッチリと固め3カウントを奪取。上野がインディージュニア王者から大きな勝ち点2を上げた
【試合後のコメント】
石井 力つけてたのは知ってるし、油断してたわけじゃないけど、インディージュニアチャンピオンとしても、ガンバレ☆プロレス代表としてもちょっと情けない。力つけてるのは認めるけどな。ガンバレ☆プロレスとしてDDTに負けられないんだよ。後がないと思って、もう明日から落とせないんで。
上野 D王GP、今日たぶん僕が勝つと思ってた人は一人もいなかったと思うんです。それはD王出ている人みんなそうかもしれない。でもリーグ戦の中の1勝ですけど、石井さんに勝てました。石井さんとは一緒にいた頃から何回も何回も何回もやって、ボコボコにされて。一つだけ返せました。リーグ戦、明日もまだその次もその次も、続きます。明日は橋本さん、木曜日の遠藤さん。待っててください。
第四試合 30分一本勝負
静かな立ち上がりから一気に強烈なタックル合戦へ。ブルが吉村をなぎ倒す。ブルは吉村を場外に出すと、ブルは吉村をいたぶりながら会場中を練り歩き、リング内に椅子を投げ込みレフェリーに場外カウントを取らせない。ブルはリングインするや両手を高く上げ勝利を確信する。ブルが客席を煽ってからのラリアットを狙うが、吉村もラリアットを繰り出し相打ちで両者ダウン。立ち上がったブルはナックルを連発。吉村もナックルで返し、吉村がココナッツ・クラッシュからタックルを連発しついにブルを倒す。気合を入れた吉村はコーナーで串刺しラリアットを連発。しかしブルも串刺しで返すが、さらに吉村は串刺しラリアットで返す。吉村がブレーンバスターで重いブルを投げ切るがカウントは2。続いて吉村はラリアットを狙うが、ブルはTボーン・スープレックス。さらにコーナースプラッシュからラリアット。ブルがコーナーからドインクドロップを決めると3カウントが入り、ブルが初戦を勝利で飾った。
【試合後のコメント】
――D王GP初戦で快勝しましたが。
ジェームス 初戦飾れたのは最高の気分だ。俺は会見でDDTのベストレスラーを全員ぶっ倒すと宣言している。今日はヨシムラを倒せて嬉しい。
吉村 ブル・ジェームス、予想以上ですね。今日、自分の中でもベストに近いぐらいのコンディションで。でも、やりたいことをやらせてもらえへんかったという、フラストレーションが今すごいです。リーグ戦始まったばかり、初っ端から黒星というのは幸先はよくないけれど、ここからどんどん巻き返していこうという気持ちになってるんで。あと今日やられたからには、いつか返すんで。このままじゃ終らないです。あと5戦全部取るぐらい気持ちで。明日……(するとジェームスがきて英語でエールを送る)ほとんど何言ってるかわからんかったけど、とりあえずオマエはDDTの未来的な。俺に負けたぐらいで座ってんなよと、そういうことだと思うので。自分に勝った相手に慰められるって、こんな悔しいことはないけど、励みにはなったんで。このあとのリーグ戦全部闘い抜きます。
第五試合 30分一本勝負
ALL OUT同門対決は両者ガッチリと握手からスタート。ニュートラルコーナーにて彰人と勝俣がセコンドにつく。ゴングが鳴るとロックアップからスタート。飯野が押し込むとクリーンブレイク。腕の取り合いとなると飯野がパワーで圧倒するが、竹下はじっくりと飯野の足を極めに行く。竹下のフェイスロックを飯野は抱え上げ、タックル合戦に。竹下は「待っとけよ」と言ってタックルに行くが、飯野は微動だにしない。逆に飯野がタックルに行くと竹下はビッグブーツで迎撃するが、すぐに飯野はタックルで竹下を蹴散らす。エルボー合戦になるが、飯野が打ち勝ち飯野はアルゼンチン・バックブリーカー。竹下はスリーパーホールドで脱出。飯野はブレーンバスターを狙うが、逆に竹下が投げ返す。ここで竹下が掟破りのハカエルボーを狙うが、ハカの最中に飯野が立ち上がり、仁王立ちでハカ。竹下がビッグブーツからロープに走ると、飯野が抱え上げてその状態でハカをしながらバックフリップ。続けて飯野がハカエルボーを狙ったところを、竹下は下から足を掴みウォール・オブ・タケシタへ。飯野はすぐにロープへ逃げる。竹下は飯野をコーナーに押し込み、コーナーに振ると飯野がダイビング・ショルダータックル。飯野がコーナースプラッシュを連発し、ブレーンバスター。カウントは2。飯野はババボム狙いも、丸め込もうとする竹下を抱え上げ顔面から叩き付け、ランニングしてのダブルハンマー。カウント2。続けて飯野がベアハッグ。竹下が膝蹴りで脱出しようとするも飯野は離さず。竹下が何とか振りほどくと、竹下がチョップとエルボー。飯野もチョップで返す。走ってきた飯野を竹下が避けると飯野はエプロンへ。エプロンに出た飯野に、竹下がドロップキックで場外に落とす。竹下は飯野をリング内に戻すが、飯野は場外転落時に足を痛めたようで自らリング外に降りてしまう。場外カウントが進む中、場外で竹下に飯野がスピア。飯野は何とかリングに戻る。竹下はカウント19でリングへ戻る。飯野がスピアを狙うも竹下はカウンターの低空ドロップキックを連発し、足4の字固め。飯野は何とかロープへ逃げる。走った竹下に飯野はカウンターのヘッドバットからバックドロップ狙い。耐える竹下をぶっこ抜いて投げる。ふらつく竹下に飯野がスパインバスターからハカエルボーを決めるがカウントは2。飯野がババボムからスピアを狙う。竹下がザーヒーを打ち込むも、飯野が耐えてヘッドバットから左のラリアットでカウント2。リングを往復し助走をつける飯野に竹下はカウンターのラリアット。続けてザーヒーを当てるも、耐えた飯野がスピア。もう一発スピアを狙ったところを竹下は投げっぱなしジャーマン・スープレックス。それでも飯野はコーナーへの串刺し式のスピアからラリアットを放つが竹下も繰り出し相打ち。飯野が竹下を抱え上げようとするも、逆に竹下が耐える。竹下は耐える飯野をぶっこ抜き、西成ドライバー(みちのくドライバーⅡ)でキャンバスへ叩きつける。そのままガッチリと抑え込むと3カウントを奪取。両者はリング中央で健闘を称え合った。
【試合後のコメント】
竹下 あ~勝った! 今回のD王GPはホントに1試合1試合、自分が悔いのないように闘いたいなというか。自分にとってすべてが意味のある特別な対戦だと思ってるんで。もちろん目標は優勝。理想は全勝優勝。でも、それ以上に悔いのない1ヵ月間を送りたいなと思っています。その一発目がチームメイトの飯野で、約1年半か2年ぶりぐらいですかね。シングルマッチで。ALL OUTで普段から僕がネジ巻いて、アイツをコントロールしてるんで、闘ったらどんなもんかなと思ってたけど、まあバカ力で。久しぶりにあんな真っ直ぐな選手と闘ったんで、今日は僕も10代ぶり、19歳ぶりぐらいに、真正面からぶつかっていきましたね。
――最後は珍しくみちのくドライバーⅡだった。
竹下 あれはもう、最後ああいう形になったんで出しただけで。秘策でもなんでもないんですよ。でも名前は西成ドライバーでお願いします。あの体勢になったから出しただけで、正直言うと僕が負けてもおかしくなかったと思ってます。
――あれだけの大型の選手をああいうふうに落とせたのは自信になる?
竹下 飯野と僕、トレーニング好きやし、アイツもストイックにやってるし、ぶっちゃけウエートトレーニングの力はアイツのほうが強いんですけど、人を投げる力は僕のほうが強かったかもしれないですね。でも、アイツが足を痛めたっぽかったんで、それもあって今日は勝てたのかなと。あれがなければ正直わからなかったです。
――タイトルマッチを終えた飯野に変化はあった?
竹下 個人的に言わせてもらうとタイトルマッチで変わったというよりは、ALL OUT入って6人タッグのベルトを巻いた時ぐらいから変わりはじめましたかね。アイツの脳みそ、ネジ外れまくってるんですけど、1個だけ唯一ついてたネジも外れたというか。本当に制御不能というか、何しでかすかわからない怖さがあります。あれはプロレスラーとして才能だと思ってます。次やったらわからないですね。
飯野 初戦、竹下さん。同じユニットで、私のことをよくコントロールしてくれてたり、私のすべてをわかってるわけですよ。でも、ここで闘ってALL OUTの時と同じ飯野雄貴を出したら絶対負けると思ったんで、今日はいつものALL OUTの時以上に狂ってネジを何本も外して、今日はやりました。そして最後、まあ途中でスピアをかわされてヒザを攻められましたけど、それも竹下さんの作戦で、体重重い相手にヒザを狙って動けなくさせる。それも作戦だと思います。さすがALL OUTのユニットの司令塔、DDTの一番上のトップの選手だと思いました。まだD王全然残ってるんで。きょう初戦なんで、次は絶対に勝ちたいと思います。切り替えてやりたいと思います。
――ハカをすることで精神的な効果はある?
飯野 野獣の力がみなぎるというか、本当にハカ、自分の中であのマオリの踊りは本当にスイッチを外せれる。だから最初にハカエルボーもしますし、そこでスイッチを切っての勝ちをしたい。ハカは自分にとってスイッチを切れるというか、スイッチをオンにできるヤツだと思います。
第六試合 30分一本勝負
橋本はセンダイガールズワールドチャンピオンのベルトを肩に入場。クリスの握手に橋本が答えると、クリスは水を噴射して奇襲。開始のゴングが鳴る。クリスは橋本をコーナーに叩きつけると、チョップを叩き込み、ロープに走ったところを橋本がタックルで吹き飛ばす。試合は場外戦へ。クリスが橋本を客席へ突っ込ませようとするが、振り返して橋本がクリスを客席へ突っ込ませる。場外マットで橋本がボディスラム。しかしクリスがエプロンの幕で橋本の腕を固定してフットスタンプ。橋本を場外の壁へ叩き付け、クリスはリング内に戻る。橋本は何とかリング内へ。クリスはジムブレイクス・アームバー。そのまま足までも極めていくが、クリスは自ら解除すると、橋本を場外へ追放。橋本はなんとかリング内へ戻る。橋本はエルボーを返すも、クリスのチョップで止められ攻撃が続かない。クリスがローリング・ソバットを当てるも橋本は耐えて水車落としを狙うも、クリスは着地。クリスがブレーンバスター狙うと逆に橋本がブレーンバスターで投げる。橋本はローリング・セントーンからフォールもカウント2。橋本は攻撃を続けようとするが、クリスは橋本を蹴り上げ、コーナーから背中へのダイビング・セントーン、カウントは2。クリスはコーナーに振ると、橋本は跳ね上げるとクリスはエプロンに着地。スワンダイブのカッターを狙ったクリスを橋本がキャッチ。オブライトを狙うがクリスは脱出。橋本が水車落としを決め、コーナーに上るが、クリスが立ち上がり、雪崩式ダブルアーム・スープレックス。両者ダウン。ダブルダウンカウントが進む。両者立ち上がるとチョップとエルボーの打ち合い。橋本がエルボーで打ち勝つが、クリスが投げっぱなしジャーマン・スープレックス。立ち上がった橋本も投げっぱなしのオブライトで返す。コーナーに振られたクリスがスワンダイブ式カッターを決める。クリスのトラースキックはカウント2。続けてクリスはプレイング・マンティス・ボムを狙うが、橋本が耐える。クリスは膝蹴りから垂直落下式ブレーンバスターを放つもカウントは2。クリスがエルボーからスワンダイブしたところに橋本が空中でカウンターのスピア。フォールもカウント2。橋本がパワーボム狙いもクリスは耐えると、クリスがオクトパス・ストレッチ。橋本は極められながらも抱え上げバックフリップ。橋本がコーナースピアから、コーナーを使ってクリス抱え上げパワーボム。カウントは2。橋本がラリアットで吹っ飛ばすと、続けてオブライト。クリスも返せず3カウント。橋本が正面突破で勝ち点2を獲得した。
クリス撃破の橋本が「優勝して『ぎゅーーーん!』したい!」
橋本はマイクを持つと「DDTの皆さんお久しぶりでーす! この初戦勝ったっていうことは、皆さんもうわかるんじゃないですか!? 男とか女とか関係なくて、ここに立っている橋本千紘が一番強いんだよー!! この後のリーグ戦も全勝して、必ずAブロックトップに立って12月の後楽園ホール、決勝の舞台に立って、優勝して『ぎゅーーーん!』したいと思います!皆さん宜しくお願いします!」と堂々の優勝宣言をした。
【試合後のコメント】
クリス サトムラはすごい生徒を作ったな。初日を落としてしまった、これは俺の予想と違う。負けてしまったから、次からすべて勝たないといけない。そして、このクリス・ブルックスが、DDTのリーグ戦を外国人として制覇したい。
――改めて橋本選手については?
クリス 認めたくはないけど、とてもタフだった。ほかの選手も橋本には気をつけたほうがいい。このブロックだけじゃなく、D王の出場選手のなかでもかなり強いかもしれない。
橋本 さっきも勝ってからリング上で言ったんですけど、この初戦勝ったということは、橋本千紘がこのリーグ戦、優勝する。もうみなさん、そういう予想しかできないんじゃないかなと思います。実際に女子とは違う、ずっと押されっぱなしの試合だったので、そこは反省点としてこれからのリーグ戦にもっともっとつなげていけたらと思います。
――クリス選手はイギリスで里村選手とも抗争していたが。
橋本 このリーグ戦のなかで一番馴染みのある選手かなとは思ってたんですけど、自分もちょっと苦手意識があったので。この初戦勝てたことで自信がつきます。
――どういった戦法で相手が来ても?
橋本 自分のオブライトが決まれば、それで試合は終わる。それは絶対的な自信なので。このあとも投げまくります。
――グラウンドや丸め込みは使わなかった。
橋本 グラウンドはもっともっと使っていきたい頭はあるんですけど、丸め込みとかは普段自分もやってませんし練習してないので、そういったのは使わないかなと言えます。
セミファイナル 30分一本勝負
ロックアップから試合はスタート。じっくりとしたグラウンドの展開となる。高尾がスピーディーなロープワークからのドロップキックでペースを掴む。そこから場外戦へ。高尾が田中を客席へ投げ込む。これに火のついた田中は場外で高尾をボディスラム。高尾をリング内に戻し鉄柱に固定すると、何度もイスで高尾の足を打ち付ける。田中は高尾の足に狙いを定め、足を固めていく。田中に「決めてみろ」と言い放つ高尾だが、田中は「エルボー得意なんだろ? 来いよガキ」と余裕の表情。高尾はエルボーを打ち込むが、田中もエルボーで返す。田中は「いいの来るねー」と言いながらエルボーを返し、エルボー合戦に。エルボーで倒したのは高尾。しかし田中が足を攻めると高尾の動きがストップ。コーナーで足への攻撃を続ける。田中が串刺しの弾丸エルボー。高尾はダウン。田中が「立てよオラ! こんなんでタッグのチャンピオンなんか! どうした来いよオラ!」と挑発すると、高尾はエルボーを打ち込んでいくが、田中は高尾の膝へストンピング。さらにロープにもたれかかった高尾にエルボー。もう一発を狙ったところを高尾が前転からのドロップキックで一矢報いる。高尾がセカンドロープからのダイビング・ダブル・フットスタンプもカウントは2。高尾が延髄斬りからトラースキック。高尾が再びコーナーに上ると、トップロープからのダイビング・ダブル・フットスタンプはかわされ、そこに田中がスピア。コーナーへの串刺しラリアットを連発。返そうとする高尾に田中がDDT。田中がスーパーフライ狙いも高尾がコーナー上に追いかける。エルボーを打ち合う両者。高尾が雪崩式フランケンからトラースキック。カウントは2。続けて放ったシュバインもカウント2。ジントニックを狙うが、田中が耐えてパワーボムで返す。田中のスーパーフライは高尾が剣山で迎撃。両者は中腰でエルボーを打ち合う。田中が「立てオラ!」と言うや、立った状態で強烈なエルボーの打ち合い。ローリングエルボーの相打ちからランニングエルボーが相打ちとなり、両者ダウン。ダウンカウントが進む。立ち上がった田中が垂直落下式ブレーンバスターからスーパーフライもカウントは2。田中のスライディングD狙いを避けた高尾はラ・マヒストラルから公認エンドレスワルツへ。ガッチリと抑え込むもカウント2。高尾がエルボーからジントニックを狙うも田中が足をクラッチさせず、不完全な状態で片足のみクラッチしたジントニック。カウント2で田中が返す。続けて高尾がリバース。・ゴリースペシャル・ボムを狙うが、田中は耐える。高尾が横入り式エビ固めにいったところを立ち上がった田中が至近距離のスライディングD。続けて正調のスライディングDを叩きこむと高尾も返せず3カウント。初エントリーの田中が初戦を突破した。
【試合後のコメント】
田中 初戦は大事なものやと思ってるから、いい開幕を迎えられたんじゃないかなと思います。やっぱ向こうがエルボーが得意で打ち合いたいみたいなことを言ってたので。そういうふうに言われたら逃げるわけにはいかへんしね。でも、自信持ってるだけあって、いいもん持ってる。でもそれで負ける田中将斗じゃないし。ちょっとくらっとして前のめりで倒れたかもしれんけど、その何倍以上に打ってやった自負があるんでね。最後、スライディングD一発、ここ最近では一番の決まり具合やったんじゃないかな。それで倒したこと、自信になったし、このD王GPを最後まで突き抜けれるなと思いました。
――明日は佐々木大輔戦になります。
田中 カリスマ、カリスマってDDTの中で言われてるからね。それが、なんのカリスマか俺はわからんし。例えば葛西(純)やったらデスマッチのカリスマ、師匠の大仁田厚だったら涙のカリスマと言われてるけど。カリスマとは聞こえて来るけど、俺はなんのカリスマかわからへんから。それは試合で、なんのカリスマか確かめてみたいなと思います。
――今日、明日とDAMNATIONのメンバーとの闘いでもあるが。
田中 それはもう、どこのチームに属してようが、ヒールだろうがベビーだろうが、そんなのは俺にとって知ったこっちゃないし、関係ないでしょ、1対1で。まあ徒党を組んで一人に対してやってくるんやったら、それはそれで迎え撃ちますけど、1対1のリングできょうだってアイツ、一人でやったやろ。そういう中で勝負するんやったら、俺だって真っ向勝負でいきますよ。
高尾 田中将斗のエルボーというのは、今日初めて体感したけど、見た目通り、いや見た目以上、レベルが全然違うんじゃないか思った。俺はアイツのエルボー何十発受けてんだよ。でも、記憶は飛んでねえだろ。俺のエルボーでアイツは記憶飛んでんじゃねえか、ちょっとは。それは互角なんじゃないか、エルボーに対しては。でも試合としては負けたし、次はいつ当たるか知らないけど、アイツを倒して、俺もスライディングDをアイツに当ててやるよ。
メインイベント 30分一本勝負
両者ガッチリと握手から試合はスタート。互いに蹴りをけん制し合う。坂口がヒールホールド狙いもHARASHIMAが対処すると、坂口はサイドポジションになるがHARASHIMAがガブリの体勢。坂口が脱出するとガードポジションに。HARASHIMAがサイドポジションからアームロック狙い。かわそうとした坂口にHARASHIMAは腕ひしぎ逆十字固めを狙うが、坂口も極めさせず。坂口がマウントポジションから肩固めもHARASHIMAはリバース。HARASHIMAがアンクルホールドからアキレス腱固めを狙うが、坂口もアキレス腱固めで返す。HARASHIMAがクロスヒールホールドに切り替えると坂口はロープブレイク。緊張感あふれる寝技の攻防が続く。両者自らグラウンドの状態になり相手を誘う。坂口が上になりパスガードを狙う。HARASHIMAはバックを取るとスリーパーから腕ひしぎ逆十字固め狙いも坂口は脱出すると、横四方の状態からノースサウスチョーク。ガッチリと極まるが、HARASHIMAは何とかロープブレイク。HARASHIMAはガードポジションから三角締めで坂口を捕らえるが、坂口はニーオンザベリーもHARASHIMAがリバース。HARASHIMAがグラウンドコブラを決めるも坂口はロープブレイク。両者スタンドへ。坂口がマウントから掌底を繰り出すもHARASHIMAが返して同じようにマウントから掌底。コーナーでブレイクとなり距離が空き走ってきたHARASHIMAを坂口がコーナーに乗せ、一角蹴り。坂口のPKをかわしてHARASHIMAが下から顔面蹴り。エルボー合戦へ。坂口がヨーロピアン・アッパー。HARASHIMAの張り手をかわした坂口がボディーへの打撃から強烈なエルボーが入るとHARASHIMAダウン。何とか立ち上がるHARASHIMAに坂口は「来いよ! オラ!」というとHARASHIMAがミドルキック。坂口もミドルキックで返す。強烈なミドルキックの打ち合いの末、ハイキックが相打ち。HARASHIMAがスピンキックからコーナーの坂口にスタンディングの蒼魔刀。チャンスとばかりにHARASHIMAが正調の蒼魔刀を狙ったところに坂口が神の右膝で相打ちに。立ち上がった坂口が膝蹴りを当てるも、HARASHIMAは背中に蒼魔刀。リバース・フランケンシュタイナーから蒼魔刀狙ったHARASHIMAだが、坂口がかわすとコーナーに激突。坂口がスリーパーホールドで捕まえる。HARASHIMAは背負い投げで脱出しようとするが坂口は離さない。HARASHIMAの動きが止まり、レフェリーが状態をチェックする。HARASHIMAは坂口抱えて立ち上がり、おんぶの状態から坂口の頭をマットに突き刺す。立て続けにHARASHIMAが蒼魔刀を炸裂され3カウントを奪った。二冠王のHARASHIMAが初戦を突破した。
エンディング
初戦突破の二冠王HARASHIMAが優勝宣言!
勝利したHARASHIMAがマイクを持った。「勝ちましたー! すみません、僕の意識がちょっと遠くにいますけど、戻ってきました。大丈夫です! いよいよ始まったD王GP2020、僕はこのリーグ戦、この最初の坂口さんとの試合、最終日の田中将斗選手との試合、この2つが特に特に特に、重要だと思ってます。今日その一つクリアしたんで、この勢いで必ずリーグ戦、勝ち上がります! 大丈夫っすよ! 必ずリーグ戦勝ち上がってやるさー! (観客「なんでー?」)D王になってやるさー!(観客「なんでー?」) そして今日見に来てくれたお客さん、明日も見に来るさー!(観客「なんでー?」)なんでかって?それは、鍛えているからだー!」と大会を締めた。
【試合後のコメント】
坂口 負けたけど、自分の闘いができたから、満足もいってるし、まあ勝負事だから勝つ人間もいれば負ける人間もいるわけだし。あの人、俺から言うのもなんだけど、強くなったし、強い。なんか、勝ったか負けたかリーグ戦なんだからこだわんなきゃダメなんだけど、それ抜きにして今日は満足だし、DDTの中にはない試合を見せれたと思うんでね。そういう部分では満足しました。これで勝てば完璧だったんですけどね。
――際どい試合だったが手応えはあった?
坂口 全然あったよ。初っ端のスピニング(チョーク)で、取れたと思ったけどね。今度やる時は金網でプロレスやりたいね。ロープやエスケープがあるからね。あれ金網だったら絶対取れてたと思う。蹴り一つにしても神右(神の右膝)にしても勝ってたと思うし。飯野のスピアに打ち勝った蒼魔刀は神右と互角だってことで、神右もまだまだ捨てたもんじゃないな。そういう部分では何度かチャンスあったけど、まあ強いよ、あの人は。
HARASHIMA 二冠王者としてこのリーグ戦は一つも落とせずに勝たなきゃいけないというか。チャンピオンの役目だと思って闘って、初戦の坂口さん。リングでも言いましたけど、初戦の坂口戦、最終日の田中将斗戦。この2つはとても自分の中で大きな山で。ここは絶対落とせない試合で、本当に勝ててひと安心。勝ちたいけれども、いろいろ試したいこともあるし、坂口さんと試合するとお互いの磨いてる技術を競い合いたくなっちゃって。ちゃんと勝ち負けつきましたけど、いろんな部分で楽しんじゃいましたね。あと、いい打撃もらったしけっこう絞められたりもしたんだけど、坂口さんがこっちの土俵に乗ってくれて打ち合いに応じてくれたんで、どうにか隙をつけて勝つことができましたね。強いっすよ。でも今日勝ったんで全部勝ったんで優勝目指します。
――紙一重の部分を耐えれたのは王者としての意識があった?
HARASHIMA そうですね。ここでコロッと負けるわけにはいかないんで。最後はチョークがけっこう危なかったんですけど、スペースは作ってたんで。あとは相手の絞め疲れを待って。けっこう危なかったですけど。苦しくて。でも自分のなかでは数ミリの余裕があったんで、どうにか踏ん張っていけましたね。
――序盤のグラウンドは?
HARASHIMA 楽しいですね。探り合いと。いまああいうレスリングというか、グラウンドをね、プロレスリングと言いながらやらない風潮にあるんで。そこはしっかりした部分で。楽しんじゃいました。