オープニングマッチ 30分一本勝負
22日、長野・長野芸術館アクトスペースにて「Shin Syu Very Much!2018」がおこなわれた。まずは今林久弥APと井上マイクリングアナが登場し、インフルエンザにより高梨将弘が欠場になったことをお詫び。TAKAYAMANIAの募金を呼び掛けてから、9・24には再び長野芸術館アクトスペース大会を開催することを発表。11月4日に小布施中学校の体育館で渡瀬が凱旋興行を開催することも発表された。また、7・15メルパルク長野でのプロレス×音楽とのコラボイベントにDDTが協力するという。イベント主催者の方がリングにあがり、アップアップガールズ(仮)、アップアップガールズ(プロレス)も出演するとのこと。なおDDTからは大鷲、渡瀬、竹下、ディーノ、佐々木、遠藤の出場が決まっているという。オープニングコールを担当するのは長野の英雄である大鷲。Tシャツをたくさん抱えてリングインした大鷲は、長野の英雄なのに売店に誰も来ないとぼやく。さらに長野ではディーノ戦が多いと今林APに文句を言った大鷲だが、今日は勝って売店でTシャツを完売させると意気込んでから「長野大会スタート!」とコール。
オープニングマッチはアントーニオ本多vs島谷常寛のシングルマッチ。ガッチリ握手を交わしてからまずはアントンがヘッドロックに捉える。島谷が脱出すると、アントンは突然のマイケルアピール。面食らった島谷をカニ挟みで倒したアントンはハンマーロック。島谷がハンマーロックで切り返すと、アントンは髪の毛を掴んで引き倒す。しかしアントンは島谷に躓いて転倒。マイクを持ったアントンはヒザを痛打したのでギブアップしようとしたが、徹夜で考えてきた昔話を披露してからにするという。善光寺に来たと思ったら珍光寺に来てしまったというアントンはサミングをお見舞い。島谷の左腕を痛めつけたアントンは逆水平チョップ。謎のマイケルアピールからフィストドロップ。さらに引っ掻き攻撃から南部式ナックル。しかしバイオニックエルボーを狙ったところで島谷はガットショット。ジャンピングショルダーからダイビング・クロスボディー。さらにスイングDDTでカウント3寸前まで追い込んだが、ロープに足が届いたアントンはスコーピオン・デスドロップを返すとバイオニックエルボー。最後はダメ押しのダイビング・フィストドロップで3カウント。
第二試合 30分一本勝負
第2試合は佐々木大輔&遠藤哲哉&マッド・ポーリーvs岩崎孝樹&マイク・ベイリー&MAOの6人タッグマッチ。DAMNATIONがリングインするなり奇襲攻撃を仕掛けていって試合開始。リング上ではMAOが遠藤にドロップキックを食らわすと、岩崎とベイリーが入ってきてトレイン攻撃。しかし遠藤がかわすと、佐々木とポーリーが入ってきてMAOとベイリーを場外に連れ出す。岩崎を捕まえて痛ぶっていったDAMNATION。佐々木はテーピングを使ってチョーク攻撃。ポーリーの串刺し攻撃をかわした岩崎はブレーンバスターで、ポーリーの巨体を投げるとベイリーにタッチ。ポーリーを蹴っていったベイリーだが、背後から佐々木が襲いかかる。MAOが救出に入り、ポーリーにみちのくトルネード・キックからその場飛びムーンサルトを同時投下。MAO&ベイリーは2人でコーナーに登っていくが、立ち上がったポーリーはベイリーを場外に突き落とすと、MAOにはテーズプレス。佐々木がMAOに襲いかかるが、MAOはハリウッドステープレス。これを剣山で迎撃した佐々木はクロスフェース。岩崎がカットすると、MAOはジョン・ウーで佐々木を吹っ飛ばす。岩崎がバックドロップで投げるが、佐々木もDDTを返して遠藤にタッチ。ポーリーに「伏せ!」を命じて踏み台にした遠藤はムーンサルトプレス。これを剣山で迎撃した岩崎は、MAO&ベイリーとトレイン攻撃からPK。しかし遠藤がペレキックを返すと、ポーリーが岩崎を抱え上げて、遠藤のバッククラッカーと合体。そこから遠藤はスワンダイブ式ファイアーバード・スプラッシュを投下して3カウント。
第三試合 30分一本勝負
4WAYマッチ
※ドクターボム。ほか2人は梅田公太、吉村直巳。
第3試合は樋口和貞vs梅田公太vs吉村直巳vs勝俣瞬馬の4WAYマッチ。吉村が何やら挑発的な態度に出ると、樋口&勝俣&梅田はトリプルドロップキック。すぐに勝俣&梅田が樋口にダブルドロップキックを叩き込むが、リング下から梅田の足をすくって倒した吉村はリングに戻って、ダブルラリアットで勝俣と梅田を吹っ飛ばすと、樋口と睨み合いからショルダータックルでぶつけり合う。どちらも倒れないと、今度は逆水平チョップ合戦へ。そこからのショルダータックルで樋口がなぎ倒すが、梅田が入ってきてミドルキック。さらにサッカーボールキック。勝俣も飛び込んで来るが、樋口は勝俣を肩口に担ぎ上げて梅田に叩き付けてからオクラホマスタンピート。さらに梅田も抱え上げてからコーナーポストに投げつける。梅田をカナディアン・バックブリーカーで担ぎ上げた樋口だが、勝俣がドロップキックでカットし、梅田とエルボー合戦。イグチボムで叩き付けた勝俣はムーンサルトプレス。これをかわした梅田は串刺しドロップキック。そこに吉村が突進してくると、樋口も入ってきてラリアットの相打ちに。両者が大ダメージを負った間に勝俣がコーナーに登っていくが、吉村が追いかけていって雪崩式ブレーンバスターの体勢に。そこに樋口が入ってきて摩周で叩き付ける。さらに立ち合いからのタックルで勝俣を吹っ飛ばした樋口だが、勝俣も轟天を狙った樋口を連続で丸め込む。だが、カサドーラを狙った勝俣をどどんのような体勢で叩き付けた樋口はドクターボムで叩き付けて3カウント。
【試合後のコメント】
――今日は4WAYでしたが、タッグタイトル戦が決まっている梅田選手とも当たりました。
樋口 今日は4WAYってことで、(メンバー的に)ちょっと懐かしい気持ちもありつつ、やっぱり前哨戦ってこともあって。(梅田と)当たるのは短かったんですけど、強烈なものは持ってますね。やっぱり凄いですよ。勢いあるし。本当にひとつひとつの技が強烈だし、今日も背中蹴られて全身に電気が走りましたからね。毛頭油断しているつもりはないんで。一人の敵として叩き潰すので。もう楽しみです、次の新木場でのタイトルマッチが。
梅田 樋口さんと全然当たることがなかったし、マジ卍(トーナメントで)優勝してふたつ特典が来て、内ひとつがタッグ挑戦で。ボクが復帰してから(樋口とは)ほとんど当たってないんで。また普段の樋口よりタッグチャンピオンの樋口っていうのは凄みが増していたんで。まあボクも優勝して勢いっていうのは負けていないと思うので、この勢いのまま勝てたらなと。あとはMAOの調整次第でどうにでもなるかなっていう。ボクとタイプが違うので。あとは当日は待つだけですかね。
第四試合 30分一本勝負
第4試合はHARASHIMA&高尾蒼馬vsKUDO&石井慧介のタッグマッチ。まずはHARASHIMAと石井がレスリングを見せると、高尾とKUDOがリングイン。ロープに飛んだ高尾をミドルキックで蹴り倒したKUDOは石井と連携攻撃。さらにダブルのブレーンバスターで投げていく。高尾もドロップキックを返すとHARASHIMAにタッチ。石井を踏みつけ振り子式ダブルニーを落としていったHARASHIMAは、石井をコーナー二段目に寝かせてフットスタンプ。スマスカは代わる代わる石井を痛めつけるが、KUDOが何とかカット。HARASHIMAは串刺しフロントキックから雪崩式ブレーンバスター。「どうした、来いよ」と挑発したHARASHIMAに石井がフロントキックを叩き込むと、HARASHIMAもフロントキックを返す。そこから石井が延髄斬り。タッチを受けたKUDOはミドルキックからキチンシンク。さらに高尾をHARASHIMAに叩き付けると、スリングショット式ニードロップを投下。KUDOと蹴り合ったHARASHIMAは、伏せでかわしたKUDOに低空延髄斬り。タッチを受けた高尾は立ち上がろうとするKUDOの背中にダイビング・フットスタンプを落とすとトラースキック。だが、キャッチしたKUDOは延髄斬りを叩き込んで石井にタッチ。ジャンピングニーアタックをブチ込んだ石井だが、HARASHIMAが入ってきてトレイン攻撃からHARASHIMAがスワンダイブ式ボディプレス。さらに高尾がトラースキック。KUDOがカットに入るが、HARASHIMAがリバースフランケンで投げて排除。高尾が石井のボディにエルボーを叩き込むが、石井もジャーマンで投げ捨てる。高尾はローリングエルボーからファルコンアローを返すが、石井はカウンターのフランケンシュタイナーで丸め込むと、そのまま強引に押さえ込んで3カウント。
試合後、マイクを持った石井は「勝ちました、石井慧介です。自分は今週の土曜日、28日、ガンバレ☆プロレスの板橋というところの大会で大家健選手の持つインディージュニアのベルトに挑戦します。必ず奪取してきますので、よろしくお願いします」と挨拶すると、久しぶりにタッグを組んだKUDOに中締めを振る。KUDOは「今日は坂口さん欠場、高梨欠場ってことで一人酒呑童子です。そして二人がいないから今日は酒がありません! でもこの勝利の余韻で俺たちは酔えちゃいます!」と言うと、石井とペットボトルのお茶を持って「この長野で酒盛りだー!」と言って乾杯。
【試合後のコメント】
石井 こうして自分は大家さんに対して試合のモチベーションも(上げて)、大家さんにいろいろ発言しているんですけど、大家さんから何も返ってこない。大家さんはちゃんとこの試合に対して気持ちはあるんですか? そこがちょっと心配ですが、どう来ても負ける気はしないんで、必ず(インディージュニアを)奪取してきます。
セミファイナル 30分一本勝負
DDT長野営業部長・大鷲透(フリー)地元凱旋!「鷲関と愉快な仲間たち Part3」スペシャル6人タッグマッチ
※ブレーンバスター。ササダンゴが第1298代アイアンマンヘビーメタル級王座防衛に失敗、平田が第1299代王者となる。
セミファイナルは大鷲透&平田一喜&上野勇希vs男色ディーノ&大石真翔&スーパー・ササダンゴ・マシンのスペシャル6人タッグマッチ。先に入場したササダンゴは本部席に直行すると、「地方従業における地元出身レスラーとの戦い方に関する考察」と題した“煽りパワポ”をはじめる。DDT長野営業部長・大鷲透の地元凱旋だが、大鷲に勝ちたいというササダンゴは大鷲は長野県知事選を視野に入れていると分析したササダンゴは、相手チームの戦力の8割を占める大鷲をリングに上げなければいいという作戦を立てる。観客に大声援を送るようにお願いをしたササダンゴは、いきなり場外乱闘を仕掛けるので、その間に大鷲候補を握手や記念撮影攻めにしてほしいという。その間にディーノと大石が平田をトスし、ササダンゴが垂直落下式リーマンショックを決める合体技“トライアングル・オブ・善光寺”で勝つと予告した。大鷲組が入場すると、予告通り奇襲攻撃を仕掛けていったディーノ組は、大鷲候補がサイン&握手攻めにあっている間に平田にトライアングル・オブ・善光寺を決めようとするが、逆に平田はブレーンバスターで投げたササダンゴを押さえ込んで3カウント。
アイアンマンを奪取した平田は意気揚々と引き上げようとするが、今林APが激怒して呼び戻す。「考えろよ! 地元! めちゃくちゃチケット売ってるんだよ! 再試合!」と大鷲が何もせずに試合を終えるわけにはいかないと再試合を指示。
再試合
※トライアングル・オブ・善光寺。平田が第1299代アイアンマンヘビーメタル級王座防衛に失敗、ササダンゴが第1300代王者となる。
再び場外乱闘で試合がはじめると、ディーノ組はもう一度トライアングル・オブ・善光寺を狙ったが、やっぱり平田がササダンゴをブレーンバスターで投げて押さえ込む。本来は味方だが、辛くも大鷲がカットし試合は続行。ディーノが男色殺法で平田を大開脚させてから高速ブレーンバスター。さらにナイトメアーから上野のエルボーを食らって顔面騎乗。完全に捕まった平田だが、ディーノの串刺し攻撃を蹴りで迎撃するとコルバタで投げる。さらに足を掴む大石に延髄斬りを見舞ってから手を伸ばす大鷲を無視して上野にタッチ。だが、上野はディーノに捕まって男色殺法の餌食に。何とかドロップキックを返した上野は満を持して大鷲にタッチ。ビッグブーツで相手チームを蹴散らした大鷲は、タッチを要求する平田を無視して大石をブレーンバスターで投げると、大石とディーノをヘッドシザースでまとめて投げようとする。だが、そこに平田が入ってきて全体的に下がるように誘導すると、自軍のコーナーに戻って大鷲とタッチ。そして次々に手刀で無双していった平田はダンスをGO。そこにササダンゴが近づいていってベルトを手渡すと、中邑真輔ばりに平田に急所攻撃。しかしキックアウトした平田は反撃しようとする。そこにディーノと大石が入ってきて、今度こそトライアングル・オブ・善光寺。これが完璧に決まって3カウント。結局ササダンゴのもとにアイアンマンは戻り、大鷲は深々と一礼して引き上げていった。
メインイベント 30分一本勝負
メインイベントは竹下幸之介&彰人vs入江茂弘&渡瀬瑞基のタッグマッチ。渡瀬が彰人をヘッドロックに捉えると、彰人は髪の毛を掴んで脱出。怒った渡瀬がエルボーを打っていくが、彰人はなおも髪の毛を掴んで引き倒す。しかし渡瀬もアームホイップから低空ドロップキック。続いて入江が強烈なエルボーを連打。渡瀬もエルボーで続くが、彰人がカニ挟みで倒したところに竹下がドロップキック。さらに彰人が足横須賀で叩き付けて竹下にタッチ。竹下は渡瀬の左ヒザを集中攻撃。インディアンデスロックに捉えたままエルボーで向かってくる渡瀬に張り手を見舞った竹下は、ロープに渡瀬の足を巻き付けてトンピング。さらにコーナーに逆さ吊りにすると、彰人がヒザへのエルボーから低空ドロップキック。そしてロメロスペシャルの体勢から吊り上げずに両ヒザに体重をかけて潰していく。竹下もドラゴンスクリュー、逆水平チョップ、アキレス腱固めで渡瀬を追い込む。だが、串刺し攻撃を狙った竹下にカウンターのエルボーを叩き込んだ渡瀬は入江にタッチ。ジャンピング・パイルドライバーで叩き付けた入江はテディベア。これをかわした竹下はニーを出すが、キャッチした入江はノータッチヘッドバット。竹下もラリアットを返すが、入江は交通事故タックルで竹下を吹っ飛ばす。竹下と彰人を場外に追いやると、渡瀬がトペ・コンヒーロを発射。竹下をリングに戻して顔面ウォッシュを見舞った渡瀬だが、蹴り脚をキャッチした竹下は反撃。だが、飛んできた竹下をドロップキックで迎撃した渡瀬はバックドロップを狙う。投げさせない竹下はニーで渡瀬の顔面をカチ上げると、彰人にタッチ。ドラゴンスクリューや低空ドロップキックで渡瀬のヒザを追い込む彰人だが、渡瀬もカウンターのドロップキック。だが、足を掴んだ彰人はアンクルホールドからの足4の字固め。入江は檄を飛ばし、敢えてカットには入らない。悶絶する渡瀬だが、なおも竹下がダイビング・ボディプレスを投下。それでも渡瀬はどうにか自力でロープに辿り着く。そしてブレーンバスター、DDTを返した渡瀬はようやく入江にタッチ。ランニングエルボーを叩き込んだあと、渡瀬がミサイルキックを発射するが、彰人がかわして入江に誤爆。そこに竹下がラリアットで走り込むが、かわした渡瀬は彰人をジャーマンで投げ捨てると、竹下にはバックドロップ。すかさず入江が彰人にキャンボールをお見舞いし、最後はビーストボンバーで吹っ飛ばして3カウント。
勝利をアピールする入江に竹下が詰め寄っていき睨み合いに。竹下&彰人が引き上げていくと、勝った入江&渡瀬には勝利者賞として赤ワイン36本とお焼き100個が贈呈された。そしてマイクを持った入江が「今日はDDT長野大会、ご来場ありがとうございます。今日はこの渡瀬の頑張りのお陰で勝てたと思います。今度の4月29日、竹下幸之介の持つKO-D無差別級の王座にボクが挑戦するとき、そのときはシングルマッチです! だから自分だけの力で必ず勝ちます! だから渡瀬、今日はありがとう」と言うと、渡瀬は「今日はたくさんのご来場ありがとうございました。この前、長野大会をやったときは『もっと強くなって戻ってくる。ベルトを巻いて戻ってくる』なんてデカイこと言ってから。ベルトは持ってないですけど、絶対負けられないなと思って皆さんの応援、入江さんの喝があったから、ギブアップ出来ずに勝利することが出来ました! ただ今日の勝利は見ての通り、入江さんの力で勝ち獲ったものだと思うので、次帰ってくるときこそ自分で勝利を掴み取りたいと思います! 次はもう7月にあるんですか? 7、9、11月……やるなぁ。11月は長野よりボクの出身の……ヒザいってぇ……小布施町っていう自分の自主興行ってことでプロデュースさせていただきますので、長野大会これからも盛り上げていただけたら嬉しいです。今日はどうもありがとうございました!」と挨拶して長野大会を締めた。
【試合後のコメント】
入江 今日は竹下幸之介&彰人に入江茂弘&渡瀬瑞基が勝利することが出来ました。こうして4月29日、竹下幸之介の持つベルトに自分が挑戦して、シングルマッチで自分が必ず竹下幸之介を倒して、自分が必ずDDTのチャンピオンになります。今日の渡瀬、本当に頑張ったと思います。よく頑張ってくれて、このチームを勝利に導いてくれたのは渡瀬だと思います。この頑張りを長野大会だからということで、1回だけで終わらず、これをずーっと、プロレス人生でずーっと続けていって(くれれば)、ボクは渡瀬がDDTのトップ、プロレス界のトップに立つことを約束しますので。だから必ず、渡瀬はもっともっと成長します。ありがとう(渡瀬と握手)。
渡瀬 入江さんはこうやって言ってくれてますけど、本当はダメだけだど、正直言ってコーナーに立つ入江さんの信頼感と言葉、長野の皆さんの応援がなかったら、もしかしたらギブアップしていたかもしれない。でもギブアップしなかった……それは自分の中で何か変わりつつあるものを感じているので、今日だけじゃなく、長野大会だけじゃなく、隣に入江さんがいなくても今日の力をいつでも出せるように。それが今後の課題です。今日はたくさんのご来場、たくさんの声援、そして入江さん、ありがとうございました。
入江 そしてこの渡瀬の自分、入江茂弘のチームにボクがアメリカから友達を用意して、DDTに“ギフト”を贈ります。
竹下 この長野大会、ひとつ渡瀬が長野出身っていうのもあるし、入江軍に入って勢いついてるってこともあって。あの勢いは凄いっすよ! いまボクの横に彰人さんはいません。その勢いで彰人さんはもうダメージが深刻で……破壊されてしまいました。本当にここに彰人さんはいません。まあ敵討ちじゃないですけど……彰人さんはボクにそういう敵討ち何かしてほしいわけじゃないと思うので。そういうわけじゃないけど、でもあの入江茂弘の勢いを止めるのはボクの役目だと思っているので。あの勢いを止めないと無法地帯になるというか、非常にDDTにとって……ボクは絶対にチャンピオンにならせたくないし。ボクはまだチャンピオンであり続けたい。まだ頑張れるんで。まだまだ頑張れるんで。
――ことあるごとに「DDTに愛のない選手にベルトを巻かせたくない」と言ってましたが、前哨戦を重ねてきて入江選手からそういうものは感じられませんでしたか?
竹下 あのね、語弊があったらアレなんですけど、前哨戦を数試合してボクもスピリチュアルに対戦相手の気を感じ取れるようになってきたんで、この1年で。入江さんは愛がないわけではないんです。でもDDTに対する愛は感じられないです! プロレスに対する愛はあります。だからもうプロレスにモチベーションがないとか、自分がトップに行く気がないとか、そういうわけではない。それは持ち続けています、間違いない。ただDDTに対するモチベーションがない! それは感じない。俺が破壊してやる、DDTを破壊して……みんな言う通り、それで新しいものを創造してくれるならいいけど、ボクは破壊することだけを考えていると思う。ボクはHARASHIMAさんからさいたまスーパーアリーナでベルトを獲ってから言いました。ボクはHARASHIMAさんとか男色さんとか、高木さんもそうだし、みんなが作りあげてきたピラミッドを壊すつもりはない。その横に新しいピラミッドを作りたい。それに並んで追い越したい。それを破壊するつもりないっていう、そこの若干の気持ちのズレですね。ただプロレスに対する愛は感じまくっているので、間違いなく後楽園は最高の試合になると思います。その上でボクが12回目の防衛を決めて、今年も竹下幸之介イヤーにしたいと思いますので、応援よろしくお願いします!