選手入場式
ついに復刊、若手通信! かつてと同じ選手入場式で大会がスタート!
井上リングアナウンサー、小菅リングアナウンサーの前説後、かつての若手通信と同様に選手入場式へ。若手通信のテーマ曲に乗り、出場全選手(高尾を除く)がリングに登場。代表してまずは翔太が「本日はご来場いただき誠にありがとうございます! 去年の9月、品川で行われたひらがなまっする、そこで令和2年のベストバウトを……1人しか言ってなかったですけど、令和2年のベストバウト、平田さんの試合を見て僕が興行後にふと若手通信という言葉を放ったら、気付いたらこんな興行が行われることになってしまいました。みんないい感じに歳取ったなっていう空気感が会場入りから漂っているので、みんなも僕らがいい歳の取り方してるのを最後まで見届けていただければなと思います!」と挨拶。続いて彰人が「さっきリングで柔軟している時に、株価がどうだとか、若い頃には考えられないような話をしていて、みんな歳取ったんだなっていうのを実感しているんですけれども、10年前の自分たちが思い描いていた姿になれているのか、答え合わせしつつ、10年前に切磋琢磨してやっていた仲間たちと、試合を通して会話が出来ればなと思い、この興行を言い興行に出来ればと思っております」と挨拶。最後にマイクを受け取った平田が「今大変な世の中ですが、今の若手通信世代の全てをぶつけて熱く会場を盛り上げたいと思いますんで、付いてきてください! 復刊若手通信興行スタート!」の掛け声で大会がスタートした。
オープニングマッチ 20分一本勝負
両チームが入場し松井レフェリーがボディチェックをすると各々に「だいぶ変わったね」「全然変わらないね」と声を掛けていくも伊橋はスルー。伊橋と影山で開始のゴング。いきなり激しいタックル合戦。伊橋が打ち勝ち「イェイ、カモーン!」と叫ぶもすぐに影山がタックルで倒す。ヒロシと美月に代わると、ヒロシは独特な動きで美月を威嚇。ヒロシがバックを取るとヨガのポーズにさせていく。何度もヨガポーズをさせるが、美月は抜け出してコルバタを決める。さらにドロップキックからカバーもカウントは2。伊橋がヒロシにストンピングを浴びせるも、ヒロシは謎に体をくねらせ耐える。伊橋と美月が代わる代わるヒロシを捕まえる展開に。美月がヒロシに無理やりシャンパンを飲ませ、頭をシェイクするとヒロシは酩酊。立っているのもやっとの状態になってしまう。伊橋がスリーパーで捕獲すると、ヒロシの動きが止まる。しかしヒロシは座禅を組むと無の境地に。伊橋の攻撃が効かなくなってしまう。そのまま伊橋の足を捕らえたヒロシは座禅状態でドラゴンスクリュー。ここで影山に代わると、飛び込んだ影山が相手2人を蹴散らし、伊橋にトラースキック。伊橋もダッシュミドルを返す。美月とヒロシに両チームタッチすると、ヒロシはいきなり座禅。美月が打撃のラッシュを見舞うと、サードロープにヒロシをもたれ掛けさせ、場外からハイキック。リング内に戻すとミサイルキックを決め、ブレーンバスター狙い。ヒロシが抜け出すとラリアットを放つが美月もラリアットで相打ち。美月が伊橋に代わる。美月を呼び込み、ヒロシに連係攻撃を決める。カバーは影山がカット。美月が影山を排除すると、伊橋がムーンサルトを放つと自爆。ヒロシがラリアット連発。倒れない伊橋はローリングラリアットで一撃。串刺し攻撃を狙った伊橋だが、ヒロシがかわしコーナーに激突させると、ヒロシがグラウンド・コブラツイストで丸め込む。ガッチリ決まると伊橋も返せず3カウント。
第二試合 20分一本勝負
日本大学の学生プロレスの先輩後輩である吉野と風戸、UWF関東学生プロレス連盟の同期である高尾と翔太。吉野と翔太はかつてガッツワールド所属同士という関係も。風戸が入場するや叫びまくり、翔太は「そんなんじゃなかったろー!」と困惑。翔太と風戸で開始のゴング。腕の取り合いから打撃を狙い合うも、かわし合い、カバーを狙い合うもどちらもクリア。風戸から吉野に代わると、吉野はやたらと「高尾殺す」と高尾を挑発。高尾はオイルの塗られた吉野の体を警戒し、翔太のTシャツを着込む。吉野がエルボーを放つと、高尾はすぐさまエルボー。これに悶絶した吉野は、高尾のボディーへ一撃。再度もう一発。怒った高尾はTシャツを脱いで首を絞めていく。翔太が「13年前にやったやつ!」と言って、高尾とダブルのバックエルボーを決める。翔太が吉野の腕を狙って攻撃を繰り出すが、吉野はバックドロップで逆転。代わった風戸がコーナーで振り子式ドロップキックを決める。吉野と風戸が代わる代わるやたらと大声を上げながら翔太を捕まえる展開。翔太が何とか吉野にネックブリーカーを決め高尾に代わる。高尾が吉野にランニング・バックエルボー連打。吉野もバックエルボーを返し風戸にタッチ。高尾が2人を蹴散らし、DDTとリバースDDTを同時に決めて一掃。風戸にランニング・エルボーを決めるがカウント2。ジントニック狙いは風戸が防御。ならばと高尾はバッククラッカー。代わった翔太がスイングDDT狙うも、抜け出した風戸がスワンダイブ式ミサイルキックを決める。風戸から吉野に代わり、吉野がアックスボンバーで翔太を吹っ飛ばす。バックの取り合いから目まぐるしく攻守が入れ替わるが、吉野がボディブローからファルコンアローを決めるもカウント2。吉野が翔太をコーナーに乗せるが、翔太がサミングで抜け出しフロッグスプラッシュ、しかし吉野がかわし自爆。風戸が翔太を踏み台にしてコーナーの高尾を排除。翔太に風戸がトラースキックから吉野はアスリート・ジャーマン・スープレックス・ホールド、カウント2で高尾がカット。風戸が高尾を場外に落としプランチャを放つ。吉野のサンダークラッシュ狙いを、翔太はメキシカンクラッチで丸め込む。カウント2。翔太が雁之助クラッチ、カウント2。吉野はカウンターのジャンピングニーからサンダークラッシュへと繋ぎ3カウントを奪った。
セミファイナル 20分一本勝負
かつて名古屋で切磋琢磨していた杉浦と彰人。10年ぶりの遭遇に両者はガッチリと握手。ゴングが鳴ると会場は大きな手拍子。腕の取り合いから試合はスタート。手四つの体勢になると、彰人が巧みにバックを取って杉浦をコントロール。彰人がタックルで倒すと、杉浦は高いドロップキックを決めていく。杉浦は彰人を応援するセコンドの中村ににらみを利かす。彰人は杉浦のセコンドの影山に一撃加え一触即発に。そんな中杉浦が彰人に低空ドロップキックを決める。カバーはカウント2。彰人はそのまま場外に退避。杉浦が追いかけると、彰人はリング内に。怒った杉浦は中村を一撃。リング内に戻ろうとした杉浦の腕を彰人はロープに叩き付け、腕にダメージを与える。杉浦が場外に降りると、彰人が追いかけエプロンや鉄柱に杉浦の腕を叩きつけダメージを与える。さらに彰人は影山に一撃加える。リング内に戻ると、彰人は腕を固めての河津掛け。彰人が「デスマッチしか出来ないのかチャンピオン!」と挑発すると、痛めている腕で杉浦がエルボーを放っていく。杉浦がムキになってエルボーを連発すると、彰人は低空ドロップキックから、様々なアームブリーカーを連発。アンクルホールドで捕らえるも、杉浦はすぐにロープにブレイク。彰人が杉浦をコーナーに振ると、杉浦はトップロープに飛び乗り反転式のダイビング・ボディアタックで逆転。エルボー連打からブレーンバスターを決めるもカウント2。ミサイルキックで彰人を吹っ飛ばすもカウントは2。彰人は突進する杉浦をかわすと、コーナーの杉浦に両足を捕らえてのドラゴンスクリュー。低空ドロップキックから両足に乗っての足殺しの波状攻撃。足横須賀狙いは杉浦が耐える。彰人はドラゴンスクリュー、ランニング式のアームブリーカーから足横須賀。そして足4の字固めへ。完璧足4の字を狙い、腕を捕らえていくが、杉浦は抜け出しロープブレイク。彰人がロープに振ろうとすると、杉浦はロープを掴んで耐えると、投げ技を狙った彰人を逆に杉浦が抱え上げオーバーイージーを決めるがカウント2。右肘を狙った杉浦だが、彰人はワキ固めに切り返す。そしてアンクルホールドへ。ゴライアス・バードイーターの体勢に入るが、杉浦は腕を噛んで脱出する。両者立ち上がると足を止めてエルボーの打ち合い。彰人は杉浦の足を蹴って動きを止めるが、杉浦は左右のエルボーを連打。彰人がカサドーラのように飛び付いて足関節を狙うが、そこから体を入れ替えた杉浦が彰人を抱え上げ、スウィフト・ドライバーで突き刺す。そのまま押さえ込むと、杉浦が3カウントを奪取。
彰人が杉浦に感謝のマイクも「お前俺より2ヵ月後輩だろ! それが先輩に対する口の利き方か!」(杉浦)「チャンピオンになっても器の小さい杉浦のままでいてくれて安心しました!」(彰人)
彰人がマイクを持つと「杉浦君、お久しぶり。やっぱり今日10年ぶり? こうやってシングルでやって、やっぱり僕が知ってる10年前の杉浦君はもういないなって思っちゃいました。あんたは偉大なチャンピオンになって、このリングに帰って来てくれたよ。オファーを受けてくれてありがとう(会場拍手)」と感謝を述べる。すると杉浦は「おい、お前誰に口利いてるんだよ(彰人「うわっチャンピオンなったからって偉そうじゃねぇか)そういうことじゃねぇよ(彰人「どういうことだよ」)お前俺より2ヵ月後輩だろ!(会場笑)それが先輩に対する口の利き方か! お前も社会人だろ! 副社長だろ! 先輩への気遣い、言葉遣い、わからんのかね君はいつまでたっても!」と一喝。すると彰人は「すげぇ安心しました! 杉浦はチャンピオンになっても器の小さい杉浦のままでいてくれて!(会場笑)けどね、杉浦君とは若手通信以上の付き合いがあって、練習生の頃からの付き合いがあって、こうやって東京の場で10年ぶりにシングル出来たこと、ものすごく嬉しく思うし、今日試合して、いつかはわかんないけど、どこかのタイミングでシングルやりましょう! 今日はありがとうございました!」と言って杉浦と握手。2人がベルトを掲げた。
ダブルメインイベントⅠ 20分一本勝負
FUMA、入江、平田、石井、関根、安部と青コーナーと赤コーナーが交互に入場し、メインの組み合わせが安部&石井&入江vs関根&平田&FUMAと判明。両軍入り乱れるように大乱闘となり開始のゴング。リング内では入江がFUMAをヘッドロックで捕らえる。FUMAが巧みに入江の攻撃をかわし、水面蹴りを決める。石井と平田の組み合わせになると激しいエルボー合戦からエルボーとビッグブーツの打ち合い。平田がコルバタを決めると相手コーナーを蹴散らす。石井にスライディングキックを狙うも、飛び越えた石井がダブルニーを落とす。入江がダイビング・ボディプレスで援護し、石井がカバーもカウント2。ここから赤コーナーサイドが代わる代わる平田を捕まえる展開となる。防戦一方となり苦しい平田だったが、安部にダイヤモンドカッターを決め逆転。代わったFUMAはコーナーからのフライングニールキックを安部に見舞うと、打撃のラッシュからPKを決めるもカウント2。追撃を狙うFUMAに安部はストップ延髄斬りを決め石井に代わる。FUMAは腕を掴んだままのミドルキック連発から、後頭部への串刺しエルボーからバックドロップを決めるがカウント2。石井は強烈なバックブリーカーから側頭部へのランニング・ニー、垂直落下式のフィッシャーマンバスターを決めるもカウント2。タイガー狙いはFUMAが抜け出し、バズソーキック。石井は野球チョップを狙うも捕まえたFUMAがエクスプロイダー。関根に代わると相手コーナーを蹴散らしカミカゼを石井に決めるもカウント2。レッツコンバインを狙うが石井は抜け出しジャンピング延髄斬り。入江に代わる。向かって来る関根に入江がカウンターのブラックホールスラム。カウント2。エルボーの打ち合いになり、頭突き合戦に。入江が打ち勝ちビーストボンバーを狙うも、かわした関根が投げっ放しジャーマン。関根がコーナーに戻ろうとすると、入江が「まだやれんだろ!」と引き戻し、2人はエルボーの打ち合い。関根が根性で打ち勝つ。関根のミドルキックを入江が蹴り足を捕らえると、関根は左右の張り手、入江が至近距離から頭突き。関根がハンマーを決めロープに走るも、入江がカウンターのビーストボンバー。平田と安部に代わる。安部は後頭部への串刺しニーからランニング・エルボーを決めるもカウント2。突進をかわした平田がミサイルキック。青コーナーサイドが赤コーナーを蹴散らす。チャンスとばかりに平田がバックドロップからカバーもカウント2。石井が飛び込み安部とダブルのドロップキック。石井がコーナーに平田を叩き付け、そこに入江がキャンボールで追撃。安部のトラースキックはカウント2。続いてカミゴェを決めるもカウント2で赤コーナー側がカット。安部はコーナーに上るが、関根とFUMAが阻止。2人でデッドリードライブを決め、サンドイッチのサッカーボールキック。そこに平田がGO!GO!スプラッシュで飛び込むもカウント2。エゴイスト・ドライバーの体勢に入るも、安部は着地。飛び込んで来た入江が平田にポップアップのバックフリップ。これをきっかけにここで両チームが入り乱れる展開。安部が平田の周りをまわってかく乱してから逆さ押さえ込み。これをカウント2で返した平田は横入り式エビ固めを決めるもカウント2。すぐさまスライディングキックを放つもカウント2。ならばとエゴイスト・ドライバーを決めると3カウントを奪取した。
若手通信メンバーがリングに集合! そして彰人の提案により急遽このあと若手通信世代から“今の若手通信世代”中村と岡谷にメインイベントでの一騎打ちをプレゼント!
熱戦を制した平田がダンス。関根と入江が向き合うと、入江が涙を流しながら抱擁。平田はマイクを持つと出場選手をリングに呼び込む。出場全選手がリングに上がると、翔太は「彰人さん見てください、この光景を! 誰も真ん中を取ろうとしない、これが若手通信世代です! 全員端っこにいる(笑)これが若手通信世代です! いやぁ、さっきの試合を見て45歳くらいになってもこういう試合をしたいなって思いましたね。……僕も何も言えないですね。関根さんとは……。一言ずつもらいましょう」と言ってメインのメンバーが1人ずつマイクを握る。関根「若手通信、最高です。今日はありがとうございました。またお願いします! 何かあったら! 入江も何かあったらお願いします!」FUMA「みんな昔は似たようなコスチューム着てたのに、みんなズルいじゃないですか! こんなきらびやかなコスチューム着て! 関根さんと僕くらいですよ、こんな地味な……(笑)」石井「自分は今ガンバレ☆プロレスっていうところにいますけど、もっとこの世代の選手と闘ったり組んだりしていきたいと強く思いました。またお願いします」入江「昔若手通信ってアンケート用紙があったんですけど、本当に私女性人気が無くて……ダメだった選手ってところにいつも入江茂弘ってかわいい丸文字で、絵文字までつけて丁寧に書いてくれてる人がいたんですけど、それを書いてくれた人が今日も見に来てくれてたら、また良くなかった選手に入江茂弘って書きますかって聞きたいけど、僕はもう書かれないって自信を持ってこのリングに上がってますので、これからもこの2008年、2009年あたりのデビューのみんなでプロレス界を引っ張っていきますので、よろしくお願いします!」安部「正直この若手通信に何一ついい思い出がありません。頑張っても頑張っても自分が上手くなってんのかとか、お客さんを満足させているのかとかそういうことを感じることは何一つ出来ませんでしたが、今日は少しだけ両方感じ取ることが出来ました。入江君と被りますが私も若手通信の良くなかった選手の常連だったので多分今回またアンケートあったら、僕の名前は書かないでください!(彰人「無いから安心して!」)」そして最後は平田が「僕が言うのもなんですけど、若通世代ってキャラ濃いっすね~!(会場笑)とにかくね、あの頃つらい思いして色々やってたわけですよ。ギャラが100円の時もあればね、1,000円になった時なんてもう嬉しかったですよね! やべぇ~1,000円だよってね! もうバチバチやったり、そういう熱い思いを持ってやってたわけですけど、今は僕たちいろんな感じなってますけど、それぞれの信念を持って熱い思いを込めてリングに立ってます。それはずっと変わりません(会場拍手)こうして最後に喋らせてもらうのは恐縮ですが、まだまだバチバチだったりちょっぴりふざけたお茶目な試合だったり、色んな方面からプロレス界を盛り上げて、それぞれのやり方でトップ目指していくんで、これからもこの若通世代を応援よろしくお願いします! 今日はありがとうございました!」と大会を締めると、選手が集合写真に納まった。そして選手がリングから退場していき、入場口前で最後に彰人、平田、翔太が頭を下げる。しかしバックステージに下がらず、3人は再びリングへ。彰人がマイクを持つと「僕たちの同窓会的な若手通信興行は一旦これで終了です。ただ僕ら、もう一つだけやり残したことがあります。僕らは10年前は本当に若手で、若手だけで興行を任されて、みんなで興行を作って、何ならまだメインに立つような人間じゃない人がメインイベントを経験して、それが生きて今ここにいます。僕ら10年経って若手を育てる立場になりました。ここからの時間は、あえてこういう言い方をさせてもらいます、今の若手通信世代、中村君、岡谷君、リングに上がって!」と言って、セコンドで来ていた中村と岡谷をリングに上げる。すると彰人は「ここからは君たちにメインイベントやってもらいます(会場拍手)僕たちもキャリア1、2年の頃に会社に言われて任されて、こんな自分たちでいいのかなって思いながらメインのリングに立って、シングルマッチやって、勝った方がマイクで締めて。そんな経験今のDDTではなかなか出来ないから。君たち、そんな経験をしてもらいたい。これは僕たちからの、3人だけじゃなくて若手通信世代みんなからのプレゼントです(会場拍手)今日コスチューム持って来てって言ったよね? コスチューム着替える時間15分ほど上げるから、その間僕たちサイン会とかやって時間繋いどくから、着替えて準備出来たら言ってください。もう少々だけ時間下さい! 君たちが出せる力、最大限に出すメインイベント、君たちが思うメインイベントやってください!」と言って、彰人の提案により急遽休憩時間へと突入した。
ダブルメインイベントⅡ 20分一本勝負
若手通信世代からのプレゼントとなった急きょのシングルマッチ。岡谷も中村も気合の表情でリングイン。会場のいたるところで若手通信メンバーが試合を見守る。ゴングが鳴ると会場は大きな手拍子。ロックアップからバックの取り合い、腕の取り合いへ。ヘッドロックからレッグシザースの攻防、距離が空くと大きな拍手が起こる。ここからグラウンドの攻防へ。スタンドに戻り、中村がロープに押し込むと、離れ際に張り手。そしてドロップキックを決める。場外に転落した岡谷に中村はプランチャを放つが、回避した岡谷は場外マットにボディスラムで叩き付ける。岡谷はエプロンに中村の背中を叩きつけリング内に戻る。何とかリングに生還した中村だが、すぐさま岡谷はエルボードロップ。カウント2。逆エビ固めで締め上げる。会場の手拍子の後押しを受け、中村は何とかロープにブレイク。岡谷の攻勢は続き、チンロックで絞り上げていく。中村はこれもロープに逃れる。中村がエルボーで向かっていくが、岡谷はエルボーで押し込む。中村はドロップキックを狙うも岡谷はロープを掴んで食らわず。岡谷がロープに振ろうとすると、振り返した中村がカウンターのドロップキックを決める。一気にペースを掴んだ中村、その場飛びムーンサルトはカウント2。続けて逆エビ固めへ。岡谷はロープにブレイク。さらに中村は絶品を放つが、避けられ自爆。それでも中村は串刺し攻撃を狙うも、迎撃した岡谷がセカンドからミサイルキックを決める。そして串刺しのエルボーからランニング・ブルドッグ、ブレーンバスターと決めるもカウント2で中村は返す。ダブルアームの体勢に入る岡谷だが、中村は腰を落として耐える。中村は向かって来る岡谷をかわすと、スワンダイブ式ミサイルキックを決める。さらに場外の岡谷へプランチャ。さらにリング内に岡谷を戻すと、絶品を決める。さらに三角飛び式ブファドーラを決めるもカウント2。ダイビング・ヘッドバットを狙ったが岡谷が回避しようとして、不完全な状態でヒット。両者ダウン。2人は膝立ちでエルボーの打ち合い。立ち上がってのエルボー合戦。岡谷が縦チョップを見舞いロープに走ると、中村は横入り式エビ固め、カウント2。首固めもカウント2。さらに先日岡谷から初勝利した変形エビ固めを決めるが、岡谷はカウント2でクリア。中村のブラジリアンキック狙いを岡谷はかわしてエルボー。さらに強烈なランニング・エルボーからノーザンライト・スープレックス・ホールド。カウント2。岡谷がダブルアーム・スープレックスを狙うも、耐えた中村はブラジリアンキック。しかし岡谷はエルボーから近距離でのランニング・ネックブリーカーを決め、ダブルアーム・スープレックスに繋ぎ3カウントを奪った。
エンディング
岡谷がメインで勝ち名乗り! 大会を締めくくる!
勝利した岡谷がマイクを持ち「本日は誠にご観戦ありがとうございました。まさか自分がこの若手通信興行のメインイベントで試合をするとは思ってなかったんで、ちょっとびっくりしたんですけど、何とか勝ちました!(会場拍手)今こういう状況でお客さんの皆さんも苦しいと思いますが、プロレスを見て元気をもらっていただけたらいいと思います。2021年まだまだ始まったばかりで、お客さんもっともっとDDTの試合を見て元気を出してください! 今日は本当にありがとうございました!」とシングルでのメインイベントとして初めて興行を締めくくった。
【バックステージコメント】
中村 新年一発目、やっと岡谷から1勝取り返せたと思ったんですけど……また負けてしまいました。まだ足りないですね、はい。ありがとうございました、これからもっと強くなります。
岡谷 この前の1月3日の後楽園で中村さんに最後油断していたのもあって負けて、今日はまさかだったんですけど、またとないチャンスを生かさない手はないんで。2021年はもっと上の段階に行きたいと思っていたので、本当にありがたいです。今日はありがとうございました。
――初めてメインイベントのシングルマッチ勝って大会をマイク締めた感想はいかがですか?
岡谷 最後までマイクで締めるまでプレッシャーで、自分も上手く締めれたかわからないですけど、いい経験が出来ました。
――若手通信というものについてはどういう感想ですか?
岡谷 若手だけの興行、今はない興行なので、すごくいい興行だなと思いました。
翔太 いやーみんなちゃんと歳取ってましたね。
彰人 何かそれも心地よかったです。
翔太 若通の頃って、なんかみんな個性がないとか、みんな同じようなことやってることが評価低い理由だったような気がするんですよ。平均点の試合をしているだけで。今日見たら何ですか!
彰人 意外と個性的でしたね(笑)
翔太 アクの塊みたいな(笑)
彰人 みんなそっちに進化していきましたね(笑)
翔太 進化していきましたよ。彰人さん久々に杉浦さんとの試合だったんじゃないですか?
彰人 杉浦とは若手通信というか、名古屋で練習生時代からお互い練習したり切磋琢磨していて、こうやって若手通信ってリングで対峙することが出来て、本当にもの凄く感慨深かったですね。やっぱり僕が知らないところで杉浦が結婚して、子供が出来て……
翔太 知らないところで!?
彰人 報告一切なかったんですよ。
翔太 えーっ! 名古屋の闇を見ましたね。
彰人 照れくさいんですよお互い。久々に交わって彼はどんな風に変わったのかなって思ったら、もちろんプロレス的にはもの凄く変わってて、もの凄く強くなってて。けど芯は全然変わってなくて。いつも通り小さい杉浦でいてくれて。変わってなくて幸せだなって思ってしまいました、リング上で。
平田 みんな芯は変わってなかったですよね。ただ会話の内容が……。
翔太 ちょっと待ってください、第2試合のメンバーは変わり過ぎてて、戸惑いしかなかったです。パートナーの高尾は近くで見てるから知ってますけど、あいつも18歳の頃とはだいぶ変わったし、でも吉野達彦と風戸大智についてはあいつらは何なんだと、いうくらいに変わっていて、僕が無個性の人間みたい! そんな第2試合になってしまって、変わり過ぎてるやつもいるなと思いました。
彰人 いいじゃないですか、そういうのも楽しいですよ。
翔太 メインの6人の30歳越えたレスラーが体張ってるのを見て、僕も頑張ろうと思いましたね。
平田 痛かった~。
翔太 平田さんが主役じゃないですか、今日は。
平田 とんでもございませんよ。試合前ちょっと同窓会的な感じでいいな~って思ったんですけど、会話が尿酸値だったり、株価だったり……。
翔太 保険とか、確定申告とか。
平田 変わってたんですけど、リングに上がったら芯根の部分はみんな変わらず突き進んでいくってね。若通らしくトップ狙うんで、って言ったんですけどみんなトップの人が何人かいてね。
翔太 すでにトップの人が(笑)
平田 トップの人もいるんですけど、まだまだこれから若手通信世代をね、どんどんどんどんあれやこれやああして、またちょっと活躍を倍の倍の倍にして、盛り上げていきましょうっていうそんな気分でございます。
翔太 レスラーっていうのは30歳から38歳くらいが絶対ピークなんで。世間は20代の若い選手がいることがいいみたいな風潮がちょっとあるんですよ。レスラーは30から38くらい、何なら天龍さんは40歳が一番かっこよかったと僕は思ってるんで。日米レスリングサミットの時が40歳ですから。
彰人 一番いい時だ。
翔太 サベージvs天龍戦の時が40歳。だから30~40が我々のピークなんで。旬なレスラーになっていきましょう。若通興行も次は?
彰人 いやまぁ最低1年は寝かせたいですね。
翔太 そうですね(笑)
平田 乱発するもんじゃないよね。
彰人 同窓会って何ヵ月に1回やるもんじゃないですよね。僕の本心だけで言うと、5の節目でいいと思うんですよ。次は15年後。50年後。でも機運が高まったら1年後にやるかもしれないし、それはちょっとわからないですけど。たまにはあの頃のメンバーと会って、懐かしい試合をしたいなとなるんで。またどこかでやれたらなと。
翔太 そのくらいのペースでやりましょう。絶対同窓会って楽しいから来月も会おうってなると、だんだん出席率が下がっていきますからね(笑)
平田 あるあるですね(笑)
彰人 でも今回出てない人もいるから。次はもっと自分の希望でいったら大きいとこ、大きい団体から出て欲しいっていうのはあります。
翔太 それではそういうペースでやりましょう! いや~でも今日はみんなで出来て良かったですね。
――その中であえてメインを中村選手と岡谷選手に託したというのは?
彰人 自分たちの楽しかったな、で終わらせたくない部分があったんですよ。もちろん同窓会感慨深いし自分たちも楽しかった。けど、自分たちはキャリア1、2年の頃、会社から言われて自分たちで興行やって、自分たちがメインをやって、自分たちでマイクで締める、そういうことを今の若い子たちが出来てるのかなって思ったらそういう場がない。だからこそ僕らが下の子を育てる世代になって、与えていってあげなきゃいけないのかなって。僕たち世代から下の世代へのプレゼントです。それがあの子たちにとって今は無理やり先輩にやらされたなって思うかもしれないけど、後々いい経験になったなって思うはずなんで。僕らがそうなんで。彼らにとっても響くものがあったらなって思います。
――試合後中心にいかないっていうのが我々の世代だっていう話がありましたが、改めて若手通信世代としての今後についてはいかがですか?
翔太 やっぱり自己主張しなかったり、人に譲るみたいな人間性は変わらないと思います。
彰人 でもそれが個性だと思いますよ。逆に言えば下の世代の子は誰かしらが真ん中にいるんですよ。誰もあんな真ん中に立たないっていう世代はなかなかないと思うんで。
翔太 20人くらいいるのに(笑)
彰人 誰も真ん中を取らない(笑)
翔太 きれ~いに円を描いて。
平田 真ん中空いてたね~。
翔太 でもそういうレスラーとしてのスタンスながら、ここまで個性を全員磨いてた。むしろそういうのがあったからこそ、生き残るために個性を磨いてきたんだと思うんですよ。だからここまで個性だらけの人間が集まったと思うんで。それが脂が乗ってくるのがこのキャリア10年、30歳越えたここから。
彰人 ここからだよね。
翔太 真ん中、ど真ん中を走ってきた人間じゃないからこそ出る、アク! エグみ! 苦味! うま味、みたいなものがきっと出てくるはずです。
彰人 若手通信世代は大器晩成世代ですよ。
翔太 いいように言ってる! そういうレスラーの良さがここから出てくる気がします。まさにこれから出てくる気がします。自分たちも3人ベルト持ってるんで。
彰人 励みになりました。
翔太 主張していきましょう!
彰人 主張していきましょう!