前説
DDT4ヵ月ぶりの後楽園大会がスタート! ひらがなまっする後楽園大会&大公開通し稽古が決定!
今林久弥アシスタントプロデューサーがリングに上がり、観戦に関する諸注意、グッズ紹介、今後の大会スケジュールをアナウンス。まずHARASHIMA&大鷲&平田が登場し、ビアガーデンっぽいプロレスでのHARASHIMAプロデュース試合について、特別ルールとして敗者負け残りルールが採用されると発表された。平田が「負け残り? このメンバーで負け残り? 俺が絶対負けんだろうが―!」と猛抗議。せめてもとオーバー・ザ・トップロープルールも盛り込んでくれと懇願。すると大鷲が「オーバー・ザトップロープ飲む代わりに、この試合の敗者には過酷な罰ゲーム、やれんのか!」と言うとHARASHIMAも「いいと思うよ!」と歓迎。大鷲が抗議する平田を場外に追放し、オーバー・ザ・トップロープルールと敗者罰ゲームが決定となった。続いて彰人がリングに登場し、8月16日のBOYZの対戦カードを発表。最後にササダンゴが登場し、ひらがなまっする『まっする3~必殺技大乱発~』11月9日後楽園ホール大会の決定をアナウンス。今林APが台本とか大丈夫なのかと心配すると、ササダンゴは9月21日に品川ザ・グランドホールにて『まっする3~必殺技大乱発~大公開通し稽古』を行うことをアナウンス。ササダンゴの「4ヵ月ぶりのDDT後楽園大会となります、みなさまなり盛り上がり方で、選手を盛り上げてあげてください。DDT後楽園ホール大会スタート!」の掛け声で大会がスタートした。
オープニングマッチ 30分一本勝負
開始からすぐに納谷とポーリーが打撃の応酬。中村が出てポーリーに向かって行くも歯が立たず。中村はランニング・エルボーで何とか一矢報いる。ポーリーはフィッシャーマン・バスターを決め高尾に代わる。高尾のセカンドからのダイビング・フットスタンプはカウント2。中村がエルボーを連打するも、高尾はエルボーで倒していく。中村の窮地に納谷が串刺しスプラッシュで加勢。中村がスワンダイブ式ミサイルキックを決めるもカウント2。納谷と中村の連係が失敗し中村が大ダメージ。高尾の顔面トラースキックはカウント2。十分に助走をつけたランニング・エルボーバットを叩き込むと中村も返せず3カウント。
第二試合 30分一本勝負
バックステージの映像。自らの髪型を気にするササダンゴとディーノ。立花のどこか変わったところを当て合うもなかなか当てられず。結局立花の髪型の変化に気付くことなく、立花が威勢よく叫び試合へと向かって行った。入場前に「ただいまから入場してくる立花選手はチンピラです」とのアナウンス。両チームが入場し試合開始のゴング。平田と立花で試合開始。激しい口論になるも平田が「俺はいつも坂口征夫にカツアゲにあってるから怖くないんじゃ!」と叫ぶが立花はケンカキック。カウント2で平田は返す。青コーナーがタッチを繰り返し、平田を捕まる展開に。ディーノと立花が好連携を見せる。平田の窮地に大鷲が普段通り叫べない代わりの足踏みと拍手を要求。鼓舞された平田がドロップキックを決め吉村にタッチ。吉村が相手チーム全員蹴散らし、ディーノと立花にはダブルのコンプリートショット。平田と吉村が華麗な連係を立花に決めるもカウント2。吉村のパワーボム狙いを立花が脱出し、吉村は強烈なチョップ。立花はヤンキー座りで強気なところを見せる。吉村がカウンターの払い腰を決めロープに走るとディーノがリップロック。立花がケンカキック。吉村から平田に代わると、立花がケンカキックから平田メガネを手にするが、放り投げてしまう。そして自前のサングラスを装着すると『ツッパリ High School Rock'n Roll』が流れツイストを踊る。その間にサングラスをしたディーノがコーナーで地獄門を開門。ササダンゴが吉村、大鷲を地獄門送り。平田を送ろうとするも、逆にササダンゴがマスクを剥がされ地獄門送りに。平田の手刀を立花が頭突きで迎撃。立花が平田を抱え上げディーノの地獄門に突っ込ませると、そのままイケメン落としでマットに突き刺す。平田も返せず3カウント。立花がついにDDTマットで初めて白星を挙げた。
【試合後のコメント】
吉村 よっしゃ、なんで俺がここに呼ばれたんですか? 今日の試合聞きたいことありますか? ……ないでしょうね。ないと思いますよ。なので、久々に1人なので好き勝手喋ります。8月のKING OF DDTトーナメント1回戦、竹下幸之介。オレにとっていろんなものを含めて特別なものやから。とりあえずはこのKO-Dタッグチャンピオン、DISASTER BOX、ノーチラスも全部置いて、吉村直巳個人としてあの一戦は迎えます。8月15日、KO-Dタッグ戦決まってますけど、相手が決まってません。決まってないなら発表すんなって話で。まぁでも絶対勝てると思うので。2冠王になった上野勇希と吉村直巳で絶対防衛します。そんなことは置いておいて、まったく関係ないところで、このベルト獲った直後くらいかな? 「やりたい選手誰ですか?」って言われた時に、俺、拓ちゃんの名前を出してますね。大日本プロレス、加藤(拓歩)選手。これはKO-Dタッグ選手権まったく関係なく、俺が個人的にやりたい選手やから。そろそろ俺の希望を叶えてくれてもええんちゃうか? とりあえず、いま言いたいのはタッグ選手権頑張ります。トーナメント頑張ります。タッグ選手権、トーナメントとまったく関係ないところで加藤選手と俺を当てろ。そういうことや!
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第三試合 60分一本勝負
DDT EXTREME級選手権試合~特別ルール
※第48代王者が4度目の防衛に成功。
試合前にこの試合は試合中に自由にコスチュームを脱ぐことが認められる特別ルールで行われると発表された。試合前にしっかりと握手し開始のゴング。青木のグラウンドに怒鳴門もついていき互角の攻防を繰り広げる。青木が怒鳴門の道着の帯を取りに行くと怒鳴門も押さえ込みで返す。怒鳴門が足関節を狙えば、青木も足関節で返していく。ここで青木が帯を手に取ると、怒鳴門は「卑怯だぞ! 返せ!」というと、青木はおとなしく帯を返す。怒鳴門が猪木アリ状態で青木をグラウンドに引きずり込むと、怒鳴門は上からキス。青木が腕十字で取り返しに行くと、青木は再び腕十字を狙う。怒鳴門がキスにいくと、青木はロープに逃げる。青木が飛び付くと、怒鳴門は駅弁で腰を振る。青木が丸め込むと、カウント2で返した怒鳴門は青木の股間に顔をうずめる。青木はたまらずロープへ。怒鳴門が青木のタイツを引っ張り下ろすと、青木の尻に顔をうずめる。怒鳴門は上着を脱ぎ、青木に密着し愛撫。青木をセカンドロープにもたれ懸けさせると、帯で股間を擦ったり叩いたりする行為に松井レフェリーも困惑。さらにコーナーで怒鳴門が青木の股間に顔を押し付ける。怒鳴門が青木の股間にむしゃぶりついていくと、青木のタイツを下ろし、尻を丸出しにすると、自らもTバックになり、ケツを差し出す。青木がスルーすると、怒鳴門がコーナーに上りミサイルキック。再びケツを差し出す。するとなんと青木が怒鳴門のケツを掘っていくと、その勢いで回転した怒鳴門を青木がヨーロピアンクラッチ。ガッチリ決まると怒鳴門も返せず3カウント。
【試合後のコメント】
ーー難解な相手でしたが。
青木 難解でしたね。暑い……。なんか、何やってんだろうって自問自答させられる相手でしたね。でも、悪くないというか。より幅が広がってますよね。ボク自身の。
ーープロレスラー青木真也の幅が広がるのを実感できた相手だった?
青木 そうですね。まさかここまでとは思わなかったですね。やりやすくて、やりづらかったですね。
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魔苦 すごい大きかった! 相手が大きすぎる! 大きすぎる敵でした。「青木が相手じゃアイツ勝てねぇだろ」って、そんな感じだったと思うんですよ。ボクも精一杯頑張って……。闘いには負けたかもしれないですけど、最後青木真也選手もゲイ殺法に乗ってきたんで。そういうところは心の中では勝ったんじゃないかなと! ベルトは獲れなかったけど、皆さん(の期待)には応えられたんじゃないかなと思います!
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第四試合 30分一本勝負
DAMNATIONが入場すると、島谷の手には新しくなった黒のDAMNATION看板。ドリューと佐々木で試合開始のゴング。ドリューがスピーディなロープワークでペースを握る。クリスと島谷の組み合わせになると、クリスが島谷を圧倒。追撃を加えようとするクリスに場外から佐々木が看板で一撃。佐々木がクリスを場外戦に持ち込み鉄柵に投げつけていく。リング内に戻すと島谷が「看板の恨み―!」と叫んで踏みつけていく。ここからDAMNATIONが代わる代わるクリスを捕まえる展開に。なんとかクリスが佐々木の背中にダイビング・セントーンを決めドリューにタッチ。ドリューが一気にDAMNATION2人を蹴散らす。コーナー上の佐々木にドリューがトップロープまで飛び乗り飛び付きフランケンシュタイナー。カウント2。佐々木が逆転するも、クリスがブラインドタッチから、ドリューがトラースキック。クリスがプレスを狙うが佐々木は耐える。佐々木が掟破りのオクトパスストレッチを極めるも、クリスは解除してジントニック狙い。これも脱出した佐々木がペディグリーを決め島谷にタッチ。島谷がミサイルキックで飛び込む。クリスのビッグブーツを交わした島谷がバックドロップもカウント2。島谷がブレーンバスター狙いも、クリスがロープを使ってのマジックスクリュー。ドリューにタッチ。佐々木がダイビングラリアットで飛び込み加勢。島谷がフィッシャーマン・バスターを決めるもカウント2。佐々木を呼び込みトレイン攻撃。佐々木のトラースから、島谷がトルネードDDT。島谷がキャメルクラッチでドリューを捕らえると、佐々木はクリスにクロス・フェースロック。ドリューが何とかロープに逃げる。「俺がノブ連係!」と島谷が叫びドリューを肩車し、佐々木がコーナーに上るも、クリスが佐々木を阻止。ドリューが島谷にカウンターのジャンピング・ダブル・ニーアタック。場外に転落した島谷に、ドリューが飛ぶと見せかけて、クリスがトペスイシーダ。ドリューが別方向の佐々木にトペコンヒーロ。好連係を見せる。ドリューが島谷にコーナーから飛び付いてのコードブレーカー。ドリューが抑えたまま、そこにクリスがダイビング・セントーン、カウント2。ドリューがスワントーンボムを放つも島谷が剣山。ここで佐々木がレフェリーの死角を突いてDAMNATIONの看板を持ち出すも、奪い取ったクリスが佐々木に一撃。新しい看板が早くも大破。佐々木は戦線離脱。島谷とドリューが打ち合いになるも、クリスがエプロンから飛び付いてカッター。ドリューがベナドリラー2point。クリスがプレイングマンティスボム。そこにドリューがスワントーンボムを投下すると、島谷も返せず3カウント。
ドリューがクリスのUNIVERSAL王座に日本語で挑戦表明! 9・7後楽園大会でのタイトルマッチが決定!
試合後ドリューがマイクを持ち「(日本語で)少し日本語喋れます。今日は凄い楽しかった。でも、次、DDTのタイトルが欲しいです。でも、タッグタイトルじゃない(クリスに向かい合って)クリスさん、あなたのUNIVERSALのタイトル、欲しいです(会場大きな拍手)」と言うと、クリスは「(日本語で)えっ? ホント? マジ?(ドリュー「全然マジです」)そうですねー。はい、大丈夫です。楽しんでね」と挑戦を受託。両者は握手。今林APが入って来て「ドリュー選手の挑戦受けてくれるということでいいんですね?」と聞くと、ドリューとクリスが突然英語でまくしたて「日本語、わかりません!」と言うと困った今林APも「日本語喋ってよ!」と一喝。今林APの剣幕に2人は怯えながらも、クリスが改めて挑戦を受託。9月7日後楽園大会でのUNIVERSAL選手権試合が正式決定となった。ドリューが「(日本語で)みなさん、今日はありがとうございました。9月7日、頑張ります!」と言って改めて2人は握手を交わした。
【試合後のコメント】
ドリュー (日本語で)今日はすごい楽しかった。私の先輩、クリス・ブルックスすごいですね。いま、彼はUNIVERSALのチャンピオン。
クリス (日本語で)今日はすごい楽しかった。あなたは後輩、ドリュー・パーカー。
ドリュー (ここからは英語で)今日はこういう機会でクリスとタッグを組んで試合出来たことを誇りに思うし、友達としてものすごく嬉しいけど、それはいまは関係ない。1人のプロレスラーとしてクリスの持ってるUNIVERSALのベルトが欲しい」
クリス 1カ月、誰も挑戦してきてなかったけど、こうやってドリューが挑戦してきてくれることでDDTが世界中に提供できる素晴らしいタイトルマッチを見せることができると思います。イジョーデス!
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第五試合 60分一本勝負
KO-D6人タッグ選手権試合
※第41代王者組が初防衛に成功。
挑戦者組は試合前に輪になってスクラムを組むかと思いきや、そのまま王者組に向かって行き奇襲を仕掛けゴング。HARASHIMAと里歩が坂口にトレイン攻撃を決め、最後にアントンが向かって行くが、いきなり転倒。ギブアップしかけるも、ここで『ごんぎつね』の朗読を開始するが、樋口と赤井がカット。すでに笑いかけていた坂口は九死に一生。ここからアントンがEruptionの3人に猛攻に晒され苦しい時間が続く。アントンが赤井にボーン・トマホークを決めて逆転し里歩にタッチ。里歩が赤井に619。コーナーに上るとダイビング・ボディアタック。カウント2。赤井がミドルキックを放てば、里歩もエルボーを打っていき、エルボーの打ち合いに。ロープに里歩が走ると、赤井がビッグブーツ。里歩も追いかけボディアタック。しかしさらに赤井はダッシュミドル。赤井から樋口に代わると、里歩はカサドーラからのフットスタンプ。里歩が樋口をコーナーに振ろうとするも樋口は微動だにせず。逆に強烈なチョップを里歩に見舞う。串刺し攻撃を狙う樋口を里歩は迎撃し、ヘッドシザースホイップを狙うも樋口が途中で止めて、そのままカナディアン・バックブリーカー。HARASHIMAがエプロンからアシストし助け、里歩が樋口にダイビング・フットスタンプを決めるもカウント2。HARASHIMAにタッチ。挑戦者組が3人で樋口に連係攻撃。トレイン攻撃を狙うとアントンが「こけないぞー!」と叫び本当にこけずに成功。HARASHIMAと里歩がスワンダイブボディプレスとフットスタンプの連係。しかしEruptionが3人でHARASHIMAに連係攻撃。坂口のPKから樋口のボディプレスはカウント2。HARASHIMAと樋口が強烈なチョップとミドルキックの打ち合い。手拍子が起こる。HARASHIMAがハイキックで樋口を倒すも、すぐに立ち上がった樋口がラリアットでHARASHIMAを倒す。それぞれアントンと坂口にタッチ。アントンがリングインしようとすると、まさかの転倒。アントンがマイクを要求。アントンがマイクを持っただけで坂口はすでに笑いを隠し切れない。アントンが全員をリングに入れ創作昔話『ごんぎつね』の朗読を開始。結果、禁煙パイポではなく下ネタ。坂口は顔を覆って爆笑。アントンが樋口と赤井にごんぎつねでサミングを決めるも、坂口は耐えると両手でごんぎつねを作り対抗。向かって行くアントンを振り返し里歩に誤爆させる。坂口がコブラクラッチでアントンを捕らえるも、アントンはごんぎつねのサミングで脱出。飛び込んだHARASHIMAが坂口に串刺しの蒼魔刀。続いて正調の蒼魔刀を狙うも、樋口がぶちかましで阻止。すると里歩が飛び込み、アントンを踏み台にして樋口にスタンディングの蒼魔刀。赤井が里歩に新人賞。アントンがドラゴンスクリューからシャイニングごんぎつねで赤井を排除。アントンと坂口が打ち合い。アントンがバックドロップ、カウント2。アントンがショルダーを下ろし、ナックル連打からダスティで突っ込むも、坂口が飛び付き三角絞め。さらに腕まで極める腕極め三角絞めへと移行するとアントンもギブアップ。
初防衛を果たしたEruptionにディーノ&立花に世志琥を加えたトリオが挑戦表明!
勝ち名乗りを受けるEruptionの元にディーノと立花が登場。ディーノがマイクを持つと「あの、Eruptionってどういう意味じゃ? よくわからん英語使うんじゃねぇよあーん? そのベルトは俺が持った方が輝くんだあーん? 俺がボコボコにして俺の靴をなめさせようかあーん?ってっ立花君が言ってたんですよ。そうなんですよ。ベルトに挑戦したいらしいんですよね」と言うと、坂口が「ディーノさん、何言ってんのかまったくわけわかんない(ディーノ「アタシもそう言ったんだけど……」)あんたたちだけでどうすんの、ベルト? もう1人」と聞くと、ディーノは「我々DDTでこの2人でやって来て、仲間いないかなーって探してきましたけど、いません……。なかなかいません。探しました、いっぱい探しました。でも見つかりませんでした。スタッフ総出で探して、見つけました。この方です」と言うとビジョンに世志琥が登場。世志琥は「DDTのベルト獲ってやるぞコノ野郎! まずは相手をにらみつけてビビらしたやる。次に75kgのエルボーをぶち込む。その後対戦相手をぐっちゃぐちゃに混ぜて、マットに叩き付ける。最後はダイビング・セントーンで相手がぺちゃんこ、これで完成じゃコラ! てめぇら覚悟しとけ!」とビデオメッセージ。ディーノが「次の料理はあなた方に決まったようです!」と言うと、赤井が「世志琥? 素敵やん。全然かまへん。うちは7番勝負終わってまたこうやって守るもんが出来て、3人は組めば組むほど強くなってってんねん。いつでも誰でもやったるわ」と挑戦を受託。坂口は「またごっつい相手見つけてきて。ところでさ、さっきからちょっと気になってるけど、隣にいるハゲ(立花)誰?」と言うと、ディーノが「ハゲも何も……あああっ! あんたいつの間に髪切ったの!?」と驚愕。立花は「お前今日試合組んだろ? 見てたろ俺の後ろ姿? この後ろ姿で気付かねぇやついねぇぞ! おめぇ(坂口)この前板橋でやったの覚えてねぇのか?」と言うと、坂口が「話す時ぐらいグラサン取れよ! 殺すぞ!」と一喝。会場がどよめく。立花は一瞬ひるみながらも「ぜってぇとんねぇよバーカ!」と言い放つ。すると坂口は「思い出したよ、この間の板橋で俺にいじめられたやつか? どうした坊主にして来て。反省してきたか? いいねぇ日本の心ってやつでよ。だがよ、挨拶もしねぇ、人の前でサングラスもとらねぇ、これ嫌いなんだよ。お前がこいつの小指、やってやれ」と樋口に指示を出すと、樋口が手刀で立花の小指を切り落とそうとすると、慌てて立花は手を引っ込める。立花は「てめぇ何すんだこの野郎! そもそもそれで小指がどうなるんだよ馬鹿野郎! お前覚えとけよコノ野郎、次ボコボコにしてやるぞ!」とここで坂口が今林APを呼び出し、今林APが9月7日の後楽園大会でのKO-D6人タッグ選手権試合を正式決定。坂口が「その小指、大事にとっておいた方がいいよ。樋口がちょん切るかもしれないからね」と笑みを浮かべると、立花は「てめぇら1ヵ月間、そのベルト大切に磨いとけコノ野郎! 1ヵ月? 2ヵ月後じゃねぇかコノ野郎! 9月だろ後楽園……2ヵ月じゃねぇかコノ野郎、騙したなてめぇ! 覚えとけコノ野郎!」とわめくと、坂口が「器のちいせぇ男だな。うるせぇなコノ野郎。だから小物なんだよ」と一刀両断。立花が「覚悟しとけコノ野郎!」と強がると、ディーノが「頑張った!」と言って立花を制して退場した。
【試合後のコメント】
赤井 HARASHIMAさん、里歩さん、アントンさん組で。やっぱり、その前の試合から大きい敵がごんぎつねっていうことは分かってたんですけど。やっぱり私は里歩さんとやりたかったので、まだやりたいない感じがします。もっとやりたいなって選手の1人になりました。自分的にはごんぎつねをすごい警戒してて、坂口さんにごんぎつねを聞かせちゃいけないって前から阻止してたんですけど、なんで最後うちらが止めようとしたときに止めるなみたいな……。
坂口 すみません……。
赤井 そのあと(ごんぎつねポーズを)やってませんでした?
坂口 あれが結果、勝ちにつながったので。これ以上は聞かないで。
赤井 結果、勝ったので。DDTでこうやってタイトルマッチで、いろんな選手を呼んで、いろんなタイプの試合……これだけがDDTじゃないし、ほかの試合だけがDDTじゃないので。いろんなタイトルマッチをしていければね。
樋口 今日の相手も、もちろん全員手強かったんですけど。ただ次の相手も一筋縄ではいかないと思うので。いろいろと考えながら自分たちの闘いをやっていきたいなと。
赤井 次の対戦相手、世志琥選手、ディーノ選手、立花選手って…毛色の違うディーノ選手と強面の2人なんですけど、うちは強面は揃っているのでそこでは負けないと思います。パワーでも華麗さでも勝って制して、またこのベルトを9月も防衛したいと思います。
坂口 ごんぎつね聞いたのは申し訳なかったと思う……なんか、自分の体の心配をしてくれて。
赤井 たしかに禁煙パイポっていうのは、ちょっとアントン選手は坂口さんを狙い撃ちしたんだなって感じはしました。
坂口 幸せな気分になれたので。勝ててもっと幸せで。
赤井 これもDDTですね。
坂口 次の相手はよく分かんない2人がきたけど、まぁこの間いじめちゃったから…いじめられ足りないのかな? 樋口がきっちりと……。
樋口 小指がチョップで折れるかどうか!
ーー赤井選手、今度は赤井選手がチャンピオンとして世志琥選手と対戦するわけですが。
赤井 世志琥選手と最後にやった時とは、七番勝負も経験しましたし、いまこうやってベルトっていう大事な守るものも増えたので。最後、世志琥選手とやった時の私だと思ってると、世志琥選手もひっくり返っちゃうと思います。
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アントン いやぁワタクシ、負けてしまいました。だがしかし、ごんぎつね坂口さんに伝えたい物語……伝える前から坂口が笑っているって、どういうことなんだって思いましたよ。その時点で勝ちを確信したんですけども。
里歩 伝え甲斐がない。
アントン そうね。でも……いいこと言うね!
里歩 おっ!
アントン その時点で笑われたから、ちょっと歯車が狂ったのかな。
里歩 あー、そうですね。
アントン そのせいにしておいて、自分の力不足ではないってことにしておきたいよ。
里歩 力不足じゃないです!
アントン だよね! 俺は実力あるから!
里歩 そうです! 当たり前じゃないですか。
アントン あそこで笑われたら狂っちゃうから! 勝てるものも勝てなくなっちゃうよ! 調子狂っちゃうよ! 次やったら勝てるな! 次やったら里歩ちゃんがバーンとやってボーンとやって勝てる(苦笑)。
HARASHIMA 今日はね、このボクとアントンと里歩ちゃんでね、今日勝てばまたこの3人で組んで試合が出来るんでね。ベルトも獲れるんで、いろんな試合スタイルに対応出来る、幅広く闘えるチームだと思うんで。ちょっと勝てなかったですけど、また時が来たら組んでみたいし、たぶん無限の可能性があるチームだと思うので。
里歩 うん。
HARASHIMA 今日は叶わなかったですけど、また組んでみたいし、また頑張りますよ!
アントン 私も組んでみたいです!
HARASHIMA ね、そうだよ。だから今日勝てていたらまた組めたんだよ。
里歩 私もこの3人でベルト獲って、DDTの中で大暴れする未来を描いていたんですけど。
アントン スマン!
里歩 ちょっとそれが叶わなくて(苦笑)。でも相手チームもチャンピオンとしての在り方みたいなものを、すごく圧で感じたというか。そういうのがあったので、やっぱりチャンピオンは違うなって思ったのはあったんですけど、もしかしたら3人で組むの今日で最後だったかもしれない!
アントン 我々が?
里歩 はい! ないかもしれないじゃなですか! 分からないですよ。
アントン そうだね、言われてみれば! 俺だってもう42だから! 老い先……。
里歩 そういうことじゃないです!
アントン なかなかないからね。
里歩 ないですよね。だから組みたかったんですけど、また道は交わりますかね?
HARASHIMA ねえ。続けていれば。
アントン 信じれば夢は叶うと……そう思い続けます! じゃ、まとめます! 本当に里歩ちゃん、HARASHIMAさんありがとうございました! 負けましたけど幸せでした!
HARASHIMA 同じく。
里歩 同じく!
HARASHIMA 次は勝てるように頑張りましょう!
アントン 頑張ります!
里歩 おー!
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ディーノ そういうことだ。
立花 そういうことだよ!
ディーノ どういうこと?
立花 アイツがウソつきってことだ! もう始まっていたんだな、勝負は。俺はそこちょっと気を抜いてたな。さすがに。でも9月の後楽園はよぉ……俺は板橋の借り忘れてねえんだ。小指をお前……2週間くらいまともに曲がらなかったんだ。アイツのせいでよ!
ディーノ 次はどうしてやる?
立花 次はアイツの小指なんてもんじゃねえ。体をペチャンコにしてやるよ! この野郎!
ディーノ おお、世志琥センパイがな。
立花 そうだよ……ちげーよ!(苦笑)俺もだ! お前もだよ!
ディーノ 大丈夫?
立花 大丈夫だ! 余裕だよ、この野郎。
ディーノ 1回ここで何かを形にしましょうよ。
立花 おお。本当にそうだよ。DDTに参戦して……4月、5月くらいから出てよ、いまのところまともに結果なんか出してねえからな! そろそろがっちりベルトでも獲ってよ。俺の実力を舎弟どもに見せつけてやるよ、この野郎!
ディーノ そうみたいですよ。
立花 ……お前、何だよ!(苦笑)
ディーノ いやいやいや、私は全力でちゃんとサポートする!
立花 まあまあまあ……。
ディーノ 頑張っていこう!
立花 大!やってやろうぜ、この野郎!
ディーノ よし、世志琥センパイにひと言。
立花 あれだけ頼りになるヤツはいねぇからな、女で! とんでもねえ強さだ、あれは! 男も下手したらガリガリのヤツはイチコロだよ。勝てるヤツもそうそういねぇヤツを俺は味方につけたんだ。ってことはベルト獲れるに決まってんだろ、この野郎! 見とけ、舎弟ども! あ〜ん!
ディーノ ただまぁね、奇しくも男2人女1人の組み合わせ。この中で女賞美になったら、こっちにも完全にも勝負あると思っているからね。何か……うまく獲ろう。うまく獲ろう! とりあえず結果を!
立花 そうだ、とりあえず結果だ! まずは内容より結果だよ。覚えておけ、この野郎!
ディーノ 覚えておけオラ! あ〜ん!
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セミファイナル 30分一本勝負
準烈vsALL OUT全面対抗戦!
※リストクラッチ式エクスプロイダー
両チームが入場すると激しくにらみ合う両陣営。秋山と竹下で開始のゴング。両者激しく力のこもったロックアップで主導権を握りあう。竹下がヘッドロックからタックルで秋山を倒していく。竹下がコブラツイストを極めると秋山はロープへ。秋山が竹下の足を取ると大石にタッチ。竹下が強烈なチョップを決めると勝俣にタッチ。素早い腕の取り合いから、勝俣が秋山に大石をぶつけていくと、怒った秋山が飛び込み場外に勝俣を連れ出すが、逆に勝俣に鉄柵に投げつけられてしまう。大石から岡谷に代わると、エプロンから竹下が手を出し、場外に岡谷を連れ出すと、鉄柵に振ろうとすると、逆に竹下を鉄柵に投げつけようとするが、竹下はカニばさみで岡谷を鉄柵に突っ込ませると、ボディスラムで場外に叩き付ける。岡谷をリング内に戻すや、ALL OUTが代わる代わる岡谷を捕まえる展開に。飯野がハカを始めるも大石が阻止。これをチャンスとばかりに岡谷がエルボーを連打するも、飯野はボディスラムからハカエルボー。ALL OUTの猛攻に晒され、苦しい時間が長くなる岡谷だが、飯野にランニング・ネックブリーカーを決め渡瀬に繋ぐ。渡瀬が飯野を踏み台にして竹下と勝俣を蹴散らす。渡瀬が一機果敢に攻め込むも、飯野が強烈なチョップからブレーンバスター狙いも逆に渡瀬がブレーンバスター。続けてバックドロップを狙うが、飯野が耐える。延髄斬りからロープに走った渡瀬に飯野がラリアット。続いてスピアを狙うも、渡瀬はジャンプしてフットスタンプ。追撃する渡瀬に飯野がバックフリップ。飯野から彰人に代わると、彰人が俵返し。彰人が踏みつけ式の足殺しから足4の字狙いも、脱出した渡瀬がドロップキック。渡瀬から大石にタッチ。大石が彰人にスイングDDT狙いも彰人が投げ捨てる。大石の串刺し攻撃狙いを避けた彰人が勝俣と合体攻撃。カウント2。しかし大石が巧みに彰人に勝俣をDDTさせ2人同時攻撃。大石がミラクルエクスタシーを狙うが彰人は着地。大石がララ・マヒストラル。カウント2。大石が指示を出しフジヤマ・ニーロックを極めるも、飯野が慌ててカット。秋山と竹下に両者タッチ。飛び込んだ竹下がビッグブーツ、串刺しエルボーからフライング・ラリアット。竹下が秋山のバックを取ると、勝俣がトラースキック、飯野と竹下がダブルのバックドロップ。竹下と勝俣がバビロン。カウント2で準烈がカット。ALL OUTも飛び込み両チームが入り乱れる。リング内は竹下と秋山。竹下がバックを取ってジャーマン狙いも秋山が耐えると、解除してロープに走るも、秋山はカウンターのラリアット。秋山がフロントネックロックで竹下を捕らえる。竹下の力が抜けていくが、ALL OUTがカット。準烈がALL OUTを排除すると、ロープを掴んだ竹下の顔面に秋山がカチ上げのニー。ロープに走った秋山に竹下はラリアット。竹下が垂直落下式ブレーンバスターからザーヒー、カウント2で秋山が返す。竹下は「いくぞー!」と叫びジャーマンを狙うも、大石が飛び込み、飛び付きのスイング式コンプリートショット。竹下と秋山が両者ダウン。会場からは手拍子が起こる。先に立ち上がった秋山がランニング・ニーバット。カウント2。秋山がエクスプロイダー2連発から再びランニング・ニーバットを叩き込むもカウント2。ならばと秋山はリストクラッチ式エクスプロイダー。真っ逆さまに突き刺すと竹下も返せず3カウント。大の字の竹下の真上で準烈の4人が腕を上げ勝ち名乗りを挙げた。
【試合後のコメント】
ーー準烈として最高のスタートを切ったのではないでしょうか。
秋山 この前、(純烈に)「名前使っていい」って言われて、初っ端から負けるわけいかないから、リーダーもそうだけどそれぞれが自分の仕事場所をしっかり把握してやってくれたから、いい形に回してもらいました。バッチリだったな!
大石 バッチリでした。始まってまだ1ヵ月ちょっとのこの準烈がALL OUTに全面対抗戦で勝ったわけだよ! ほかのチームももういい加減油断出来ないんじゃないのかなっていう。確かに岡谷、どのユニットのメンバーよりも若い選手だけど……やるな! やるな! 言ってやれ!
岡谷 はい! 正式に準烈という名前を許可もいただいて、これから準烈として始動しはじめて、まず1勝目! 狙うからにはDDTだけじゃなくてプロレスの頂天を獲りたいと思います! まず1勝! この勢いでもっともっと上に行きたいと思います。これからもずっと勝ち続けます。
渡瀬 最後の場面、俺はリングにいなかったけど、自分の仕事が何なのか……俺は秋山準を信頼して託したし、秋山準は俺たちを信頼して最後リングの上で1vs1を集中してくれたから、この最高の結果が出たと思う。よくやってくれたよ!
大石 だそうです!
秋山 フフフ……お前は本当に相変わらずだな。まあまあまあ、いろんなヤツがいて、しっかりコイツもこうは言えども自分の仕事をしっかりやってくれたから今日の1勝につながったと思うし。あと、ボクに足らないのはこの渡瀬をちゃんと更正させること。ちゃんとした人間にすること。
大石 お願いします。そこはお願いします!
秋山 でもまぁ今日は勝ててよかった。でも彼(岡谷)、正直ボクが見ていても「何をやってんだよ」って思うところもあるけど、ただ前に行こう行こうという気持ち。この気持ちを見ていたら「コイツが行くんだから俺も負けていられないな」と思うし。コメントなんかどうでもいいんだよ! とにかくリングで前に前に行こうっていう気持ちだけ忘れるな!
岡谷 はい!
秋山 以上です! ありがとうございました!
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竹下 いいか? いいか? 俺がDDTの何なのか……俺の答えはな、俺はDDTの強さの象徴……俺はそうなりたい。秋山準が全日本プロレスで、NOAHで、そしてプロレス界でそうであったように、俺はDDTの強さの象徴でありたい。今日、負けて…負けたヤツが言うことじゃないけど、秋山準! 俺のライバルになってください。竹下幸之介のライバルになってください。俺が負けたところから始まるプロレスはこれが初めてや思う。絶対に超えるから! 俺は秋山準を絶対に超えるから、見ておいてください。今日はすんません。
彰人 いやいや。これはもう今日負けたのは竹下かもしれないけど、竹下が負けたってことは俺たちの負けだから。何かもしかしたら僕らの中で、僕らのほうがずっと組んでる長いからチーム力もあってっていう安心が、どこか僕らの中にあったのかもしれない。やっぱり現に今日、いつもの連携とかやろうとしたら大石さんに崩されたりとか。向こうは僕らが思っている以上に成長していて、(ALL OUTは)僕らが思っている以上に成長していなかった。この闘いまでの間。これはもう竹下幸之介が負けたんじゃなくて、ALL OUTの負けだよ。俺らも変わらないといけない。それは何なのか分からない。ALL OUTとして変わるのか、もしかしたらユニットとしてじゃない何かで変わらないといけないのか。分からないけど、俺たちも変わるときが来たのかなって。
勝俣 竹下幸之介に甘えていた! 完璧に甘えていた。ALL OUTは竹下幸之介がいればいいって思っていたけど、やっぱり個人でももっともっと……ユニットもそうですけど、まず個人の力をつけなくちゃいけないと俺は思いました。KING OF DDTもこの先あるし、俺は明日大日のデスマッチにも出ますし。このDDTの中でやっていないことをやっていって、また自分の武器を見つけたいと思います。
彰人 俺たち全員で変わろう! 全員で。竹下だけじゃない、俺たち全員で。
飯野 自分もずっと竹下さんの……6人タッグのベルトを持っていたときも竹下さんに変な話コントロールしていただいてて。自分が暴れていたときも竹下さんにコントロールされてやっていたんですけど、そろそろ自分もコントロールされるずに自分の力でやっていかないといけないかなって思います!
勝俣 やっぱりあとは秋山準だよ!
飯野 そうっすね。
勝俣 秋山準! 今日は負けたかもしれないけど、俺らは準烈に勝っているときもあるんだよ。今日が終わりじゃないからな。絶対に秋山準にリベンジしてやるから。個人でもそう! ユニットでもそう! 準烈にリベンジしてやる。覚えておけ!
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メインイベント 60分一本勝負
KO-D無差別級選手権試合
※シューティングスター・プレス。第75代王者が2度目の防衛に成功。
20時35分、試合開始のゴング。上野がリング中央に陣取ると、遠藤は周りをまわる。上野がロックアップから投げを見舞えばすぐに遠藤もヘッドシザースで返し、逆に遠藤が投げを見舞えば上野もヘッドシザースで返す。上野がグラウンドの展開に持ち込むと、遠藤は足を極めて優位なポジションを取らせない。五分の状況で試合が進む。上野がバックを取ると、遠藤がロープに押し込む。ここから一気に試合のギアが上がりロープを巡っての攻防に。上野がアストロシザースを決める。遠藤が突っ込んできた上野を場外に落とそうとするも、上野がロープを掴み、逆上がりで遠藤を捕らえ場外に落とす。上野がすぐさま場外の遠藤にトルニージョ。上野が遠藤をリング内に戻すと膝を落としていく。さらにチンロックへ。遠藤は手を噛んで脱出。遠藤がマンハッタンドロップから横っ面へのドロップキックを決めていく。遠藤がサイドヘッドロックで上野を追い込む。上野がカウンターのドロップキックを狙うが、その足を捕らえた遠藤はジャベで上野を追い込む。なんとか上野は脱出するが、遠藤がランニングのバックエルボーでペースを離さない。遠藤はブレーンバスター狙い。上野も逆に投げようとするが、遠藤は着地。ロープに走った遠藤に上野がカウンターのドロップキックを決める。上野がおっぴろげアタックから跳び箱式のフェイスクラッシャー。カウント2。上野がスリーパーで遠藤を捕まえる。遠藤は髪を掴むも上野は解除してサイドヘッドロック。遠藤がハンドスプリングの攻撃を狙えば、上野はかわして飛び付いてのウラカンを狙いも、ここを遠藤がライガーボム出切り返す。カウント2で上野が返すとそのままゆりかもめへ。上野は何とかロープに逃げる。10分経過。上野が張っていくが力がない。上野がエルボーとチョップ連打も、遠藤もエルボーを返す。上野がバックを取るも、遠藤はロープへ。遠藤のトラースキックがヒットし、さらにスワンダイブ式フォアアーム狙いも上野が阻止。遠藤はサミング。エプロンから技を狙う遠藤に上野がリング内から飛び付き断崖式フランケンで両者場外へ。上野がコーナートップから場外にケブラーダ。上野が大ダメージの遠藤をリング内に戻すと、コーナーから背面にミサイルキック。カウント2。WRの体勢になるも遠藤がコーナーに押し込む。上野をコーナーに載せると、遠藤もコーナーに上がるが、上野がエルボー。上野がコーナー上から飛ぼうとするも、遠藤が松井レフェリーを盾にする。それを上野が飛び越え、遠藤がけりを狙うが上野がキャッチ。上野が遠藤をコーナーに振ると、遠藤はまたも松井レフェリーを盾に。遠藤がスワンダイブ式フォアアームを決める。遠藤が前哨戦から何度も狙っていたリストクラッチとハーフネルソンの謎の技を狙うが、上野が丸め込む。カウント2。エルボーが何度も相打ちになると上野が前のめりにダウン。遠藤がラリアット狙いも、上野が延髄斬り。上野がハーフネルソン・スープレックスを決めるが、立ち上がった遠藤が飛び付いてカナディアン・デストロイヤー。ここから2人はエルボーが相打ち。ロープに走った遠藤に上野が顔面にドロップキック。両者ダウン。15分経過。ダブルダウンカウントが進むが、両者立ち上がる。突っ込んで来る遠藤を上野が迎撃するが、遠藤はブレーンバスターで上野をコーナーマットに叩き付ける。カウント2。遠藤がトーチャラック狙いも上野は脱出。ここで両者チョップの打ち合いに。さらにエルボーの打ち合いへ。上野が打ち勝つも、遠藤がオーバーヘッドキック。遠藤がハンドスプリングを狙うと、上野が空中で捕らえスリーパー。遠藤は立ち上がるとバックドロップ。しかし上野は離さず。しぶとくスリーパーで絞め上げる。そのままスリーパー・スープレックス。さらにブリザード・スープレックス・ホールド。カウント2。20分経過。上野がコーナーからフロッグスプラッシュ。カウント2。上野がWRを決めに行くが、遠藤は松井レフェリーを掴んで阻止。再び上野がWR狙いも、遠藤が耐えると、上野は腕を掴んだまま顔面を蹴り続ける。遠藤はヘッドバットからテツヤ・イン・ザ・スカイ。すぐさま上野は横十字で返すがカウント2。さらに再び遠藤がテツヤ・イン・ザ・スカイを決めるがカウント1で上野は返す。するとここで遠藤リストクラッチとハーフネルソンの体勢から決める変形のマスキュラ―ボム。エグい角度で上野の頭がマットに突き刺さるもカウント2で返す。すると遠藤がコーナーからシューティングスター・プレスを投下すると、上野も返せず3カウント。
エンディング
上野下し遠藤がV2!「俺が必ずKING OF DDT 2020、トーナメント優勝してこのDDTのリングに、ケニー・オメガを呼んでやる」(遠藤)
勝利した遠藤がマイクを持ち「上野よ、上野! てめぇの考えは俺にはわかんねぇ。興味もない。けど、今のままじゃこのKO-D無差別級のベルトを巻くのはまだまだ先になるな。満足してないって言うんだったら、何回でも挑戦して来ていいぞ。ただ! 忘れるな、今お前は1番……1番! 遠いところにいるんだ。お前に言うことはそれだけだ。さっさと帰れ」と言うと、上野は遠藤に視線を送りながらも吉村に抱えられ退場。会場からは拍手。遠藤が「今林、次の挑戦者は誰だ?」と聞くと、今林APが「次の挑戦者はKING OF DDT 2020の優勝者、そしてその挑戦者を11月3日、大田区総合体育館大会で受けてもらいます。もし遠藤選手が優勝した場合は挑戦者を指名してもらいます」と発表。それを聞いた遠藤は「指名……? 遠藤哲哉、KO-D無差別級のタイトルを懸けて試合したい人ランキング、第3位……武井壮! 第2位……橋本環奈! 第1位……長瀬智也! 実は、第1位は同率でもう1人います! 同率第1位……ケニー・オメガ!!(会場拍手)俺が必ずKING OF DDT 2020、トーナメント優勝してこのDDTのリングに、ケニー・オメガを呼んでやる(会場拍手)そして! 宮城県白石市出身のこの遠藤哲哉、第二の故郷、ここ後楽園ホール、必ずこのベルトを巻いて、戻って来るからよ。俺たちがDAMNATIONだ、俺たちは群れない、媚びない、結婚しない! このマザーアースは俺たちDAMNATIONを中心に回ってるんだ。覚えとけ!」と大会を締めた。
【試合後のコメント】
上野 久しぶりの後楽園で、入場したときに本当に嬉しかったです。人がいる後楽園、人がいる試合会場が本当に気持ちよくて。みんなの顔見たくて。本当に嬉しくて。セコンドの吉村君、DISASTERのみんな、大鷲さんは今日は実況席にいましたけど。頭髪の部分が見えましたので、本当に心強かったです。今日は本当に心強かったです! でもリングに上がって、ずっといつ緊張するんだろうなって思っていましたけど、緊張はしなかったですね。リングに上がっても楽しかったです。遠藤さんが目の前に立って、怖い顔してて、バキバキの体していても楽しかったです。僕がチャレンジャーだったので楽しかったです。
ーー試合後、遠藤選手から「いま無差別級のベルトから一番遠くにいる」と言われましたが、次KING OF DDTがあります。
上野 まずトーナメントがが’ある時点で一番後ろでも何でもないし、遠藤さんに勝てばまたチャンスがあるかもしれない。遠藤さんも言ってますけど、僕と遠藤さんは分かり合えないんで。僕は最後尾でも何でもないんで。僕は6人タッグか何かで負けたときと同じで、いつでも次にいけるぐらいの気持ちで。でも1年前の今日、吉村君が挑戦しましたね。
吉村 3年前だね。
上野 あれ、結構前だね! ちょっと頭打ったんで(苦笑)。3年前の今日、挑戦して。次の順番は僕かもしれないし、吉村君が行っても僕は全然嬉しいし、楽しいと思います。これからKING OF DDTも、無差別級も、タッグもずっと防衛して、もっとトーナメントも何もかも我々が勝って驚かせて、世の中を楽しくしたいですね!
吉村 はい。
ーー前回の挑戦との手応えの違いとかは?
上野 もういまはよく分かってないですね! あのときも映像で見て、僕が出し切って負けたなって感じですけど、今日もそうなのかもしれないし、もっと行けた気もするし。そこは……はい! 今日が完敗かもしれないし、僅差かもしれない、そんなことは僕には分からないですけど、次も次の順番ぐらいの気持ちで挑戦出来ると思っている結果です。よく分からないけど。
吉村 ハハハハハ。仕方ない。
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遠藤 この俺の第二の故郷・後楽園ホールに4ヵ月ぶりに帰ってきたぞ。後楽園ホールに4ヵ月ぶりに帰ってきたぞ!
ーー上野選手と対戦してみて、いかがでしたか。
遠藤 ……余裕。まだまだだね。まだまだ。アイツがやっていること、アイツの考え……いまのままじゃ少なくとも俺からこのベルトを獲ることは叶わない。それは今日やって感じた。見ている人間はどう思ったか分からないけど、アイツなりに頑張って、それが4ヵ月ぶりに今日来た後楽園の客に伝わっているのか、伝わっていないのかは知らないけど、まだまだだね。勝ちにこだわるって言うんなら考え方を変えないと。それがDAMNATIONの俺から言えるアドバイス。まぁこれをアイツがどう消化するのか、アイツ次第じゃない? 別に敵対しているユニットから言われたことなんて、素直に聞かなくてもいいしね。それは別にいいんだよ。俺には関係のないことだから。
ーー次はKING OF DDTが控えていますが。
遠藤 8月……リング上でも言ったけど、俺が必ずKING OF DDT、KODトーナメント優勝して、ケニー・オメガをDDTのリングに呼んでやるよ! 俺は忘れてねぇからな! 11月4日、アイツに一夜明け会見で言われたこと! 俺が一字一句忘れてねぇからな! 根に持つタイプだから。
ーーフィニッシュ直前に出した技にはどういう思いが?
遠藤 どういう思いで? 上野とのKO-Dタイトルマッチが決まって、プライベートの時間に『あつまれ どうぶつの森』をプレイしている最中に思いついた技! そういう思いで! あつまれ どうぶつの森……技名はたぶん変えるけど。まぁそういう経緯で生まれた技です。
ーーあの厳しい技を出したところに上野選手が成長したと感じたのですが、遠藤選手的にはそんなことはない?
遠藤 うーん……まぁ成長……成長というか何と言うか。アレを思いついて、もう2〜3週間経って、いつの日か出そうかなと思っていたけどダラダラとなって出せず、結局今日になってしまったっていうだけで。上野に対して出すつもりっていうのはサラサラなかった。前哨戦のときに平田一喜に出していた可能性もあるし、先週日曜日の伊橋剛太に対して出していたかもしれないし。とくには……そういう思いはないかな。
ーーとにかくいまはKING OF DDTを制して、ケニー・オメガを引っ張り出す?
遠藤 イエス! ネクスト・チャレンジャー、ケニー・オメガ!
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高木による大会総括「Show Must Go OnってことでこれからもDDTとしては大会を続けていこうとは思っています」
高木 ありがとうございました。DDTとしては4ヵ月ぶりですかね。有観客の後楽園ホール大会は。6月14日から興行は再開していたんですけど、やっぱり後楽園ホールというものは特別なものだなぁというのは、改めて思いましたね。これはもう会場側の「こういう形でやってほしい」という要請もあったので、応援の仕方というものが大きな声を出さないというところで。お客さんも拍手と手拍子ですね。新しいプロレスの見方といったものを、お客さんなりにやってくれていたのはありがたいなと思いましたね。何だかちょっとまた違う見方でもあったし、違う楽しみ方でもあったのかなと思っています。選手も感触をつかんで、お客さんに手拍子を要請したりとか、チョップの打ち合いなんかでも、お客さんが手拍子で合いの手を送るっていうのもあったりして、結構新鮮な光景でしたね。いま正直、ちょっとこのままどうなっていくのか分からないんですけど、また緊急事態宣言みたいなことは起こるか起こらないかは、僕らも分からないですし。ただプロレスは続けて行かなくちゃいけないだろうし、今日のVにもありましたけど、Show Must Go Onってことで続けていかないといけないと思っていますので。これからもDDTとしては大会を続けていこうとは思っています。
ーーまっするも後楽園ホール大会が発表になっていましたが、新しい応援方法みたいなものを今後も提案したりしていく?
高木 そうですね。そもそも新型コロナの感染防止の部分では、飛沫が飛ばないようにってところで。もちろんマスクもしていて、最低限防げるものではあるんですけど、その楽しみ方っていうのはひょっとしたらDDTなりの解釈っていうのが生まれてくるかもしれないですし、今日のササダンゴマシン&男色ディーノ&立花の試合であって、ちょっとどこかで聞いたことがあるようなリズム。ドン・ドン・ダーン、ドン・ドン・ダーンっていう、ああいうリズムとか。ああいうのがお客さんが楽しんで、一緒になってやっているのを見てさすがだなって思いましたね。さすが男色ディーノ&ササダンゴマシン(苦笑)。立花君はちょっと分からないけど、ああいう楽しみ方っていうのはDDTならではだと思うので、自分もアレを見て自分なりのお客さんの楽しみ方みたいなものは考えたいと思いますし。あとひとつ、上野、遠藤というこの世代でメインイベントが出来たっていうのは、僕の中ではすごく大きい・光ったと思っています。上野はたぶん初KO-Dの挑戦(※実際は2度目)、ひょっとしたら後楽園でシングルのメインは初かもしれない(※実際はこちらも2度目)。だから遠藤も頼もしかったなと思うし、そして彼の口から出たケニー・オメガって名前も、ちょっと自分としてはこういう情勢でどうなるか分からないですけど、本当に彼がKING OF DDTとかで勝ち上がったら、そういうところも考えないとなって会社としては思いますね。あとは秋山選手。レンタル移籍が非常にいい効果をDDTにとってもたらしているなと思うので、そこは継続して刺激を与えてもらいたいなと思っています。
ーー遠藤選手は去年の両国大会の一夜明け会見でケニー選手が言っていたことを、本人曰く根に持っているようですが、そこはDDTの若い選手が向き合っていかないといけない?
高木 うーん、でも何だろう、彼がいまケニー・オメガの名前を出したってほうが、遠藤哲哉の……こういう言い方はちょっとアレかもしれないけど、成長というか、団体を背負っているものを感じましたね「いま、その名前出す?」ってところじゃないですか。やっぱり。でも彼の中でその名前を出したっていうのが、僕の中でちょっと小さくまとまっているわけじゃない、外に目を向けているんだなとは思いましたね。もちろん、彼の中ではそういう悔し気持ちがあったんじゃないですか。
ーー秋山選手が来て話題づくりの点でも、率先してSNSで発信しているというのも各選手の思いが変わってきたっていうのは感じますか?
高木 あります、あります! やっぱりSNSの使い方が若い連中よりも、我々50代のほうが長けてますよ! 秋山選手とか僕のほうがうまいですよ! 秋山選手は元々10何年前にFacebookを使いこなしていて、全員にコメントをひとつずつちゃんと返していたっていう点でも…マメとかそういうことじゃなくて、すごくファンを大事にしているなっていうのを感じました。あとやっぱりSNSの切り返しがうまい! うまいというか、本当にすごい! やっぱりDDTに新しい風景をもたらしてくれているんじゃないかなって思いましたね。だって今日、準烈のメンバーですよ! 秋山選手だけじゃなくて。彼らはこういう言い方したらアレだけど、正直いままでの後楽園ホールだったら、そうしても第1試合、第2試合に組み込まれることが多かったですよ。でも今日はセミファイナルで、秋山さんと一緒に準烈でやって、もうすごかったじゃないですか! 上のほうの試合でやっても立派に闘っていたんで、意識がやっぱり変わってきたなって感じはしました。